1 トムソン

ウォーキング

 伊能忠敬は歩きまくってかなり正確な日本地図を作成した。朝鮮民主主義人民共和国の金正恩はこいつは凄いと地図のコピーを見て驚いた。人工衛星から撮影した日本とほとんど変わらぬではないか!
 これを歩きだけで作成するとはなんたる凄い人材だ。金は安倍に電話した。
「忠敬を我が国によこしなさい。どうしてもほしいニダ」
「ダメだ。忠敬は国の宝だ。断る」
「じゃあ水爆を日本に落とすニダ」
「わかった。派遣してやる。水爆落とされたら洒落にならん」
 そんなわけで忠敬は飛行機で北朝鮮に行った。忠敬が驚いたのは、子供の餓死が多いこと。飽食の日本では考えられん。軍事費が膨らみ過ぎて、慢性的な食料不足になってるのだ。
「おいキム。軍事費へらせ。まずは子供の餓死をなくせ。子供は国の宝だぞ。子供が死んだら北朝鮮は滅びる」
「さすが忠敬。頭いいニダ。俺は子供なんて役に立たんから死んでもいいと短絡的に考えてたが確かに子供は将来の労働力ニダ。殺してはだめニダ」
 金は、ミサイル開発やらをやめると軍部にゆったら暗殺された。
 軍部の言い分はこうだ。
「ミサイルがなくなったらどうやってアメリカと戦えばいいニダ。図に乗ったアメリカを叩きつぶすにはミサイルしかないニダ」
 忠敬は怒った。
「バカ野郎! 頭が悪いなお前らは。アメリカにミサイル飛ばせば、アメリカが平壌空爆してあっちゅう間に占領されるぜ」
「じゃあどうするニダ」
「偉大な文学を作るんだ。ハリウッドにもディズニーにも負けない良質の文学を生産して文化的に勝利するんだ!」
「そんなことできるのか。自信ないニダ」
「バカ野郎!朝鮮民族には才能がある。頑張ればできる!あきらめんな!」
「わかったニダ!」
 こうして北朝鮮は、文化国家への第一歩を踏み出した。まずはギャグ小説の制作だ。貧しい子供らを笑わせ、元気にさせるのだ。子供らが憂鬱な国家に未来はない!
 忠敬は、子供らのために1日じゅう机にしがみつき、小説を書いてたら、メタボリックやらぎっくり腰になってきて困った。
 だから休日には歩いてる。ウォーキングだ。カネかからんし、健康にもいいし、一石二鳥とはこのことである!
おしまい
(WX12K/w ID:EGaPkU)