作戦名は復縁

む…よく開いたな。おっと静かに!!……ふぅ、危なかった。あまり大声で話すと気付かれてしまうからな。この大いなる作戦は今のところ重大機密なのだ。

俺にはとても愛らしい恋人が居た……しかし別れを告げられ、彼は姿を消した。俺の熱意(執拗な捜索)によって彼と再会出来たものの、再び恋仲になるという意思は彼の中に無かった。ならばどうするか。復縁を目指し、日々作戦を練り、行動するだけだ。君にはその助けとなってほしい。
ああ、しかし心配しないでくれ。復縁の助けになってほしいと言ったものの、俺は何も復縁のプロフェッショナルを探している訳ではない。勿論、君が復縁の経験者であるとか、恋愛において百戦錬磨の達人だというのならば、是非詳しく教えてほしい。だが何よりも、第三者の意見を聞いてみたいのだ。
俺は恋愛というものは……より幅広く言えば人間関係というものは、基本的には一対一であると考えていた。そこに第三者は関係無い。例え第三者が何を言おうとも、俺が、そして彼が、二人の中で是非を決めれば良いのだと思っていた。しかしその結果、彼は離れた。再び俺と彼だけで物事を決めようとしても同じ事になると思うのだ。だから君の意見を聞かせてほしい。なに、決して難しい事を聞こうとは思わないし、何が正解というものでもない。肉が好きな俺と魚が好きな彼の他に、野菜が好きだという君の素直な言葉を聞きたいというだけだ。勿論これは物の例えであり、君が肉派でも魚派でも構わない。

さて、多少なりとも理解してくれただろうか?他の頼みとしては背後が成人女性である事と帯を使える事のみ……としたところで、此方から提供出来る事柄について述べておこう。協力者となる事を依頼するには、此方から報酬を渡す事が道理であろう?
……などと言ったが、悔しい事に、大したものは渡せない。俺に出来る事は話を聴く事と話をする事のみ。報酬に石油を掘って渡せと言われても出来ないし、数学の難問を解いて偉大なる賞を得る事も出来ない。更に言えば決して連絡がマメという訳でもなく、いやこれは催促してもらえれば直ぐ様声を掛けるのだが……まあ、この通り、大した事は出来ない。日々の出来事を聴き、俺の意見を必要とされれば話し、場合によっては褒める宥める胸を貸す程度ならば幾らでもしよう。この報酬で良しとしてくれる者を求めたい。

俺の話し方(真面目系厨二病)が気に食わない場合は、ダウナー系お兄さんと元気系関西弁が控えているから呼ぶといい。では、素晴らしい協力者に出会える事を願っている。