Lappの覚え書き

過去ログ27 2022/12/22 14:46

▼Tessho
20221222
今日は12月22日。2が多い。今日は「冬至」。一般の「記念日」は無いようだ。当時にぶつける記念日は
一般には作らないみたいだな。 その冬至は1年がぴったり365日ではないので,1日ズレることはあるようだ。
で,今日の日付を西暦から打っていくと「20221222」となって,「おやっ,2が並ぶねえ」
と思った次第。まあ,「ただーそれだけ〜〜」なんだが・・・
(2月22日のほうが「20220222」で0と2だけになるから,まあこの日に話題にするかな)


▼Lapp
オシロの入力抵抗は1MΩだった
下の昨夜の実験で,「ちょっとよいオシロで観測しないと,上記の様子は記録できない」
と言ったのだが,原因はオシロの表示性能ではなく,オシロの入力抵抗の影響だった。
今朝,朝飯を食いながら,ハッと脳内ランプが光った。オシロを繋げた瞬間,状態が
変わって「回路が動作停止」になったのでは?と思って思い巡らし,思いついた。
さっそくLTspiceで確かめた。(電池オシロの入力抵抗は1MΩだった。)
図1はシュミットのペーシングパルス発生回路部分だが,従来の上向きパルス発生回路
である。上はオシロを繋がない状態,下はVcを観測するためにオシロを繋いだ状態。
前に実機でVcを観測していた時は,「見えてる波形が回路の波形だ」と思っていたんで
あまり周期のことなど考えず,三角の波が見えて「納得」していたんだが,図1見て愕然。
「私は『真実』を見ていない!」と。図1の場合は,オシロを繋いでも,発振中のVc
を観測できることがわかるが,オシロ無しで周期=895ms,オシロ有りで周期=446msと
オシロを繋げると,周期が半分(発振周波数が2倍)になることが分かった。
今度は,下向きパルス(5V→1Vパルス)のシミュレーションをして見た。結果は図2に
示すような「衝撃の事実」。図2はダイオードを逆向きにして出力に下向きのパルスが
発生する回路だが,上はオシロを繋がない状態,下はVcを観測するためにオシロを
繋いだ状態は図1と同じである。オシロを繋がない状態では,キチンと発振しており
周期=895msと図1の上の状態と全く同じである。周期はほとんどC1R2の時定数で
決るので当たり前と言えば当たり前である。衝撃は下である。オシロを繋いだ瞬間,
波形は消失する。すなわち,発振しないのである。道理で「実機で観測できない!」
わけだ。さて,この現象の理由を考えるのだが,長くなるので「今日の話はまた明日!」。
(PS:皆さんも理由を考えてください。電子工学的「頭の体操」です。難しくはない。)


▼Tessho
Schmitt Pacemakerのデマンド機構を考える2
図1は“1st demand pacemaker”の発振時のコンデンサ―C1の電圧Vcの波形である。
Q1のコレクタ(PUTのゲートに相当)の電圧4.5V(Vcc=9VをR3,R4で2分割した電圧)
にQ2のベース・エミッタ電圧0.6V程度を足した振幅で上下(上5V,下1V程度)している
のが分かる。図2はデマンド機構が動作する時のVc波形(5秒後以降はR波によって
ショートされる)である。Vcはショートされた瞬間ゼロになり,その後充電されていくが,
PUTがonになる前にショートされるので,PUT発振器は発振できない。で,出力は
出なくなる(「inhibitされた」という)。
(ただ,ペーシングパルス発生時のVcの最低値0.9Vとデマンド作動時の最低値0Vは
ほゞ同じであるのがわかる。←このことの意味は,後で明らかになる。)
さて,この予備知識をもとに,Schmitt de PacemakerのVc波形を見てみると,図3の
ように,発振している時は, C1の電圧Vcはヒステリシスの範囲で上下する(74HC14の
場合は2.5V±0.5Vの範囲)ので,Vcは図左の赤波形のようになる。この波形の,
high→lowの遷移領域でパルスを発生している。
図4はデマンド機構をつけたSchmitt de Demand Pacemakerの回路図であるが,ここに
途中から,ペーシングレートより早い周期の心電図が入力した場合,C1はリセットされ,
Vcはゼロになる。発振時の2V→3VのVc波形とは大きく異なる(ここがPUT pacemaker
と大きく違うところである)。このことの弊害を考えてみる。
図5は,5秒後に速い心電図が入力し,さらに10秒後にその心電図が消えた場合を想定
したDemand Pacemakerの応答である。波形の一番上は,ペーシングパルスと心電図を
重ねて表示してあるのは,このレートで心臓は鼓動し拍出していることを意味している。
この波形を見ると,10秒後に心電図が消えて,本来のペーシングパルスが回復するまで
の時間が,それまでのペーシング間隔より長く(2秒位),心臓の休止時間が長くなるという
問題が生じる。これは,中段のVc波形で,心電図でゼロにリセットされたC1電圧Vcが
Schmittが発振するレベルまでにC1R2(s)の時定数で上昇していく時間で,これが通常
発振の周期の2倍ほどかかってしまうためである。このことを解決した回路が図6である。
図6ではリセット用のトランジスターQ2に直列に放電抵抗R6を入れて,ゆっくり放電
すると,心電図R波パルスで放電された時,Vc=2V付近になるように調整して,ペーシング時
と同じ状態にすると,心電図が消失したときに,前のペーシングレートでペーシングパルスが
発振されるようになるのである。
ちょっとペースメーカのマニアックな話になっているが,demand機構を考える上で,
大事な話なので,すこし詳しく話した。 Up 12/20 10:15


2826

掲示板に戻る