1 パイン

とーよー

バスに乗っている。バス停が見えてきた。運賃を支払い降りた。歩く。自販機でコーヒーを買う。タバコをすう。
地図を見るがよくわからん。イライラしてきた。通行人をつかまえて、聞く。
「あーはいはい。とーよーね。彼は今、そのアパートにはいないよ」
「どこに住んでんの」
「パインさんの庭にテントを張って暮らしてるよ」
ところで何で通行人が知ってんだ?
まさか、こいつがとーよー?
「ひょっとしてお前とーよーか」
「ちげーよ。オレはせーよー。とーよーの兄だ」
おお!偶然にもとーよーの兄貴に遭遇。ミラクルやなー。
「ところでせーよーさん。とーよーってどんなやつですか」
「一言でいえば、陰湿なやつだよ」
「最悪ですやん」
「はははっちげーねー」
笑い事じゃねえ。会いたくなくなってきた。
とはいえ神様にとーよーに文字を教えてやってくれと頼まれてる。神様に逆らうわけにはいかん。
歩くひたすら歩く。目的地に着いた。確かにテントがある。
テントから誰か出てきた。女だ。
「生意気だな。とーよーのくせにセックスか」
オレはいらっときて、テントに火をつけた。「熱いいいいいい」誰かテントから飛び出した。とーよーかな?
「お前なにさらしとんねん」
「お前とーよーか」
「誰やねんお前」
「たけし。神宮寺たけし。みんなからはたけっちと呼ばれてる」
「なんかようか」
「文字を教えにきた」
「そんなひまねえ」
とーよーが逃げようとするから、オレはお菓子をあげた。
「むしゃむしゃ。文字を習って何の意味があるんだよ」
「小説をやるのさ」
「小説?つまんねーよ」
「読めないからだろ。読めるようになりゃ愉快なもんさ」
「めんどくせー」
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2 パイン
■非正規雇用問題■
 さて。今日は非正規雇用問題について考えてみよう。
 果たして非正規というのは必要なのか? 全員、正社員でよいのではないか?
 非正規は低賃金だから貧困に苦しむ。これはよくない。
 よくないのに、20000000人もいる。
 何とかせねばならん。
 どうすればよいのか?
 方法の一つは、官僚の給料を大幅に減らして、非正規の所得税をゼロにするという方法だ。官僚はあまり仕事をしていない(してれば日本はもっとよくなってる)高い報酬を支払う必然性はない。官僚の給料を減らせば、税金が減る。非正規の所得税をゼロにすれば、多少は生活がらくになる。
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3 パイン
□官僚の意見□
「反対!それは困る!」
理由→贅沢できない
□非正規の意見□
「賛成!それでいこう!」
理由→生活がらくになる
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4 パイン
官僚の時給を650円
非正規の時給を1500円にする
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5 とーよー
 

官僚ってめちゃくちゃ給料良いらしーなー。

そんな感情、捨て去る感動、小説始まるこの場で完了っと。


とーよーがたけしから文字を教わり1週間が経った。

「おい、たけし、オマエから文字を教わるのは良いけど、毎日、毎日、鬱だ、死にたい、金がなくて自殺したい辺りの内容の繰り返しだけじゃ飽きちまうぜコノヤロウ。どーせ、文字打つならバリエーション豊かに色んなこと書いていこーぜ」

たけしは自分でも話の内容にバリエーションが無いことは分かっていたが、そこで、それを、認めてしまえば、師匠としての自分の立場がみっともなくなるということを瞬時に判断し、即座に、それらしく、こう返した。

「オマエはオマエの道をゆけ。俺は上で待ってる」

しかし、とーよーにこう返された。

「それ、この前俺が言った台詞だよね?なに自分で考えた言葉みたいに言っているの?俺に憧れているのかい?なんなら俺の弟子にしてやろーか?」

その日の晩、たけしは悔しくて泣いた。

毎回、とーよーに何か教えようとしても逆に教え返される。

しかも、向こうの方が話の筋も通っているし、言葉にも説得力がある。この差は一体なんだ?ホントに文字を教わるのは俺の方ではないのか?翌日、強い決意を胸に、たけしはとーよーにこう言った。

「と、と、とーよー!!いや、とーよー先生!!ボクを弟子にして下さい!!」

この日から弟子と師匠が入れ替わる逆転生活が始まったのであった。
 
(PC ID:tWPyNB)
6 パイン
 たけしは、とーよーの訓練によって、バリバリとバリエーションを増やしたが、とーよーはなかなか文字を覚えない。たけしはだんだんイライラしてきた。
「師匠!はやく文字を覚えてください!」
「う、うるせえ。オレだって一生懸命やってんだよ!」
 やっと平仮名を半分覚えた。先は長い。
 その間、たけしはどんどんバリエーションを増やしていった。とーよーのおかげである。
 しかしながら、とーよーは文字を覚えるのをあきらめてしまった。
「師匠!」
「うるせえな。つまんねえんだよ。おもしろくねえんだよ」
 たけしは思わず、とーよーを殴ってしまった。
「うわあああん。うわあああん」
「す、すみません師匠。あまりに生意気なことを言うから」
「うわあああん。うわあああん。痛いいいいい」
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7 とーよー
 

「文字という括りに縛られない己の精神性をも発揮しきることこそが真の文学者である」


文字こそ書けなかったものの、その説得力ある言い回しによって、とーよーは連日連夜、演説会、講演会、多方面な華やかな場へと駆り立てられていった。そして、この日もカバン持ちとし、とある演説会に付き添っていたたけしは師匠とーよーにある疑問をぶつけた。

「師匠、師匠の話がカッコイイことは分かりましたけど、イッタイ、いつになったらボクに文字の稽古を付けてくれるんですか。毎度、毎度、講演会のカバン持ちばかりさせられていては鬱になってしまいます。ウンザリです。自殺したくなってしまいます。トホホ……」

「コラコラ、オマエはなんにも分かってねーよーだなー。貴様に、なぜ、カバンを持たせているのかまだ分かっとらんのか?忍耐力の増築こそが真の文学へと通じる唯一の架け橋、その程度でブツクサ言っているようでは真の文学者にはなれんぞ」

「な、なるほど!真の文学者か……そーゆーことでしたか師匠!!」

たけしはすぐに言ったことを信じきる愚か者だったのでとーよーはその愚かさに漬け込み、ことあるごとに文学とこじつけ、たけしを思いのままにコントロールしていた。

「たけし、お前はなんのために文字を打っている?金か?地位か?名誉か?確かにそんなものが大事でないとは言切れないし、現実社会において切り離せるものでもない。しかし、真の文学を突き詰める過程に置いて、全てのステータスを自分自身から切り離していく必要がある。オマエに金を捨てる程の勇気があるか?それが出来た時、オマエは、きっと、文学マスターの1人となることだろう」……などと言ってたけしの貯金残金を全部自分の元に持ってこさせたりもした。また、それだけでは飽き足らず……「確かにオマエは金という社会の鎖から解き放たれることには成功した。その点に置いては褒めておこう。しかし、次に文学マスターとなったオマエはこれからイッタイ何処へ向かうのか、それを自分自身で説いていく必要が出て来た。そのためには、形を捨て去ることが重要ともなって来る。いいか?文字は魂で打つんだ。心で打ち込むものだ。体という表向きの形に縛られるのはもうやめたらどーなんだ」……と言って、たけしが死なない程度の内蔵を全て回収し、売りさばいたりもした。

それから3年の月日が流れたある日、こんなことが起こった。
 

(〜つづく〜)
  
(PC ID:tWPyNB)
8 パイン
はははっ。たけしバカすぎるな。かわいそうになってきたぜ。
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9 とーよー
 
へへへ。せっかくの小説なんだから、このくらいいかなくてどーするよ。
(PC ID:tWPyNB)
10 パイン
よし!仕事までまだ時間ある。


たけしは悩んだ。とーよーはビーたけタイプやなと。ビーたけの文章ってだいたい、ビーたけしゃべったのを誰かが文字にしたパターンが多い。
まー、ビーたけはよい。文字が書けんわけでない。ただめんどくさがってるだけ。
とーよーは違う。文字が書けん。せっかくキラリと光るものを持ってんのに、文字が書けんからかなり損してる。
たけしは何とかしたかった。
あまりやりたくなかったが、ノルマを達成したら松阪牛のステーキを食わせてやるとゆった。
とーよーは平仮名をすべて覚えた。いやなヤツだ。
とーよーが食わせろ食わせろとやかましいんでたけしはあれはうそだよとゆった。
とーよーは落ち込んで平仮名を全部忘れてしまった。困った男だ。
電気ビリビリをすることにした。とーよーが机から離れようとしたら電気をビリビリするシステムを作った。これによりとーよーは机から離れなかった。しかしとーよーは字を練習せず自慰してた。つまりsexの練習。
平仮名帳を破いて、紙を精液まみれにしやがった。
たけしは泣きたい。せっかくキラリと光るものを持ってるのに。たけしはストレスがたまり、ビデオBOXに行き、エロいの観ながら射精した。
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11 とーよー
 
「よし!これで『や行』と『ら行』も覚えた!明日はついにラスト『わ行』だ!これを覚えたら完全にひらがなはマスターだ!ひゃっほーい!!」

とーよーはたけしの頭に乗り上げコマネチダンスを披露した。

「ちょ、ちょっと師匠!!というか弟子ぃー!ひらがな面に置いては俺の弟子ぃー!!なにを俺の頭に乗り上げ、変なダンスを踊っておるのだ!!さっさと降りんか!!」

「あ!し、師匠すみません!!」

とーよーとたけしは物事のテーマ別に師匠と弟子が入れ替える【でししょうシャッフル】というイベントを開催していた。2人の中で好評だった。絶賛発売中だった。なので、毎日が楽しかった。そんな2人が、この日、いつものよう、ビデオボックスで互いのチンポを握り合いながらオナヌーをしていると、そこに妖精が現れた。妖精の名はアルマジロン、彼はとてもメカに優れていた。
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12 パイン
おっ。ついにアルマジロン来やがったか!


なんとアルマジロンは家電バカだった。家電が好きで好きで、家電に好きですと告白したこともある。ちょっと頭がいってしまってるが、まどかと同棲するようになってから、少し落ち着いてきた。
ただ問題が起こる。まどかがたけしに浮気したのだ。しかもたちの悪いことにとーよーがまどかに恋してしまった。たけしはアルマジロンの師匠である。アルマジロンはとーよーの師匠である。とーよーはたけしの師匠である。もうわけがわからず、いやーんという感じだ。バカか。
(WX12K/w ID:EGaPkU)
13 とーよー
 
「俺がウワサのアルマジロン!!あるまじき行為発覚したので、この場で論破!!女とコンパ!!しているスケベなナンパ野朗が!!いや〜ん♪ばか〜ん♪そこはダメよぉー♪なんて、オッパイ、イッパイ、触りたい、まるで頭の中は中学生のぉ〜!クセしたオンボロ冷蔵庫!!へーーーーい!!!」

「何が?ヘイだ?理屈に御託を四の五の並べてうるせーなぁ〜♪ハイハイ、お待たせ、最強、とーよー!!1発噛ますぜチェケラッチョォ〜!!!なになに?オンボロ冷蔵庫ぉ〜?俺に向かって語尾『お』で固めて、勝てると思うなバカな素人!!知ろうとしても、オマエじゃ無理だわ、容量不足のSDカード!!」

「確かに要領大事だけども!!ヤル気がないならなんにもならんな!!ゆーえに、うーえに、向かって、大空向かって、羽ばたいていたい、フライハイ!!ハイハイ!している!赤ちゃん!並にぃ〜!!お手並み拝見!!だけども残念!!この場の勝者はたけしで決まりだ!!俺にゴマすれ!コッチはコマネチ!!」
 
3人はなんだかんだ有りながらもスコブル盛り上がっていた。
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