とーよー行方不明

だんだん慣れてきた。

　オレ、竹島たけし。小説を書いてる。オレの師匠、パイナップル師匠の話をする。聞いてくれ。
　師匠はほんとにヤバい！頭がおかしい！統合失調症だ！
　オレがおもしろい作品を持ってくと嫉妬して怒る。つまらん作品を持ってくと手抜きだと怒る。
　どないせーちゅうねん。
　かわいい女の子が作品を持ってくと、つまらんくてもデレデレしながらべた褒めしてる。もし、おもしろかったら怒りをこらえてニコニコしながら褒めてる。
　真面目にパイナップル師匠はムカつく。天真爛漫ちゃあ天真爛漫。けど身勝手ちゃ身勝手。
　だからオレはある日、おもしろくもつまらなくもない普通の作品を持ってった。これで怒られたらもう知らん。
　やっぱり怒った。理由を聞いたら、毒にも薬にもならんからとのこと。まあ、そりゃそうだけど。
　かわいい女の子が普通の作品持ってたらバランス感覚がいいねえとべた褒め。
　ムカつく！
　そんな師匠にもいいとこがある。
　あるけどムカつくとこが多すぎて忘れた。バカヤローっ。

　
俺は老人徳たけし、EU改革連盟のチーフでコーチの平塚とーよーとは師弟関係に当たる。なんでも、会社は俺のクローンが欲しいとのことで精子を提供してやったのは３ヶ月前の話、ふつー生まれて３ヶ月と言えば、泣いて、寝て、起きて、オッパイしゃぶってるだけの赤ん坊だが、クローンはクローンっつーことで、ふつーの人間の何倍ものスピードで進化されられるらしく、そんなクローンが現在、同時進行で２００体程育てられているという話を上司から聞いた。そして、その中の１人、竹島たけしは小説家を目指しているとかなんとかで、俺はソイツに合わされる事となった。