1 韻踏まん

懺悔 反省と感謝の日々

おれの名は韻踏まん
まあしがない高校生ってわけなんだが
実はおれにはもう一つの顔があって…


MAGE「いよぉぁ!韻まん何してんだい!」


韻踏まん「おれが道を歩いていたら悪いのか?あ?」


MAGE「またまたぁ!(笑)ほんっとう無愛想なんだからぁっ!(笑)そんなんじゃ彼女なんかできないよぉ?(笑)」


韻踏まん「ふん…余計なお世話だ…」


この妙に馴れ馴れしく話しかけてくる人間
おれの住んでいるアパートの管理人なんだがやけにテンションが高くておれはいつもまいっている


MAGE「そういえば今日韻まんの隣の部屋に引っ越してくる人がいるからちゃんと挨拶しとくんだよ!」


韻踏まん「…おれには関係ない」


MAGE「またまたぁ!(笑)韻まん馬鹿なんだから無愛想だめだよぉ!(笑)フゥワッ!(笑)」


…無愛想か…

いや…これでいいんだ…

じゃなきゃおれは…


「あ、あのっ!こ、これ食べてくださいっ!」


韻踏まん「…あ?」


「き、今日はバレンタインなのでっ!わ、わたしはっ!!!キャアッ!」


いきなり目の前でコケた女


韻踏まん「(なんだ?こいつ…チッ…)」


しょうがなく彼女の手を取り立たせようとしたその時


まるでおれの氷のように冷たいハートが派手な音を立てて崩れ去った


「いてて…またやっちゃった……うぅ〜…あっ!す、すみません!ありがとうございますっ!!わ、わたし今日からあなたの隣の部屋に引っ越してきました百合っていいます!!お、おちかづきのしるしにちょ、チョコをと思って!!」


ーーー顔を上げたかのじょは美少女だった


おれのハートはこのチョコレートのように甘く溶けていった


韻踏まん「ーーーお怪我はないですか?そうだ、このハンカチをつかってください。ストックなら部屋に無数にありますので是非ご覧になっていってください。今お茶を作りますのでこのほろ苦い出逢いとチョコをともに過ごしましょう。わたしたちはもう高校生、大人なんですからーーー」


韻踏まんの夏の暑い1日がはじまった