Write
1 斎藤

昨今の田舎事情

小学生の裕貴はひとりランドセル姿で、村外れの集会所の前にぽつんと立っていた。
その沈んだ面持ちからは不安が窺え、好きでここに居るわけではないという複雑な事情を物語っている。
子供というのは自由なようで、実は様々なルールに縛られているものだ。
学校に行けば校則があり、家に帰っても家庭ごとのルールに縛られる。
何をしても許される環境など、現実にはありえない。
この日、裕貴がこの場所を訪れなければならなかい理由も、簡単に言えばルールを破った事が原因だった。
ただし、それは学校でも家庭でもない。
田舎の村特有の"決め事"が、この村にも昔からあるのだ。
[作者名]
斎藤
(PC)
2 斎藤
「あら早いわね、感心感心。」
裕貴が退屈そうに小石を蹴っていると、近くから婦人会長である唯の声がした。
婦人会長というのは平たく言えば村の主婦達のリーダーで、特にこの村では家庭に関わる問題に対して村長以上に強い権限を持っている。
言わば村全体の母親といったところか。
体力的にも大変な役職のため、40を目途に次の世代へその座を譲ることになっている。
今の唯会長はまだ3年目なのだが、若くしてその手腕には年上の主婦たちからも定評があった。
「ちょっと待ってね・・・、すぐ鍵開けるから。」
唯が小さなバッグから集会所の鍵を取り出し、慣れた手つきで錠を外す。
裕貴は手招きする唯に吸い込まれるように、片側だけ開いた扉から集会所へと入っていった。

カチッ。

唯はその一室の電気を点け、足取りの重い裕貴を招き入れる。
(PC)
3 斎藤
「さてと。今日どうして呼ばれたかは・・・自分でわかってるわね?」
「・・・ハイ。」
「・・・よし、怒られるのがわかっててちゃんと来た事は褒めてあげる。」
裕貴の返事はかすれるような小さな声だったものの、唯はその答えに満足した様子だった。

この村では、"決め事"を破った者に対して罰が与えられる事になっている。
大人であればよその農家に労働力としてかりだされたり、面倒な役職を押し付けられたりするのだが・・・子供の場合は少し事情が違う。
違反者として大ごとにはしない。
そのかわりに、今回の裕貴のように婦人会長からの罰が待っているのだ。
「それじゃ、こっちに来てお尻をだしなさい。」
小学生までは、問答無用の体罰。
裸に剥いた尻を反省するまで叩くのがこの村で最も多用される罰だった。
中高生には反省文などの僅かな選択権が与えられるのだが、小学校を卒業するまではこの婦人会長による尻叩きから逃れる術はない。
男女例外なく、尻たぶを真っ赤に腫らして反省させられる事になるのだ。
(PC)
4 斎藤
恥ずかしさから少しずつズボンを脱ごうとする裕貴を見かねて、唯は裕貴を手元に抱き寄せあっさりとずり下ろしてしまう。
「さっさとやって、早めに終わらせた方がいいでしょ?」
さらりと言い放つ唯の目は、既に罰を執行する時のそれに変わっていた。
「それじゃあ、まず最初の30回ね。」

ピシャッ!・・・ピシャッ!・・・ピシャッ!・・・ピシャッ!
この村の罰として尻を叩かれる際、上限は設けられていない。
子供達にとっては恐ろしい話なのだが、下限は30回。
その後は反省したと認められるまでひたすら叩かれなくてはならない。
初めてこの罰を受ける幼い子供は大抵その30回で泣いて許しを請うのだが、小学生にもなるとそうもいかない。
体は大きく成長しているし、小学生なりのプライドというものも芽生えてくる。
それなりに痛くても30回程度では泣くに泣けないのだが、それもこの罰の恐ろしいところだった。

ピシャッ!・・・ピシャッ!・・・ピシャッ!・・・ピシャッ!
ピシャッ!・・・ピシャッ!・・・ピシャッ!・・・ピシャッ!
反省するまで決して終わらない。
腫れてだんだん敏感になる尻の痛みもさることながら、集会所という本来"人の集まる場所"で醜態をさらさなくてはいけない。
長引けば、誰かが様子を見にくるかもしれない。
もしかしたら、外を歩いている人が音で気付くかもしれない。
終わりが見えない事による曖昧さが、この罰を何倍も重くしているのだ。

ピシャッ!・・・ピシャッ!・・・ピシャッ!・・・ピシャッ!
ピシャッ!・・・ピシャッ!・・・ピシャッ!・・・ピシャッ・・・

裕貴への罰は、まだまだ終わりそうにない。
(PC)
5 ty
設定がめちゃくちゃ良い。
もっと色々書いてほしいな。
この続きやすごく生意気な子供が連れてこられた時の公開尻叩きなど。
(i)
6 無名さん
これも好き〜☆
(EZ)