[〜文字打ち戦争開幕〜]

　
すでに噂を耳にしている者もいるだろうが、ココ数日、俺が王国を留守にしている間、この国の司令官と名乗り、俺に成りすまして文字を打ち続けていた者がいる。名前を書こう。奴の名は『東洋』である。すなわち、未来の俺であるが、あくまでも未来の俺というだけのことであって、実際の俺ではない。

俺はココ数日、王国にはびこるブラックリバーの正体を探るため、雑談無法地帯の調査へと文字を投じた。結果、あることが分かった。そのため、今回はそれをココに書き記しておきたいと思う。

奴らは同盟を組み、今やその数は１億人かそれ以上だとも言われている。実際、俺もアジトに侵入したが、誰が誰だか分からないテンヤワンヤなおしくらまんじゅうモードで押しつぶされた挙句、最終的にはペチャンコとなり、空の彼方に飛ばされてしまった。しかし、安心してくれ。今、俺はこうしてココで元気に文字を打っている。その後、空気を入れ直し、ふっくら元通りの俺がいる。パイナップル国王のお言葉だ……。

我々はウツではない！！

正社員がなんだ！！カマヤツがなんだ！！アルベタ理論がなんだ！！己の道を貫け！！真の正義は我々トーヨーファミリアンズの手の中にある！！
　
BY/文字打ち王国司令官とーよー

　
（コンコン）

失礼します！！
ご報告したいことがありました。

　
よし。話せ。

　
いえ、「ありました」と過去形を使ったことからも分かる通り、今はべつに報告したい感じでもありません。したかった時期もあったというだけの話です。

　
……そーか。じゃあ、なぜ来たんだ？

　
一応、司令官の耳には入れておいた方が良いかなと思いまして。
　

　
本当か？

　
いえ。嘘です。

　
本当はなんだ？

　
なんとなくです。

　
それは本当だな？

　
はい。本当です。

　
よし。正直者でよろしい。
見込みがある。帰れ。

　
イエッサー！！大佐！！

　
大佐ではない。司令官だ。

　
別に良いじゃん。
大差ないじゃん。

　
トンチを利かせて満足するな。

　
ほーーーい。

　
なんだその返事は。

　
すみませぬ。

　
ラストの『ぬ』が余計だ。
可愛く江戸風にするな。

　
なんだとぉ〜？

　
なんだよぉ〜？

　
そろそろ俺の正体バラシても良いですか？

　
いや、まだ無理っしょ。
もう１〜２週間は勿体ぶってみよーぜ。

　
そんなに！？
それは勿体ぶり過ぎだって。
期待値上がって緊張するって。