1 熟年妄想族

ノンケ親父がチンポの喜びを発見する。第一章

俺は建築士で既婚56歳、子供3人の父親だ。出張で今夏田舎町に単身赴任になった。
建築士は、クライアントの要望を聞き、建物の設計図を作成し、工事が設計図通りに進むように現場を監理する役割を担います。
ハードな仕事で残業も当たり前のように多い。
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2 熟年妄想族
part 1

出張先での生活は想像以上に過酷だった。地元の建設会社との打ち合わせや、現場視察。特にこの町の厳しい夏は体力を奪った。
汗だくになりながら日中を過ごした後、夜には設計図面と格闘。妻や子供たちの顔を見られない寂しさもあったが、何より疲労が溜まっていた。
そんなある日、現場の近くにある「健康増進センター」の看板が目に留まった。
地元の人々が気軽に立ち寄れる場所らしく、「トレーニングジム」「疲れを癒す」「健康回復」などの謳い文句が並んでいた。仕事も一段落し薄暗くはなっていたが、好奇心から俺は足を踏み入れた。
町で働いてる人や地元の人は500円と格安だ。
広々とした敷地にはトレーニングジムや温泉やサウナ室があった。
館内着を受け取り浴衣に着替えてロッカーに入れて風呂に行き流れのあるマラソン風呂に入るなどして身体全体をリラックスさせた。
みんな健康に気を付けてるんだろうか、客層は若い人よりも同年代の熟年や年配者がほとんど占めていた。
温泉は本当に気持ちよかった。
湯上り後にテレビのある休憩コーナーに行くと一人のおじさんが休んでいるのが目に入った。少し世間話をしただけで話が盛り上がった。
そしておじさんから衝撃的なことを言われた。
ここの仮眠室はホモの親父がいるから気を付けなって……
テレビの休憩コーナーで過ごしたあと、おじさんの忠告を頭に入れながらも好奇心に負け、仮眠室を覗いてみた。
薄暗い照明の中、枕と毛布が積み上げられていた。誰もいないと思っていた矢先……
部屋の隅で動く人影があった。
近づくと二人の男が横になっている。
片方は知ってる人で地元の建築会社の中年の男で、もう一方は筋肉質で日に焼けた初老の男性だった。
その建築士は浴衣をはだけさせ下半身を露出させており、もう一人の男性が彼のイチモツに顔を埋めていた。
唇が肉棒を包み込み、舌が裏筋を這い回るのが見えた。
「あ……あっ……」建築士の喉から漏れる喘ぎ声。
俺は固まってしまった。まさかこんなところで……
俺は建築士に気づかれる前に部屋を出た。
仮眠室から出た後、俺は頭を整理しようとしたが無理だった。目の前の光景が鮮明に脳裏に焼き付いている。
浴衣の下でイチモツが硬くなり始めていた。この場所では不適切な反応だとわかっていても、身体は正直だった。
あの建築士の恍惚とした表情と、老いた肉体がイチモツを愛撫する熟練した動き。それは想像以上の卑猥さだった。
自分の中に潜んでいた欲望に気づかされ、戸惑いと興奮が入り混じる。
理性では拒否したいのに、身体は正反対の反応を示していた。
浴衣の生地が股間に押し付けられ、俺の勃起したイチモツが形を浮き上がらせている。
こんな状況でどうすればいいのか……答えが出ないまま、俺は慌てて脱衣所に戻った。
周りの視線が気になり始めると同時に、自分の行動が信じられなくなった。
家族の顔がちらついたが、頭の中で渦巻く妄想は止まらない。
その夜、宿舎の部屋に戻った後も、あの光景が頭から離れなかった。
布団に入って目を閉じても、仮眠室で見た建築士の恍惚とした表情と老いた男性の熟練した口技が何度も蘇ってくる。
耐えきれずに俺は枕元のスマートフォンを取り、いつも使っているエロ動画サイトを開いた。
女性モノの動画を探していたが、指が勝手に動いてゲイ向けのカテゴリをタップしていた。
画面に映し出される男同士の絡み合う姿。舌が絡み合い、指が肌を這う様子。
それがさっき見た光景と重なり合っていく。
俺の右手は自然とパンツの下へ滑り込んでいた。硬くなったイチモツを握りしめ、ゆっくりと上下に擦り始める。
「あぁ……」
思わず漏れた声に驚いて口を塞ぐ。壁が薄い宿舎だから、隣の部屋まで聞こえてしまうかもしれない。
しかし欲望は止まらなかった。
画面の中では太った中年男性が熟年男性の黒いイチモツをシャブっていた。
あの建築士もきっとこうされていたんだと思った瞬間、さらに興奮が高まる。
亀頭から我慢汁が溢れ出し、濡れた音が響き始めた。
「くそっ……なんで……」
罪悪感が胸を締め付ける。妻や子供たちの顔が頭をよぎったが、すぐに消え去ってしまった。
頭の中はもうあの仮眠室の光景でいっぱいだ。
俺は上着を脱ぎ捨て全裸になった。
左手で乳首を摘みながら右手は激しく動かしていく。
「あぁ……ヤバい……」
快感が全身を駆け巡る。腰が浮き上がり射精感が込み上げてきた。
その時スマートフォンから男性の呻き声が聞こえ画面では太った熟年男性が果てていた。
俺も限界だった。「うっ!!」
「逝く!」 勢いよく飛び出した白濁液が畳を汚していく。
肩で息をしながら賢者タイムに入る俺。なんてことをしているんだという思いが押し寄せてきた。
翌朝俺は布団の中で悶々としていた。昨日の出来事が夢だったのではないかと思うほど現実味がない。
しかしあの感触だけは鮮明に覚えているのだ。建築士の快感に浸る顔と老人の巧みな口淫。
そして自分の手で慰めた快感も忘れられない。
その日は一日中落ち着かなかった。昼食時には同僚たちと話していても上の空だったし仕事中にふとした拍子であの光景を思い出してしまうのだ。
だがそんな日々が続いたある日のことだった。いつものように現場を回っていた時に例の建築士と出会ったのである。
建築士は仮眠室の事など無かったかのように普通に接してきたため俺も平静を装った。
たぶん俺だと気づいてなかったんだろう。
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3 熟年妄想族
part 2

その後二人で休憩時間になる度に雑談をするようになっていったのだがそんなある日突然その建築士から誘われたのである。
「良かったら今晩飲みに行かないか?」と言われた時俺は迷ったものの承諾することにした。
夜になり待ち合わせ場所に向かうとそこには既に彼の姿があった。「遅くなってすまんね」と謝りつつ店に入るといきなりビールを注文されたため俺も同じものを頼むことにした。
乾杯をして喉を潤わせているうちに次第に酒も進んでいったところで彼が切り出してきた。
「実は俺さ、この町に単身赴任して半年になるんだよね」
ビールを半分ほど飲んだところで建築士が唐突に言った。
「え??」
俺は思わず声を上げた。地元の建築士だとばかり思っていたのに、まさか自分と同じ単身赴任者だったとは。
彼は照れくさそうに笑いながら続けた。
「いや?最初はね、結婚してるから短期だと言ってたんだよ。でも気づいたら半年経っててさ」
「そうだったんですか……」
意外な事実に驚きながらも、どこか安心感を覚えた。この町に来たばかりで右も左も分からない俺にとって、同じ境遇の人がいると知って心強く感じたからだ。
「吉田さんもそうなんだろ?単身赴任ってやつ」
「あ、はい。先月からです」
「だろうと思ったよ。見かけない顔だったし」
建築士はニヤリと笑いながら言った。
「それにしても驚きました。地元の方だと思ってましたから」
「まあね。でもここは俺みたいな奴が多いんだ」
「どういう意味ですか?」
「この町には公共事業を扱う大手の設計事務所はないし、大きな土木会社もないから全部外部発注なんだよ」
「そうなんですか……」
「しかもこの夏の暑さに耐え切れなくて辞めていく奴も多いんだ」
「そうらしいですね」
「だから代わりはいないし、吉田さんみたいに熟練者が来るのは珍しいんだよ」
「吉田さん、いくつ?」
ビールグラスを傾けながら建築士が尋ねた。
「56歳です」
俺は正直に答える。こういう時は嘘をつくよりも本音で話す方が得策だ。
「ほう……」
建築士は一瞬考え込むような表情を見せた。
「じゃあ俺よりずっと年上なのか」
「あなたは?」
思わず聞いてしまった。失礼かもしれないが、年齢が気になるのは事実だ。
「俺は47だよ。吉田さんが9歳も年上だ」
建築士は少し恥ずかしそうに笑った。
「まだまだ若いつもりだけどね」
「いや、十分お若く見えますよ」
これは本当だった。彼の肌には張りがあり、体型も引き締まっている。それに仮眠室で見たイチモツも鋼鉄のようだった……
「俺なんか最近は体力の衰えを感じるようになってきました」
「そりゃあそうだよ。人間誰だって老いるんだから」
建築士は笑いながら言った。
「でもさ、老いることで得るものもあるんだぜ」
「例えば?」
「経験とか知識とかさ。それになんと言っても人生の楽しみ方だね」
「楽しみ方?」
「そう。若い時はただがむしゃらに働いて遊ぶだけだったけど今は違うんだ。もっと深いところで生きる喜びを感じることができる」
「なるほど……」
確かにそうだと思う。若い頃は仕事も遊びも全力投球だったけど今はもう無理できない。
「それにさ、単身赴任っていうのも案外悪くないんだよ」
「そうですか?」
「ああ。家族から離れて自由気ままにできるしな」
建築士はニヤリと笑った。
「それに……」
彼は意味深な表情を浮かべる。
「この町にはちょっと面白いことがあるんだ」
「面白いこと?」
「ああ……」
建築士の言葉に興味をそそられた。
「それってどういう……」
続きを聞こうとしたが彼は首を横に振った。
「まあいいじゃないか」
「でも気になりますよ」
「まあそのうちわかるさ」
建築士はビールを飲み干すと立ち上がった。
「さてと……そろそろ帰るかな」
「えっ?もう帰っちゃうんですか?」
「明日も早いからな」
建築士は伝票を持ってレジに向かった。
「奢るよ」
「いいですよ。自分が払いますから」
「いいからいいから俺が誘ったんだから」
建築士は強引に支払いを済ませてしまった。
「ご馳走さまです」
店を出て別れ際に建築士が言った。
「吉田さん、今度暇な時にまた一緒に飲みに行こうぜ」
「はい!ぜひ」
「じゃあまた連絡するわ」
建築士は軽く手を振りながら去って行った。
その背中を見送りながら思った。
もしかしたらこの町での生活も悪くないかもしれない。少なくとも退屈することはなさそうだ。
あれから数日が過ぎた。伊藤さんと飲んだ夜以来、何か特別なことが起こるわけでもなく忙しい日常が続いていた。
ただひとつ変わったことがあるとすれば、彼の最後の言葉が気になって仕方がないということだ。
仕事の合間にもあの仮眠室での光景がちらつく。熟練した老人の口技と伊藤さんの快感に歪む顔。
「彼はきっとこのことを言ってるんだろう……」
仕事も終わり作業着のまま俺は再び健康増進センターを訪れた。今回は迷わず疲れを取るためにサウナに向かうことにした。
扉を開けると誰もいない静かな空間。
「兄さん?」
背後から低い声が聞こえた。
振り返るとそこにいたのは以前見かけた褐色の老人。股間を露にし首にタオルをかけている。
「あ……あの……こんにちは」
緊張で声が裏返りそうになる。
「お前さんも単身赴任かい?」
「えっと……はい……」
老人は笑いながら近づいてくる。距離が縮まるにつれ甘ったるい石鹸の匂いが漂った。
「この町には珍しいからな若造が来るのは」
「俺……もう56ですよ」
「それでも十分若いさ」
老人はそう言うと俺の肩をポンッと叩いた。
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4 熟年妄想族
part 3

「まあ座りなさい」
老人はサウナのベンチを指さした。断る理由もなく俺は腰を下ろす。
熱気が肌を刺す中、老人は足を広げて座った。鍛え上げられた上半身と黒光りする下半身があらわになる。
「最近若いのが少なくてな」
老人の視線が俺の股間に落ちる。
「あんたはどうなんだい?」
「な……何のことです?」
動揺を隠しきれない俺に老人は笑みを浮かべた。
「男が遊ぶ風俗もないからなここは」
彼はゆっくりと腰を浮かせ俺の隣に座り直す。そのとき、彼の硬くなり始めた一物が目に入った。陰毛は薄く、黒色の亀頭が鈍く輝いている。
竿には深いシワが刻まれていた。
「この町の娯楽はここだけなんだよ」
彼は言いながら俺の太腿に手を置いた。しっとりとした掌が肌に吸い付くようだ。
「みんなここでストレス解消をするんだ」
老人は俺の耳元で囁く。吐息が耳朶をくすぐり全身に鳥肌が立った。
「あ……あの……」
言葉を詰まらせる俺を見て老人は微笑んだ。
「抵抗しないなら受け入れてくれるってことだな?」
「ち……違います!」
否定しながらも身体は動かない。心臓が激しく打つのを感じる。
「じゃあなんでここに来たんだ?」
老人の問いに答えられない。本当は自分でもわかっているのだ。あの夜伊藤さんと飲んでからずっとこうなることを期待していたんだ。
「素直になれよ」
老人の手が俺の太腿をゆっくりと撫で上げていく。その触り方は優しくそれでいて妖艶だった。
「こんな立派なものを持ってる癖に」
彼の手がついに俺のイチモツを包み込んだ。冷たい手に触れられ思わず声が出そうになる。
「ほぉ……立派だな」
老人は楽しそうに笑いながら上下に揉みしだいた。すでに半勃ちになっていた俺のイチモツは完全に硬くなってしまう。
「ほう!56歳とは思えない」
彼はそう言うと剥き出しになったイチモツを見て満足そうな表情を浮かべた。
「これならまだ女にも困らんな」
老人はニヤリと笑いながら俺のイチモツに顔を近づけた。唾液で濡れた舌が亀頭を舐め上げる感覚に震え上がる。
「あっ……」
思わず漏れた声に老人は嬉しそうな表情を浮かべた。そのまま舌を這わせて竿全体に纏わりつかせるように刺激を与えてくる。
「ああっ……」
あまりの快感に腰が砕けそうになる。しかし老人は容赦なく攻め立ててくる。
カリ首から尿道まで丁寧に舐め上げられて歯茎で擦られる度に電流のような刺激が走った。
「いい声だなぁ」
老人は俺の反応を楽しむように見つめている。その瞳には淫靡な光が宿っていた。
「さて……そろそろ」
老人はそう呟くと大きく口を開け俺のイチモツを根元まで飲み込んだ。温かい粘膜に包まれる感覚に意識が飛びそうになる。
「んっ……」
彼は苦しそうな表情を浮かべながらも決して離そうとしない。
唇を使って締め付けたり裏筋を執拗に責められたりするうちにどんどん高まっていくのを感じた。
「やばいっ!」
射精寸前で彼は口を離した。解放された俺の一物は天を向き脈打ちながら透明な液体を垂れ流している。
「出す時はちゃんと出せよ」
老人は意地悪く笑いながら俺の亀頭を指で弾いた。
「ひぃっ!」
強烈な痛みに悲鳴を上げる。しかしそれは快感への入り口に過ぎなかった。
老人は再び口淫を始めた。今度は先程よりも激しく情熱的なものだ。じゅぽっと卑猥な音と共に唾液まみれになった肉棒が出入りする様子を見せつけられる。
「すご……すぎます……」
今まで味わったことのない極上のテクニックに戸惑いながらも身体は正直だった。睾丸が持ち上がり射精準備を整えているのが分かる。もう限界だと思ったその時彼の動きが止まった。
「ダメぇ……止めないでくだざい……」
情けない声で懇願する俺を見て彼は満足そうな笑みを浮かべる。
「じゃあお願いしな」
彼は俺の耳元に顔を寄せ甘く囁いた。
「僕のチンコを気持ち良くしてくださいって言うんだよ」
「僕のチンコを気持ち良くしてください」
羞恥心をかなぐり捨てて叫ぶと彼は大きく口を開けて俺の一物を迎え入れてくれた。その瞬間頭が真っ白になるほどの快楽に襲われる。
「ああぁぁあ!!」
獣のような咆哮を上げながら腰を突き出すと彼は器用に舌を使って絶頂へと導いてくれる。数秒後に俺は果ててしまい大量の精子を放出した。
それを全て受け止めると彼は美味そうに飲み干した。
「ごちそうさん」
彼は笑いながら言うと俺の隣に移動してきてキスを求めてきた。
最初は戸惑っていたがすぐに受け入れた。濃厚なディープキッスに酔いしれているうちに第二ラウンドが始まってしまった。
今度は騎乗位で犯されることになった。馬乗りになり自ら挿入する姿は圧巻である。
結合部から溢れる泡立った液体が淫靡さを際立たせていた。激しく腰を上下させる度に喘ぎ声が響き渡る。
俺も負けじと突き上げるように腰を動かすと一層大きな声を上げた。互いの汗が飛び散り湯気に変わっていく中夢中でお互いを求めあった結果二人共絶頂を迎えた時にはどちらともなく倒れ込んだまましばらく荒い呼吸を繰り返すだけとなった。
ようやく落ち着いてきた頃合いを見計らって声をかけることにした。
「ありがとう」
「こちらこそありがとね」お互い裸のままで抱きしめあいながら余韻に浸っている・・・・
こうして長い夜が始まり終わりゆく頃には新たな関係が始まろうとしていた。
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5 熟年妄想族
part 4

それは決して許されぬ禁断の愛の形であったものの本人達にとっては最高の幸せとなるはずなのだった。
あれから幾日か経過したある日の午後のことである。「今日はここまでですね」仕事を片付け家路に着こうとしているところに伊藤さんが現れた。
「お疲れ様です。明日は休みだし、久しぶりに飲みに行きませんか?」
伊藤さんの提案に一瞬躊躇する。正直言って気乗りしない。あのサウナでの出来事以来、妙に意識してしまうからだ。
「お互い気を使わないで割り勘ならいいですよ」
条件付きで応じた俺を見て伊藤さんはニヤリと笑った。
「もちろんいいですよ」
そう言って彼はスマホを取り出し店を探し始めた。画面をスクロールする指先が妙に艶めかしく見える。
「この店どうです?個室があるみたいですし」
示された店名には見覚えがあった。この町では珍しい純和風の居酒屋で地元の人気スポットらしい。俺も一度行ってみたいと思っていた場所だった。
「いいですね。じゃあそこで」
そう言うと伊藤さんは嬉しそうに笑った。その笑顔を見ていると不思議と胸が高鳴ってくる。
「じゃあ行きましょうか」
二人で肩を並べて歩く。街灯の明かりが道を照らし二人の影を長く伸ばしていた。
店に入ると個室に通された。掘りごたつ式の席で落ち着いた雰囲気が漂っている。
「何にします?」
メニューを開きながら尋ねると伊藤さんは少し考え込む素振りを見せた。
「とりあえずビールかな」
「じゃあ俺もそれで」
注文を済ませると沈黙が流れた。何か話さなければと思い口を開く前に伊藤さんが話し始めた。
「そういえば……健康増進センターに行ったんですね」
ドキッとする。まさかバレてるのか?
「えっと……」
言い淀んでいると彼はクスリと笑った。
「隠さなくても良いですよ」
やっぱりバレてるんだな……観念して認めることにする。
「はい……行きましたよ」
すると彼は満足げに微笑んだ。
思い出すだけで身体が熱くなる。あのときのことは一生忘れられないだろう。
「どうして知ってるんですか?」
恐る恐る尋ねると彼は悪戯っぽく笑った。
「あの建物は利用者が少ないですからね。誰がどんなふうに入り浸っているのかみんな知ってますよ」
つまり俺が爺さんに抜いてもらったことも筒抜けというわけなのか?まさかな……恥ずかしさのあまり顔を覆いたくなる衝動に駆られた。
「ちなみに……誰から聞いたんですか?」
震える声で問いかけると伊藤さんは首を横に振った。
「具体的な名前は控えさせていただきますが……」
その言葉を聞いてさらに不安が募っていく。もしあの爺さんだったらどうしよう?そんなことを考えているうちに料理が運ばれてきた。
テーブルいっぱいに並ぶ豪華な食事たちを見て一瞬食欲が失せてしまう。
「どうしました?食べないんですか?」
伊藤さんの問いかけに対し曖昧に笑うしかなかった。とても食事どころではない状況なのだ。
しかしいつまでも落ち込んではいられないので意を決して箸を伸ばした。
まずは一番手前にあった刺身の盛り合わせを口に運ぶ。新鮮なお魚特有の甘みが口の中で溶けていくようで旨い。
「美味しいですね」
自然と言葉が出るくらい美味しかった。次に焼き鳥を試してみるとこちらも絶品で柔らかくてジューシーだった。
そうこうしているうちに徐々に緊張もほぐれてきたらしく普段通り話せるようになった気がする。
しかし相変わらず内容は淡泊なものであり核心部分に触れる機会は訪れなかったのである。
「伊藤さんは行かないんですか?」
俺は白々しく聞いた。ビールを口に含みながら横目で彼の表情を窺う。
「まぁ……たまに」
伊藤さんはグラスを持ち上げながら曖昧に答えた。視線が宙を泳いでいる。
「そうですか」
伊藤さんが爺さんにシャブられてるのを知ってて実際に聞くと複雑な気分だ。
「でも……行く頻度は高くないですよ」
彼は苦笑いを浮かべながら続けた。
「週に1度くらいですかね」
その言葉を聞いてさらに驚愕する。そんなに少ないなんて……
「吉田さんは……?」
逆に質問され言葉に詰まる。まさか最近は毎日のように通っているとは言えないし適当な嘘をつくわけにもいかない。
「あぁ……週に2〜3回程度です」
結局当たり障りのない回答を選ぶことにした。しかし彼は疑うような眼差しを向けてくる。
「本当ですか?」
その問いかけに何も答えられずにいると突然大声で笑い出した。
「冗談ですよ。別に疑ってませんから安心してください」
ホッと胸を撫で下ろすと同時に何故か寂しさを感じた自分がいた。
その後しばらく他愛もない話が続いたが徐々に本題へと近づいていった。
「ところで……あの施設のことなんですが……」
彼の口から出た『施設』という言葉にドキリとする。
「どう思われていますか?」
「どうと言われても……なぜですか?」
「だって……俺が爺さんにシャブられてるの見たんでしょう」
伊藤さんの言葉に息が詰まる。予想外の告白に思考が追いつかない。
「えっ? それって……」
思わず声が漏れる。あの日の記憶が鮮明によみがえった。
伊藤さんは頬を赤らめながら言った。
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6 熟年妄想族
part 5

「まさか見てる人が同じ現場の人とは知らなかったんですあの時は、後で知って本当に驚きました」
「すいません……」
申し訳ない気持ちで頭を下げる。
「いやいや謝らないでください。むしろ……」
彼は言葉を切ってグラスのビールを一口飲んだ。喉仏が上下するのを見ながら俺は次の言葉を待った。
「むしろ安心しました。俺だけじゃないことは知ってたんだけど」
俺だけじゃない……伊藤さんの言葉から推測できることは一つしかない。やはり爺さんから聞いていたんだ。
「あの爺さんって……私は言葉に詰まった」
「ええ、爺さんは全部喋ってました」
伊藤さんは苦笑いを浮かべた。
「私が行くたびに『昨日は若い兄ちゃんが来たぞ』って話してましたから」
「マジですか……」
想像以上にオープンな状況に言葉を失う。
「実は俺も昨日知ったんです」
伊藤さんが突然真剣な表情になった。
「何を?」
「あの爺さんが吉田さんはワシの常連だよって……」
彼は周りを見回してさらに小声で続けた。
「吉田さんはデカマラで絶倫だって……」
「えっ!?」
予想外の情報に思わず赤面した。
「だからいろいろ事情が通っていて……」
伊藤さんは意味深な笑みを浮かべた。
「爺さんは自分とやった人にしか喋らないから安心しな」
「つまり……他の人にも筒抜けってことですよね?」
「そういう側面もあるな」
爺さんの暗部を垣間見た気がして背筋が寒くなった。
「でも怖がらないでください。爺さんは佐久本さんといってな町の議員なんだ」
伊藤さんは優しく微笑んだ。
「むしろ……町で生き抜くための処世術みたいなものです」
「処世術?」
「はい。特に私みたいな若造が町でやっていくには情報を得るために必要なスキルなんですよ。今の現場が取れたのも爺さんのおかげなんです」
彼の言葉には重みがあった。都会から来た俺には理解できない世界かもしれないが確かにこの町には独特の論理と秩序があるようだ。
「だから……吉田さんもそのうち慣れますよ」
「慣れたくないですけどね……」
苦笑いしながらも内心では興味津々だった。この町の謎めいた世界をもっと知りたいと思う一方で恐れも感じていた。
「それにしても変な感じだな……伊藤さんも俺もあの爺さんと……」
言葉を濁すと彼は愉快そうに笑った。
「僕らだけじゃないですよ。あの爺さんは町中の男たちと関係を持ってますから」
衝撃的な事実に頭がクラクラしてきたが同時に納得もできた。あの爺さんの技術は並大抵ではないことを実感していたからだ。
「でも……それが当たり前なんですよねこの町では」
「はい。だから気にしないことです」
伊藤さんの言葉には優しさが込められていた。彼もまた同じ境遇を経験してきたのだろう。二人の間に奇妙な連帯感が芽生えてきた。
「さて……」
彼は突然立ち上がった。
「そろそろ出ましょうか?いい時間ですし」
時計を見るとすでに22時を過ぎていた。確かに飲みすぎてしまったかもしれない。
「そうですね。帰りますか?」
立ち上がってレジへ向かおうとした時だった。店員さんが慌てた様子で近づいてきた。
「すみませんお客様……」
彼女の表情が引きつっているのがわかる。一体何事だろうかと思っていると彼女は小さな声で続けた。
「外でお待ちの方がいらっしゃいます……」
外を見るように促されるので暖簾越しに覗くと見覚えのあるシルエットが立っていた。
それは紛れもなくあの爺さんだった……。
「なんでここに?」
震える声で問いかけると伊藤さんは静かに頷いた。
「これも町での生活です。逃げられませんよ」
覚悟を決めなければならない時が来たようだ……
「こんばんは」
爺さんの声は低く落ち着いていた。背筋がピンと伸びた姿勢でこちらを見据えている。
その眼光は鋭く一瞬で威圧感を感じた。
「こんなところで会うなんて驚きました……」
声が上擦りそうになるのを必死に抑えながら言葉を発する。
「私も意外でしたよ伊藤さん。まさか吉田さんと一緒にいるとは」
爺さんは微笑みながら言った。
「実は……」
伊藤さんが口を開いた。
「仕事の打ち合わせをしながら飲んでまして」
「そうかそうか」
爺さんは満足そうに頷いた。
その仕草ひとつひとつが計算されているように感じる。
「偶然とはいえ面白い巡り合わせじゃな」
彼はゆっくりと私たちの方に向かってきた。近づくにつれ独特の匂いが鼻腔を刺激する。
香水なのか体臭なのかわからないがとにかく強い印象を与えてきた。
「どうじゃ? 一緒に一杯やらんか」
拒否できる空気ではなかった。無言の圧力をかけてくる老人に従うしかない。
「ぜひご一緒させていただきます」
伊藤さんが即答した。その冷静さに救われた気持ちになる。
「この町はどうじゃね吉田さん?」
「はい……独特な文化があって興味深いと思います」
正直な感想を述べると爺さんは目を細めた。
「そうか……そう思うか」
「ところで……」
伊藤さんが話を切り出した。
「今日来られたのは偶然でしょうか?」
鋭い質問だ。私自身も気になっていた点だったので心臓が早鐘を打ちはじめる。
爺さんは一瞬だけ真顔になった後破顔一笑した。
「偶然ではないと言ったら信じるかね?」
意味ありげな言葉に混乱するばかりだ。どういう意味なんだ……
「どういう意味でしょうか?」
勇気を出して聞き返すと彼は楽しげな表情を浮かべた。
「そのままの意味じゃよ」
「つまり……僕たちが会ってることを知っていたんですか?」
震える声で確認すると彼は小さく首肯した。
「もちろんだとも」
さらっと言われて呆然となる。そんな私を見ながら彼は続けた。
「この店はワシがオーナーだからじゃよ」
衝撃の事実に開いた口が塞がらない。
「驚かせたようですまんな」
爺さんは愉快そうに笑っている。その笑顔を見るだけで胃が痛くなってきた。
「ですが何故……」

続く
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