友達募集!

ちょっとそこのお前!俺の名前に見覚えがあってもなくても、こうして立ち止まっちゃった以上は名誉あるファン第一号ってことで最後まで俺の話に付き合ってくれ!
……とはいえ、語るに落ちるってのはこのことだよな。俺がこの場所にいる時点で薄々話の内容には察しがついているだろうと思う。いいよいいよ、皆まで言わなくとも!世に名の知れた大文豪でありながら、互いを分かり合える友達が一人もいない駄目ぼっちだってことは、俺が一番よくわかってるんだから!

そう、そしてそんな境遇から抜け出すための一歩がこれなんだ。……まあ、要するに気兼ねなく語り合えるような友達を探しにきたってわけなんだけど。
たとえば潜書終わりの一服中や、現世での創作活動の合間だとか、趣味に煮詰まって気分転換がしたい時に一言声を掛けられる存在が傍にいたら展望が開けるかもしれないだろう?他にも恋人からの返事の待ち時間や、各図書館の進捗状況なんかの情報交換がしたいってのもオッケー。愚痴でも惚気でも冗談でも、話題は何でも大歓迎だ。ただ、俺がズボラだから細かいことは気にしないって人だとお互い話しやすいかもな。

条件は、
一、背後が二十五歳以上の女性であること。
二、レス関係に寛大であること。
三、遣り取りは帯もしくはぽいであること。
四、半なり形式で話せること。
五、互いに話題を振り合えること。

とまあ、だいたいこんなもんでしょ!
——おっと!そういえば俺の話をしてなかった!返信時間は夕方から深夜がメインだけど、受信は何時だろうと受け付けてるし、上にも書いたとおりメタな話だろうと惚気だろうと趣味の話だろうと何だって乗る意気だけはある!恋人がいるから毎度即レスは難しいと思うけど、お互い大事にしたいものを優先しながら仲を縮められたらそれが最高じゃない?はい、いいこと言った風で完全に俺の都合でした、すみません!

提供は言わずもがな、文/豪とア/ル/ケ/ミ/ス/トから俺こと天才小説家の太/宰/治!それから三/好/達/治先生と、石/川/啄/木先生っていう超狭き門!
そのかわり、募集は同作品内から図鑑に名前のある諸先生方であればどなたでも!ついでと言っちゃあなんですが、俺のこの記事についての感想なんかも頂けちゃったりしたら喜びで舞い踊ります!何ならそのまま芥/川/賞も俺に授与しちゃってください!

……じゃなくて!!
ああだこうだ書いてたら思いの外長くなってきたし、最後くらいは端的に書いておかないと。もしも俺と友達になってくれるって文豪がいたなら、手紙には差出人の名前と受取人の名前。それから俺が書いたような軽い自己紹介に、質問や気になることがあればそれを書き添えて送ってほしい!せっかく転生したんだ、生前にも負けず劣らずの……できれば破滅的でない日々を送りたいと思っても罰は当たらないって、そう思いたいんだよ。
まあ、そんなわけで、そこなファン第一号の君!俺宛に熱いファンレターの一通よろしくな!
今日も今日とて金策に奔走してたせいで顔を出すのがちょっとばかし遅れちまったが、今回はここらで一旦締めさせてもらうぜ。時間を掛けてじっくり仲を深めたい、ひいては借金の肩代わりも頼みたいっていう俺様にとっては一、二を争う都合のせいで全員には返せねーが、どれもこれも力作揃いの手紙でまあ迷ったね。俺様にも使い切れないほどの金と自由な時間があればなー……。

てなわけで、この機会に声を掛けてくれたやつらはありがとうな。今回話せなかった面々も良縁を願ってる。んじゃ、どこかで俺様が借金取りに追われてたときは見つからないようちゃんと匿ってくれよ。