2 熟年妄想族
part 1
数週間が過ぎた。
あの時の事は嘘のように遠く霞んでいる。いや、正確には近すぎて意識すること自体が苦痛なのだ。
夕方のルーティンとして欠かさなくなったジョギング。公園内のコースを巡り、木陰を抜け、湿った土の匂いを感じる。全てが日常の一コマのはずなのに??
視線が必ず一点に向いてしまう。茂みに隠れた公衆便所。ひときわ古い建物。
(今日は……いるのか? いや、こんな明るいうちに)
理性は否定する。だが肉体が反応していた。鼓動が早くなる。喉が渇く。汗が首筋を伝う。
午後六時を過ぎて空が橙色に染まる頃。まだ日没には早い時間帯だ。この時間なら利用者はいないはずだと自分に言い聞かせる。
足は勝手に進路を変えた。吸い寄せられるように近づいていく。
トイレに入ると小便の匂いがきつく相変わらず狭くて汚れた空間が鼻をつく。電球の切れかかった照明の下には誰もいなかった。
(当たり前だ。明るい時間に来るわけがない)
安堵とも落胆ともつかぬ溜息が出る。壁際の小便器で用を足しかけた瞬間?
奥の個室の戸が微かに揺れて心臓が跳ね上がった。しかしすぐに錯覚とわかる。蝶番が緩んで軋んだだけのことだ。
全身から力が抜けていった。ここに長居しても仕方ない。早く離れなければ。
昭夫は次は暗くなってから来たらどうなんだろうと想像を膨らませる
トイレを出ると夕日の残照が西の空を赤く染めていた。遠くで子どもたちの甲高い笑い声が聞こえる。健全すぎる風景に眩暈を覚えた。
(何を考えている……)
走り出す。肺が焼け付く感覚と共に余計な思考を振り払おうとする。だが脳裏に浮かぶのはあのトイレの出来事だ。
夜になれば……
暗がりの中であの穴にイチモツを突っ込む男。
もしかしたらまた?いや違う。俺の方からしゃぶりたくなってしまうのではないか?
嫌悪と期待がない交ぜになった感情に戸惑いながら公園を一周し終える頃には辺りはすっかり薄暗くなっていた。
家に戻ると妻・和美が出迎えてくれた。「おかえり」と微笑む顔は何十年経っても愛しいと思う。
「ただいま」と答える声が少し上擦ってしまった理由については悟られたくない。
食卓につく前にシャワーを浴びようと浴室に向かう途中でふと思い立ち洗面所の鏡を見た。
そこに映るのは紛れもなく平凡なサラリーマンの顔だ。決して誰かを犯したり傷つけたりできる存在ではないはずなのに……
思い出すだけで下半身が熱くなりそうになるなんて異常だ。自分の中で何かが壊れかけている……
食事をしている最中に和美が尋ねてきた。「最近ジョギング増えてきたんじゃない?」
一瞬ドキッとしたものの平静を保つ。「そうだな。健康診断で血糖値が気になってきたから運動しなくちゃと思ってな」
我ながらもっともらしい嘘だと思う。本音は別の所にあるのだから。
「それで今朝も行ってきたのよね? 公園沿いの道を通ったら工事中の看板があって驚いた」
彼女の口から具体的な地名が出ただけで鼓動が跳ね上がる。まさかバレているはずがないと思いつつ返事がしどろもどろになってしまう。
「あ……ああ。補修工事とか書いてあったけど詳細はよくわからない」
「危険だから迂回してくださいって書かれてたから私もいつもより遠回りしてきた」
「そうなのか?」
「昭夫さんも気をつけなさいよ」
気遣ってくれる言葉すら今は皮肉めいて聞こえる。迂回すればいいのに敢えて同じ場所を目指しているのだから。
(また行くのか?) 自分自身に問いかけながら箸を運ぶ。味噌汁の味さえ判然としないほど神経が昂っていることを自覚していた。
その晩も眠りは浅かった。
ベッドに入って瞼を閉じても頭の中はあのトイレのイメージで溢れている。口を通して触れた柔らかな感触。口腔内で擦り上げる粘膜の温度。漏れ聞こえる呻きと荒い吐息……
(もう終わりにしよう)
何度思ったことか分からない誓いは毎度破られてきた。一度覚えた蜜の味からは逃れられないものだ。
(でも本当にこれ以上続けるべきではない!)
深夜2時半。
枕元の時計を見て覚悟を決めた。寝返りを打つと隣で妻の寝息が穏やかであることに気づいた。
起こさないように静かに床を出てパジャマのズボンを脱ぐ。下着姿になり部屋の隅に置いてあるランニングパンツを穿いた。
公園のトイレに向かいジョギングを始めた昭夫であった。
静寂に包まれた住宅街を駆け抜ける足音だけが規則正しく響く。街灯の光が交互に顔を照らすたびに罪悪感が膨れ上がる気がした。
(行くな……引き返せ!)
頭の中で警告音が鳴り響く一方で肉体は確実に目的地へと導いていた。冷たい夜気が肌を刺すのに額には脂汗が滲む矛盾した感覚。
(あの便所に行けば何か変わるのか?)
答えは出ているのに認めたくない。ただ欲望だけが先走って身体を突き動かす原動力になっていた。
公園に差し掛かると遠目にトイレのシルエットが確認できた。昼間とは違う闇の帳に覆われた無機質な箱のような印象だ。
鼓動が一段と速まった。つい先刻までの後悔など遥か彼方に置き去りにしてしまったようだ。
数週間が過ぎた。
あの時の事は嘘のように遠く霞んでいる。いや、正確には近すぎて意識すること自体が苦痛なのだ。
夕方のルーティンとして欠かさなくなったジョギング。公園内のコースを巡り、木陰を抜け、湿った土の匂いを感じる。全てが日常の一コマのはずなのに??
視線が必ず一点に向いてしまう。茂みに隠れた公衆便所。ひときわ古い建物。
(今日は……いるのか? いや、こんな明るいうちに)
理性は否定する。だが肉体が反応していた。鼓動が早くなる。喉が渇く。汗が首筋を伝う。
午後六時を過ぎて空が橙色に染まる頃。まだ日没には早い時間帯だ。この時間なら利用者はいないはずだと自分に言い聞かせる。
足は勝手に進路を変えた。吸い寄せられるように近づいていく。
トイレに入ると小便の匂いがきつく相変わらず狭くて汚れた空間が鼻をつく。電球の切れかかった照明の下には誰もいなかった。
(当たり前だ。明るい時間に来るわけがない)
安堵とも落胆ともつかぬ溜息が出る。壁際の小便器で用を足しかけた瞬間?
奥の個室の戸が微かに揺れて心臓が跳ね上がった。しかしすぐに錯覚とわかる。蝶番が緩んで軋んだだけのことだ。
全身から力が抜けていった。ここに長居しても仕方ない。早く離れなければ。
昭夫は次は暗くなってから来たらどうなんだろうと想像を膨らませる
トイレを出ると夕日の残照が西の空を赤く染めていた。遠くで子どもたちの甲高い笑い声が聞こえる。健全すぎる風景に眩暈を覚えた。
(何を考えている……)
走り出す。肺が焼け付く感覚と共に余計な思考を振り払おうとする。だが脳裏に浮かぶのはあのトイレの出来事だ。
夜になれば……
暗がりの中であの穴にイチモツを突っ込む男。
もしかしたらまた?いや違う。俺の方からしゃぶりたくなってしまうのではないか?
嫌悪と期待がない交ぜになった感情に戸惑いながら公園を一周し終える頃には辺りはすっかり薄暗くなっていた。
家に戻ると妻・和美が出迎えてくれた。「おかえり」と微笑む顔は何十年経っても愛しいと思う。
「ただいま」と答える声が少し上擦ってしまった理由については悟られたくない。
食卓につく前にシャワーを浴びようと浴室に向かう途中でふと思い立ち洗面所の鏡を見た。
そこに映るのは紛れもなく平凡なサラリーマンの顔だ。決して誰かを犯したり傷つけたりできる存在ではないはずなのに……
思い出すだけで下半身が熱くなりそうになるなんて異常だ。自分の中で何かが壊れかけている……
食事をしている最中に和美が尋ねてきた。「最近ジョギング増えてきたんじゃない?」
一瞬ドキッとしたものの平静を保つ。「そうだな。健康診断で血糖値が気になってきたから運動しなくちゃと思ってな」
我ながらもっともらしい嘘だと思う。本音は別の所にあるのだから。
「それで今朝も行ってきたのよね? 公園沿いの道を通ったら工事中の看板があって驚いた」
彼女の口から具体的な地名が出ただけで鼓動が跳ね上がる。まさかバレているはずがないと思いつつ返事がしどろもどろになってしまう。
「あ……ああ。補修工事とか書いてあったけど詳細はよくわからない」
「危険だから迂回してくださいって書かれてたから私もいつもより遠回りしてきた」
「そうなのか?」
「昭夫さんも気をつけなさいよ」
気遣ってくれる言葉すら今は皮肉めいて聞こえる。迂回すればいいのに敢えて同じ場所を目指しているのだから。
(また行くのか?) 自分自身に問いかけながら箸を運ぶ。味噌汁の味さえ判然としないほど神経が昂っていることを自覚していた。
その晩も眠りは浅かった。
ベッドに入って瞼を閉じても頭の中はあのトイレのイメージで溢れている。口を通して触れた柔らかな感触。口腔内で擦り上げる粘膜の温度。漏れ聞こえる呻きと荒い吐息……
(もう終わりにしよう)
何度思ったことか分からない誓いは毎度破られてきた。一度覚えた蜜の味からは逃れられないものだ。
(でも本当にこれ以上続けるべきではない!)
深夜2時半。
枕元の時計を見て覚悟を決めた。寝返りを打つと隣で妻の寝息が穏やかであることに気づいた。
起こさないように静かに床を出てパジャマのズボンを脱ぐ。下着姿になり部屋の隅に置いてあるランニングパンツを穿いた。
公園のトイレに向かいジョギングを始めた昭夫であった。
静寂に包まれた住宅街を駆け抜ける足音だけが規則正しく響く。街灯の光が交互に顔を照らすたびに罪悪感が膨れ上がる気がした。
(行くな……引き返せ!)
頭の中で警告音が鳴り響く一方で肉体は確実に目的地へと導いていた。冷たい夜気が肌を刺すのに額には脂汗が滲む矛盾した感覚。
(あの便所に行けば何か変わるのか?)
答えは出ているのに認めたくない。ただ欲望だけが先走って身体を突き動かす原動力になっていた。
公園に差し掛かると遠目にトイレのシルエットが確認できた。昼間とは違う闇の帳に覆われた無機質な箱のような印象だ。
鼓動が一段と速まった。つい先刻までの後悔など遥か彼方に置き去りにしてしまったようだ。
(PC)
3 熟年妄想族
part 2
敷地内に足を踏み入れる前に立ち止まり深呼吸する。非日常性が逆に昂ぶりを加速させていた。
入り口近くでは小さな虫の羽音が耳障りなほど大きく聞こえる。他に人の気配はない。
公園を進むにつれて深夜だというのに数人の男性の人がウロウロしてる。しかもオヤジや熟年ばかりだ。
一瞬立ち止まった昭夫は息を飲んだ。トイレを目指す道すがら、街灯の影や木々の間に蠢く人影が目に入ったのだ。
(こんな時間に……何をしているんだ?)
普通の散歩とは明らかに異なる動き。彼らの視線は常に建物の方向を伺うように揺れていた。年のころ四十代後半から六十代と見える中年男性ばかり五、六人はいるだろうか。
互いに一定の距離を取りつつ、決して近づこうとはしない。しかし確実に同じ目的を共有している空気が漂っていた。
(まさか……)
昭夫は唾を飲み込んだ。あの便所に惹かれているのは自分だけではなかったのだ。
最もトイレに近い位置にいた白髪混じりの男がこちらに気づいて僅かに視線を向けた。すぐに逸らされたものの警戒されているのが分かる。
「こんばんは!」
低く籠った声が背後から響いた。ハッと振り向くと濃紺のシャツを羽織った大柄な熟年男性が立っていた。顔には深い皺が刻まれ眼光鋭い。
「ウォーキングですか?」
昭夫は咄嗟に曖昧な笑みを浮かべて頭を下げた。
「あの……ちょっと運動不足解消のためジョギングに出たんです」
我ながら苦しい言い訳だと思う。だが相手は納得した素振りもなく肩を竦めた。
「へぇ……気をつけてください」
意味深な含みを持たせて踵を返す。再び公園内に緊張した沈黙が降りた。
(みんな"分かっている"んだ)
改めて認識させられた。この場に集う全員があの個室で行われる"行為"を承知しているのだと。あるいは過去に経験した者が多いのかもしれない。
腹の底からゾクゾクとした震えが込み上げてきた。恐怖とも期待ともつかぬ複雑な感情が入り混じり胸を締めつける。今すぐにでも走り出してあのトイレに飛び込みたくなる衝動を必死で押さえつける。
「……っ」
拳を握り締めながらゆっくりと歩を進めた。周囲の視線が背中に貼りついている気がする。誰も言葉を発さずとも空気だけでお互いを牽制し合っている状況だ。
トイレが目の前に迫ってきた時?
不意に別の方向から短い呻きが洩れ聞こえた。反射的に振り返ると先程の白髪混じりの男が植栽の陰からこちらを覗いていた。しかしその表情は先程とは打って変わって苦悶に歪んでいる。
眉間に深い縦皺を刻み唇を噛み締めていた。左手で喉元を掴み右手は股間に押し当てられているような……?
(苦しんでいるのか?)
昭夫は思わず駆け寄りかけたが足が動かない。理性と情欲の狭間で釘付けになっているうちにその男はヨロヨロと離れていく。そのまま茂みの奥へ消えていった。
「……」
言葉が出なかった。あれは演技ではない。何か恐ろしいものを垣間見た気がして全身から血の気が引いていった。
「どうかしましたか?」
低い声とともに太い腕が肩に乗せられビクッと身を硬直させた。振り向くとそこには短パン姿の熟年男性が立っていた。
「いや……別に」
取り繕うように答えるも声がかすれていた。心臓の高鳴りが耳元で響く。
「そうですか」
彼は軽く頷くとトイレの方角に顎をしゃくった。
「あそこで待っていますので良かったら」
有無を言わせぬ口調に拒否する隙を与えない圧力があった。思わずコクンとうなずき返すと彼はニヤリと笑みを浮かべトイレに向かっていく。
その背中を見送りながら昭夫は混乱していた。
(一体どうなっているんだ……)
単なる偶然ではなく組織的な何かが存在するのか? 集まった男それぞれに役割があり秘密裏に取引されていく仕組みが構築されているような錯覚さえ覚える。
不安と好奇心の両天秤がグラリと傾いた瞬間だった。もう後戻りできない沼へ足を踏み入れてしまったことだけは確かだったからだ。そしてそれは甘美な毒薬にも似た引力となって全身を蝕んでゆくのである……
トイレの入口まであと数メートルの距離。昭夫は立ち尽くしていた。足元から這い上がるような震えを抑えきれずにいたのだ。
(本当に……入るつもりか?)
自分への問いかけはもはや意味を成していない。ここまで来て引き返すことなど不可能だった。
先程肩を掴んできた男はすでに姿を消している。おそらく奥の個室へと向かったのだろう。他の男たちの気配も徐々に希薄になってくる。各々の獲物を探り当てた結果なのかもしれない。
生唾を飲み込む音がやけに大きく耳に残る。湿ったアスファルトの香りに混ざって尿臭が微かに鼻腔を刺激する。あの日以来何度も夢に見るようになった忌まわしくも蠱惑的な情景が現実として眼前に広がっている。
覚悟を決めてドアノブを握った瞬間だった。
突然背後から伸びてきた腕によって後ろ向きに引っ張られた。バランスを崩し転倒しそうになったところを強い力で支えられる。
「おいおい随分久しぶりじゃないか」
耳元で囁かれた声音にゾクリと鳥肌が立った。聞き覚えのある嗄れた低音。顔を見る前から誰か分かり切っている。
敷地内に足を踏み入れる前に立ち止まり深呼吸する。非日常性が逆に昂ぶりを加速させていた。
入り口近くでは小さな虫の羽音が耳障りなほど大きく聞こえる。他に人の気配はない。
公園を進むにつれて深夜だというのに数人の男性の人がウロウロしてる。しかもオヤジや熟年ばかりだ。
一瞬立ち止まった昭夫は息を飲んだ。トイレを目指す道すがら、街灯の影や木々の間に蠢く人影が目に入ったのだ。
(こんな時間に……何をしているんだ?)
普通の散歩とは明らかに異なる動き。彼らの視線は常に建物の方向を伺うように揺れていた。年のころ四十代後半から六十代と見える中年男性ばかり五、六人はいるだろうか。
互いに一定の距離を取りつつ、決して近づこうとはしない。しかし確実に同じ目的を共有している空気が漂っていた。
(まさか……)
昭夫は唾を飲み込んだ。あの便所に惹かれているのは自分だけではなかったのだ。
最もトイレに近い位置にいた白髪混じりの男がこちらに気づいて僅かに視線を向けた。すぐに逸らされたものの警戒されているのが分かる。
「こんばんは!」
低く籠った声が背後から響いた。ハッと振り向くと濃紺のシャツを羽織った大柄な熟年男性が立っていた。顔には深い皺が刻まれ眼光鋭い。
「ウォーキングですか?」
昭夫は咄嗟に曖昧な笑みを浮かべて頭を下げた。
「あの……ちょっと運動不足解消のためジョギングに出たんです」
我ながら苦しい言い訳だと思う。だが相手は納得した素振りもなく肩を竦めた。
「へぇ……気をつけてください」
意味深な含みを持たせて踵を返す。再び公園内に緊張した沈黙が降りた。
(みんな"分かっている"んだ)
改めて認識させられた。この場に集う全員があの個室で行われる"行為"を承知しているのだと。あるいは過去に経験した者が多いのかもしれない。
腹の底からゾクゾクとした震えが込み上げてきた。恐怖とも期待ともつかぬ複雑な感情が入り混じり胸を締めつける。今すぐにでも走り出してあのトイレに飛び込みたくなる衝動を必死で押さえつける。
「……っ」
拳を握り締めながらゆっくりと歩を進めた。周囲の視線が背中に貼りついている気がする。誰も言葉を発さずとも空気だけでお互いを牽制し合っている状況だ。
トイレが目の前に迫ってきた時?
不意に別の方向から短い呻きが洩れ聞こえた。反射的に振り返ると先程の白髪混じりの男が植栽の陰からこちらを覗いていた。しかしその表情は先程とは打って変わって苦悶に歪んでいる。
眉間に深い縦皺を刻み唇を噛み締めていた。左手で喉元を掴み右手は股間に押し当てられているような……?
(苦しんでいるのか?)
昭夫は思わず駆け寄りかけたが足が動かない。理性と情欲の狭間で釘付けになっているうちにその男はヨロヨロと離れていく。そのまま茂みの奥へ消えていった。
「……」
言葉が出なかった。あれは演技ではない。何か恐ろしいものを垣間見た気がして全身から血の気が引いていった。
「どうかしましたか?」
低い声とともに太い腕が肩に乗せられビクッと身を硬直させた。振り向くとそこには短パン姿の熟年男性が立っていた。
「いや……別に」
取り繕うように答えるも声がかすれていた。心臓の高鳴りが耳元で響く。
「そうですか」
彼は軽く頷くとトイレの方角に顎をしゃくった。
「あそこで待っていますので良かったら」
有無を言わせぬ口調に拒否する隙を与えない圧力があった。思わずコクンとうなずき返すと彼はニヤリと笑みを浮かべトイレに向かっていく。
その背中を見送りながら昭夫は混乱していた。
(一体どうなっているんだ……)
単なる偶然ではなく組織的な何かが存在するのか? 集まった男それぞれに役割があり秘密裏に取引されていく仕組みが構築されているような錯覚さえ覚える。
不安と好奇心の両天秤がグラリと傾いた瞬間だった。もう後戻りできない沼へ足を踏み入れてしまったことだけは確かだったからだ。そしてそれは甘美な毒薬にも似た引力となって全身を蝕んでゆくのである……
トイレの入口まであと数メートルの距離。昭夫は立ち尽くしていた。足元から這い上がるような震えを抑えきれずにいたのだ。
(本当に……入るつもりか?)
自分への問いかけはもはや意味を成していない。ここまで来て引き返すことなど不可能だった。
先程肩を掴んできた男はすでに姿を消している。おそらく奥の個室へと向かったのだろう。他の男たちの気配も徐々に希薄になってくる。各々の獲物を探り当てた結果なのかもしれない。
生唾を飲み込む音がやけに大きく耳に残る。湿ったアスファルトの香りに混ざって尿臭が微かに鼻腔を刺激する。あの日以来何度も夢に見るようになった忌まわしくも蠱惑的な情景が現実として眼前に広がっている。
覚悟を決めてドアノブを握った瞬間だった。
突然背後から伸びてきた腕によって後ろ向きに引っ張られた。バランスを崩し転倒しそうになったところを強い力で支えられる。
「おいおい随分久しぶりじゃないか」
耳元で囁かれた声音にゾクリと鳥肌が立った。聞き覚えのある嗄れた低音。顔を見る前から誰か分かり切っている。
(PC)
4 熟年妄想族
part 3
「大黒……さん」
その名を口にするだけで体内に熱が灯る。腰に添えられた掌の体温が衣服越しにも伝わり思考が蕩けかけていた。
「待ちくたびれちゃったぞ?。良かったらベンチで話でも」
促され躊躇う暇もなく引き摺られるようにしてベンチのある暗闇へと連れ込まれていく。抵抗しようと思えばできただろうが昭夫にはもうその意思すら残っていない。むしろ待ち望んでいた邂逅に歓喜すら覚えていたのだ。
腰掛けた途端正面から抱き寄せられた。厚い胸板の感触と雄臭い匂いに包まれ恍惚となりかける自分が恥ずかしくもあり嬉しくもあった。
「なんでしばらく来てくれなかったんだ?」
責めるようでいて優しさを孕んだ台詞に耳朶が痺れる感覚。指先で首筋を撫でられると堪らない疼きが全身を駆け巡る。
「ごめんなさい……でもずっと考えてました」
喘ぐように答えながら無意識のうちに腕を回して相手の背中に縋り付く。互いの鼓動が重なり合い境界線が曖昧になっていく錯覚すら覚える至福の瞬間。
「分かってるさ。だから今日来たんだろう?」
「っ……」
言葉尻を奪われる形で唇が重なった。最初は軽く啄ばむ程度だったものが徐々に激しさを増していく。舌先を絡め合う淫靡な水音が周囲の静寂を切り裂く。唾液を注ぎ込まれ啜り合う淫猥極まるディープキス。口腔内を蹂躙される羞恥と被虐的快感とに溺れていきそうになる昭夫だった。
長い接吻のあと唇が離れ銀糸が伝うのを惜しむ余裕すら与えられず大黒氏の掌はさらに下方へ移動していく。
「んぅっ!?」
布地越しにも主張していた部位を鷲掴みにされると腰が砕けそうなほどの痺れが奔った。反射的に仰け反る昭夫だったが容赦なく揉みしだかれていってしまう。巧みな手捌きにより硬度と質量を増し始めるそれを揶揄うように耳打ちされる。
「もうガチガチじゃないか……ほんと敏感なイチモツだなぁ」
「そっ……そういうこと言わないでくださぃ……!」
羞恥心を煽るような台詞回しに抗議しようと試みるものの肝心な部分を弄くり続けられていては力が抜けていくばかりだ。ましてや好色そうな相手のことだから尚更である。
「だって本当なんだもんねぇ。この淫乱チンポったら俺の愛撫ひとつでこんなにおっきくしちゃってさぁ〜」
わざと卑猥な擬音を立てながら執拗な摩擦責めを行ってくるあたり確信犯であろう。相手の手管を知ってか知らずか昭夫もまた完全に受け身となっている。
「あぁっ……ダメですそんなに強くしたらっ……」
限界まで張り詰めた剛直を扱かれつつ先端部まで同時に弄られてしまえばひとたまりもない。急速に高まっていく射精欲求を懸命に耐えるしかない状態へ追い込まれていくのであった。
「フフ……若いねぇ」
揶揄するような呟きと共に解放されたと思った刹那―。
「ひゃうっ?!」
突然根元まで咥え込まれて情けない悲鳴をあげてしまう昭夫だった。温かく潤滑な粘膜に包まれ上下運動されれば当然達するまでそう時間がかからないことは明白であり焦燥感に駆られるばかりである。
「ちょっ待ってください!! こんなところで出しちゃまずいでしょっ!?」
制止しようと藻掻くも片手で肩を押さえつけられ固定されては無力だった。
陶酔した口調で呟きつつ喉奥まで使って奉仕を続ける相手に対し為す術もないまま翻弄されていくことしかできないでいた。やがて絶頂を迎える寸前まで昂ぶってしまい喘ぎ声を抑えきれなくなってきた矢先──容赦なく吸い上げ舐め回されていくうちに亀頭からは止め処なく白濁な液体が零れ落ち彼の唾液と混ざり合っていやらしい水溜りを作っていた。
「おいしい……」
呆気に取られる昭夫の視界に映り込んだのはどこか楽しげに微笑む大黒氏の姿だった。そして次の行動が何を示唆するか理解できぬまま強烈な吸引とともにカリ首や裏筋といった性感帯を集中的に攻め立ててくるものだから堪らなくなるというものだ。
「いやっ!やめてくれ……っ!」
懇願虚しく大量の飛沫を放出してしまい屈辱と快楽の入り混じった感情が湧き上がるばかり。それでもなお満足してくれないのか執拗に搾乳するかのように何度も舌を使われてしまう有様なのだ。
「いっぱい出たじゃないか……気持ちよかったかい?」
ようやく解放された頃には体力の大半を消耗しきっていたため応じることができないままゼェハァと肩で息をするしかない始末であったが対して当の本人は何事もなかったかのように平然としており汗一つ流していない様子からして恐らく慣れているのだろうという結論に至るのである。
「さて本番といこうじゃないか。今宵は特別サービスをしようじゃないか」
そう言って立ち上がりつつズボンを脱いで下半身だけ裸になるとベンチへ腰掛けるよう促された。
昭夫は膝に手をつきながら呼吸を整えた。大黒さんの誘いに対して返事をすることすら出来ないほど、先程の刺激による脱力感が体全体を支配していた。
(これじゃ……これから何が起ころうとしているのかも分からない)
「大黒……さん」
その名を口にするだけで体内に熱が灯る。腰に添えられた掌の体温が衣服越しにも伝わり思考が蕩けかけていた。
「待ちくたびれちゃったぞ?。良かったらベンチで話でも」
促され躊躇う暇もなく引き摺られるようにしてベンチのある暗闇へと連れ込まれていく。抵抗しようと思えばできただろうが昭夫にはもうその意思すら残っていない。むしろ待ち望んでいた邂逅に歓喜すら覚えていたのだ。
腰掛けた途端正面から抱き寄せられた。厚い胸板の感触と雄臭い匂いに包まれ恍惚となりかける自分が恥ずかしくもあり嬉しくもあった。
「なんでしばらく来てくれなかったんだ?」
責めるようでいて優しさを孕んだ台詞に耳朶が痺れる感覚。指先で首筋を撫でられると堪らない疼きが全身を駆け巡る。
「ごめんなさい……でもずっと考えてました」
喘ぐように答えながら無意識のうちに腕を回して相手の背中に縋り付く。互いの鼓動が重なり合い境界線が曖昧になっていく錯覚すら覚える至福の瞬間。
「分かってるさ。だから今日来たんだろう?」
「っ……」
言葉尻を奪われる形で唇が重なった。最初は軽く啄ばむ程度だったものが徐々に激しさを増していく。舌先を絡め合う淫靡な水音が周囲の静寂を切り裂く。唾液を注ぎ込まれ啜り合う淫猥極まるディープキス。口腔内を蹂躙される羞恥と被虐的快感とに溺れていきそうになる昭夫だった。
長い接吻のあと唇が離れ銀糸が伝うのを惜しむ余裕すら与えられず大黒氏の掌はさらに下方へ移動していく。
「んぅっ!?」
布地越しにも主張していた部位を鷲掴みにされると腰が砕けそうなほどの痺れが奔った。反射的に仰け反る昭夫だったが容赦なく揉みしだかれていってしまう。巧みな手捌きにより硬度と質量を増し始めるそれを揶揄うように耳打ちされる。
「もうガチガチじゃないか……ほんと敏感なイチモツだなぁ」
「そっ……そういうこと言わないでくださぃ……!」
羞恥心を煽るような台詞回しに抗議しようと試みるものの肝心な部分を弄くり続けられていては力が抜けていくばかりだ。ましてや好色そうな相手のことだから尚更である。
「だって本当なんだもんねぇ。この淫乱チンポったら俺の愛撫ひとつでこんなにおっきくしちゃってさぁ〜」
わざと卑猥な擬音を立てながら執拗な摩擦責めを行ってくるあたり確信犯であろう。相手の手管を知ってか知らずか昭夫もまた完全に受け身となっている。
「あぁっ……ダメですそんなに強くしたらっ……」
限界まで張り詰めた剛直を扱かれつつ先端部まで同時に弄られてしまえばひとたまりもない。急速に高まっていく射精欲求を懸命に耐えるしかない状態へ追い込まれていくのであった。
「フフ……若いねぇ」
揶揄するような呟きと共に解放されたと思った刹那―。
「ひゃうっ?!」
突然根元まで咥え込まれて情けない悲鳴をあげてしまう昭夫だった。温かく潤滑な粘膜に包まれ上下運動されれば当然達するまでそう時間がかからないことは明白であり焦燥感に駆られるばかりである。
「ちょっ待ってください!! こんなところで出しちゃまずいでしょっ!?」
制止しようと藻掻くも片手で肩を押さえつけられ固定されては無力だった。
陶酔した口調で呟きつつ喉奥まで使って奉仕を続ける相手に対し為す術もないまま翻弄されていくことしかできないでいた。やがて絶頂を迎える寸前まで昂ぶってしまい喘ぎ声を抑えきれなくなってきた矢先──容赦なく吸い上げ舐め回されていくうちに亀頭からは止め処なく白濁な液体が零れ落ち彼の唾液と混ざり合っていやらしい水溜りを作っていた。
「おいしい……」
呆気に取られる昭夫の視界に映り込んだのはどこか楽しげに微笑む大黒氏の姿だった。そして次の行動が何を示唆するか理解できぬまま強烈な吸引とともにカリ首や裏筋といった性感帯を集中的に攻め立ててくるものだから堪らなくなるというものだ。
「いやっ!やめてくれ……っ!」
懇願虚しく大量の飛沫を放出してしまい屈辱と快楽の入り混じった感情が湧き上がるばかり。それでもなお満足してくれないのか執拗に搾乳するかのように何度も舌を使われてしまう有様なのだ。
「いっぱい出たじゃないか……気持ちよかったかい?」
ようやく解放された頃には体力の大半を消耗しきっていたため応じることができないままゼェハァと肩で息をするしかない始末であったが対して当の本人は何事もなかったかのように平然としており汗一つ流していない様子からして恐らく慣れているのだろうという結論に至るのである。
「さて本番といこうじゃないか。今宵は特別サービスをしようじゃないか」
そう言って立ち上がりつつズボンを脱いで下半身だけ裸になるとベンチへ腰掛けるよう促された。
昭夫は膝に手をつきながら呼吸を整えた。大黒さんの誘いに対して返事をすることすら出来ないほど、先程の刺激による脱力感が体全体を支配していた。
(これじゃ……これから何が起ころうとしているのかも分からない)
(PC)
5 熟年妄想族
part 4
大黒さんがズボンを脱ぎ捨てると、その威風堂々としたモノが月明かりのもとに晒された。昭夫はデカマラに思わずゴクリと生唾を飲み込んでしまう。先日の口淫では感じることのなかった物理的な圧迫感に、自然と身が縮まる思いだった。
「ほら、ちゃんと見てるんだよ?」
揶揄うような口調で言われると、余計に意識せずにはいられなかった。それにしてもなぜこの人はこうも慣れているのか――疑問が次々に湧き上がってくる。けれど考える間もなく大黒さんは片手でソレを握りしめると緩慢に動かし始めた。すぐさま赤黒い亀頭が濡れてきてテカり出す様は異様な迫力があって目を逸らすことができない。
「さぁ、しゃぶってくれないか?」
命令されることに少しばかり驚きながらも逆らうことなく従うしかなかった。まだ息切れしている昭夫の身体をゆっくりと引き寄せると背後に回り込ませた大黒さんは両手を添えるようにして支えつつディープキスをした。
まるで恋人同士みたいに濃厚な交わりだったからこそ興奮度合いも倍増していて股間はずっと膨らんだまま収まらないどころかますます大きくなっていきそうだったので恥ずかしく思う余裕など持てなかったほどだ。
(なんて卑猥なんだろう……)
自分自身の行為に対する嫌悪感よりも未知なる悦楽への探求心の方が勝っていたせいかもしれない。「んふぅ……」
一心不乱になってキスをされると昭夫のイチモツが硬さを取り戻した
昭夫が一心不乱になってキスに没頭すれば没頭するほど大黒氏の興奮度も比例して増していったようだった。いつしか昭夫も自ら積極的に舌を絡ませ始めてしまい二人揃って獣じみた吐息を漏らして貪り続ける。
やがてどちらからともなく離れた時にはすっかり汗まみれになってしまったが構わず服を全て脱ぎ捨て全裸になり対面座位のような形となるよう跨らせた上でディープキスを始めた。
昭夫は一度達したとはいえまだまだ元気そうで反り返るように勃起しておりそれだけでも圧巻だと言うのに先走り汁がローション代わりに塗られているらしく艶やかで卑猥にテカテカと輝いて見えてしまっていることに昭夫は眩暈を覚えそうになっていた。
「気持ちいいかい」
大黒さんは囁くと右手を昭夫の臀部に滑らせた。指先が肉の柔らかさを探るように動き回り時折爪先で引っ掻くように刺激してくる。
(ああ……こんなことをされては……)
「んっ……!」
思わず甘い声が漏れてしまった瞬間羞恥心が走るも後の祭りだ。その反応を楽しむように左手では胸元へ手を伸ばして乳首を摘み上げたのだ。
「そっちは感じるタイプかな?」
意地悪そうに尋ねられながら同時に二ヶ所責められたことで理性など吹き飛んでしまいそうだ。それどころか無意識に大黒さんの肉棒がアナルに擦り合わせてしまったことには自分でも気づいていない。
「ふむ……」
考え込むような唸り声を聞いた直後ふわりとした浮遊感を感じたと思う間もなくお尻に快感が走った。
大黒さんの亀頭が昭夫の菊門をなぞるように動き始めた瞬間、まるで電流が走ったような感覚が全身を貫いた。未知の刺激に戸惑いながらも身体は正直なもので次第に違和感だけでなく快感も覚え始めるほどだ。
「力を抜いておくんだ」
低い声と共に吐息がかかってぞくりとする。今まで経験したことのない快楽に戸惑いつつも期待に胸が高鳴りっぱなしなのが自分でもわかるくらいだった。
(本当に入れるつもりなのか……)
想像しただけで恐ろしいような楽しみのような不思議な心境になってくる。
覚悟を決めた瞬間、一気に圧迫感が増し息を飲むしかなくなる。だが意外なことに痛みはない。むしろ内壁全体を押し拡げられているような奇妙な心地良さに包まれていく。
「ひっ!?」
不意に脳天を突き抜けた衝撃で悲鳴じみた叫び声を上げてしまったがすぐに口を覆われてしまったためそれ以上の声は出なかった。代わりに涙ぐむ羽目になってしまう。しかし大黒さんは構わず抽送を繰り返してくる。
その度に全身を痺れるような感覚が襲ってきて頭の中まで真っ白になり何も考えられなくなってしまうのだ。
「いい表情してるよ」
大黒さんが愉快そうに笑いながら言うものだから益々恥ずかしくなってくるも最早どうすることもできまい。ただひたすら受け入れるしかないのである。
やがてピストン運動が加速していき結合部から奏でられる水音も大きくなればなるほど快楽も増幅していく一方となれば我を忘れ快楽に身を委ねるのは時間の問題となった。
「んんー……っ!!」
「っ」
ほぼ同時であった。
最深部を穿たれた瞬間これまで以上に凄まじい喜悦が押し寄せてきたかと思えば目の前で火花が散ったように意識が遠退いてしまったのだった…………
大黒さんの荒々しい息遣いが首筋をくすぐる。結合部から生まれる波紋が全身に広がっていく。
「んぅっ……」
思わず甘い吐息がこぼれた。腸壁を押し広げる異物感と紙一重の快感が脊髄を駆け上がる。
(これが……男同士のセックス……)
大黒さんがズボンを脱ぎ捨てると、その威風堂々としたモノが月明かりのもとに晒された。昭夫はデカマラに思わずゴクリと生唾を飲み込んでしまう。先日の口淫では感じることのなかった物理的な圧迫感に、自然と身が縮まる思いだった。
「ほら、ちゃんと見てるんだよ?」
揶揄うような口調で言われると、余計に意識せずにはいられなかった。それにしてもなぜこの人はこうも慣れているのか――疑問が次々に湧き上がってくる。けれど考える間もなく大黒さんは片手でソレを握りしめると緩慢に動かし始めた。すぐさま赤黒い亀頭が濡れてきてテカり出す様は異様な迫力があって目を逸らすことができない。
「さぁ、しゃぶってくれないか?」
命令されることに少しばかり驚きながらも逆らうことなく従うしかなかった。まだ息切れしている昭夫の身体をゆっくりと引き寄せると背後に回り込ませた大黒さんは両手を添えるようにして支えつつディープキスをした。
まるで恋人同士みたいに濃厚な交わりだったからこそ興奮度合いも倍増していて股間はずっと膨らんだまま収まらないどころかますます大きくなっていきそうだったので恥ずかしく思う余裕など持てなかったほどだ。
(なんて卑猥なんだろう……)
自分自身の行為に対する嫌悪感よりも未知なる悦楽への探求心の方が勝っていたせいかもしれない。「んふぅ……」
一心不乱になってキスをされると昭夫のイチモツが硬さを取り戻した
昭夫が一心不乱になってキスに没頭すれば没頭するほど大黒氏の興奮度も比例して増していったようだった。いつしか昭夫も自ら積極的に舌を絡ませ始めてしまい二人揃って獣じみた吐息を漏らして貪り続ける。
やがてどちらからともなく離れた時にはすっかり汗まみれになってしまったが構わず服を全て脱ぎ捨て全裸になり対面座位のような形となるよう跨らせた上でディープキスを始めた。
昭夫は一度達したとはいえまだまだ元気そうで反り返るように勃起しておりそれだけでも圧巻だと言うのに先走り汁がローション代わりに塗られているらしく艶やかで卑猥にテカテカと輝いて見えてしまっていることに昭夫は眩暈を覚えそうになっていた。
「気持ちいいかい」
大黒さんは囁くと右手を昭夫の臀部に滑らせた。指先が肉の柔らかさを探るように動き回り時折爪先で引っ掻くように刺激してくる。
(ああ……こんなことをされては……)
「んっ……!」
思わず甘い声が漏れてしまった瞬間羞恥心が走るも後の祭りだ。その反応を楽しむように左手では胸元へ手を伸ばして乳首を摘み上げたのだ。
「そっちは感じるタイプかな?」
意地悪そうに尋ねられながら同時に二ヶ所責められたことで理性など吹き飛んでしまいそうだ。それどころか無意識に大黒さんの肉棒がアナルに擦り合わせてしまったことには自分でも気づいていない。
「ふむ……」
考え込むような唸り声を聞いた直後ふわりとした浮遊感を感じたと思う間もなくお尻に快感が走った。
大黒さんの亀頭が昭夫の菊門をなぞるように動き始めた瞬間、まるで電流が走ったような感覚が全身を貫いた。未知の刺激に戸惑いながらも身体は正直なもので次第に違和感だけでなく快感も覚え始めるほどだ。
「力を抜いておくんだ」
低い声と共に吐息がかかってぞくりとする。今まで経験したことのない快楽に戸惑いつつも期待に胸が高鳴りっぱなしなのが自分でもわかるくらいだった。
(本当に入れるつもりなのか……)
想像しただけで恐ろしいような楽しみのような不思議な心境になってくる。
覚悟を決めた瞬間、一気に圧迫感が増し息を飲むしかなくなる。だが意外なことに痛みはない。むしろ内壁全体を押し拡げられているような奇妙な心地良さに包まれていく。
「ひっ!?」
不意に脳天を突き抜けた衝撃で悲鳴じみた叫び声を上げてしまったがすぐに口を覆われてしまったためそれ以上の声は出なかった。代わりに涙ぐむ羽目になってしまう。しかし大黒さんは構わず抽送を繰り返してくる。
その度に全身を痺れるような感覚が襲ってきて頭の中まで真っ白になり何も考えられなくなってしまうのだ。
「いい表情してるよ」
大黒さんが愉快そうに笑いながら言うものだから益々恥ずかしくなってくるも最早どうすることもできまい。ただひたすら受け入れるしかないのである。
やがてピストン運動が加速していき結合部から奏でられる水音も大きくなればなるほど快楽も増幅していく一方となれば我を忘れ快楽に身を委ねるのは時間の問題となった。
「んんー……っ!!」
「っ」
ほぼ同時であった。
最深部を穿たれた瞬間これまで以上に凄まじい喜悦が押し寄せてきたかと思えば目の前で火花が散ったように意識が遠退いてしまったのだった…………
大黒さんの荒々しい息遣いが首筋をくすぐる。結合部から生まれる波紋が全身に広がっていく。
「んぅっ……」
思わず甘い吐息がこぼれた。腸壁を押し広げる異物感と紙一重の快感が脊髄を駆け上がる。
(これが……男同士のセックス……)
(PC)
6 熟年妄想族
part 5
未知の領域に足を踏み入れた恐怖と期待が入り混じる。だがそれ以上に大黒さんの逞しい腕が腰をしっかりと抱き締める感覚が安心を与えてくれた。彼の律動に合わせて自らも無意識に尻を押し付けてしまう自分に驚く。
「ふふ……初めてにしては上出来だ」
褒められた安堵で身体の力が抜けると同時に大黒さんの動きが大胆さを増す。前立腺をピンポイントで抉られ脳内に白い閃光が走った。
「あっ……そこぉ……」
情けない嬌声が漏れても止められない。昼間の堅苦しいサラリーマンとは別人のように本能剥き出しの自分を晒していることが信じられなかった。羞恥心が興奮剤となって性感を増幅させる。
「いい声じゃないか。以前の君からは想像もつかないよ」
揶揄うような囁きに首を振る。こんな姿を見せるなんてあり得ないと思っていたのに。でも大黒さんに身を任せるうちに自分の中で何かが変わっていくのを感じていた。禁断の快楽に溺れていく背徳感が麻薬のように思考を侵食する。
(僕は一体どうなってしまったんだ……)
困惑する一方で胎内の疼きは治まらない。大黒さんのモノをキュッと締め付けて媚びるように催促してしまう。
「ほう……もっと欲しいと見える」
ニヤリと笑った大黒さんがさらに深く突き上げた。先程までの探索とは違う明確な狙いを持った腰使いに翻弄される。
「ひっ……ああっ……」
突かれる度に火花が散る。前立腺を中心に刺激されると陰茎が痛いくらいに反り返った。先走りが溢れて腹を汚す。女性相手では味わえない、直接的な快感。排泄器官をまさぐられ支配されているような屈辱感が逆に興奮材料となって身体を火照らせる。
(こんなのおかしいはずなのに……止まらない……)
未知の感覚に戸惑うが理性とは裏腹に身体はどんどん開発されていく。大黒さんの技巧によって新たな性感帯を開拓されてしまうのだ。
「さあ、俺の女になれ」
命令口調にドキリとした。怖気づきながらもどこかでそれを望んでいる自分がいた。大黒さんの大きな掌が腹筋を這う。鍛え抜かれた肉体を所有物のように触れられるだけで心臓が跳ねた。
「ほら、ここが君の『女の部分』だ」
トントンと下腹部を叩かれる。同時に中の一点を擦り上げられると雷撃のような快感に貫かれた。
「あ゛ぁっ!?」
経験したことのないオーガズム。女性器で絶頂に達する感覚を疑似体験しているようだった。頭が真っ白になる。全身がガクガクと痙攣し制御不能になる。
「あっ……はぁっ……あぁぁっ……」
意味不明の譫語が勝手に出る。陰茎はビクビクと脈打っているものの射精には至らない。代わりにアヌスが小刻みに収縮を繰り返し大黒さんのモノを搾り尽くそうとする。まるで本当に女性になったような錯覚に堕ちる。
「メスイキか。素晴らしい才能だ」
満足げに嗤った大黒さんがさらにピストンを速める。終わらない快感の嵐に泣き叫びそうになる。苦痛と紙一重の極上の愉悦。気が狂いそうなほどの多幸感。男性機能を喪失したような錯覚さえ覚える。
(これが男同士のセックス……なんて罪深い……でも……)
病み付きになりそうだ。
「大黒さん……好き……もっと……下さい……」
「大黒さん……お願いです……」
必死の訴えも聞き入れられず大黒さんの猛攻は続く。前立腺を執拗に擦り上げられるうち昭夫の身体は痙攣を起こし始めた。尿道を熱い奔流が昇ってくるが出口がない。行き場を失った快感は体内で暴走し神経回路を焼き尽くす。
「だめっ……なんか来る……あぁっ!」
喉を仰け反らせ叫ぶ。射精ではない。尿意でもない。もっと原始的で根源的な悦びが身体中を駆け巡る。
これが噂の「ドライオーガズム」なのだと認識する前に脳が溶ける。瞳孔が開き視野が狭窄する。全身が細かい痙攣に見舞われる。
「あーっ……あーっ……」
動物のような咆哮が唇から洩れる。理性など遥か彼方に吹き飛んでしまった。本能のみで生きる獣と化した己を冷静に判断できる状態ではない。
「上手くイケたな」
嬉しそうな声と共に大黒さんがペニスに触れる。硬度を保ったままビクビクと脈打つそれは精液の一滴も吐き出していない。ただ透明な雫が糸を引いているのみ。
「次はトコロテンだな」
括約筋は収縮したまま弛緩しない。
大黒さんは冷酷な笑みを浮かべつつ腰の動きを加速させる。パンパンと皮膚同士がぶつかる乾いた音と粘膜が擦れる湿った音が鼓膜を犯す。結合部は泡立ち白濁した体液が周辺を汚していた。
「そら……トコロテンするまで終わらないぞ」
低い声で宣告される。ゾワリと背筋に寒気が走るがそれは恐怖ではなく期待感から来ていることは明らかだった。身体はすでに調教済みであり主人の命令に忠実であろうと反応してしまうのだ。
「あ゛ぁっ!」
再び前立腺を強く擦り上げられた拍子に目の前に星が散る。
「イグゥゥゥゥッ!」
絶叫と共に尿道から夥しい量の白濁液が迸った。まるで決壊したダムのように勢いよく飛び散り大黒さんの腹に水溜りを作る。それだけでは飽き足らず周囲の樹木や草花に降りかかり夜空に向かって霧散していった。
未知の領域に足を踏み入れた恐怖と期待が入り混じる。だがそれ以上に大黒さんの逞しい腕が腰をしっかりと抱き締める感覚が安心を与えてくれた。彼の律動に合わせて自らも無意識に尻を押し付けてしまう自分に驚く。
「ふふ……初めてにしては上出来だ」
褒められた安堵で身体の力が抜けると同時に大黒さんの動きが大胆さを増す。前立腺をピンポイントで抉られ脳内に白い閃光が走った。
「あっ……そこぉ……」
情けない嬌声が漏れても止められない。昼間の堅苦しいサラリーマンとは別人のように本能剥き出しの自分を晒していることが信じられなかった。羞恥心が興奮剤となって性感を増幅させる。
「いい声じゃないか。以前の君からは想像もつかないよ」
揶揄うような囁きに首を振る。こんな姿を見せるなんてあり得ないと思っていたのに。でも大黒さんに身を任せるうちに自分の中で何かが変わっていくのを感じていた。禁断の快楽に溺れていく背徳感が麻薬のように思考を侵食する。
(僕は一体どうなってしまったんだ……)
困惑する一方で胎内の疼きは治まらない。大黒さんのモノをキュッと締め付けて媚びるように催促してしまう。
「ほう……もっと欲しいと見える」
ニヤリと笑った大黒さんがさらに深く突き上げた。先程までの探索とは違う明確な狙いを持った腰使いに翻弄される。
「ひっ……ああっ……」
突かれる度に火花が散る。前立腺を中心に刺激されると陰茎が痛いくらいに反り返った。先走りが溢れて腹を汚す。女性相手では味わえない、直接的な快感。排泄器官をまさぐられ支配されているような屈辱感が逆に興奮材料となって身体を火照らせる。
(こんなのおかしいはずなのに……止まらない……)
未知の感覚に戸惑うが理性とは裏腹に身体はどんどん開発されていく。大黒さんの技巧によって新たな性感帯を開拓されてしまうのだ。
「さあ、俺の女になれ」
命令口調にドキリとした。怖気づきながらもどこかでそれを望んでいる自分がいた。大黒さんの大きな掌が腹筋を這う。鍛え抜かれた肉体を所有物のように触れられるだけで心臓が跳ねた。
「ほら、ここが君の『女の部分』だ」
トントンと下腹部を叩かれる。同時に中の一点を擦り上げられると雷撃のような快感に貫かれた。
「あ゛ぁっ!?」
経験したことのないオーガズム。女性器で絶頂に達する感覚を疑似体験しているようだった。頭が真っ白になる。全身がガクガクと痙攣し制御不能になる。
「あっ……はぁっ……あぁぁっ……」
意味不明の譫語が勝手に出る。陰茎はビクビクと脈打っているものの射精には至らない。代わりにアヌスが小刻みに収縮を繰り返し大黒さんのモノを搾り尽くそうとする。まるで本当に女性になったような錯覚に堕ちる。
「メスイキか。素晴らしい才能だ」
満足げに嗤った大黒さんがさらにピストンを速める。終わらない快感の嵐に泣き叫びそうになる。苦痛と紙一重の極上の愉悦。気が狂いそうなほどの多幸感。男性機能を喪失したような錯覚さえ覚える。
(これが男同士のセックス……なんて罪深い……でも……)
病み付きになりそうだ。
「大黒さん……好き……もっと……下さい……」
「大黒さん……お願いです……」
必死の訴えも聞き入れられず大黒さんの猛攻は続く。前立腺を執拗に擦り上げられるうち昭夫の身体は痙攣を起こし始めた。尿道を熱い奔流が昇ってくるが出口がない。行き場を失った快感は体内で暴走し神経回路を焼き尽くす。
「だめっ……なんか来る……あぁっ!」
喉を仰け反らせ叫ぶ。射精ではない。尿意でもない。もっと原始的で根源的な悦びが身体中を駆け巡る。
これが噂の「ドライオーガズム」なのだと認識する前に脳が溶ける。瞳孔が開き視野が狭窄する。全身が細かい痙攣に見舞われる。
「あーっ……あーっ……」
動物のような咆哮が唇から洩れる。理性など遥か彼方に吹き飛んでしまった。本能のみで生きる獣と化した己を冷静に判断できる状態ではない。
「上手くイケたな」
嬉しそうな声と共に大黒さんがペニスに触れる。硬度を保ったままビクビクと脈打つそれは精液の一滴も吐き出していない。ただ透明な雫が糸を引いているのみ。
「次はトコロテンだな」
括約筋は収縮したまま弛緩しない。
大黒さんは冷酷な笑みを浮かべつつ腰の動きを加速させる。パンパンと皮膚同士がぶつかる乾いた音と粘膜が擦れる湿った音が鼓膜を犯す。結合部は泡立ち白濁した体液が周辺を汚していた。
「そら……トコロテンするまで終わらないぞ」
低い声で宣告される。ゾワリと背筋に寒気が走るがそれは恐怖ではなく期待感から来ていることは明らかだった。身体はすでに調教済みであり主人の命令に忠実であろうと反応してしまうのだ。
「あ゛ぁっ!」
再び前立腺を強く擦り上げられた拍子に目の前に星が散る。
「イグゥゥゥゥッ!」
絶叫と共に尿道から夥しい量の白濁液が迸った。まるで決壊したダムのように勢いよく飛び散り大黒さんの腹に水溜りを作る。それだけでは飽き足らず周囲の樹木や草花に降りかかり夜空に向かって霧散していった。
(PC)
7 熟年妄想族
part 6
「すげえ量だな。溜まってたんだろう」
大黒さんが感嘆の声を上げる。昭夫は放心状態のまま肩で息をするばかりだった。長い間蓄積されていた鬱憤が一気に解消されたような爽快感はあるものの倦怠感も強い。もう指一本動かせないほど疲弊しているのに肉体の昂ぶりだけが取り残されている。
「これで終わりじゃないぞ。第二ラウンド開始だ」
宣言と共に再び腰を使い始める大黒さんに昭夫は恐怖を感じると共に微かな喜びを覚えるのだった……
「もうダメです……お願いします……」
涙混じりの懇願も虚しく大黒さんは容赦なく抽挿を続ける。前立腺を押し潰すような鋭い一突きの後、突然引き抜くと肛門周辺の筋肉がヒクヒクと痙攣するのがわかる。
「いい具合になってきたな」
囁く声と共に再び巨根が侵入してくる。今度は浅く抜き差しして浅い部分を念入りに擦ってきたかと思うと突然奥深くまで捻じ込まれる。
「あ゛ぁっ!」
不意打ちの強烈な刺激に背中が弓なりになる。脳内で火花が散り視界が明滅した。
大量の前立腺液が溢れ出て大黒さんの鼠径部を伝い落ちていった。
「まだまだこれからだぞ」
低く呟きながら大黒さんは動きを止めるどころかさらに加速させていく。前立腺を集中砲火される度に視界がホワイトアウトするような恍惚に包まれた。
「やめっ……死ぬぅぅ……」
意味不明の呻き声しか出せなくなった頃ようやく絶頂感が収まりかけてきたものの次の波に備えて心身が整える暇もない。
そして決定的な瞬間が訪れた。
「あ゛ーっ!」
断末魔のような叫び声とともに凄まじい勢いでザーメンが噴出した。これまで味わったことのない未曾有の放出感。脊柱を貫通する灼熱の塊。視神経が焼けつくような鮮烈な閃光が脳幹で弾けた。
「これが天国への階段だ……」
大黒さんの声も遠くから聞こえてくるようだった。もはや言語中枢も機能していないらしい。四肢の末端まで痺れ切った身体は全く言うことを聞かない癖に勝手に反応する。意志とは関係なく腰が跳ね上がり太腿が痙攣し肛門が激しく収縮を繰り返す。
「すげえ締めつけだ。持って行かれちまうじゃねえか」
苦笑交じりの大黒さんの言葉さえ理解できないまま俺はただ為されるがままだった。
どれくらい時間が過ぎたのかわからない。
「随分派手に飛ばしてくれたじゃないか」
からかうような口調につられて視線を向けると確かに股間のあたりから胸板までどっぷりと白い液体で濡れている。それが自分の放ったものだとわかるまでしばし掛かった。
「すげえ量だ。しかも濃厚で健康的な証拠だな。俺好みだ」
「だがまだまだだ。俺がイクまで我慢しろ」
大黒さんの宣言は死刑宣告にも等しい。既に四度も射精させられたのにまだ足りないと? 限界を超えた疲労感と未だ衰えぬ欲情が矛盾して脳内で戦争を繰り広げている。
「そんな……もう無理です……」
掠れた声で抗議するも大黒さんは聞く耳持たずピストンを再開する。最初の数回こそゆっくりした抽挿だったが徐々に速度を上げていく。前立腺をゴリュゴリュ削り取るような凶悪な突き込みに堪らず悲鳴を上げてしまう。
安堵したのも束の間で両脚を高く持ち上げられ腰を落とすようなポーズを取らされる。所謂背面騎乗位だ。自重により結合が深くなり亀頭冠が最奥部のS字結腸近くまで到達してしまう格好となり呼吸困難に陥りかける。しかし苦痛より歓びの方が大きいのは否定できない事実だ。「行くぞ」
宣告と共に猛烈なプレスが始まった。内臓が口から飛び出そうな圧迫感と神経の末端まで蕩けてしまいそうな快美感の入り混じった複雑怪奇な感覚に酔い痴れてしまう。
「あっ……すごい……当たってるぅ……」
S字結腸に先端を宛てがわれ腸管を引き延ばされるような形になることで通常では不可能な領域まで暴かれてしまう。本来なら侵入不可の秘密の園を征服されているという畏敬にも似た感銘を受けてしまう。「気持ち良いだろう? 奥の奥まで犯し抜いてやるから全部受け入れろ」「はい……全部あげます……だから沢山虐めてください……」
卑猥すぎるセリフが自然と口をついて出た。自分がここまで淫乱になれるなんて夢にも思わなかった。全ては大黒さんのせいなのだと言い聞かせることで責任転嫁し自己嫌悪を回避する作戦だ。
「よし!たっぷり種付けしてやるから孕め!」
恐るべき台詞が聞こえてきたと思った時には既に遅かった。今まで以上に荒々しく突き上げられながら同時に乳首や首筋といった敏感なポイントを的確に抓られるというコンボ技を受けてあっけなく果ててしまう。「ああぁぁーっ! 出ちゃうぅぅっ!」
六度目の絶頂を迎えた途端大量のスペルマが噴射された。一度では収まらず二度三度と間歇泉のごとく吹き上がりその都度激しいオーガズムがやってくるのだ。「ふふ……やっぱり最高の肉便器だなお前は」
「すげえ量だな。溜まってたんだろう」
大黒さんが感嘆の声を上げる。昭夫は放心状態のまま肩で息をするばかりだった。長い間蓄積されていた鬱憤が一気に解消されたような爽快感はあるものの倦怠感も強い。もう指一本動かせないほど疲弊しているのに肉体の昂ぶりだけが取り残されている。
「これで終わりじゃないぞ。第二ラウンド開始だ」
宣言と共に再び腰を使い始める大黒さんに昭夫は恐怖を感じると共に微かな喜びを覚えるのだった……
「もうダメです……お願いします……」
涙混じりの懇願も虚しく大黒さんは容赦なく抽挿を続ける。前立腺を押し潰すような鋭い一突きの後、突然引き抜くと肛門周辺の筋肉がヒクヒクと痙攣するのがわかる。
「いい具合になってきたな」
囁く声と共に再び巨根が侵入してくる。今度は浅く抜き差しして浅い部分を念入りに擦ってきたかと思うと突然奥深くまで捻じ込まれる。
「あ゛ぁっ!」
不意打ちの強烈な刺激に背中が弓なりになる。脳内で火花が散り視界が明滅した。
大量の前立腺液が溢れ出て大黒さんの鼠径部を伝い落ちていった。
「まだまだこれからだぞ」
低く呟きながら大黒さんは動きを止めるどころかさらに加速させていく。前立腺を集中砲火される度に視界がホワイトアウトするような恍惚に包まれた。
「やめっ……死ぬぅぅ……」
意味不明の呻き声しか出せなくなった頃ようやく絶頂感が収まりかけてきたものの次の波に備えて心身が整える暇もない。
そして決定的な瞬間が訪れた。
「あ゛ーっ!」
断末魔のような叫び声とともに凄まじい勢いでザーメンが噴出した。これまで味わったことのない未曾有の放出感。脊柱を貫通する灼熱の塊。視神経が焼けつくような鮮烈な閃光が脳幹で弾けた。
「これが天国への階段だ……」
大黒さんの声も遠くから聞こえてくるようだった。もはや言語中枢も機能していないらしい。四肢の末端まで痺れ切った身体は全く言うことを聞かない癖に勝手に反応する。意志とは関係なく腰が跳ね上がり太腿が痙攣し肛門が激しく収縮を繰り返す。
「すげえ締めつけだ。持って行かれちまうじゃねえか」
苦笑交じりの大黒さんの言葉さえ理解できないまま俺はただ為されるがままだった。
どれくらい時間が過ぎたのかわからない。
「随分派手に飛ばしてくれたじゃないか」
からかうような口調につられて視線を向けると確かに股間のあたりから胸板までどっぷりと白い液体で濡れている。それが自分の放ったものだとわかるまでしばし掛かった。
「すげえ量だ。しかも濃厚で健康的な証拠だな。俺好みだ」
「だがまだまだだ。俺がイクまで我慢しろ」
大黒さんの宣言は死刑宣告にも等しい。既に四度も射精させられたのにまだ足りないと? 限界を超えた疲労感と未だ衰えぬ欲情が矛盾して脳内で戦争を繰り広げている。
「そんな……もう無理です……」
掠れた声で抗議するも大黒さんは聞く耳持たずピストンを再開する。最初の数回こそゆっくりした抽挿だったが徐々に速度を上げていく。前立腺をゴリュゴリュ削り取るような凶悪な突き込みに堪らず悲鳴を上げてしまう。
安堵したのも束の間で両脚を高く持ち上げられ腰を落とすようなポーズを取らされる。所謂背面騎乗位だ。自重により結合が深くなり亀頭冠が最奥部のS字結腸近くまで到達してしまう格好となり呼吸困難に陥りかける。しかし苦痛より歓びの方が大きいのは否定できない事実だ。「行くぞ」
宣告と共に猛烈なプレスが始まった。内臓が口から飛び出そうな圧迫感と神経の末端まで蕩けてしまいそうな快美感の入り混じった複雑怪奇な感覚に酔い痴れてしまう。
「あっ……すごい……当たってるぅ……」
S字結腸に先端を宛てがわれ腸管を引き延ばされるような形になることで通常では不可能な領域まで暴かれてしまう。本来なら侵入不可の秘密の園を征服されているという畏敬にも似た感銘を受けてしまう。「気持ち良いだろう? 奥の奥まで犯し抜いてやるから全部受け入れろ」「はい……全部あげます……だから沢山虐めてください……」
卑猥すぎるセリフが自然と口をついて出た。自分がここまで淫乱になれるなんて夢にも思わなかった。全ては大黒さんのせいなのだと言い聞かせることで責任転嫁し自己嫌悪を回避する作戦だ。
「よし!たっぷり種付けしてやるから孕め!」
恐るべき台詞が聞こえてきたと思った時には既に遅かった。今まで以上に荒々しく突き上げられながら同時に乳首や首筋といった敏感なポイントを的確に抓られるというコンボ技を受けてあっけなく果ててしまう。「ああぁぁーっ! 出ちゃうぅぅっ!」
六度目の絶頂を迎えた途端大量のスペルマが噴射された。一度では収まらず二度三度と間歇泉のごとく吹き上がりその都度激しいオーガズムがやってくるのだ。「ふふ……やっぱり最高の肉便器だなお前は」
(PC)
8 熟年妄想族
part 7
称賛なのか侮辱なのか判別しづらい文句を囁かれて陶然となる一方で嫉妬心めいた感情も芽生えていた。自分以外の人間が大黒さんに可愛がられているかもしれないという可能性を考えただけで気が狂いそうになるのだ。この人は俺だけの所有物なんだと思い込みたい衝動に駆られるが当然そんな権利など有りはしないことも理解できてしまう。
「おいおい何考えてんだ? 余裕ぶっこいてんなよ」
嫉妬と葛藤の狭間を行ったり来たりしていた矢先のことだ。不意打ち気味に下から突き上げられて不格好な喘ぎ声が出てしまう。「あ゛へぇっ!?」
予期せぬタイミングでの衝撃ゆえ防御体制も取れずそのまま串刺しに近い格好で磔にされてしまう。逃げ場もなく只々享受することしか許されない生贄の気分だった。しかも今回は前立腺ではなく奥にある精嚢や膀胱を狙っているようだ。膀胱炎の時以来味わったことの無い疼痛にも似た刺激に戸惑いを覚えつつも少しずつ快感に変換されていく過程をハッキリ捉えることができた。
(これが本当のセックスなのか……)
昭夫の細胞一つ一つが歓喜に打ち震えていた。生殖器同士だけでなく血液の中の赤血球や白血球やリンパ球や血管壁の内皮細胞まで愛おしむように抱擁されているのを感じる。互いの細胞膜が融合し境界線が曖昧になり一個の生命体になっていくようだ。
(溶けて……混ざり合う……)
脳内麻薬全開でトリップしている最中に突如として背後にいる存在から切羽詰まった気配が漂ってきた。同時に硬さを増した男性自身が最深部の閉鎖された空間を無慈悲に殴りつけてくる。
「ぐっ……出すぞぉ……!」
「はいぃ……来てくださぃぃ……」
尻肉が裂けそうなほど押しつけられ密着状態の中で大黒さんの男性自身が膨張していくのを感じる。呼応するように昭夫も再度潮を吹いた。
「あひぃっ……イグゥゥッ!!!」
大黒さんの咆哮と共に熱い奔流が直腸内部に注ぎ込まれる。常軌を逸した量と熱量を持つ濃厚な精子群が結腸粘膜を焦がして内壁の襞一枚一枚に染み込んでいくのが分かる。
「熱いぃぃっ……溶けるぅぅっ……」
体内から炙られ融解していくイメージに溺れながらもさらなる高みを目指して貪婪に食らいついてしまう貪欲さ。肉輪は自動的に伸縮し一滴残らず搾り取ろうとする本能剥き出しの仕組みとなって主人の意志などお構いなしに奉仕する。
「まだだ……もっとくれてやる……」
信じられないことに萎える兆候を見せない大黒さんが再び律動を開始する。注入されたばかりの白濁汁がかき混ぜられぐちょぐちょという淫靡な旋律を奏でる。まるで卵子に向けて全力疾走する精子の行列さながらだ。
「あ゛ぁっ! ダメッ……許してぇっ……」
拒絶の意思表示も虚しく蹂躙の限りを尽くされた末ついに最後の甲高い金切り声を絞り出されたところで意識が暗転し闇の中に沈んでいった……
(こんな素晴らしい人と出会えて幸せだったんだ)そう思うだけで胸がいっぱいになった。もう何も要らないと思えたほど幸福だった。「ありがとう……好きです……」
「俺もだ」
大黒さんの囁きが耳元で響く。重ねた唇から甘い蜜が流れ込んできた。舌先が絡まり合い口腔内で官能的なダンスが繰り広げられる。唾液の一滴さえ逃すまいと執拗に追い求められるうちに全身の毛孔が開ききってしまいそうな錯覚に陥ってしまう。まるで媚薬でも飲まされたかのような多幸感。幸福感が細胞に満ちわたっていく。
(私の中が変わっていく)
身体が造り変えられてしまう実感に伴う戦慄と恍惚。排泄器官が性器に生まれ変わったように新たな快楽の源泉を見つけ出されてしまったショックもあるが今はただ受け入れるしかない運命なのだと受け入れ始めてもいた。
「これでお前は一生俺から離れられなくなるんだよ」
悪魔の囁きとも祝福の鐘の音ともつかぬ艶めかしい声音と共に最後通告を言い渡される。
(それでいい)
どこか他人事のように考えてしまっている時点で既に手遅れなのかも知れない。でもそれでいい。この人のために生きることができるのならばどんな代償を支払おうと惜しくはないはずだ。きっとそうだ。そう信じてる。
夜明け前特有の青みがかった薄暗い森の中で二匹の獣があさましく絡み合い続けていた。地上の喧騒とは隔絶された別世界で悠久の刻を紡ぐが如く永劫なる儀式の時間だ。梢を揺らす風もなく虫たちさえ息を潜める静寂の中ただお互いを求め合い貪り合う営みだけが唯一確かな現実味を持ってそこに存在しているようだ。
そして唐突に終わりはやって来た。空気の密度が変わる。木々の隙間から漏れてくる陽光は清浄でありながら毒々しくもあり目を瞑っていてさえ瞼を通して侵入して来る光景の暴力性にくらくら酩酊してしまう。小鳥の合唱隊がそこここで目覚めの歌を奏で始める。
(また新しい一日が始まってしまった)
一抹の寂寥を覚えるもそれはほんの一時の気休め程度にすぎなかった。
(私は今日から違う生き物として生きるのだ)決意を新たにする。
終わり
称賛なのか侮辱なのか判別しづらい文句を囁かれて陶然となる一方で嫉妬心めいた感情も芽生えていた。自分以外の人間が大黒さんに可愛がられているかもしれないという可能性を考えただけで気が狂いそうになるのだ。この人は俺だけの所有物なんだと思い込みたい衝動に駆られるが当然そんな権利など有りはしないことも理解できてしまう。
「おいおい何考えてんだ? 余裕ぶっこいてんなよ」
嫉妬と葛藤の狭間を行ったり来たりしていた矢先のことだ。不意打ち気味に下から突き上げられて不格好な喘ぎ声が出てしまう。「あ゛へぇっ!?」
予期せぬタイミングでの衝撃ゆえ防御体制も取れずそのまま串刺しに近い格好で磔にされてしまう。逃げ場もなく只々享受することしか許されない生贄の気分だった。しかも今回は前立腺ではなく奥にある精嚢や膀胱を狙っているようだ。膀胱炎の時以来味わったことの無い疼痛にも似た刺激に戸惑いを覚えつつも少しずつ快感に変換されていく過程をハッキリ捉えることができた。
(これが本当のセックスなのか……)
昭夫の細胞一つ一つが歓喜に打ち震えていた。生殖器同士だけでなく血液の中の赤血球や白血球やリンパ球や血管壁の内皮細胞まで愛おしむように抱擁されているのを感じる。互いの細胞膜が融合し境界線が曖昧になり一個の生命体になっていくようだ。
(溶けて……混ざり合う……)
脳内麻薬全開でトリップしている最中に突如として背後にいる存在から切羽詰まった気配が漂ってきた。同時に硬さを増した男性自身が最深部の閉鎖された空間を無慈悲に殴りつけてくる。
「ぐっ……出すぞぉ……!」
「はいぃ……来てくださぃぃ……」
尻肉が裂けそうなほど押しつけられ密着状態の中で大黒さんの男性自身が膨張していくのを感じる。呼応するように昭夫も再度潮を吹いた。
「あひぃっ……イグゥゥッ!!!」
大黒さんの咆哮と共に熱い奔流が直腸内部に注ぎ込まれる。常軌を逸した量と熱量を持つ濃厚な精子群が結腸粘膜を焦がして内壁の襞一枚一枚に染み込んでいくのが分かる。
「熱いぃぃっ……溶けるぅぅっ……」
体内から炙られ融解していくイメージに溺れながらもさらなる高みを目指して貪婪に食らいついてしまう貪欲さ。肉輪は自動的に伸縮し一滴残らず搾り取ろうとする本能剥き出しの仕組みとなって主人の意志などお構いなしに奉仕する。
「まだだ……もっとくれてやる……」
信じられないことに萎える兆候を見せない大黒さんが再び律動を開始する。注入されたばかりの白濁汁がかき混ぜられぐちょぐちょという淫靡な旋律を奏でる。まるで卵子に向けて全力疾走する精子の行列さながらだ。
「あ゛ぁっ! ダメッ……許してぇっ……」
拒絶の意思表示も虚しく蹂躙の限りを尽くされた末ついに最後の甲高い金切り声を絞り出されたところで意識が暗転し闇の中に沈んでいった……
(こんな素晴らしい人と出会えて幸せだったんだ)そう思うだけで胸がいっぱいになった。もう何も要らないと思えたほど幸福だった。「ありがとう……好きです……」
「俺もだ」
大黒さんの囁きが耳元で響く。重ねた唇から甘い蜜が流れ込んできた。舌先が絡まり合い口腔内で官能的なダンスが繰り広げられる。唾液の一滴さえ逃すまいと執拗に追い求められるうちに全身の毛孔が開ききってしまいそうな錯覚に陥ってしまう。まるで媚薬でも飲まされたかのような多幸感。幸福感が細胞に満ちわたっていく。
(私の中が変わっていく)
身体が造り変えられてしまう実感に伴う戦慄と恍惚。排泄器官が性器に生まれ変わったように新たな快楽の源泉を見つけ出されてしまったショックもあるが今はただ受け入れるしかない運命なのだと受け入れ始めてもいた。
「これでお前は一生俺から離れられなくなるんだよ」
悪魔の囁きとも祝福の鐘の音ともつかぬ艶めかしい声音と共に最後通告を言い渡される。
(それでいい)
どこか他人事のように考えてしまっている時点で既に手遅れなのかも知れない。でもそれでいい。この人のために生きることができるのならばどんな代償を支払おうと惜しくはないはずだ。きっとそうだ。そう信じてる。
夜明け前特有の青みがかった薄暗い森の中で二匹の獣があさましく絡み合い続けていた。地上の喧騒とは隔絶された別世界で悠久の刻を紡ぐが如く永劫なる儀式の時間だ。梢を揺らす風もなく虫たちさえ息を潜める静寂の中ただお互いを求め合い貪り合う営みだけが唯一確かな現実味を持ってそこに存在しているようだ。
そして唐突に終わりはやって来た。空気の密度が変わる。木々の隙間から漏れてくる陽光は清浄でありながら毒々しくもあり目を瞑っていてさえ瞼を通して侵入して来る光景の暴力性にくらくら酩酊してしまう。小鳥の合唱隊がそこここで目覚めの歌を奏で始める。
(また新しい一日が始まってしまった)
一抹の寂寥を覚えるもそれはほんの一時の気休め程度にすぎなかった。
(私は今日から違う生き物として生きるのだ)決意を新たにする。
終わり
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