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おかしな世界の麻奈ちゃん

ズガーン。稲妻が走りました。この間受けた学力テストが、赤点です。これは留年を覚悟しなければいけません。
ズガガーーン。特大の稲妻が走りました。
「飯野さん、いや、麻奈ちゃん。あなたは保育園に落第」
担任の先生にそう宣告されました。保育園??スモッグ着てお花の名札をつけて、お遊戯会の練習とかするんですか?
ズガガガガーーーン!!!巨大な稲妻が走りました。先生はこう続けたのです。
「それから、麻奈ちゃん。あなた、明日から5才よ。戸籍も書き換えられるからね」
・・・・。もう言葉もありません。
次の日。さっそく園児のスモッグを着る事になりました。
わたしはとても体が小さいので、なんとスモッグが着れてしまったのです。見た目は元、中学生には見えず園児そのものです。
そして、園児の子達に「新しいお友達」と紹介されて、園児達に混ざってお遊戯して、お昼寝もして・・・という恥ずかしい恥ずかしい一日が過ぎて。
家に帰ると、さらにおっきなおっきな稲妻が走るのでした。
「スカートをあげてパンツおろして。ママの言いつけでお姉・・・ううん、麻奈ちゃんのお尻叩くから」
思わずめまいがしました。なぜなら、わたしにそう言ったのは・・・、妹のなっちゃんなのです。
「後でママから言われると思うけど、今日からあたしがお姉ちゃんで、麻奈ちゃんが妹。で、園児になったのだから、お仕置きはお尻ペンペン。わかった?」
「・・・・」
「わかったの?」
「・・・・」
「返事は?」
「・・・・!!」

次の瞬間、なっちゃんにとびかかっていました。爪をたてて、ひっかいて、ひっかいて。・・と思ったのですが。あっという間に負けちゃいました。なっちゃんは小学生にして合気道初段なのです。
そして・・・。
ここから先はご想像にお任せします。ですが、ただ一言だけ。このように、妹からお尻をぶたれるのは顔から火が出るくらい恥ずかしかったです。

おわり
(PC)