1 作者不明

宇野

 駄目だろ。構うものか。可能性を丸めて、すすすすすと。ああだこうだ。松茸だろ。マスカットだろ。アレックスだろ。それから、あまりにアーリーサマー的愛情を真っ暗で掠めて死んだが、無視する。陰鬱な我々の、言わば……狂った出稼ぎ労働者。馬車道で走った夢物語。あっ。しまった。
 でも。
 腐った資本主義だからさ、辞めるときも、貴方のアイソレーションは夢見心地のアイソレーションだろ。それも駄目。なんじゃそりゃ。
 けど、真新しくてごめんね。許す頭の上から下まで、そのあとに、田中のバカが、ブラック的に大声で国会議事堂前で叫んだ。
「お味噌汁ちょうだい!お味噌汁ちょうだい!」
 ざざっ。
 ざざっ。
 丸くんにね、機械のスマート怪獣を試しにマスカットしながら、豊(ゆたか)は保(たもつ)にこう言った。
「バルチック艦隊だから、エロチックもっこりは、まだ一番かい? ふざけんな」
 ああ無実。保はキレて、猿股ばあちゃんを放り投げたから大変だ。どうしよう。可能性はゼロではないけど、どうも暖かい殺し文句も三倍の弱点。ダントツ。暖房器具。
 ばりばりばりばり。
 稲妻が走る。資本主義が走る。夢と希望を加速させろ。行け。父親が入院した。今度は死ぬかもわからん。勤務先の店で父親に似たおじいさんを見かけ泣きそうになる。父親はたまに買い物に来てくれた。
 でも、MAX番号のふっくら仕立ては鍛え抜いたマスカットのバレバレじいさんを夕暮れで。アップ。おりゃ。暑いから、ってな負けん気を負けん気のままで、ぶっぶぶ。ぶっぶぶ。ぶぶぶぶぶぶ。
 なるほど。
 ヤング的やん?
 あー、そういう資本主義かね。そんな近代化計画など無視して、父親は戦う。戦って戦って戦って。妹も弟も葬式の話してる。あきらめてる。でも父親は戦う。生きる気満々だ。今日も病院で必死になって戦ってる。
 だから。
 オレもがんばるぜ。
 まるかだってがんばるぜ。
 それが人生だろ。

 ファック。
「お味噌汁ちょうだいーっ」
「いいよー」
 父親のギャグは愉快。まるかは可愛い。だからオレは幸せ。
 図書館に行った。本を読む。宇野浩二を読む。「屋根裏の法学士」がおもしろいと感じた。
 なんというか、うまく説明できんが少し感動的だった。まー、言語化するのは難しいが、そういうこともあるさ。人間だもん。
 宇野浩二!
(WX12K/w ID:Ss4TNH)