まどか

　勝沼が家を出たとき、地雷を踏んでしまった。盛大に爆発！「いたたたた」勝沼はよれよれしながら、病院を目指す。途中、アメリカ人に道を聞かれた。
「わからん。お前はわからん。日本語使え。せっかくの日本やねんから」
「ＷＨＹ？ＷＨＹ？」
　しつけーから勝沼、アメリカ人を持ち上げた。「オーノーーーーっ」地面に叩きつけた。「ファッキュー！」
　アメリカ人がわんわん泣く。かわいそうに思えて勝沼はキャンディをあげた。アメリカ人は地面にキャンディを叩きつけた。英語でぼくキャンディきらいみたいなことをぬかしとる。勝沼はイライラッときた。アメリカ人の頭を竹刀で叩いた。「ファッキュー」
　勝沼はくだらなすぎてタイムマシンに乗って室町時代にでも行きたい。室町時代じゃないかな確か虚数がデビューし始めたのは。また勝沼は三島の金閣寺好きゆえに義満にも会ってみたかった。まあ何にせよタイムマシンがない。勝沼は歩いた。
　途中。まどかが声をかけてきた。
「おじさんお金ちょーだい。愛してあげる」
「売春やめなさい」
「うち貧乏だから」
　安倍は何をしとる！
　ふざけるな。きちんと政治をしろ！
　勝沼はムカついて、勝沼ダンスをした。まどかがゲラゲラ笑う。踊ってるとやなことが忘れられる。

　疲れてきた。まどかとハンバーガー屋に行く。二人でハンバーガー食べながらトークする。
「おじさん彼女いるの」
「おらん低所得だもん」
「まどかが彼女になってあげる」
「子供だからあかんよ」
「つまんなーい」
　店でたら、すでに夕方。カラスがかあかあ鳴いている。公園のベンチに座る。
　勝沼は虚数が好きだから、双曲線的非ユークリッド幾何学にはまってると言った。まどかがラピュタみたいだねと笑う。
　ユークリッド幾何学でいえば、直線ｌに平行で、なおかつ点Ｐを通る直線は一つしかない。いわゆる平行公理。
　しかし双曲線非ユークリッド幾何学は違う。無数に存在する。実軸と虚軸を使い、複素平面を作成し、図示できる。直線を半円で表して……と。わけわからんことゆうてると読者が寝てしまうから、話題を変えた。
「まどかも勝沼ダンスしてみたいなー」
「よし特訓だ」
　まどかは尻と胸が大きいからどうしたってセクシーダンスになる！
　勝沼はムラムラして、まどかとトイレに入った。
　これ以上は書けません！

　雨が降っていた。喫茶店。新聞を開く。また殺人事件か！
　優しさが裏目に出てる……ざっくり言えば！
　派遣社員ＡのＤＶに苦しんでた優しい奥さんが警察に相談に行った。警察はＡに口頭注意。後日、奥さんに保護施設に行きますかと警察はゆったが、警察は優しすぎた。強制的に施設に入れるべきだった。奥さんは家に戻った。んで、刺されて死んだ。
　もっといえばＡも優しい。派遣社員は徹底した低所得システムに苦しんでる。Ａは優しいから会社に対して我慢して、その苦しみからＤＶに発展しちゃったと推測！
　優しさが一番とゆう人は再考せよ。一番ではない。五番か六番くらいだ。一番はバランス感覚である。


　バランスといえば！
　アーティストは子供と大人の狭間で戦う。
　子供は好きか嫌いかつまり本能で動く。大人は間違ってるか正しいかつまり道徳で動く。アーティストは本能と道徳ミックスして、いいか悪いか美的価値で動く。
　雨が降る。
　ザアアアアアアア。