1 柳生比呂士

【捜索】欠けた弄月。仁王君へ。

「幕を下ろすような厚い雲」
幕裏で秘め事を重ねる内、見え隠れする月の表情にどんな変化が生まれるのか──…新書を結ぶ紐を解く時と同様に心が躍ります。

私自身、君の呟きに同調したという事実もあります。

その紅差し指に絡んだ糸が左右どちらの腕であったか、敢えて伏せる辺りが非常に「らしい」です。
都合の良い男としての立ち位置には定評のある私です。どうぞ、御贔屓に。
15 柳生比呂士
報告を頂きましたので、記事を削除致しました。
14 仁王雅治
受け取ったぜ。
13 削除済
12 削除済
11 仁王雅治
取り急ぎ、反応を待たせてもらうぜよ。
10 柳生比呂士
こんばんは、仁王君。

お気遣い頂き有難う御座います。
提案内容を察するに、貴重な時間を割いて頂くには忍びないので私からも一つ。

21時からの10分間、板の場所と看板名、鍵となるパスワードを書いた紙を残します。他者へ認知される可能性はなきにしもあらずですが、…良ければこのまま約束の時間まで待っていただけますか?
9 仁王雅治
当日迄顔を出せんでスマンの。

用件のみの連絡となっちまうんは御容赦を。
今日鍵の受け渡しのみなら21時頃から10分程度、顔合わせ含め会話を交わすのであれば22時頃から就寝迄時間が取れそうじゃ。

何方にするかは御前さんに任せよう。
8 柳生比呂士
日頃の行い…、はは。
確信には至らずとも限りなく近いトコロを突かれましたね。常に生温い緊張感が付き纏う移ろい易い環境の中に暫く身を置き、酔い痴れたからこそ欲したのでは?「名の無い関係」という身勝手な安息地を──…君も。生憎ですが生徒からの指名制度は設けておりませんので、精々その緩やかに丸まった肉付きの薄い背を伸ばして指導料代わりにしっかり支えてもらわなくては。…冗談ですよ。

はい。では、22日の21時以降…それまでに板の下準備を済ませておきます。鍵の受け渡し自体簡易的な内容とはなりますが行動が可能な時間になりましたら一言頂けると助かります。…楽しみだ──では、また。
7 仁王雅治
人の心なんざ其れこそ移ろい易く、昨日の白が今日の黒なんて事も起こりうる。風化を望むと言うよりは、そうなるんが自然と思うとったっちゅう方が正しいかもしれんの。

出来過ぎた邂逅と言うが、其処に戸惑いを覚えられるんは日頃の行い故かねェ…?じゃが、生真面目に掲げられた目標には頬が緩む。覚悟を持って向き合わんとならんのは骨が折れるのう。家庭教師でも雇っちまったような心境じゃ。

条件の提示有り難うさん。そうなると確実なのは22日の21時以降になる。其れ以前の日じゃと当日今からどうかと言う打診しか出来なさそうじゃ。長考は俺も同じく。御互い気にせん方向で。其れじゃ22日で良ければ其の日にまた。
6 柳生比呂士
勿論、風化を望んだ君の呟きを掘り起こしてまで手を伸ばしたのは私自身なので当然「帰巣」となる空間の下地が整い次第エスコートはさせて頂きますが──…あまりにも偶然にしては出来過ぎた邂逅に正直なところ戸惑いもあります。だからと言って、半ば強引に絡めた縁……「フと思い出すような存在」という目標も出来た事ですし、早々に根を上げる程心身共にか弱くはありませんので。それなりの御覚悟を。

鍵の受け渡しのみでしたら平日・土日を問わず21時以降、午前0時前までは動けます。私自身、どうも長考傾向がありますのでテンポの良い会話は中々に慣れず申し訳無い…
5 削除済
4 仁王雅治
不利、其れは御前さんの物差しじゃろう。其処に安堵を覚える俺の様な輩は異形とでも言うんじゃろうか。喩え憑きモノが影に潜んで居ようが祓わずとも何ら支障は無か。

ずぶりと嵌まった脚を引き抜こうと藻掻けば藻掻く程に抜け出せんくなる。一層の事甘受し然も当然と振る舞う方が失うモンは少ない。―…じゃが、其の諭告は心に留め置かせてもらうぜよ。

否、御前さんの考えは興味深い。飲み込まれた言葉を秘め事の一つとし、幕裏でゆるりと聞かせてくれ。掬い上げられた此の手を握り返して紳士にエスコートされるんも良え。

一度落ち合う必要が有ると思うが如何する。都合の良い日や時間帯が有れば教えてくれると有り難い。
3 柳生比呂士
哀愁…、其れはまた若干不利な印象を。ですが、生憎憑きモノを祓う力は持ち合わせていないので其処は徐々に慣れて頂けると有り難い。

駆け引きの中でしか本音を生かす術を知らないとでも言いたげな口振りですが、…囚われ慣れてしまわれぬよう。大事なパートナーを「彼奴はオオカミ少年だから」と万人に指差され孤独に震える姿は決して心地良いものではありませんので──…

この特殊な街で出逢う者が皆、誰かが誰かの都合の良い男なのではないか、と。君に二つ名があるように、この街自体にも二つ名があると私は…──お喋りが過ぎました。君さえ良ければ板への移動を考えているのですが如何でしょう。
2 仁王雅治
何処か哀愁すら漂わせる御前さんの琴線に触れたと言うなら、欠けた月の欠片を集め無くとも互いの其れで隙間だらけの満月を作れそうじゃ。

戯言と称し「らしさ」を脱ぎ捨て溢した先に、絡めた糸に見出だしたんは「らしさ」であり。何とも心地の好い事。

都合の良い男。其れは誰にとって――…と、釘を刺すには至らん指摘を残して。馴染みになる日もそう遠くはなさそうじゃ。