1 トムソン

あー。しんどいなー。

明日も仕事か!
想像しただけでしんどいな。
武島は、鬱になってきた。もう死のうかなと。確かに死ねば、もうしんどい仕事をしなくて済む。
だけど。
武島はプロ作家になりたい。当たり前だが、死んだらプロ作家になれん。
ゆえに生きる。単純明快な論理である。
武島は図書館に行った。双曲線的非ユークリッド幾何学の研究をしてから、小説を読む。
「う〜ん面白い!」
思わず叫んでしまった。まわりの人が武島をジロジロ見る。
「し、失礼」
武島は、みんなに謝った。図書館は静かに!
また読み始め、面白くてまた叫びそうだったが、こらえた。筒井康隆。天才である。
武島は思う。筒井康隆の天才性は、軽いキャラクターたちと重厚な技術。このブレンドにあるのではと。
武島の目指してるところでもある。
確かにキャラクターが重い、技術が軽いじゃ、まーアマチュアならしゃあないが、プロとしては通用せん。

つづく?
(WX12K/w ID:EGaPkU)