Noriaki Ono
過去ログ5
2022/10/1 10:31
▼Tesshoこんな構想下の「NMOSを発熱素子にしてヒートシンクの熱抵抗を測る」として,図1のような構成
を考えた。大量に保管してあるNMOSのIRFZ44Nを発熱素子とし,これを定電流回路で
定電流を流し,発熱させ「熱源」とし,これを「供試ヒートシンクHS」に取り付け,NMOS
に貼り付けたサーミスタで温度を測り,小型温度計モジュールで表示させ,温度上昇が
落ち着いた頃の温度T(℃)を測り,NMOSの消費電力P(W)から「NMOS+HS」の熱抵抗
を測って,HSの効果を測ろうというものだ。なお,HSそのものの熱抵抗でなく,全体の
熱抵抗を測って,もともと(HS無しの)NMOSの熱抵抗からどの程度改善したかを調べる
ものである。全体に初めての試みになる(個々には基礎的な実験はしてきたが)。
図2はNMOS発熱部分の回路だが,「オペアンプ+NMOSソースホロア」でフィードバック
を掛けて定電流回路とし,NMOS内での消費電力P(W)を一定にして,これを熱流源(
シミュレーションでは電流源になる)にして,ヒートシンクに熱を伝え,どの程度冷却
されるかから,総合熱抵抗を測るものである。なお,P(W)は図に示したように,NMOSの
ドレイン・ソース間電圧Vdsと負荷抵抗RL(10Ω)の電流(=Vs/10)との積から求められ
全体の温度上昇T(℃)をはかれば,総合熱抵抗はT(℃)/P(W)となる。なお,Vsは定電流を
定めるV1と同じになるはずなので,V1を調整すれば,P(W)は自由に設定できる。
図3はLTspice simulationであるが,RLの電流I(Rl)(NMOSを流れる電流と同じ)は
制御電圧V1で完全に制御できており,V1とNMOS内消費電力P(W)は一定の関係にあり
発熱量を制御できることを示している。図3の下のグラフは,このNMOS・IRFZ44Nの
単独(裸の)「素子−周囲空気」間の熱抵抗62℃/WからP(W)における単独素子の温度上昇
T(℃)を計算(=62(℃/W)*P(W))したものだが,グラフのW軸(右側)を℃に読替えると
V1=2VすなわちVs=2V(I(RL)=2/10=0.2A)のとき,P(W)=2.6Wなので,すでに限界値
150℃を上回っていることが分かる。HSを付けた状態では,温度はもっと低くなるので。
HSの効果が分かる。
図4は,秋月で売っているグローバル電子株式会社のHSの熱抵抗のデータだが,一番
小さい11PB015では46.4℃/Wなので,P(W)=2.6Wの時,T(℃)= 46.4(℃/W)*2.6W=121℃
とわずかに温度上昇は抑えられるが,大きな15PB054では,9℃/Wなので,P(W)=2.6W
の時,温度上昇はT(℃)=9(℃/W)*2.6W=23℃と非常に小さくなり大きなHSの効果が分かる。
こんな「構想」で作ろうと思っている・・・この「夢想段階」が一番楽しいんだが・・・
(今,実工作のレイアウトを考えているのだが・・・なかなかメンドウそうで・・・)
▼Tesshoヒートシンク放熱特性試算のポイント(グローバル電子株式会社)
(ただし、破断面はこの限りではありません)
材料アルミニウム合金
材質A6063S-T5
ピン部黄銅スズメッキ(破断面を除く)
端子部SPCC+スズメッキ
押し出し型公差JIS H4100普通級
切断寸法公差300mm以内 ±0.5
切削加工公差JIS B-0405中級
表面処理脱脂のみ(処理なし)
黒色アルマイト
白色アルマイト
指定色アルマイト
(ただし、破断面はこの限りではありません)
▼Tessho保存容量は無制限あ,本当だ!
Z-Z BOARDのホームページに図のように
「過去ログ倉庫に全ての投稿が保存されます。一覧タイプ・スレッドタイプ共に全投稿が
容量無制限で保存されます。もちろん、過去ログ倉庫を削除したり無効にする事も可能です。」
と出ている。へぇ〜〜〜
https://i.imgur.com/8JUkfVX.jpg
▼Tessho非接触体温計を買った放射温度計でデバイスの表面温度を測ろうとすると「若干低い」ことは
>放射温度計は低目??? 2022/9/5(月)22:43
で報告した通りであるが,普通の放射温度計で「体温測定」ができるかも検討した。
Amazonで「体温計」を検索すると,図1のようにズラッと出てくるが,従来はサーミスタ体温計
がズラズラと出てきたが,最近は「非接触体温計」がまず出てくる。しかも,サーミスタ式の2倍
程度で買えるのである。しかし,手持ちの「(工業用)放射温度計」で額で体温を計測すると,図2
のように,33〜34℃程度しか示さない。第一,常に外気に晒されている「額」の温度が「深部体温」
と同じであるわけではないので,図2の測定結果は「正しい」ものと思っていた。では,市販の
非接触体温計(医療機器の分類上の一般的名称は「皮膚赤外線体温計」)はどうやって体温を「正確に」
測っているんだろう・・・と長年疑問に思っていた。そこで調べた。そのため,まず1つ手に入れようと
図3のタニタの「非接触体温計 BT-54X」を買ってみた。そのHPなどで取説や解説を読むと,図4
のように,その原理として,次の様に書いてある。
「人の額表面から放射される赤外線量を測定し、舌下(舌の裏側)温度に換算してデジタル表示します。」と。
なーんだ,やっぱり「換算温度」を体温として「表示」しているに過ぎないんだ,と納得!ただ,その
アルゴリズムはそれぞれの会社の実験データなどに基づいたもので公表はされていない。
買った「タニタBT-54X」には「体温測定モード」と「温度測定モード」の切換えがあって,温度測定モードは
普通の赤外線放射温度計と同じで,対象物の表面温度を測定し,体温測定モードでは,その表面温度を
内部で計算して「舌下温度に換算表示」するようだ,実際測ってみると,図5のように,体温は36.5℃
表面温度は33.4℃で3℃ほどの乖離があり,表面温度の計測を補正して体温として表示しいることが
明らかになった(この補正式は分からない。沢山のデータの集積と統計処理で決めたんだろう。)。
まあ,一応はすっきりした。
もちろん体温計として使うが,これからこれをどう「研究」に使っていくかは,決っていないが,折角の
投資なので,いろいろやってみよう。
なお,図6,7に添付文書や外箱表示を示す。キチンとした添付文書や認証番号表示,電撃保護の型や
タイプの表示,医療機器分類や一般的名称の表示,並びに製造元の表示(タニタだから日本製と思ったが
「中国製」(発売元は台湾だが?)だった。タニタは「製販業」なんだな。)がある。
https://i.imgur.com/wGHeq0D.jpghttps://i.imgur.com/igK5MEg.jpghttps://i.imgur.com/ZE817Je.jpghttps://i.imgur.com/G3tAbkw.jpghttps://i.imgur.com/mnPXG1B.jpghttps://i.imgur.com/3Huhv6d.jpghttps://i.imgur.com/hlMY1iL.jpg Up 9/23 10:09
▼Tesshoサーミスタ温度計また,台風が発生したね。最近は日本のすぐ近くで「温帯低気圧→台風」だね。
連休はまた雨で,日本列島は大変だね。隠居の身には関係ないけど・・・
さて,素子の温度を測るため,サーミスタ温度計を引っ張り出した。
秋月で,図1のような,サーミスタ温度計(-50℃〜100℃ 高速応答型) が僅か\340で手に入る。
ただし,サーミスタ部が大きいので対象素子に取り付けられないし,熱容量が大きいので
応答が悪い(高速応答ができない)。そこで,これも秋月で1個\50〜\60で買える小さな
サーミスタに取り替えて使っている。
図2はSEMITEC株式会社(石塚電子株式会社)の超薄型サーミスタ103JT で,
図3は株式会社村田製作所(muRata)のNTCサーミスタ(温度検知・温度補償用)10kΩである。
それぞれ,
SEMITEC超薄型 muRata微小型
・抵抗値:10kΩ±1%(25℃のゼロ負荷抵抗状態) ・抵抗値(25℃):10kΩ±1%
・B定数:3435K±1%(25℃、85℃のゼロ負荷抵抗状態より算出) ・B定数(25-50℃):3380K±1%
でほゞ特性は同じである。
サーミスタは温度によって抵抗が変わる温度センサであるが,その抵抗と温度との関係は図4のように
温度に対して指数関数的なので,電子回路でlog変換して温度表示する。その時,大切なのは25℃での
抵抗値R25とサーミスタの特性を決めるB定数であるが,上記2種のサーミスタはほゞ同じ特性である。
muRata微小型は,図3下に示したように,25℃〜85℃の間ではB=3431で,SEMITEC超薄型の
同温度範囲のB=3435とほゞ同じで,このサーミスタの材質は同じものと考えてよさそうである。
なお,R25=10kΩで,B=3435K(Kは温度単位のケルビン)とB=3380Kのサーミスタの温度表示誤差
を計算すると,図5のようになり,25〜150℃の範囲で,最大3℃程度なので,B定数の違いはそれほど
気にしなくてもいいようだ。もちろん,ほとんど同じなら問題は無い。
また,もともと付いていた黒い太めのセンサの常温の抵抗は10kΩあたりであったので,R25=10kΩと
考えてよさそうで,後はB定数が同じであればよいのだが,B定数を測るのは容易ではないので,図1
のサーミスタ温度計のセンサ部分を切り離し,代わりに図2,図3のセンサに付け替えて温度を比較する
という方法で「確認」して見た。結果は室温で,図6のような結果になり,ほゞ使えそうだと結論した。
SEMITEC超薄型は防水型(長さは2.5cm〜10cmのタイプがある)なので「液温」を測るのに適しているし
muRata微小型はTO220型のFETなどに貼り付けるて「素子温度」を測るのに適している。
これから,muRata微小型をNMOSなどに接着し試してみるつもり。
https://i.imgur.com/0ETNdD8.jpghttps://i.imgur.com/jlJLmBT.jpghttps://i.imgur.com/o5sqT7u.jpghttps://i.imgur.com/O1rvvNS.jpghttps://i.imgur.com/cNlzmCm.jpghttps://i.imgur.com/C8aosro.jpg Up 9/22 12:18
▼Tesshoびっくりした〜〜さっき,午後3時ごろ「秋月商店」に通販を申し込んだ。
それが下の「申し込み確認通知mail」。
https://i.imgur.com/D0hkloI.jpgそれが,おどろいたことに「さっき,発送した!」の表示。
https://i.imgur.com/d0g332M.jpgこんなことは今までに一度も無かったこと。なんでだ?びっくり!
佐川からさっきお届け通知が来て分かったんだが,
https://i.imgur.com/46j4MqQ.jpg■お届け予定日時
2022/09/22(木) AM8:00〜12:00 とのこと。お〜〜びっくり。
まあ,部品小計¥2,190に送料¥500(合計¥2,690)を払うっていう通販も皆さんにはびっくりかも。
作りたい!と思ったときが,注文時!なのです。
Up 9/20 19:16
▼Tesshoそーいうことね!こんな小さなHS付きのLM317モジュール(図1)で,その性能として「出力電流:1.5A」
などとよく言うな!と思っていたんだが(下の実験でも,せいぜい0.3Aが最大出力電流),
あることに気がついて実験して「納得した!」。そーいうことね!
実験設定は図2のように,potを調整して,出力電圧を最高にセットした。DC24V入力で
Vout=22.5Vとなった。これに20Ω(20Wのセメント抵抗)を負荷として付けた。負荷電流は
22.5V/20Ω=1.13Aで,下の実験ではすぐ「熱保護機構(電流制限)」が働いて,Voutが
たちまち低下してしまうことを想像するが,実際は,図3のように,5分経過してもVoutの
低下が起こらない!この時の表面温度を測ると,図4のように,LM317は118℃で使用温度内
となっている。すなわち,熱保護機構は働かない温度範囲であるということである。
負荷抵抗は234℃となり,下に敷いたMDF板が焦げる匂いがした(すぐに下にピンセットを差し込み
浮かした)。この抵抗での消費電力は20Ω*(1.13A)^2=25Wとなり,定格の125%越で,
300℃近くになってもいい消費電力だった。
さて,LM317の温度が上がらなかった原因を考えると,LM317内での電力消費は,Vin-Vout
の入力電圧差×出力電流だから,(24V-22.5V)*1.13A=1.7Wでほとんど消費していないことに
なるので,内部温度は上がらないのである。このことを「出力電流=1.5A」と高々と宣言
しているのである。実際は,LM317は可変電圧レギュレータだから,1.25V〜22.5V(DC24V入力で)
で使うのだから,一番内部消費が大きな,Voutの最大値22.5Vの半分程度のVout=11.3Vくらい
での発熱に耐えられるかどうかが「本当の性能」なので,やっぱり「盛り過ぎ」だろう!
(参考に,図5に20Ω負荷で,出力電圧Voutを変えた時の,LM317内部消費電力のグラフをLTspiceで示す。)
https://i.imgur.com/uj7TcHp.jpghttps://i.imgur.com/yfVnFmm.jpghttps://i.imgur.com/OoqupuO.jpghttps://i.imgur.com/fxVBmBy.jpghttps://i.imgur.com/6GzS1Ac.jpg Up 9/19 17:07