全く…オレは『敢えて』言ったのに。

オレはキミの親父を「普通じゃない」と言ったが、そこに何も疑問を抱かなかったかい？
「お前だって普通じゃないのにそんなことを言える権利があるのか？」とか。

生憎オレにとってはキミの親父も杉原千畝もヒトラーも同じだよ。
オレには実際のところ『普通』とか『常識』とかいう概念がないんだ。厳密に言うと必要ないから捨てたってことだけど。
何せ行動するのに一々付き纏われちゃ鬱陶しいからね。

そして体面を保つなんてのもオレにはない考え方だ。自分じゃない何かからの、極抽象的な評価のために自分を取り繕うってことだからね。
要は偽者の自分だよ。演者・俳優・役者 何とでも呼べるけど、つまりはそういうことだ。
つまらない柵にとらわれ、最早それが正しいと思い込むようになり、やがて人生の規範になる。洗脳と同じってやつだぜ。
そしてそういう状態が長く続くと、やがてに『演じるための偽の自分』が本物になってしまう。
愚民はこうやって作られていくってことだ。

そもそも、それが真ならこの世界はこんなに腐っちゃいない筈だろうよ。

で、キミはあろうことかそれを他人に求めている。おかしな話だね。
オレは、説明などしなくとも初めから正しいと証明されているかのように見せかけたキミの『普通』を押し付けられているってことだろう？
何せ、オレは知ってるよ 『普通』『常識』と言いさえすれば、その正しさを理解させる努力をしなくていいってことを。
自分を良く見せたい人間や周りから浮きたくない人間はそれだけの言葉で簡単に屈服してしまうってことも。

パッとしない他人からの評価に一喜一憂し、おおよそ自分を見失ったまま生きていきたい…そういう人間になら通じたかもしれないね。
しかしオレには通じない。もう、敢えてそれから離れた人間には何の価値もない言葉だよ。


というワケで僕が楽しめそうな何かを持ってきて、よろしく☆