みしみし
過去ログ66
2023/11/6 16:51
▼苑を発句です。連句ってどうするんだっけ状態ですが、前回の巻を見ていたらやりたくなりました。ベタベタな発句を置いてみます。ゆかりさん、如何でしょうか。
行く秋や日本シリーズ七戦目
▼三島ゆかり季重なり問題について 衣谷さん、ご意見ありがとうございます。
一点、「三月」と「花の雨」の件ですが、植物みたいな自然のものについては歳時記の仲春とか晩春というのはあくまで目安で、実際に咲いていれば別にいいじゃん、というくらいのゆるさで接しています。
参考までに気象庁の東京の桜の満開時期のデータです(2011〜2020年の10年分と平均)。
東京 * 4/6 4/6 3/22 3/30 3/29 3/31 4/2 3/24 3/27 3/22 3/31
一句の中に「三月」と「花の雨」が併置されていても、私は日常生活者として違和感を覚えません。
よろしくお願いします。
Up 11/6 11:21
▼嵯峨澤衣谷ご説明、有難うございました 今回、初めて座に参加した者の不躾なコメントに対し、丁寧なご説明有難うございました。
月・花を愛でた句とそうではない句という区別の発想は、私にはなかったです。
同字に関しては、私は厳しくもないし緩くもない立場の人間だと思っています。今回「2023/10/19木22:58」で同字に触れたのは、「双子」がウ2句目・「唐辛子」がウ5句目と、同字三句去りの去嫌に障っていたからです。したがって、第三の「来て」・ウ4句目の「来る」、あるいはウ9句目の「北窓」・ナウ5句目の「北半球」に関しては、ゆかりさんも述べられていたように折も違うし、そもそも去嫌ではないのでまったく不都合はないと考えています。
一方、ナウ5句目の匂いの花の句の「三月」に関しては、もちろん月の句ではないのですが、むしろ「三月」が仲春時候の季語であり、晩春植物の「花の雨」との季重なりの方が気になりました。ゆかりさんは「2023/10/30月13:36」で、「八月というのはかなり幅があります。旧暦の八月朔日は新暦の8/27〜9/23ほどの幅です。言いたいのは、(略)昔の人がおおらかに暦を考えていたのと同じくらいのルーズさで、私たちも初秋、仲秋、晩秋を考えればいいのではないかなあ、ということです」と書かれました。ゆかりさんのご指摘通り、季節の幅をおおらかに考えるのは理解できるのですが、一つの季節の中での初→仲→晩の順番は変わらないと思うので、「三月の北半球の花の雨」に若干の違和感があるのは正直なところです。ただしこれは、俳句というものがよく分かってない私の欠点なのでしょう。
連句とは捌きの作品と考えていますので(映画制作でいえば、監督。ただし今回は連衆を集められるところから始められたので、ゆかりさんはプロデューサー兼任でしたね)、今回、みしみし連句会の座に参加させていただき、ゆかりさんの捌きに触れ、大きな刺激を受けました。私の不躾なコメントに懲りずに、またお声かけ頂ければ幸甚です。
Up 11/4 0:07
▼三島ゆかりなるほど 衣谷さん、貴重なご意見ありがとうございます。進行中にご指摘いただいた同字の件も含め、ここの捌き人(=私)は、すがたかたちや引いた視点よりも乗りとか勢いとかの方の関心が強いので、そういうことになってしまうのだと思います。
月、花に関しては、ちゃんと月、花を愛でた句と、そうでない句が全体の中でばらけていれば、よしとしています。今回でいうと、
ちゃんと月、花を愛でた句
月涼し南蛮漬に唐辛子 諒
園丁もうかと見とれる花の昼 ゑ
そうでない句
月白にハヤシライスの香り来て りゑ
満月をスマホに撮す人あまた 庵
三月の北半球の花の雨 泉
月と食べ物の取り合わせがふたつあるのは捌き人の失策かもしれませんね。花の座の句に月が隠されていたのは今気がつきました(^^);
体言止めが多いのは、今はなかば積極的にそのようにしています。直球に目が慣れない程度に変化球があればいいかなという感じです。案の段階では皆さんから多くの体言止めでない句も頂いていて、まだ大丈夫、と体言止めの句を採っているのは、ひとえに捌き人の趣味です。
ほかにもお気づきの点があれば、伺わせて下さい。ありがとうございました。
▼嵯峨澤衣谷祝・満尾(その2)2:体言止めが非常に多いこと
「2023/11/1水10:03」で提示された歌仙では、体言止めが36句中27句で、その他が9句です。私の感覚では、歌仙での体言止めの句は20句前後なので、非常に体言止めの句が多いと思いました。またその他の9句の句末を見ると、第三・ウ3句目・ナウ2句目の3句は「〜て」と言い差しで終わる形。オ6句目・ウ12句目・ナオ3句目・ナウ1句目は「動詞の終止形」で、バリエーションが限られています。
体言止めの句が続くと、箇条書きの一行詩が羅列されている感じになります。それぞれの句で詠まれている内容が前後と繋がっていても、言葉遣い(措辞)での繋がりがないと、歌仙全体の流れが切れ切れになると思いました。
たとえば失礼ですが、ウ3句目〜9句目を私なりにあらためてみました。
さよならのホームランさへ眩しくて り
ポルトガル語で来る夏見舞 ゑ
月涼し南蛮漬けに唐辛子 諒
手がかり多き殺人事件 庵
真実に半歩遅るるアキレウス 泉
移り住みたるテリー・ライリー 璞
北窓を開く古民家あちこちに 谷
↓
さよならのホームランさへ眩しくて り
ポルトガル語で暑中見舞いを ゑ
夏の霜南蛮漬けに唐辛子 諒
手がかり多き殺人事件 庵
真実に半歩遅るるアキレウス 泉
テリー・ライリー移り住んだら 璞
北窓を開く古民家あちこちに 谷
以上、今後の参考にしていただければ幸甚です。
Up 11/2 23:12
▼嵯峨澤衣谷祝・満尾 歌仙「柿紅葉」の満尾、おめでとうございます。お捌きのゆかりさん、連衆のみなさん、本当に有難うございました。2週間ほどで歌仙を巻きあげるというのは、初めてのことであり、また連衆のみなさんの、私には到底思いつかない斬新な句案に接し、非常に貴重な体験となりました。あらためて有難うございました。
ただ連衆の一人として参加いたしましたのに、何のコメントもしないのはかえって失礼かと思い、2点だけ思うところを述べさせていただきます。
1:「月の句」と「花の句」について
捌きのゆかりさんはもちろん、今回の歌仙で月・花を詠まれた方々も、月の句・花の句を軽んじているとは思いませんが、結果としては、月の句・花の句を大切にしていないという誤解を受けそうです。
その理由は、第三・ウ5句目・ナオ11句目の月の句がすべて長句であるのに3句とも上句で月が詠まれているからです。順不同で構わないから、月を上句・中句・下句で詠む…少なくとも3句とも同じ上句では詠まないという配慮/変化が欲しいと思いました。花の句も同様に、2句とも下句で花を詠むのでは、初折の花も匂いの花も、工夫なくただ詠んでいるだけだと思われたら残念です。
Up 11/2 23:32
▼北原 諒折端の件短句と雖も広く深いものですね。ここは主人の捌きにお任せいたします。よろしくお願いします。
▼三島ゆかりええと、 巻いていた当時たしか私の脳内では、打越に「迫るドローン」があって同じかたちになるけどどうしようかなあと悩んで、「ミサンガ切れる」のままにしたような気もします。両方直せば落ち着くか…。
北窓を開く古民家あちこちに 谷
囀るやうにドローン迫る り
園丁もうかと見とれる花の昼 ゑ
すれ違ひざま切れるミサンガ 諒
倒置の場所をかえて
北窓を開く古民家あちこちに 谷
囀るやうに迫るドローン り
園丁もうかと見とれる花の昼 ゑ
ミサンガ切れるすれ違ひざま 諒
という別解もありかも。
Up 11/2 16:30
▼北原 諒折端変更の件貴重な指摘有り難いです。全体の中で引き締まるのも確かですね。納得してます。可能ならば、「切れるミサンガ」として頂いて結構です。短句自体も、流れからしても、その方がいいように思えます。可能でしたら、訂正お願いします。他にも気になるところありましたら、遠慮無くご指摘下さい。皆さんと交流出来て、うれしい限りです。
▼三島ゆかり遊凪さん ご感想ありがとうございます。
そうですね、折端については体言止めの方が締まるかも。貴重なご意見ありがとうございます。
遊凪さんも、折をみてまたご参加下さいませ。
連衆の皆さんもご感想、ご意見をどしどしお願い致します。
▼遊凪柿紅葉の巻 満尾祝いゆかりさん ご連衆の皆さん
柿紅葉の巻 満尾おめでとうございます。
時々は覗きに来ていたのですが、もう満尾とは早いですね・
味わいのある発句に続いた一巻だと思います。
歳をとったせいかもしれませんが、ナオ4・5・6が良かったですね・
かじかむ指に固きペン胼胝 庵
やは肌の記憶あふるる掘炬燵 り
今でも言へる電話番号 璞
句としては
ウ2 双児の姉がピンチヒッター 谷
ナオ9 善悪の彼岸に消ゆる病蛍 泉
挙句 田螺しからば自転公転 璞
が良かったように思います。
また、ウ12折端の
すれ違ひざまミサンガ切れる 諒
は、句も切って?
すれ違ひざま切れるミサンガ
も有りのようにも思ったりしました。
どうも 寝ぼけたような勝手な感想です。
有難うございました。
▼三島ゆかり今回はほぼ半月で歌仙を巻いた訳ですが、そのくらいのペースだと勢いも緊張も途切れず進められるような気がします。また、今回は連衆からの突っ込みも多く、捌いていてたいへん楽しかったです。あらためてありがとうございました。
まだ多少の差替は受けつけますので、なにかお気づきの点があればご指摘下さい。気づいている範囲だと北窓/北半球の同字問題がありますが、こちらは折も違うことですし、気にしないことにしたいと思います。
▼三島ゆかり柿紅葉の巻 満尾 璞さん、ありがとうございます。一句目が圧倒的にいいでしょう。
『戦争と平和』に挿すや柿紅葉 衣谷
添水の音に揺るるゆふぐれ ゆかり
月白にハヤシライスの香り来て りゑ
影の行き交ふ蠟燭長屋 諒
自転車の荷台に葱と招き猫 媚庵
ついでみたいに小声で告げる 冬泉
ウ 警報が出なかったならデートも可 璞
双児の姉がピンチヒッター 谷
さよならのホームランさへ眩しくて り
ポルトガル語で来る夏見舞 ゑ
月涼し南蛮漬に唐辛子 諒
手がかり多き殺人事件 庵
真実に半歩遅るるアキレウス 泉
移り住みたるテリー・ライリー 璞
北窓を開く古民家あちこちに 谷
囀るやうに迫るドローン り
園丁もうかと見とれる花の昼 ゑ
すれ違ひざまミサンガ切れる 諒
ナオ お土産は雷門のところてん 庵
テーブル掛に卯波鱗波(こけなみ) 泉
Amazonのクリックまたも為損ずる 璞
かじかむ指に固きペン胼胝 庵
やは肌の記憶あふるる掘炬燵 り
今でも言へる電話番号 璞
画家と書家褒め合つてゐるカウンター ゑ
呉越同舟誰も知らない 谷
善悪の彼岸に消ゆる病蛍 泉
誘ひ込まれし茸の館 諒
満月をスマホに撮す人あまた 庵
黒き四角き碑文なき板 り
ナウ 小半の酒と佃煮ならべおく 璞
ごんも地蔵も初雪つけて ゑ
還暦の再現したる学芸会 谷
父母の写真のうららかな頬 諒
三月の北半球の花の雨 泉
田螺しからば自転公転 璞
起首:2023年10月15日(日)
満尾:2023年11月 1日(水)
捌き:三島ゆかり
これにて満尾とします。皆様ありがとうございました。しばしご歓談下さい。
Up 11/1 12:33
▼璞挙句おはようございます。
宜しくお願いします。
@田螺しからば自転公転
A地図広げては待てる強東風
B地図傾けて黄沙流さん
C甘納豆の寒食の膳
D田螺すなはち悪臭をなす
Up 11/1 8:56
▼三島ゆかり柿紅葉の巻 名残裏 5 花 冬泉さん、ありがとうございます。これは四句目の前半がいいでしょう。打越との関係の中での写真の父母はすでに故人かもしれず、付句との関係の中では南半球に残してきており、「花の雨」によって、なんだか今の暮らしがあまりうまく行っていない感じをうすうす感じさせます。
『戦争と平和』に挿すや柿紅葉 衣谷
添水の音に揺るるゆふぐれ ゆかり
月白にハヤシライスの香り来て りゑ
影の行き交ふ蠟燭長屋 諒
自転車の荷台に葱と招き猫 媚庵
ついでみたいに小声で告げる 冬泉
ウ 警報が出なかったならデートも可 璞
双児の姉がピンチヒッター 谷
さよならのホームランさへ眩しくて り
ポルトガル語で来る夏見舞 ゑ
月涼し南蛮漬に唐辛子 諒
手がかり多き殺人事件 庵
真実に半歩遅るるアキレウス 泉
移り住みたるテリー・ライリー 璞
北窓を開く古民家あちこちに 谷
囀るやうに迫るドローン り
園丁もうかと見とれる花の昼 ゑ
すれ違ひざまミサンガ切れる 諒
ナオ お土産は雷門のところてん 庵
テーブル掛に卯波鱗波(こけなみ) 泉
Amazonのクリックまたも為損ずる 璞
かじかむ指に固きペン胼胝 庵
やは肌の記憶あふるる掘炬燵 り
今でも言へる電話番号 璞
画家と書家褒め合つてゐるカウンター ゑ
呉越同舟誰も知らない 谷
善悪の彼岸に消ゆる病蛍 泉
誘ひ込まれし茸の館 諒
満月をスマホに撮す人あまた 庵
黒き四角き碑文なき板 り
ナウ 小半の酒と佃煮ならべおく 璞
ごんも地蔵も初雪つけて ゑ
還暦の再現したる学芸会 谷
父母の写真のうららかな頬 諒
三月の北半球の花の雨 泉
では璞さん、挙句をお願いします。
▼冬泉柿紅葉の巻 匂の花案こんばんは。ここまであっという間でしたね。
@手習にさまざまの花思ひ出す
Aボイラーへキャットウォークから花こぼれ
B暴政の熄むまで編まむ花冠
C三月の北半球の花の雨/アントニオ北半球は花の雨
D山を抜くアントニウスの意気地なし
@芭蕉のもじりで。手習は習字と気ままに歌などを書く意味の両方で使ってます。なにはづとあさかやま、二つの手習歌は歌の父母、と古今序にもあり。
AB付いてるか不明ですが、何となく。
C旧作の秋の句「三月の対蹠地(アンチポデス)の澄んだ水」の別形。「三月の水(雨)」を歌うアントニオ・カルロス・ジョビンの名は花(ギリシア語アントス)に由来するという連想でもあり。
D同じくローマのアントニウスと項羽を重ねて。
▼三島ゆかり柿紅葉の巻 名残裏 4 全体です。
『戦争と平和』に挿すや柿紅葉 衣谷
添水の音に揺るるゆふぐれ ゆかり
月白にハヤシライスの香り来て りゑ
影の行き交ふ蠟燭長屋 諒
自転車の荷台に葱と招き猫 媚庵
ついでみたいに小声で告げる 冬泉
ウ 警報が出なかったならデートも可 璞
双児の姉がピンチヒッター 谷
さよならのホームランさへ眩しくて り
ポルトガル語で来る夏見舞 ゑ
月涼し南蛮漬に唐辛子 諒
手がかり多き殺人事件 庵
真実に半歩遅るるアキレウス 泉
移り住みたるテリー・ライリー 璞
北窓を開く古民家あちこちに 谷
囀るやうに迫るドローン り
園丁もうかと見とれる花の昼 ゑ
すれ違ひざまミサンガ切れる 諒
ナオ お土産は雷門のところてん 庵
テーブル掛に卯波鱗波(こけなみ) 泉
Amazonのクリックまたも為損ずる 璞
かじかむ指に固きペン胼胝 庵
やは肌の記憶あふるる掘炬燵 り
今でも言へる電話番号 璞
画家と書家褒め合つてゐるカウンター ゑ
呉越同舟誰も知らない 谷
善悪の彼岸に消ゆる病蛍 泉
誘ひ込まれし茸の館 諒
満月をスマホに撮す人あまた 庵
黒き四角き碑文なき板 り
ナウ 小半の酒と佃煮ならべおく 璞
ごんも地蔵も初雪つけて ゑ
還暦の再現したる学芸会 谷
父母の写真のうららかな頬 諒
では冬泉さん、花の座をお願いします。
Up 10/31 13:25
▼三島ゆかり柿紅葉の巻 名残裏 4 諒さん、ありがとうございます。一句目の「薄氷」は微妙に打越の「初雪」に障る気がします。二句目、三句目は、先に同字が議論になったときに捌き人の傾向として、すでに「夏見舞」が出ているので、春、夏、秋、冬をそのまま使うなと言い出すかも知れないと予告していたパターンです。
三句目を頂きたいのですが、七七の下七の場合、王朝和歌以来の伝統として韻律が二五となるのを嫌う傾向があります。短歌の世界では土屋文明あたりの時代に大論争があって、二五の忌避は現代短歌ではまったく問題ないのですが、連句では王朝和歌ふうに朗詠するわけでもないのにいまだに忌避される文化が残っているようです。というわけで、「頬春めきぬ」の春を差し替えつつ二五を避け、こんな感じでいかがでしょう。
ごんも地蔵も初雪つけて ゑ
還暦の再現したる学芸会 谷
父母の写真のうららかな頬 諒
記事の長さに2000文字制限があるため、全体は次の記事とします。
あ、しまった。「満月をスマホに写す人あまた」がありますね。後で考えることにして、進めましょう。媚庵さんのを「満月をスマホに撮す人あまた」にさせて頂くか。
Up 10/31 13:20
▼北原 諒柿紅葉の巻 名残の裏四案いつの間にか挙句に近づいています。おかげさまで、得難い句作の心が少し理解できたように感じます。先ずは三句、お捌きください。
薄氷避けて渡る行列
スライスしたし初春(はつはる)の時
父母の写真の頬春めきぬ
▼三島ゆかり柿紅葉の巻 名残裏 3 衣谷さん、ありがとうございます。私も「兵十さん、いい塩梅に雨が上がって」などと小学生のときのセリフが出てきたりしますので、一句目を頂きます。「ならべおく」「初雪つけて」と次に流れる感じが続いているので、別の要素を加えつつ体言止めにしたいと思います。
『戦争と平和』に挿すや柿紅葉 衣谷
添水の音に揺るるゆふぐれ ゆかり
月白にハヤシライスの香り来て りゑ
影の行き交ふ蠟燭長屋 諒
自転車の荷台に葱と招き猫 媚庵
ついでみたいに小声で告げる 冬泉
ウ 警報が出なかったならデートも可 璞
双児の姉がピンチヒッター 谷
さよならのホームランさへ眩しくて り
ポルトガル語で来る夏見舞 ゑ
月涼し南蛮漬に唐辛子 諒
手がかり多き殺人事件 庵
真実に半歩遅るるアキレウス 泉
移り住みたるテリー・ライリー 璞
北窓を開く古民家あちこちに 谷
囀るやうに迫るドローン り
園丁もうかと見とれる花の昼 ゑ
すれ違ひざまミサンガ切れる 諒
ナオ お土産は雷門のところてん 庵
テーブル掛に卯波鱗波(こけなみ) 泉
Amazonのクリックまたも為損ずる 璞
かじかむ指に固きペン胼胝 庵
やは肌の記憶あふるる掘炬燵 り
今でも言へる電話番号 璞
画家と書家褒め合つてゐるカウンター ゑ
呉越同舟誰も知らない 谷
善悪の彼岸に消ゆる病蛍 泉
誘ひ込まれし茸の館 諒
満月をスマホに写す人あまた 庵
黒き四角き碑文なき板 り
ナウ 小半の酒と佃煮ならべおく 璞
ごんも地蔵も初雪つけて ゑ
還暦の再現したる学芸会 谷
では諒さん、初春っぽいものをお願いします。その次の冬泉さんが花の座なので、植物は避けて下さい。