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鬼の怒り

身の危険を感じた少年は、とっさにドアを押しひらいて外へ逃げようとした。

__が、遅かった。

二、三歩ほど外へ出たところ、にゅっとドアの内側から大きな鬼の手が伸び、少年のポロシャツのえり首をつかんだ。そのまま、ものすごい力で中へ引きこまれる。

「うわっ!」

気づけば少年は、ソファーに座る鬼の膝の上に腹ばいに伏せられていた。

「ひいっ、ごめんなさい! もう二度と、家のお金を持ちだしたりしませんからっ!」

「もういい、その言葉は聞きあきた……晃、おまえはいったい、何回同じことをくり返すんだ? さすがの私もがまんの限界だ。ひとの汗水流して稼いだ金をくすねるような悪い子……今日という今日は許さん。もう二度とできないよう、いやというほどにヤキいれてやるからな」

鬼は少年のハーフパンツと下着をするりと下げた。

つるん、と突きあがった白く丸いお尻があらわになり、少年は耳の裏まで赤づらして過敏に反応した。

「ま……昌兄お願い、それだけは勘弁してっ! オレ、もうしないから、今度こそは心をいれかえますからっ! だから、お願い昌兄、ねえ、ホントごめんなさいっ!」

「ダメだ、おまえのような悪い子には、この姿がいちばんお似合いだ……さあ、お仕置きを始めるぞ、覚悟はいいな?」

「……っ!」

鬼の硬く分厚く、筋肉質な腕がゆっくりと振りあがった。

その気配を感じ、まだ小柄な少年はさらに体を縮こまらせてぎゅっと身がまえた。

__次の瞬間、

パァン。

「いっ……!」

室内に乾いた音が響くのと同時に、お尻に鋭い痛みを感じて少年は顔をゆがめた。

パァン、パシッ、パァン。

「いっ、痛っ……ひい〜痛いっ! やっ、やめ……いっ、痛い〜!」

連続で降りかかる大きくゴツい強烈な平手に、少年はたまらず早々に音をあげはじめた。

「まだ始まったばかりだぞ? まったく、これくらいのことでワーワー騒ぐとは、高校生にもなって情けない……」

白い左右のふくらみに、ほんのりと紅の色が広がる。それは打たれるごとに濃さを増し、苦痛も蓄積されていく。

「いっ、痛い〜! 昌兄もうやめてよぉ〜、こんなのいやだぁ〜! ぎゃあ〜いってぇ〜!」

少年の悲鳴はしだいに大きく、いっそう苦痛に満ちたものになる。

手足を暴れさせてもがいても、鬼の太い腕におさえられて、上体は微動だにしない。

何十発も叩かれつづけ、あっという間にお尻は真っ赤に染まりづく。そこになおもくり出される、容赦ない平手の嵐。

パァン、パシッ、ビシッ、パァン。

「うえぇ〜んいだい〜、もういやだよぉ〜おねがいゆるして〜、もうしまぜん〜うぎゃあ〜ん!」

涙と鼻水、おまけによだれまでたれ流して、みっともなく泣き叫ぶ少年。そのさまは、まるで小さな子どものようだった。

少年がどんなに泣いて叫んで許しを請うても、鬼は無情にも丸出しのお尻に平手を振りつづける。その名のとおり、まさに鬼の姿である。

赤いお尻を左右に振り揺らして、少しでも痛みから逃げようと抵抗するも、鬼の硬い腕がそれを許さない。

その揺れにともなって、ちらちらと股のあいだからのぞく男性器も卑猥な踊りをしていた。

「ほら、男だろ男、ええっ!? これくらいのことでビービー泣くんじゃない、私の胸のほうが何倍も痛いわっ! 少しは根性見せてみろ、この悪ガキがっ! ほら、仕置きだ、仕置きっ!」

鬼の叱咤とともに、お尻叩きはさらに威力とスピードを上げる。

皮膚の焼きつくような強烈な痛みに、少年はろれつも回らぬほどにぎゃんぎゃんと泣き狂うばかり。

パァン、パシッ、パシッ、ビシッ、パァン!

「ぎゃあ〜ん、ごべぇんなざあぃもうゆるびでぇ〜、ひい〜いだいよいじゃあ〜い!」

パァン、パァン、パシッ、ビシッ!

「びえぇ〜んいやだぁ〜もうやべでぇ〜、おじりいばいよぉ〜、ごめんなざい〜もうにどどじまぜえん〜、おでがいゆるじでぇ〜まざにいぃ〜、ぎゃあ〜いだあい〜!」

お尻を強打する厳しい音と、少年の悲鳴の混じった泣き声が、たえまなく室内に響きつづく。

泣いて泣いて泣きまくって、ようやく鬼の打つ手が止まったのは、何十分もあとのことだった。

少年のお尻は、太ももの付け根からふくらみ全体にかけて、真っ赤に腫れあがっていた。見るにたえない、痛々しい光景である。

叩かれすぎてマヒでもしたのか、お尻の感覚はほとんどない。にもかかわらず、痛覚だけは強く明瞭に残っていた。

じんじんと火傷しているような激しい熱と、強烈な痛み。その部位だけがひどく重たくなったような感覚だった。

「……これにこりたなら、もう二度とひとの金に手をつけないことだ。しっかり反省しなさい」

少年の体を自由にして、鬼は部屋を出ていった。

ひとり残された空間で、少年は丸出しのお尻を突きあげたまま、幼い子どものようにわんわんと泣きつづけた。
[作者名]
アップル
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初めてネット小説を書かせていただきました。

拙い文章かもしれませんが、皆さん、どうぞよろしくお願いしますっ!

もし誤字や脱字があったらすみません(汗)
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