鬼は内。福は外。

集金回ってたらどうにも頭が上がらねえ煙草屋のババアからちらし寿司を貰った。曰く恵方巻を作って余った酢飯と具材の行き先が無えから腐る前に食えと。それからババアの孫が食い切れなかった豆も貰った。
紙袋を引っ提げて帰宅したは良いが、棲み慣れた筈の我が家が今日に限って嫌に寒々しく感じた。折角の土産も他所様の家族団欒のお零れに過ぎねえと思うと急に気持ちが悪くなって、カラッポの腹の奥から口許迄止め処なく胃酸が迫り上がる。
らしくもねえし馬鹿馬鹿しいから景気付けに冷蔵庫の四合瓶を開けてやった。その時ふと、大昔に合／歓と児童館で読んだ、節分にまつわる童話を思い出した。
独り身の爺さんが死んだ息子の作った鬼の面を付けて、孤独を紛らすためにワザと表題のアレを謳って独りの家で豆撒きしてたら、不憫に思った鬼共が遊びに来てくれたっつう話だ。

…前置きが長くなったが要はそういう事だよ。鬼だろうが邪だろうが他ディビジョンだろうが何でも良いから俺様の部屋にサッサと来いや。今ならちらし寿司と豆、日本酒と俺様が煎れる特製の珈琲がある。
この世界は決して短かねえが特段慣れてるわけでもねえ、あんま拘りが強過ぎる奴よりかは緩く楽しく、位のスタンスの奴の方が相性は良いと思う。勿論一人称は守るし口調や声色を寄せる努力はするが、細けえ所は互いに大目に見ようや。
提供は取り敢えずは俺様一人。募集は同作男女。
媒体は帯で頼む。

平日の夜中に望みは薄いが、待機。
[本体通話orなり電]
なり電