1 作者不明

神様

 彼はセックスをしたことがない。若いとき小説家になるまでセックス禁止と決めた。 
 彼の父親が入院した。もうすぐ死ぬ。だから彼は焦る。父親に孫を抱かせたい。セックスをしないと!
 でも、また小説が落選。これではセックスできん。
「どうしたらいいんだ……」彼は頭を抱える。このままでは父親が死んでしまう。焦る。
 そんなある日。コインロッカーを開いたら赤ちゃんが入ってた。
「ええええええ」
 彼はガッツポーズをとった。警察に見つかる前に赤ちゃんを父親に抱かせないと。
 そのときだ。女性が走ってきた。「はあはあはあ。光男ちゃん」赤ちゃんを彼から奪い、わんわん泣いた。「ごめんねごめんね」
「なんかようわからんが返しなさい」
「? あたしの子です」
 彼は怒鳴った。
「コインロッカーに赤ちゃんを捨てるようなやつに子育ては任せられない!」
「旦那がトラックにはねられて死んで、気が狂っていたんです」
「なるほど……そういうことか……」とそのとき、ケータイの着信音。病院からだ。「お父さんが危篤です」
「わかった。すぐ行く」
 彼はもう時間がないと思って、女性から赤ちゃんを奪った。「み、光男ちゃん!」「悪いな」
 彼は赤ちゃんをだっこして、走った。
「ま、待ってえ」女性は追いかける。
「きゃっきゃっ」何が楽しいのか赤ちゃん笑ってる。
「はあはあはあ親父死ぬな。もうちょっと生きてろ。孫を抱かせてやる」
 病院に到着。医者が暗い顔をしてる。父親はすでに死にそうな感じになってる。
「はあはあはあ親父」
 以下の父親のセリフは彼の翻訳である。実際にはうううとか、むううとかしか言ってない。
「ううううたけし。わしはもうだめだ。ん?」
「なんだ。どうした」
「誰だ。後ろの女性とその赤ちゃんは?」
 彼はとっさに嘘をついた。「俺の子供と嫁さんだよ!」
 女性はえええええええとびっくり。「どういうことー?」あかちゃんは相変わらず「きゃっきゃっ」と笑ってる。無邪気だなー。
 一番びっくりしたのは父親。息子が女性にもてるタイプではないことを知ってたから。
「えええええええたけし。マジかマジなのか。やるじゃねえか! お前!」
 父親が驚きのあまり、起き上がった。これには、医者と看護士たちもびっくり。
「奇跡だ」
「そんなバカな」
「ミラクルよ!」

 神様はいた。
 
(WX12K/w ID:Ss4TNH)
2 かみさま
 
「ふぉっふぉっふぉっふぉー。なんとも言えん、意味深でユニーク小説を書いておるようじゃのぉー」

……といった神は、天使に、赤ちゃんポストの鍵を渡した。それを渡された天使は、イッタイ、誰に、この鍵を渡そうかと考えた。赤ちゃんポストの地域付近から、候補は3人に絞られた。

1組目は子供のいない老婆、老婆は去年、長年連れ添った旦那を失ったことによって悲しみに覆われていた。この人なら、きっと、赤ちゃんを大事にしてくれるだろうといった想いの元、天使は候補リストに加えた。

2人目は独身の青年、青年はビンボーで身よりもなかったため、金銭面からの心配はあったものの、根本にある優しさとユーモアセンスから、ノビノビとした子供に育つだろうといった未来を見通し、候補となった。

そして、3人目は赤ちゃんをポストへ入れた女性、この女性の顔にはアザがあった。傷もあった。全身にケガも負っていたが、それを洋服で隠していた。赤ちゃんをポストへ入れた女性は居たたまれない後悔によって、大量の涙を流していたが、それを確認した暴力亭主は(パッパ―)と、クラクションを鳴らし、彼女を車へ乗せた。彼女は自らの子供をポストへ入れた事を悔やんでいたが、それ以上に、旦那に対する恐怖心が勝っていたため、どうすることも出来なかった。

天使は直接人間に触れることは出来ない。それは神の役目である。今は神から鍵を渡す人物を輩出することを頼まれ、それこそが役目ともなっている。なので、天使は、この暴力亭主を直接的にどーすることも出来なかったが、考えた。そして、行動に移した。

まずは鍵を老婆の家の前に置いた。

鍵にはポストの住所とロッカーナンバーの書かれたメモも付属されている。それを見て、老婆は、近所ということもあって、早速、ロッカーへ向かった。
 
ココでもう1つの合鍵を青年の部屋へ置いた。青年も同じよう、ロッカーへと向かった。更に、3つ目の合鍵を、暴力亭主と母親が食事を取る、食卓の真ん中に置いた。(チャリン)「おい?なんだこれは?これって、あのロッカーの鍵じゃねーか?なんのつもりだ?」「そ、そんなもの知らないわよ」「知らないもなにもあるか。この家には俺とオマエしかいねーだろ。まさか、オマエ、あのガキをコッソリ助け出そうってつもりじゃねーのか?正直に言えぇぇえええー!!」妻は毎度のよう、暴力亭主の暴力の被害にあった。天使はそれをじっと見守るしかなかった。結局、暴力を振るえど、実際に事情を知らない妻は、これ以上、言えることもなく、夫は妻を連れ出し、ロッカーへ出向くものとした。

(ブーン)(キキィ〜)「なんだありゃ?」

ロッカーには人だまりが出来ていた。

               (〜つづく〜)
 
(PC ID:uT5YMk)
3 作者不明
なんじゃあ!
めちゃ長いやんけ。仕事終わったら読むぜ。ありがとーよ。
(WX12K/w ID:Ss4TNH)