Lappの覚え書き
過去ログ39
2023/1/27 18:12
▼Tessho波形出力をSchmittに入れて方形波に脈波の数を数えて心拍数に変換するには,脈波を方形波に変換できれば,何かと(?)
便利である(利用方法はまた解説・実験をするが)。そこで,脈波センサーの出力を
Schmitt triggerに入れて,方形波に変換できるかやってみた。図1のように74HC14
のSchmitt2個を使って,その出力(方形波)を脈波と同時にArduinoオシロに入れて
観測した。図2のように,脈波出力はA0端子に,Schmittを2個通した(1台目で位相
が反転するので2台目で正立にもどす)出力をA1端子に繋ぐ。スケッチは,1ch用のを
2ch用に改変して使う(1ch分をコピーするだけなので手間はかからない。変数に注意)。
結果は図3に示すように,飽和するような大きな入力時は確実に方形波に変換できる。
しかし,図4のように上手く変換できないことも多い。74HC14のヒステリシス特性は
Vcc=5Vでは,high=3V,low=1.8Vとなっているが,図4を見て分かるように,脈波の
ベースラインが1.8V付近にあり,時にlowと判定しないので,2つの脈波を1つと判定
するなどの不具合が生じるものと思われた。そこで,図5のように,脈波の出力に100kΩ
の抵抗を3本付けて(200kΩと100kΩでいいんだが,手近の100kを3本使ったまで),
出力を2/3にしてSchmittに入れてみた。これがピンポンで,図6のように確実に方形波
変換ができるようになった(schmittの特性があるので,本来は微調整が必要)。また,
二段脈の際のPVCは小さい脈波を呈し,これが「無効収縮(ほとんど拍出をしない収縮)」
になるのだが,図7に示すように,無効収縮のPVCは検出しないという「当初の私の目的」
が達成された。ウレシイ。
さて,この方形波に変換された脈波をどう利用するかは,またこの次のテーマである。
https://i.imgur.com/5TqxKdb.jpghttps://i.imgur.com/d7cM7S4.jpghttps://i.imgur.com/QWc2SXJ.jpghttps://i.imgur.com/uOM3iJZ.jpghttps://i.imgur.com/8m3GGOF.jpghttps://i.imgur.com/MjrqG1u.jpghttps://i.imgur.com/z7nUcCN.jpg
▼Tesshoトリッキーな脈波モジュール回路脈波モジュールは,簡単に脈波がとれるんだが,図1のように,脈波が大きくなる
位置に指を乗せると,ピークが飽和してしまう。増幅度を下げたり,入力のバイアス
電圧を下げたりすると,改善?されるかもしれないが・・・回路の検討を始めたところ
かなりトリッキーな回路のような気がしてきた。
回路をLTspice解析用に書き起こしたのが図2であるが,この回路の周波数特性をLTsS
してみると,図3上のように,なんとも「おかしな特性」である。3Hz付近にピークが
ある,帯域フィルターのような特性。低い方は,CRフィルターの特性のようだが,高い方
が下がっていくのは,単電源オペアンプでの非反転交流増幅の基本である図内のC4,C5
の影響のようだ。また,3Hz付近で,位相が-180°となっているのは何故だろう?と
いろいろ疑問が出てきて,回路解析していく羽目になった。
図3は,この回路に,脈波波形に似た三角様の波形(下,青波形)を入れた出力(上,
赤波形)を見ているのだが,出力波形は脈波に見えるが「逆転している」ようだ。
そこで,図4のように,入力の模擬脈波波形を図3とは逆転して入れると,赤波形のよう
に,観測波形脈波にそっくりになる。3Hz付近成分が強調された波形になっている。
ここでピンときた。センサー部から出た信号は,図4のように「脈波を逆さまにした波形」
になっているのでは?ということだ。
センサー部のAPDS-9008のデータシートを見ると,図5のように,光が当たると,出力
には電圧が発生するので,出力電圧は光量に比例することが分かる。ところが,脈波の
ピーク(指血管の中に血液が充満する時なので,光は多く吸収される)時は,反射光は
最弱状態になるので,このセンサーの出力は脈波とは「逆位相(逆さまということ)」
になるので,図4のような入力になっているハズなのだ。
しかし,一般に「非反転増幅器」では,入力と出力は「同位相」になるハズで,図4の
結果は,本来おかしいのだが・・・ここで,図3の全体特性が「3Hz付近で,位相が-180°
となっている(位相が逆転している→波形がひっくり返る)」ってことを思い出すことに
なり,これで,この回路が脈波計として成立していることになるのである。
この脈波モジュールの解析はまだまだ続くが,今日はここまで。
https://i.imgur.com/5k9mQOW.jpghttps://i.imgur.com/lHr1u4S.jpghttps://i.imgur.com/z6e5nlC.jpghttps://i.imgur.com/VtsnNSa.jpghttps://i.imgur.com/tS7tADn.jpghttps://i.imgur.com/4MoT2pA.jpg
▼TesshoWikipedia“文化勲章”文化勲章でwikiを探ると,4人の辞退者の辞退理由が分かった。それなりの理由のようだ。
おっしゃるところの「非公表辞退者」の弁も知りたいところ。
とかいっても,こちとら,そんなものに縁のない(ない^10乗以上)私どもは,賞金を
くれるなら考えてもいいのに・・・とスケベ根性を出す。で,調べると
=====
文化勲章には金品等の副賞は伴わない。これは日本国憲法第14条の規定(勲章への特権
付与の禁止)によるものであるが、文化の発展向上への貢献者に報いたいとの意図により、
文化勲章とは別制度として1951年(昭和26年)に文化功労者年金法が制定され、前年度
までの文化勲章受章者のうち存命者を一律に「文化功労者」として顕彰するとともに、
以後も文化勲章受章者は同時に文化功労者でもあるように運用することとした。これにより、
文化勲章受章者は、文化功労者年金法に基づく終身年金(現在は年額350万円)が支給される。
=====
だそうだ。年金の少ないご時世。350万は大きいな・・・とスケベ庶民の弁。
Up 1/25 15:58
▼Tessho透過型?反射型?下で作っているCds脈波計は,LEDとCdsがならんだ「光反射型脈波計」である。
反射型というのは誤解を招く。表面からの反射光の計測ではなく,指内部に入り込み
吸収され,散乱し,外に出てきた光の計測なので,むしろ「散乱型」というべきかも
しれないが,いわゆる「透過型」も内部で吸収・散乱された光の計測なので「散乱型」
ともいえるので,ここでは,光源とセンサが平行して置いてあるのを「反射型」,対向
して置いてあるのを「透過型」と呼ぶことにする。
パルスオキシメーターはほとんど図1のような「透過型」が使われる。指巻き付け型
のディスポもほとんどが透過型だ。図2のような「反射型」も見られるが,固定に難
があるようなので,主流に離れないようだ。ただ,センサとしては,アマチュアが
使うのは,実はほとんどがMAX30100という「光源+センサ」一体型の微小IC(
内部回路にパルスオキシメーター回路を含む)が使われているようだ。
前に実験した「赤外線LED+赤外線フォトトラ」の脈波計など,私が「反射型」を好む
のは,単に「作りやすいし,実験しやすい」からだ。下のCds脈波計も,光源を別に
基板に取り付け,「透過型」として測ってみたが,固定が難しく(ちゃんとした筒を
つくればいいんだが・・・)安定して脈波が取れない。測定波形はほとんど反射型
と変わらないが,振幅は50~100%とやや小さめ(固定の仕方による)のようだ。
https://i.imgur.com/Bcnw6S5.jpghttps://i.imgur.com/Z0sOizw.jpghttps://i.imgur.com/gRM4vQT.jpg
▼TesshoCdS脈波計2+不整脈について秋月から図1のようなCdsが届いたので,これでテストすることにした。
回路は図2であるが,Cdsの負荷抵抗は,指を乗せた時のCdsの抵抗を測って50〜70kΩ
だったので,RL=51kΩとした。なお,LED電流制限抵抗R1は5.1Ωがついていたので
そのまま使った。図3のようにして脈波をオシロで観測した。なお,センサ部は黒い
タオルで覆って部屋の照明光(LED)を遮断した。観測波形を図4,5に示すが,指の乗せ方
で波形の大きさが変わるが,整脈時230mVが得られた。小生はたびたびPVCがでるが,
PVC頻発時の波形では,倍近い380mVの大きな波形が得られた。PVC時の波形は特徴的
で,振幅が大きいことと,途中にノッチのようなコブがみえることである。
このことを考えるために,ここで,不整脈時の脈波についての考察。
図6は「容積脈波」に関する参考書からの引用(↓)だが,
http://img.p-kit.com/neurojo/biofeedback/1499840843027328700.pdfPVCが出ると脈波(PPG)にコブのようなノッチがみえることが分かる。
私は普段からPVCが頻発するが,時々図7のような二段脈(整脈とPVCが繰り返す脈)
になる。上の図5の波形もそのような時の脈波だ。2019年1月〜3月ごろは,旧テッショウ塾
では「LTspice循環モデル」にハマっていて,いろいろな解析をしてきたが,図8は二段脈
を発生させる循環モデルで,各部の波形(心内圧や動脈圧,静脈圧など)を観測できるが
動脈圧波形からCRフィルターを通して脈波を観測したsimulationをしたもので,二段脈
時に脈圧がおおきくなり,途中にノッチがみえるのが分かる。図9は,図8の波形のうち
整脈時の脈波(上段)と,「整脈+PVC」の二段脈時の脈波波形(下段)であるが,これは
図4,5で観測した,整脈脈波とPVC脈波と同じ傾向を示すのが分かるだろう。
この「LTspice循環モデル」1からの説明は難しいので,いずれまた詳しく取り上げること
にするが,教育用としては「自慢のモデル」である。
https://i.imgur.com/0RvTyu4.jpghttps://i.imgur.com/JBHHVVm.jpghttps://i.imgur.com/UQCiP20.jpghttps://i.imgur.com/PV2DySM.jpghttps://i.imgur.com/clzJwEy.jpghttps://i.imgur.com/yeog7pq.jpghttps://i.imgur.com/XEpcwSD.jpghttps://i.imgur.com/TwYwnpt.jpghttps://i.imgur.com/ahqh50U.jpg