Ψ 言霊の宿木 Ψ

過去ログ1257 2006/4/10 22:24

東「目白老
流れ桜
北から始まる詠
揺られ揺られて
がたごとと
窓の外を
流れゆく桜
さあさあ
満開の桜や

あれ
寝てしまったのか
しばらくぶりに見ると
君に緑がちらついた

窓の外を
流れゆく桜
さあさあ
移ろいゆく命や

ああ
再び見たのは
南の首都
君はすっかり緑をまとって

遠くから見るけれど

葉桜も好きだと
そう
思えた
4/10 22:24
HP

塔nルヒ
女性
ヒトリゴト
君は誰?

私の記憶の片隅で
誇らしく佇む
君は誰?


知らないのに
妙に懐かしいのは
何故?

騙されているのは
世界かそれとも私か

真実は今も
口を開こうとはしない


君は誰?
4/10 21:05

塔nルヒ
女性
四月某日
湿った土の匂い
容赦なく打ち付ける雨は
鋭く熱を奪う

四月なのに吐く息は白い

こんな日でも鳥は臆する
事無く空を舞う

私はただバスを待つ


寒いのに雨の景色が
嬉しくてしかたなかった

そこまで子供じゃないはずなのに

なぜか心が澄んでいくようだった
4/10 20:07

痘ム
男性
 朝
 空気を清む
 濁り窓
 閉じた睡気を
 明け放ち
 水と氷の
 朗々と
 移られ行く画
 静閑に
 湯水沸く色
 愁々と
 澄みて拡がる
 豆の粉
 再びにじむ
 にごり窓
4/10 19:57

塔nルヒ
女性
享楽主義者
また一つ

貴方は

落とした


そんな顔で

また一つ

いっそ哀れなぐらい


落ちた花びら
朱に連なる

呪いのコトダマ
飾りつけ

過ぎた日々は
清いぐらい残虐で

怒りさえ
刃の前に消えていった


変わったようで
変わっていない

落とすたびに


夢で泣いている


貴方はとんだ享楽主義者
4/10 19:45

搭木
「控報」
薄闇の中振る雨は
控えめな音を立て

地を冷やしていく

咲き誇る桜の花は
垂れた雫の重みに

耐えかねて落ちる

其は春と云う刻が
移り変わって行く

報せなのだろうか

明日には空晴れて
泥濘んだ土の中に

淡色の花弁が隠される
4/10 18:08
HP

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