1 ???
tale
あの日アリアは死んだ
何発殴られたのだろう
彼女の頬は腫れ上がっていた
殺伐とした城下町
馬に繋がれたロープ
華奢な体を町中引き摺り回され
肉は裂け血が道筋描き
赤々と熱された鉄で魔女の烙印を押された彼女は
杭に架けられ
私の目の前で火に焼べられた
「あの娘(王女)は悪魔の子だよ」
「魔女だ!悪魔の使いだ!」
「忌々しい魔女め!火炙りにしてしまえ!」
違う!
違うっ!
アリアは魔女なんかじゃない
アリアは
アリアは...!
ーーー人間だよ.....
何発殴られたのだろう
彼女の頬は腫れ上がっていた
殺伐とした城下町
馬に繋がれたロープ
華奢な体を町中引き摺り回され
肉は裂け血が道筋描き
赤々と熱された鉄で魔女の烙印を押された彼女は
杭に架けられ
私の目の前で火に焼べられた
「あの娘(王女)は悪魔の子だよ」
「魔女だ!悪魔の使いだ!」
「忌々しい魔女め!火炙りにしてしまえ!」
違う!
違うっ!
アリアは魔女なんかじゃない
アリアは
アリアは...!
ーーー人間だよ.....
(SOV36/dion ID:ph8e.v)
2 ???
「実は、この国の王女であるシュリアは、私の実の娘ではないのだ」
「シュリア様が...?」
王様は静かに続けた。
「あの子は、君が以前仕えていたアリア王女の双子の妹なのだよ」
静けさの中、
私は大きな音を聞いたかのような衝撃を受けた。
ああ、何という神の思し召しであろう。
いや、神などいない。この世に神などいないのだ。
私はアリアを喪ったあの日から神など信じてはいない。
「だから君には...すまない、思い出させて悪いとは思っている。しかし君は彼女のことをその後悔の念と共にいつまでも忘れずにいるだろう。そして彼女の妹であるあの子は、今まで誰にもあんなに嬉しそうな表情を見せたことがなかった。君には心を開きつつあるようだ」
王様は嬉しそうでそれでいて悲しそうな顔をした。
私は王様が彼女を喜ばせようと必死だったのを知っている。それは少し間違った方法であったかもしれないが、王様は確かに彼女を大切に思っていた。それ故自分に出来なかったこと、それを側近である私にされてしまってはやはりそのような複雑な表情になるのだろう。
「私は彼女のことを実の娘同然に愛している。これは一国の王の命令ではない。父としての願いなのだ。どうか君には、アリア王女の分まであの子の側に居てあげて欲しいのだよ」
「...はい、王様、ご安心を。私自身も、そう願っておりますから」
「おお、そうか...ありがとう...」
「ひとつお伺いしたいのですが、何故王様はシュリア王女をこの国に迎え入れたのでございますか?」
「それは。私と妃の間には望んでも長年子どもを授かることが出来なかったからだ。そんなある日、隣国に双子の王女が産まれたことを聞いた。だがあの国では双子が産まれるのは不吉な象徴だと言って、どちらかを殺める決まりがあることを知ったのだ」
あの国は
アリアを殺したあの国は今まで
どれほどの冷酷な歴史を刻んできたのだろう。
「そこで私は迷うことなく殺される運命にあった王女を引き取ることにしたのだ。名を、"シュリア"と名付けた。それはそれは可愛い赤子でね、あの子を見たときの私の心はまるで一面に花が咲いたようだったよ。この子を死なせてなるものかと思った。だがまだ視界もはっきりと見えぬほど産まれて間もない赤子を大金と引き換えに。人の命を金で取り引きしただなんて。なんと醜くく情けのないことだが。私には...それしか方法が無かった」
そう私に語る王様の目には涙が浮かんでいた。
頭を抱えるようにして。
過去の自分を責めているようだった。
「こうして私めがシュリア王女と出逢えたのは王様のお陰でございます。シュリア王女の笑顔を見られたのも、貴方様が命を救ってくださったから。ですから王様、なにも過去のご自分を否定する必要はございません」
王様は頷いて、私の手を両手で力強く握った。
涙で滲んだその目で私を見て
「ありがとう。シャリサよ、我が娘のことを頼んだぞ...」
と私に仰った。
私は「はい」と頷いた後でしばらく黙り混んでいたが、一礼をして部屋を後にした。
私は彼女のことを思い出していた。
片時も忘れたことはなかったけれど、
シュリア様の部屋へ続く階段の窓から空を見上げた。
そして両手を祈るように組んだ。
ねえアリア、優しいアリア。
私は貴女と血を分けあった貴女の妹に仕える身となったのだね。アリア、ずっと貴女の側には居られなかった。
独りぼっちは怖いと怯えていた貴女を。
私は、私は......。
私を赦しを乞うたりなどしない。
だけど、どうか見守って居て欲しい。
私はもう失いたくない。
彼女を喪うのはまた貴女を喪うかのようで。
アリア、今度は、独りにしないからね。
「シュリア様が...?」
王様は静かに続けた。
「あの子は、君が以前仕えていたアリア王女の双子の妹なのだよ」
静けさの中、
私は大きな音を聞いたかのような衝撃を受けた。
ああ、何という神の思し召しであろう。
いや、神などいない。この世に神などいないのだ。
私はアリアを喪ったあの日から神など信じてはいない。
「だから君には...すまない、思い出させて悪いとは思っている。しかし君は彼女のことをその後悔の念と共にいつまでも忘れずにいるだろう。そして彼女の妹であるあの子は、今まで誰にもあんなに嬉しそうな表情を見せたことがなかった。君には心を開きつつあるようだ」
王様は嬉しそうでそれでいて悲しそうな顔をした。
私は王様が彼女を喜ばせようと必死だったのを知っている。それは少し間違った方法であったかもしれないが、王様は確かに彼女を大切に思っていた。それ故自分に出来なかったこと、それを側近である私にされてしまってはやはりそのような複雑な表情になるのだろう。
「私は彼女のことを実の娘同然に愛している。これは一国の王の命令ではない。父としての願いなのだ。どうか君には、アリア王女の分まであの子の側に居てあげて欲しいのだよ」
「...はい、王様、ご安心を。私自身も、そう願っておりますから」
「おお、そうか...ありがとう...」
「ひとつお伺いしたいのですが、何故王様はシュリア王女をこの国に迎え入れたのでございますか?」
「それは。私と妃の間には望んでも長年子どもを授かることが出来なかったからだ。そんなある日、隣国に双子の王女が産まれたことを聞いた。だがあの国では双子が産まれるのは不吉な象徴だと言って、どちらかを殺める決まりがあることを知ったのだ」
あの国は
アリアを殺したあの国は今まで
どれほどの冷酷な歴史を刻んできたのだろう。
「そこで私は迷うことなく殺される運命にあった王女を引き取ることにしたのだ。名を、"シュリア"と名付けた。それはそれは可愛い赤子でね、あの子を見たときの私の心はまるで一面に花が咲いたようだったよ。この子を死なせてなるものかと思った。だがまだ視界もはっきりと見えぬほど産まれて間もない赤子を大金と引き換えに。人の命を金で取り引きしただなんて。なんと醜くく情けのないことだが。私には...それしか方法が無かった」
そう私に語る王様の目には涙が浮かんでいた。
頭を抱えるようにして。
過去の自分を責めているようだった。
「こうして私めがシュリア王女と出逢えたのは王様のお陰でございます。シュリア王女の笑顔を見られたのも、貴方様が命を救ってくださったから。ですから王様、なにも過去のご自分を否定する必要はございません」
王様は頷いて、私の手を両手で力強く握った。
涙で滲んだその目で私を見て
「ありがとう。シャリサよ、我が娘のことを頼んだぞ...」
と私に仰った。
私は「はい」と頷いた後でしばらく黙り混んでいたが、一礼をして部屋を後にした。
私は彼女のことを思い出していた。
片時も忘れたことはなかったけれど、
シュリア様の部屋へ続く階段の窓から空を見上げた。
そして両手を祈るように組んだ。
ねえアリア、優しいアリア。
私は貴女と血を分けあった貴女の妹に仕える身となったのだね。アリア、ずっと貴女の側には居られなかった。
独りぼっちは怖いと怯えていた貴女を。
私は、私は......。
私を赦しを乞うたりなどしない。
だけど、どうか見守って居て欲しい。
私はもう失いたくない。
彼女を喪うのはまた貴女を喪うかのようで。
アリア、今度は、独りにしないからね。
(SOV36/dion ID:ph8e.v)
3 ???
古びた扉の鍵を開けてシュリア様の部屋に戻ると
薄暗い静かな部屋で彼女が泣いていた。
「シュリア様?!どうなされたのですか?」
「ごめんなさい、シャリサ、あのね、私」
震えながら、か細い声を絞り出すように私に言った。
「お父様とあなたのお話し、聞いちゃったの。お父様があなたを呼び出したから、私、気になって、お食事の後、真っ直ぐお部屋に戻らなかったの」
ハッとした。
姫様の御付きの警護はいま私に全て任されている。
私は彼女に先にお部屋に戻られるように言っておいたのだが、その言葉通りに従ってくださるものだと思い、確認もしていなかった。
「私はお父様の...実の娘では..なかったのね....」
その声は震えていた。
私はまた何も言えず、隣に座り彼女の頭をそおっと撫でた。彼女は私の気持ちを感じ取ったのかこう言った。
「違うの、あのね違うの。シャリサ、お父様はそれでも私を本当に娘だと思ってくれていたのね...それが、嬉しかったの...」
このお方は、なんて優しい顔をして泣くのだろう。
アリアの泣き顔を見たときも、同じようなことを思っていたなぁ、なんて、窓から零れる月明かりに照らされた美しい泣き顔を見ながら、そんなことを考えた。
実の親に愛されず殺されていった少女と
育ての親に愛され護られてきた少女
元は同じ腹から産まれた2人。
なのにこんなにも正反対の運命を授けられるものなのだろうか。
「でもそれなら何故お父様は私を外の世界から遮断するの?」
王女はそれまでずっと抱えていたであろう疑問を私に投げ掛けた。
薄暗い静かな部屋で彼女が泣いていた。
「シュリア様?!どうなされたのですか?」
「ごめんなさい、シャリサ、あのね、私」
震えながら、か細い声を絞り出すように私に言った。
「お父様とあなたのお話し、聞いちゃったの。お父様があなたを呼び出したから、私、気になって、お食事の後、真っ直ぐお部屋に戻らなかったの」
ハッとした。
姫様の御付きの警護はいま私に全て任されている。
私は彼女に先にお部屋に戻られるように言っておいたのだが、その言葉通りに従ってくださるものだと思い、確認もしていなかった。
「私はお父様の...実の娘では..なかったのね....」
その声は震えていた。
私はまた何も言えず、隣に座り彼女の頭をそおっと撫でた。彼女は私の気持ちを感じ取ったのかこう言った。
「違うの、あのね違うの。シャリサ、お父様はそれでも私を本当に娘だと思ってくれていたのね...それが、嬉しかったの...」
このお方は、なんて優しい顔をして泣くのだろう。
アリアの泣き顔を見たときも、同じようなことを思っていたなぁ、なんて、窓から零れる月明かりに照らされた美しい泣き顔を見ながら、そんなことを考えた。
実の親に愛されず殺されていった少女と
育ての親に愛され護られてきた少女
元は同じ腹から産まれた2人。
なのにこんなにも正反対の運命を授けられるものなのだろうか。
「でもそれなら何故お父様は私を外の世界から遮断するの?」
王女はそれまでずっと抱えていたであろう疑問を私に投げ掛けた。
(SOV36/dion ID:ph8e.v)
4 ???
鍵を掛けられた古い木製の扉
私はその奥にいる。
外がいつもより騒がしく思えたその日、
お父様は私をそこに閉じ込めた。
お父様、私のことが嫌いになったの?
お父様、私良い子でいるから。
お父様。
私が...だからいけないの?
お父様は理由など教えてくれなかった。
ただ私に、「心配しないで良い。お前はここに居なさい」とだけ言って。その時のお顔はひきつっていた。
だから私は何も問うことが出来なかった。
それから毎日のように召し使いさんを伝ってお父様から贈り物を受け取った。私が喜ぶと思ってくださってのことだったのでしょう。だけど私には欲しい物など無かった。
私は私が王女であることが嫌だった。
私たちだけ贅沢な暮らしをすることが嫌だった。
高い塔からいくら国民の安寧を願っても、まるで見下しているかのようで。
お食事のときは部屋から出ることができた。本来なら穏やかであるはずのその部屋の中で、何人もの護衛が取り囲む異様な雰囲気の中、お父様と長テーブルを前にして、私はスープも中々喉を通らなかった。私を鍵付きの部屋に閉じ込めたあの日から、お父様はよそよそしくなってしまった。私は昔から人と会話をするのが苦手だから私から話し掛けることもせず、お父様と余計に距離が開いて思えた。
次第に私はお食事も自分の部屋でいただくようになった。
そうしてお父様と顔を会わす機会はほぼ無くなってしまった。
そんなある日、あなたがやってきたの。
そう、シャリサ、あなたのことよ。
「シュリア様、王様は....」
私は言葉を挟んだ。
「私は貴女にこのことを話しておくべきでした。いえ、きっと今がその時なのでしょう。私が貴女に外の世界を見させてあげようと決めたあの日、城の者の目を盗んで変装をして私と共に町に行ったあの日、貴女の顔を見て王女に似ていると呟いた民は貴女に何という言葉を浴びせましたか?」
「お前も...魔女なのではなかろうな?と」
そう口にしてシュリア様は顔に影を落とした。
老婆が落とした林檎を親切心で拾ってあげたシュリア様に老婆はお礼を言うわけではなくそのように罵ったのだ。
そして「お前のせいでもうこの林檎は売り物にならないかもしれない」と嘆いた。私はその老婆はただ気が触れているのだろうと思っていた。
あの時のことを思い出させるのはこちらも心苦しいのだが、それでも私は続けた。
「貴女を連れ出した私は浅はかだったのです。この国で起こりつつある問題をまだ知らなかった。だが、あの時の民の言葉と先ほどの王様の言葉で全ては繋がった。隣国がアリア王女の血を引く貴女を魔女だと仕立てあげ、魔女狩りという悪行はこの国の民にまで侵食しつつあり、歯向かう者も現れ、いつ王女の命を狙うものが現れても可笑しくはないという状況なのです。王様はそれを知っていたからこそ貴女を監禁というような形で御守りされたのでしょう」
「お父様だって魔女である私を恐れて..」
シュリア様自身、あの老婆との出来事から自分は魔女なのだとずっと怯えていた。だが悪魔や魔女なんてものは人間の弱さや迷い、怯えから作り出されたまやかしなのだ。
「いいえ、王様は貴女を魔女だなんて思っておりません。
貴女を実の娘として愛しているのですから。だからこそ、貴女にこの現状を知ってほしくはなかったのです。全ては貴女の心を護ろうとしたこと。王様は私に信頼を寄せ、どんなにシュリア王女のことを想っているかをお話ししてくださったけれど、それまでは父親として、ずっと独りで抱え込んでいたのでしょう。それが、貴女と王様との心の距離を遠ざけることになってしまった」
シュリア様はため息をついて優しく微笑んだ。
「それなら私は、お父様のことを思い違っていたのね?ふふ、娘の私にだって口に出してくださらないと分からないこともあるの。お父様は不器用なのだわ。昔からそうだった。ええ、昔から。」
私はその奥にいる。
外がいつもより騒がしく思えたその日、
お父様は私をそこに閉じ込めた。
お父様、私のことが嫌いになったの?
お父様、私良い子でいるから。
お父様。
私が...だからいけないの?
お父様は理由など教えてくれなかった。
ただ私に、「心配しないで良い。お前はここに居なさい」とだけ言って。その時のお顔はひきつっていた。
だから私は何も問うことが出来なかった。
それから毎日のように召し使いさんを伝ってお父様から贈り物を受け取った。私が喜ぶと思ってくださってのことだったのでしょう。だけど私には欲しい物など無かった。
私は私が王女であることが嫌だった。
私たちだけ贅沢な暮らしをすることが嫌だった。
高い塔からいくら国民の安寧を願っても、まるで見下しているかのようで。
お食事のときは部屋から出ることができた。本来なら穏やかであるはずのその部屋の中で、何人もの護衛が取り囲む異様な雰囲気の中、お父様と長テーブルを前にして、私はスープも中々喉を通らなかった。私を鍵付きの部屋に閉じ込めたあの日から、お父様はよそよそしくなってしまった。私は昔から人と会話をするのが苦手だから私から話し掛けることもせず、お父様と余計に距離が開いて思えた。
次第に私はお食事も自分の部屋でいただくようになった。
そうしてお父様と顔を会わす機会はほぼ無くなってしまった。
そんなある日、あなたがやってきたの。
そう、シャリサ、あなたのことよ。
「シュリア様、王様は....」
私は言葉を挟んだ。
「私は貴女にこのことを話しておくべきでした。いえ、きっと今がその時なのでしょう。私が貴女に外の世界を見させてあげようと決めたあの日、城の者の目を盗んで変装をして私と共に町に行ったあの日、貴女の顔を見て王女に似ていると呟いた民は貴女に何という言葉を浴びせましたか?」
「お前も...魔女なのではなかろうな?と」
そう口にしてシュリア様は顔に影を落とした。
老婆が落とした林檎を親切心で拾ってあげたシュリア様に老婆はお礼を言うわけではなくそのように罵ったのだ。
そして「お前のせいでもうこの林檎は売り物にならないかもしれない」と嘆いた。私はその老婆はただ気が触れているのだろうと思っていた。
あの時のことを思い出させるのはこちらも心苦しいのだが、それでも私は続けた。
「貴女を連れ出した私は浅はかだったのです。この国で起こりつつある問題をまだ知らなかった。だが、あの時の民の言葉と先ほどの王様の言葉で全ては繋がった。隣国がアリア王女の血を引く貴女を魔女だと仕立てあげ、魔女狩りという悪行はこの国の民にまで侵食しつつあり、歯向かう者も現れ、いつ王女の命を狙うものが現れても可笑しくはないという状況なのです。王様はそれを知っていたからこそ貴女を監禁というような形で御守りされたのでしょう」
「お父様だって魔女である私を恐れて..」
シュリア様自身、あの老婆との出来事から自分は魔女なのだとずっと怯えていた。だが悪魔や魔女なんてものは人間の弱さや迷い、怯えから作り出されたまやかしなのだ。
「いいえ、王様は貴女を魔女だなんて思っておりません。
貴女を実の娘として愛しているのですから。だからこそ、貴女にこの現状を知ってほしくはなかったのです。全ては貴女の心を護ろうとしたこと。王様は私に信頼を寄せ、どんなにシュリア王女のことを想っているかをお話ししてくださったけれど、それまでは父親として、ずっと独りで抱え込んでいたのでしょう。それが、貴女と王様との心の距離を遠ざけることになってしまった」
シュリア様はため息をついて優しく微笑んだ。
「それなら私は、お父様のことを思い違っていたのね?ふふ、娘の私にだって口に出してくださらないと分からないこともあるの。お父様は不器用なのだわ。昔からそうだった。ええ、昔から。」
(SOV36/dion ID:ph8e.v)
5 ???
お父様は
私の本当のお父様ではなかった。
お父様。
私。
それなのに。
お父様は。
私は心を開けなかった。
お父様はお母様が亡くなってから無口になった。
私、愛されていないのかと思った。
そしてあの日私は閉じ込められた。
いつも上等なドレスに上等なお食事。
お部屋にはその他何でも女の子が喜びそうなもの沢山。
そんなの、私は欲しくなかったの。
物なんて欲しくなかった。
それにね、この国は私たちがまだ目を向けなければいけないこともあるのよお父様。
だから私はドレスは着なかった。
私知ってるの。まだまだ貧しい方々だっていることを。
私たちだけがこんな暮らしをしていて良いの?
私よりももっと国民に目を向けて...。
もしかして。
そう、そうだったの?
私のことばかり考えてくれていたから。
他の者に目が向かなかったの?
私、お父様とこんな会話すらしなかったの。
お父様はずっと私を護ってくださっていたのに。
私の本当のお父様ではなかった。
お父様。
私。
それなのに。
お父様は。
私は心を開けなかった。
お父様はお母様が亡くなってから無口になった。
私、愛されていないのかと思った。
そしてあの日私は閉じ込められた。
いつも上等なドレスに上等なお食事。
お部屋にはその他何でも女の子が喜びそうなもの沢山。
そんなの、私は欲しくなかったの。
物なんて欲しくなかった。
それにね、この国は私たちがまだ目を向けなければいけないこともあるのよお父様。
だから私はドレスは着なかった。
私知ってるの。まだまだ貧しい方々だっていることを。
私たちだけがこんな暮らしをしていて良いの?
私よりももっと国民に目を向けて...。
もしかして。
そう、そうだったの?
私のことばかり考えてくれていたから。
他の者に目が向かなかったの?
私、お父様とこんな会話すらしなかったの。
お父様はずっと私を護ってくださっていたのに。
(SOV36/dion ID:ph8e.v)
6 ???
中学の時、魔女狩りの横行していた時代の話みたいなものを書きたかった。
今でも未完成のまま。
本当は漫画にしたかった。
でもイラストが描けない。
昨日から大まかな内容だけど思い出していた。
色々足りないものが多くてこれ以上書けない。
文字に出来ないし、これ以上話も思いつかない(笑)
作りが甘い。
今でも未完成のまま。
本当は漫画にしたかった。
でもイラストが描けない。
昨日から大まかな内容だけど思い出していた。
色々足りないものが多くてこれ以上書けない。
文字に出来ないし、これ以上話も思いつかない(笑)
作りが甘い。
(SOV36/dion ID:ph8e.v)
7 言☆葉太郎
読んでから
感想書くぜ
感想書くぜ
(WX12K/w ID:Ooq4VI)
8 削除済
9 パリハ???
えっ、もしかして感想削除しちゃった?
勿体ない。
まあこの物語は色々と突っ込みどころが多すぎる。例えば、顔が似ているであろうに双子であることになぜ気づかなかったのか?とかあと魔女裁判や魔女狩りの描写も出来ていないし。城内の描写も出来ていない。
ここに書いたのは物語全体のうちの一部というかラスト間近の話なんだけど、その間の話が全く作れない。
どうせラストはここの登場人物全員死んじゃうんだよ。
王様は刺客に刺し殺され王女と主人公は魔女狩り騒動に抗えず共に火炙りの刑に処される。
救いようのない話さ。
勿体ない。
まあこの物語は色々と突っ込みどころが多すぎる。例えば、顔が似ているであろうに双子であることになぜ気づかなかったのか?とかあと魔女裁判や魔女狩りの描写も出来ていないし。城内の描写も出来ていない。
ここに書いたのは物語全体のうちの一部というかラスト間近の話なんだけど、その間の話が全く作れない。
どうせラストはここの登場人物全員死んじゃうんだよ。
王様は刺客に刺し殺され王女と主人公は魔女狩り騒動に抗えず共に火炙りの刑に処される。
救いようのない話さ。
(SOV36/dion ID:ph8e.v)
10 ハローエブリワン
全員死ぬのか
うけるね
けけけけけ
←病院行けコノヤローッ
うけるね
けけけけけ
←病院行けコノヤローッ
(WX12K/w ID:g6thMs)
11 パリハ???
へへへ。ある意味死にすぎて面白いかもね。
まあバッドエンドのようで主人公と王女の2人にとってはハッピーエンドかな。
まあバッドエンドのようで主人公と王女の2人にとってはハッピーエンドかな。
(SOV36/dion ID:ph8e.v)
12 ハローエブリワン
へへっ
うるせえバカヤローッ
うるせえバカヤローッ
(WX12K/w ID:g6thMs)
13 ???
本当はまたお前の笑顔が見たかった。
国に平穏が戻れば、いつか再びお前の笑顔を見られる日が来るだろうと思っていた。
「だが....私は死の淵に立たされているのだな。もうその願いは...叶わぬようだ...。ぐうっ、焼けるような痛みが...はは...こんな痛みなど、私が指揮してきた...兵士たちの負った傷に比べれば...」
娘を護りたかった。
ただその一心で。
娘を喪うのが怖かった。
シュリアにとっては不甲斐ない父親であったかもしれんな。いつもすれ違いばかりで。
だがこの国はもう私の手には負えなくなっていた。
隣国の王女アリアが火炙りの刑に処されたあの日から、この国の王女も魔女だと暴動を起こす者が出てきた。次第にその規模は肥大し、やがて隣国が攻め込んで来るようになり、呪われた娘を寄越せと脅され続けた。魔女裁判に掛ける気なのだろう。魔女の疑いを掛けられた者は誰1人として生きては帰れぬあの理不尽な裁判に。
私は聞いた。
耳を塞ぎたくなるような彼らの訴えを。
無垢な娘へと向けられた残虐な言葉の数々を。
私は見た。
歪んだ信仰によって暴かれた人間の醜態を!
私は戦った。
いや、正確には、自分は安全な場所にいた。私はそのような狡い人間なのだ。たった1人の娘を護るためにこの国中の兵をかき集め、多くの犠牲者を山のように作った。忠誠を誓い、我らの為に命を捧げ戦ってくれた彼らの弔いさえまともに出来ていない。
私こそ真の悪魔の使者であったのかもしれないな。
それでも。
私はシュリアにそんな民の姿や声などを見せたくも聞かせたくもなかった。
その為になら、私はどんなに悪者になっても良かった。
ただ、お前を護りたかった。
シュリアの命を護るためなのは勿論のことだったが、何よりもその純粋で慈愛に満ちた心を壊したくなかった。
きっと、日々純真に民の幸福を願うお前がそのような言葉を耳にし、お前に殺意を向ける変わり果ててしまった国民を目にしてしまったら、シュリアの心は粉々に砕け散ってしまうだろうから。
誰かが来る足音がする。
「王様!!ああっ!王様!どうして?!一体誰がこのようなことを!!!」
その声は....
段々、目が霞んできた。
出血が止まらないようだ。
こうも抉るようにやられてしまっては。
ははは。私の散り際に観客がいるとはな...。
「そんな...貴方様にはまだやり残したことが!いけません!まだです!まだ死んではなりません!生きるのです!」
たわけ者が。この有り様を見ればもう助からぬことなど...分かるだろうに。そんな大声を...少しは静かにせんか。ああもう体が冷たくなって。そろそろお迎えか。思考も鈍く...。全く、死に逝く者を前にして喧しいやつめ。
だがその凛とした声は....。
ははは...。
泣いているのか?
泣くな。
国ひとつ娘ひとりも護れなかった私のために。
心を悪魔に売ったかのように、
多くの護るべき者たちの命を奪った国王に。
涙など勿体ない。
泣いてくれるな。
シャリサよ。
「誰も...信...じるな...」
「誰も?...まさか内部の誰かが?いやぁっ、王様ぁっ!死ぬなんて嫌だ!シュリア様を置いて行くのですか?!」
「ああ...もう私は...。シュリアを.......。頼んだぞ....」
そうして国王の心臓が最後の脈を打った。
彼の時間が止まった。
国に平穏が戻れば、いつか再びお前の笑顔を見られる日が来るだろうと思っていた。
「だが....私は死の淵に立たされているのだな。もうその願いは...叶わぬようだ...。ぐうっ、焼けるような痛みが...はは...こんな痛みなど、私が指揮してきた...兵士たちの負った傷に比べれば...」
娘を護りたかった。
ただその一心で。
娘を喪うのが怖かった。
シュリアにとっては不甲斐ない父親であったかもしれんな。いつもすれ違いばかりで。
だがこの国はもう私の手には負えなくなっていた。
隣国の王女アリアが火炙りの刑に処されたあの日から、この国の王女も魔女だと暴動を起こす者が出てきた。次第にその規模は肥大し、やがて隣国が攻め込んで来るようになり、呪われた娘を寄越せと脅され続けた。魔女裁判に掛ける気なのだろう。魔女の疑いを掛けられた者は誰1人として生きては帰れぬあの理不尽な裁判に。
私は聞いた。
耳を塞ぎたくなるような彼らの訴えを。
無垢な娘へと向けられた残虐な言葉の数々を。
私は見た。
歪んだ信仰によって暴かれた人間の醜態を!
私は戦った。
いや、正確には、自分は安全な場所にいた。私はそのような狡い人間なのだ。たった1人の娘を護るためにこの国中の兵をかき集め、多くの犠牲者を山のように作った。忠誠を誓い、我らの為に命を捧げ戦ってくれた彼らの弔いさえまともに出来ていない。
私こそ真の悪魔の使者であったのかもしれないな。
それでも。
私はシュリアにそんな民の姿や声などを見せたくも聞かせたくもなかった。
その為になら、私はどんなに悪者になっても良かった。
ただ、お前を護りたかった。
シュリアの命を護るためなのは勿論のことだったが、何よりもその純粋で慈愛に満ちた心を壊したくなかった。
きっと、日々純真に民の幸福を願うお前がそのような言葉を耳にし、お前に殺意を向ける変わり果ててしまった国民を目にしてしまったら、シュリアの心は粉々に砕け散ってしまうだろうから。
誰かが来る足音がする。
「王様!!ああっ!王様!どうして?!一体誰がこのようなことを!!!」
その声は....
段々、目が霞んできた。
出血が止まらないようだ。
こうも抉るようにやられてしまっては。
ははは。私の散り際に観客がいるとはな...。
「そんな...貴方様にはまだやり残したことが!いけません!まだです!まだ死んではなりません!生きるのです!」
たわけ者が。この有り様を見ればもう助からぬことなど...分かるだろうに。そんな大声を...少しは静かにせんか。ああもう体が冷たくなって。そろそろお迎えか。思考も鈍く...。全く、死に逝く者を前にして喧しいやつめ。
だがその凛とした声は....。
ははは...。
泣いているのか?
泣くな。
国ひとつ娘ひとりも護れなかった私のために。
心を悪魔に売ったかのように、
多くの護るべき者たちの命を奪った国王に。
涙など勿体ない。
泣いてくれるな。
シャリサよ。
「誰も...信...じるな...」
「誰も?...まさか内部の誰かが?いやぁっ、王様ぁっ!死ぬなんて嫌だ!シュリア様を置いて行くのですか?!」
「ああ...もう私は...。シュリアを.......。頼んだぞ....」
そうして国王の心臓が最後の脈を打った。
彼の時間が止まった。
(SOV36/dion ID:ph8e.v)