1 無名さん
朝
早朝6時。
今日提出期限の課題が朝になっても全然終わらない、徹夜でやったにもかかわらず。
解けない問題集を前に、私は耳を澄ませていた。もうすぐ、あの音が聞こえる時間だから。シャープペンシルを握る手に汗がにじんだ。
床がきしむ音とドアの開閉音、階段を上る音。眠気でもうろうとした頭が一気にさえた。とうとう来てしまった。身構える間もなく、部屋のドアが乱暴にあいた。
「ご、ご、ごめんなさい…」
「うるさいから黙ってこっちに来なさい」
おびえる私に、親はどこまでも冷酷だった。
今日提出期限の課題が朝になっても全然終わらない、徹夜でやったにもかかわらず。
解けない問題集を前に、私は耳を澄ませていた。もうすぐ、あの音が聞こえる時間だから。シャープペンシルを握る手に汗がにじんだ。
床がきしむ音とドアの開閉音、階段を上る音。眠気でもうろうとした頭が一気にさえた。とうとう来てしまった。身構える間もなく、部屋のドアが乱暴にあいた。
「ご、ご、ごめんなさい…」
「うるさいから黙ってこっちに来なさい」
おびえる私に、親はどこまでも冷酷だった。
(PC)