獣の世界

……参ったなぁ。土地勘のないとこに出ちゃった。

【周囲を警戒しつつ、闇を両手から溢れさせながら歩いている】

「？　我々が統合されていない……しかし我々が存在している。前提と現状に矛盾。何らかの特異法則、或いはそれに類するものによる事象と判断」

真っ白な長髪に血のように赤い両目。
年齢としては10代前半にいってるかどうかだろう。中性的すぎて性別がわからないアルビノの人間──アビスが無感情に周囲を見渡している。

>>3

あっ、人……だよね？　ここってどこだか分かったりしない？

【周囲を見渡しているところに、闇を消してゆっくりと近付いていく】

>>4
「くえすちょん、ここが何処か。あんさー、Ex Falso Quodlibet。前提に矛盾があるため解答不能。あえて解とする場合、何らかの特異的空間」

>>5

……あれ……ちょっとごめん。人間で、いいんだよね？

>>6
「くえすちょん、我々が人か否か。あんさー、我々は人である。あえて別の定義とする場合、人類史の半身」

>>7

人間ならいいんだけどさ……しかし特異的な空間かぁ……

【闇を圧縮して上に放り投げるも、何も起こらない為その場に座る】

>>8
「くえすちょん、我々が人間でなかった場合なにかあったのか？」

>>9

いや、特にはないよ？　ただ人間じゃないって分かっておけば、それなりの備えはできる……はずだから。

>>10
「くえすちょん、そもそも種族について解答されない可能性は？」

>>11

……あったねそれも……

>>12
「それ以外にも話しかけた時点で攻撃される可能性」

>>13

その時はその時でさ、ほら正当防衛からの過剰防衛で……

>>14
「？　相手が貴方を上回る実力者の場合」

>>15

は、影の中に隠れて逃げるよ。

>>16
「相手が貴方を上回る場合、逃げられる可能性は極低確率だと推定される」

>>17

……まぁ、そうなんだよなぁ……

>>18
「さらに言うのであれば人間か否かは種族特性的危険度にこそ関わりはあれど、実力的危険度に直結しない」

>>19

……考えが甘いってこと？

>>20
「肯定。意識を向けられるだけでも死と同義の怪物も存在する以上、少しでも危険であると感じるのならば即座に逃走を選択することが推奨される」

>>21

あー……確かに。じゃあ逃げを第一に考えるようにしよう……