1 熟年妄想族
ポルノ映画館 第一章
新型コロナの外出自粛要請が解除された最初の土曜日に数ヶ月ぶりにポルノ映画館に行った。もちろん、コロナ禍で溜まった欲求不満を解消するためだ。
外の世界はまだマスク姿の人々であふれていたが、私の心の中はすでに完全に自由だった。コロナウイルスによって強制的に閉ざされた私の内なる世界が、ようやく解放される時が来たのだ。
外の世界はまだマスク姿の人々であふれていたが、私の心の中はすでに完全に自由だった。コロナウイルスによって強制的に閉ざされた私の内なる世界が、ようやく解放される時が来たのだ。
(PC)
2 熟年妄想族
part 1
ポルノ映画館の薄暗い入口に立つと、胸が高鳴った。パンデミック前は当たり前だった場所なのに、今は特別な意味を持っている。消毒液を手に吹きかけながら、私は思った。
「これが生きているということだ」
中に入ると、他にも同様に「生還者」たちが集まっていた。互いに距離を取って座る中、私は懐かしいスクリーンの輝きを見上げた。それは単なるエロティックな映像ではなく、私の魂が長らく渇望していたものだった。
しかし、映画が始まってもすぐに没頭することはできなかった。頭の中に浮かぶのは過去34年の結婚生活のこと。妻の優しく笑う顔や、二人で過ごした温かな日々。そして、あの最後の夜のこと……
パンデミック中に夫婦の性関係はさらに悪化した。ソーシャルディスタンスが求められる中で、私たちの間には目に見えない壁が築かれた。お互いへの思いやりや理解さえ、ウイルスのように忌み嫌われてしまった。
それでも今、こうして一人でポルノ映画を見ていることに罪悪感はない。むしろ清々しい気分さえ覚える。妻は感染を恐れセックスレスの人生を歩むことを選んだ。私にはもう縛るものはない。
映画の中で繰り広げられる刺激的なシーンよりも、私の意識は内なる独白に向かっていた。
高橋(56歳)はノンケだがここでホモにフェラチオされて病みつきになった。今日も期待してた。
この映画館は普通とは違った。スクリーンだけではなく、客席でも何かが起こる場所だった。特に右端の一番後ろの列は「ハッテンゾーン」と呼ばれていた。間接照明が切れていて暗いのだ。私はいつもそこに座ることにしている。
スクリーンでは男女の絡みが始まっていたが、私の視線は別の方向へ向かっていた。斜め前に座っているしゃぶり好きの常連の60代の親父だ。想像するだけで鼓動が速くなる。
数ヶ月前までは考えられなかったことだ。今やこんな場所で新たな自分を発見しようとしている。
妻との長年の習慣とは全く違う世界。ここでは誰も私を知らない。家族の目も周囲の評価もない。
映画が盛り上がってきた頃、隣に誰かが座った。振り返ると年配の細身の男性がマスクに帽子を深々と被って静かに囁いた。「久しぶりですね」と低い声で囁かれ、「ああ……」私は言葉少なに答えた。顔は見えずともこの声を忘れるはずがない。コロナ禍前、初めて私を新しい世界へ連れ出した男だ。
彼の指先が太腿に触れる。それだけで全身が熱くなるのを感じた。スクリーン上の裸体よりも、すぐ隣の体温の方が私にとっては遥かに官能的だった。
この瞬間のために今日まで耐えてきたのかもしれない。そう思うと自然と口元が緩んだ。
パンデミックは多くのものを奪ったが、同時に新たな扉を開け放ったようだ。
彼は高橋の股間をズボンの上から擦った。その瞬間、背筋を駆け上がる電流のような衝撃に思わず息を呑んだ。コロナ禍による禁欲生活で長らく眠っていた欲望が一気に目覚める感覚だ。
指先が布越しに微妙な圧力を加えるたび、硬直していくイチモツが自分の存在を主張し始める。まるで長い眠りから覚めた猛獣のようだ。
「あぁ……」
思わず漏れた声に驚いて口を押さえるが、もう遅い。隣の男が微かに微笑んだように感じた。
ズボンのチャックを下ろす音が闇に溶ける。冷たい空気に触れてもなお硬さを失わないそれを、熱い掌が包み込む。
ゆっくりとした上下運動が再び始まったとき、股間から脳天まで一直線に突き抜ける快感に体が震えた。パンデミック以前には感じなかったほどの鋭敏さだ。三十四年間の結婚生活では得られなかった解放感が体中を駆け巡る。
唾液で濡れた口膣を感じながら高橋は思った。この感覚こそが本来の「快楽」なのだと。妻との義務的なフェラでは到底届かない境地だ。
カリ首を弄ぶ舌先の動きひとつひとつが鮮明に伝わり、先走りで湿った亀頭がひんやりとした外気に晒されるたび、新たな快楽の波が押し寄せてくる。
暗がりの中で絡み合う視線。隣の男が高橋の反応を探るように舌を這わせる。裏筋を舐め上げるたびに腰が跳ねるのを見て、相手は得意げに微笑んだ。
「久しぶりだな……本当に」
囁くような低音が鼓膜に響く。その声だけで背筋がぞくりと震える。喉の奥まで飲み込まれるような深い吸引に、高橋は無意識に相手の髪を掴んでいた。妻との関係では決して許されなかった行為だ。
「おぅ……もっと……」
普段なら絶対に出さない声が漏れる。三十四年間抑圧してきた本音が今、解き放たれている。
男の指先がベルトに掛かる。反射的に身をよじり腰を浮かせるが、逆に強く押し付けられた。抑圧されていた感覚の扉が次々と開いていく。
「声だしな?我慢しなくていいんだ」
その言葉と共に先端が強く吸われる。思わず吐息混じりの声が出てしまったが、男は何も言わずただ愛撫を続けた。
ポルノ映画館の薄暗い入口に立つと、胸が高鳴った。パンデミック前は当たり前だった場所なのに、今は特別な意味を持っている。消毒液を手に吹きかけながら、私は思った。
「これが生きているということだ」
中に入ると、他にも同様に「生還者」たちが集まっていた。互いに距離を取って座る中、私は懐かしいスクリーンの輝きを見上げた。それは単なるエロティックな映像ではなく、私の魂が長らく渇望していたものだった。
しかし、映画が始まってもすぐに没頭することはできなかった。頭の中に浮かぶのは過去34年の結婚生活のこと。妻の優しく笑う顔や、二人で過ごした温かな日々。そして、あの最後の夜のこと……
パンデミック中に夫婦の性関係はさらに悪化した。ソーシャルディスタンスが求められる中で、私たちの間には目に見えない壁が築かれた。お互いへの思いやりや理解さえ、ウイルスのように忌み嫌われてしまった。
それでも今、こうして一人でポルノ映画を見ていることに罪悪感はない。むしろ清々しい気分さえ覚える。妻は感染を恐れセックスレスの人生を歩むことを選んだ。私にはもう縛るものはない。
映画の中で繰り広げられる刺激的なシーンよりも、私の意識は内なる独白に向かっていた。
高橋(56歳)はノンケだがここでホモにフェラチオされて病みつきになった。今日も期待してた。
この映画館は普通とは違った。スクリーンだけではなく、客席でも何かが起こる場所だった。特に右端の一番後ろの列は「ハッテンゾーン」と呼ばれていた。間接照明が切れていて暗いのだ。私はいつもそこに座ることにしている。
スクリーンでは男女の絡みが始まっていたが、私の視線は別の方向へ向かっていた。斜め前に座っているしゃぶり好きの常連の60代の親父だ。想像するだけで鼓動が速くなる。
数ヶ月前までは考えられなかったことだ。今やこんな場所で新たな自分を発見しようとしている。
妻との長年の習慣とは全く違う世界。ここでは誰も私を知らない。家族の目も周囲の評価もない。
映画が盛り上がってきた頃、隣に誰かが座った。振り返ると年配の細身の男性がマスクに帽子を深々と被って静かに囁いた。「久しぶりですね」と低い声で囁かれ、「ああ……」私は言葉少なに答えた。顔は見えずともこの声を忘れるはずがない。コロナ禍前、初めて私を新しい世界へ連れ出した男だ。
彼の指先が太腿に触れる。それだけで全身が熱くなるのを感じた。スクリーン上の裸体よりも、すぐ隣の体温の方が私にとっては遥かに官能的だった。
この瞬間のために今日まで耐えてきたのかもしれない。そう思うと自然と口元が緩んだ。
パンデミックは多くのものを奪ったが、同時に新たな扉を開け放ったようだ。
彼は高橋の股間をズボンの上から擦った。その瞬間、背筋を駆け上がる電流のような衝撃に思わず息を呑んだ。コロナ禍による禁欲生活で長らく眠っていた欲望が一気に目覚める感覚だ。
指先が布越しに微妙な圧力を加えるたび、硬直していくイチモツが自分の存在を主張し始める。まるで長い眠りから覚めた猛獣のようだ。
「あぁ……」
思わず漏れた声に驚いて口を押さえるが、もう遅い。隣の男が微かに微笑んだように感じた。
ズボンのチャックを下ろす音が闇に溶ける。冷たい空気に触れてもなお硬さを失わないそれを、熱い掌が包み込む。
ゆっくりとした上下運動が再び始まったとき、股間から脳天まで一直線に突き抜ける快感に体が震えた。パンデミック以前には感じなかったほどの鋭敏さだ。三十四年間の結婚生活では得られなかった解放感が体中を駆け巡る。
唾液で濡れた口膣を感じながら高橋は思った。この感覚こそが本来の「快楽」なのだと。妻との義務的なフェラでは到底届かない境地だ。
カリ首を弄ぶ舌先の動きひとつひとつが鮮明に伝わり、先走りで湿った亀頭がひんやりとした外気に晒されるたび、新たな快楽の波が押し寄せてくる。
暗がりの中で絡み合う視線。隣の男が高橋の反応を探るように舌を這わせる。裏筋を舐め上げるたびに腰が跳ねるのを見て、相手は得意げに微笑んだ。
「久しぶりだな……本当に」
囁くような低音が鼓膜に響く。その声だけで背筋がぞくりと震える。喉の奥まで飲み込まれるような深い吸引に、高橋は無意識に相手の髪を掴んでいた。妻との関係では決して許されなかった行為だ。
「おぅ……もっと……」
普段なら絶対に出さない声が漏れる。三十四年間抑圧してきた本音が今、解き放たれている。
男の指先がベルトに掛かる。反射的に身をよじり腰を浮かせるが、逆に強く押し付けられた。抑圧されていた感覚の扉が次々と開いていく。
「声だしな?我慢しなくていいんだ」
その言葉と共に先端が強く吸われる。思わず吐息混じりの声が出てしまったが、男は何も言わずただ愛撫を続けた。
(PC)
3 熟年妄想族
part 2
スクリーン上で展開されるフィクションより遥かに生々しい現実。高橋は目を閉じて全身でそれに浸っていた。もう戻れないことを知りながら。
「んっ……んぐっ……」
苦しげな呻き声と共に吸い付く力が一層強くなる。高橋の腰は完全に相手に委ねられていた。パンデミック以来封印されていた本能が一気に蘇ってくる。
男の両手がズボンをゆっくりと下げ全部脱がしてきた。背筋が総毛立つが不快ではない。むしろ待ち望んでいたような感覚だ。
「ここも寂しかっただろう?」
男は金玉を舐め始めた。
タマの皺を伸ばすようにねっとりと舐め回す。高橋はたまらず腰を引いたがすぐに引き戻された。
「逃げるなよ……今日は特別なんだからな」
金玉を舐めていた舌が肛門へ向かった。高橋は声にならない叫び声を上げる。男の太い指が穴の周りを揉みほぐす。その度に鳥肌が立ち全身の血流が激しくなるのを感じた。
「こんな時だからこそ大事にするんだよ……」
男の声が耳元で響く。それと同時に熱い吐息がアヌスを襲う。パンデミック中の孤独な自慰では決して味わえなかった感覚だ。
肛門に舌を入れられた。異物感と快楽が交錯する奇妙な感覚。スクリーン上の演技とは全く違う生々しい刺激だ。
高橋は無意識に尻を振っていた。男がくすっと笑うのが分かる。
「おいおい……そんなに急ぐなって」
その言葉と同時に更なる圧迫感が下半身を襲った。高橋は喘ぎ声を漏らしながらシートに沈み込む。もう何も考える余裕はない。ただただ与えられる悦楽に身を任せるのみだ。そこにあるのは純粋な欲求と即物的な快楽だけだった。
「ほら……もっと声出せよ」
男は容赦なく責め立ててくる。高橋は必死で抗うが身体が言うことを聞かない。むしろその屈辱的な状況さえ快感に変わっていた。
「うあっ……そこはダメだって……」
思わず声が大きくなってしまう。
男は肛門から舌を抜き指を挿入してきた。中で蠢く二つの指先が敏感な箇所を捉える度に声が漏れてしまう。高橋は必死で堪えようとするもののどうすることもできない。むしろその抵抗が相手の嗜虐心を煽っているようだ。
「どうだ?気持ち良いだろう?」
男は意地悪そうな笑みを浮かべて聞いてくる。答えられないでいると今度は乳首を強く摘ままれた。その瞬間鋭い痛みと共に甘美な痺れが全身に広がっていく。蓄積されたストレスが快楽へと昇華されていくようだ。
高橋のイチモツからは大量の我慢汁が垂れ流されていた。その光景を見て男は嬉しそうに言う。
「こんなに喜んでもらえると嬉しいなぁ……」
男は高橋の足を持ち上げ菊門を見せつけながら誘惑するように言った。
「もっと舐めて欲しいか?」
高橋は躊躇うことなく大きく首を縦に振った。
すると男は高橋の身体を引き寄せ舌を挿入した。
「ああぁぁぁ!!!」
あまりの舌技に息ができなくなるほどだった。しかし同時に強烈な快感に襲われて頭が真っ白になる。失っていたものが一気に補填されていくような充足感だ。
「いいぞ……そのまま動け!」
男の命令通りに腰を揺すると更なる刺激を得ることができた。スクリーンの中で行われているセックスなど比にならないほどリアルな感覚。結婚生活では経験したことのない開放感だ。
「そろそろ出すか……」
低く囁かれる声に高橋は首を振って応えた。次の瞬間凄まじい勢いでイチモツを舐め回した。強烈な快楽の波が押し寄せてくる中で高橋は限界を迎えていた。だが男は止めようとしない。むしろ更に激しく攻め立ててくる。
「ああ……もうダメッ……出る!」
絶頂を迎えようとしたその時突然動きが止まった。寸止めされたことで高橋は絶望的な気分になる。だがそれも束の間次なる責めが待っていた。
男は高橋の菊門を攻めたてる。舌先が内壁を舐め回す感触に高橋は身悶えた。今まで味わったことのない種類の快感に戸惑いつつも身体は正直だった。どんどん高まっていく性感に恐怖すら覚えてしまうほどだ。
「そろそろイカせてあげよう」
ようやく解放されたと思った矢先だった。今度は男の太い指が挿入された。腸内で蠢く指先を感じて高橋は悲鳴を上げた。
「あああ!!」
そしてついにその時が来たのである……。
ずっと閉じ込められていた欲望が一気に噴き出していったのであった……。
男は高橋のイチモツを咥え射精を受け止めた。
高橋は放心状態のまま息を整えていた。封印していたものが一気に放出されたのだ。身体中から力が抜けてしまうのも無理はないだろう。
「気持ちよかったか?」
尋ねられて素直に頷くしかなかった。すると男は満足げに微笑んで言った。
「またしゃぶらせてくれよ」
その言葉を聞いて高橋の胸の中に暖かいものが広がっていった……。
高橋はポルノ映画館を後にした。まだ火照った身体と精神の充実感を抱えながら夜道を歩く。
スクリーン上で展開されるフィクションより遥かに生々しい現実。高橋は目を閉じて全身でそれに浸っていた。もう戻れないことを知りながら。
「んっ……んぐっ……」
苦しげな呻き声と共に吸い付く力が一層強くなる。高橋の腰は完全に相手に委ねられていた。パンデミック以来封印されていた本能が一気に蘇ってくる。
男の両手がズボンをゆっくりと下げ全部脱がしてきた。背筋が総毛立つが不快ではない。むしろ待ち望んでいたような感覚だ。
「ここも寂しかっただろう?」
男は金玉を舐め始めた。
タマの皺を伸ばすようにねっとりと舐め回す。高橋はたまらず腰を引いたがすぐに引き戻された。
「逃げるなよ……今日は特別なんだからな」
金玉を舐めていた舌が肛門へ向かった。高橋は声にならない叫び声を上げる。男の太い指が穴の周りを揉みほぐす。その度に鳥肌が立ち全身の血流が激しくなるのを感じた。
「こんな時だからこそ大事にするんだよ……」
男の声が耳元で響く。それと同時に熱い吐息がアヌスを襲う。パンデミック中の孤独な自慰では決して味わえなかった感覚だ。
肛門に舌を入れられた。異物感と快楽が交錯する奇妙な感覚。スクリーン上の演技とは全く違う生々しい刺激だ。
高橋は無意識に尻を振っていた。男がくすっと笑うのが分かる。
「おいおい……そんなに急ぐなって」
その言葉と同時に更なる圧迫感が下半身を襲った。高橋は喘ぎ声を漏らしながらシートに沈み込む。もう何も考える余裕はない。ただただ与えられる悦楽に身を任せるのみだ。そこにあるのは純粋な欲求と即物的な快楽だけだった。
「ほら……もっと声出せよ」
男は容赦なく責め立ててくる。高橋は必死で抗うが身体が言うことを聞かない。むしろその屈辱的な状況さえ快感に変わっていた。
「うあっ……そこはダメだって……」
思わず声が大きくなってしまう。
男は肛門から舌を抜き指を挿入してきた。中で蠢く二つの指先が敏感な箇所を捉える度に声が漏れてしまう。高橋は必死で堪えようとするもののどうすることもできない。むしろその抵抗が相手の嗜虐心を煽っているようだ。
「どうだ?気持ち良いだろう?」
男は意地悪そうな笑みを浮かべて聞いてくる。答えられないでいると今度は乳首を強く摘ままれた。その瞬間鋭い痛みと共に甘美な痺れが全身に広がっていく。蓄積されたストレスが快楽へと昇華されていくようだ。
高橋のイチモツからは大量の我慢汁が垂れ流されていた。その光景を見て男は嬉しそうに言う。
「こんなに喜んでもらえると嬉しいなぁ……」
男は高橋の足を持ち上げ菊門を見せつけながら誘惑するように言った。
「もっと舐めて欲しいか?」
高橋は躊躇うことなく大きく首を縦に振った。
すると男は高橋の身体を引き寄せ舌を挿入した。
「ああぁぁぁ!!!」
あまりの舌技に息ができなくなるほどだった。しかし同時に強烈な快感に襲われて頭が真っ白になる。失っていたものが一気に補填されていくような充足感だ。
「いいぞ……そのまま動け!」
男の命令通りに腰を揺すると更なる刺激を得ることができた。スクリーンの中で行われているセックスなど比にならないほどリアルな感覚。結婚生活では経験したことのない開放感だ。
「そろそろ出すか……」
低く囁かれる声に高橋は首を振って応えた。次の瞬間凄まじい勢いでイチモツを舐め回した。強烈な快楽の波が押し寄せてくる中で高橋は限界を迎えていた。だが男は止めようとしない。むしろ更に激しく攻め立ててくる。
「ああ……もうダメッ……出る!」
絶頂を迎えようとしたその時突然動きが止まった。寸止めされたことで高橋は絶望的な気分になる。だがそれも束の間次なる責めが待っていた。
男は高橋の菊門を攻めたてる。舌先が内壁を舐め回す感触に高橋は身悶えた。今まで味わったことのない種類の快感に戸惑いつつも身体は正直だった。どんどん高まっていく性感に恐怖すら覚えてしまうほどだ。
「そろそろイカせてあげよう」
ようやく解放されたと思った矢先だった。今度は男の太い指が挿入された。腸内で蠢く指先を感じて高橋は悲鳴を上げた。
「あああ!!」
そしてついにその時が来たのである……。
ずっと閉じ込められていた欲望が一気に噴き出していったのであった……。
男は高橋のイチモツを咥え射精を受け止めた。
高橋は放心状態のまま息を整えていた。封印していたものが一気に放出されたのだ。身体中から力が抜けてしまうのも無理はないだろう。
「気持ちよかったか?」
尋ねられて素直に頷くしかなかった。すると男は満足げに微笑んで言った。
「またしゃぶらせてくれよ」
その言葉を聞いて高橋の胸の中に暖かいものが広がっていった……。
高橋はポルノ映画館を後にした。まだ火照った身体と精神の充実感を抱えながら夜道を歩く。
(PC)
4 熟年妄想族
part 3
空には満月が浮かんでいた。三十四年間続いた結婚生活の中で幾度となく見上げてきた光景だが、今日ほど鮮明に見えることはなかった。
遠くから車のクラクションが聞こえる。どこかの店から漏れる笑い声。すべてが新鮮に感じられた。外出自粛要請前には当たり前だった日常が、今はとても尊く思える。
翌日の日曜日、高橋は再び同じポルノ映画館に足を運んでいた。昨夜の経験が忘れられず、朝から股間が疼いて仕方がなかった。三十四年間の結婚生活では味わえなかった肉体的充足感が、彼の欲望に火をつけてしまっていた。
受付を済ませて暗い通路を歩く。昨日と同じ右端の席に向かう途中、別の男と目が合った。五十代半ばと思しき中肉中背の男だ。帽子を被りマスク超しに黒縁眼鏡の奥の目が妖しく光っている。
高橋は昨日と同じ場所に座った。見渡すと客は10人もいないだろうか……。いつもより少ない気がする。皆が外出を控えているのか、あるいはポルノ映画館という特殊な空間自体が避けられているのか。
帽子を目深にかぶりマスクをしている者がほとんどだが、その僅かな隙間からのぞく瞳の動きから雰囲気は感じ取れる。
ふと視線を感じて横を見ると、先ほどの男五十代半ばと思しき中肉中背の男がこちらを見ていた。
その男は高橋をまじまじと観察しているようで、しばしの間無言の視線が交錯した。
この狭い空間での無言の交流には独特の緊張感がある。互いに何を求めているのか探り合い、それでいて言葉を交わさずに意思疎通を試みるのだ。
高橋はその視線から逃れるように正面を向き直したが、男の存在は常に意識の中にあった。パンデミック以降久しく感じていなかった人との繋がりを予感させる何かがあった。
時間がたつにつれ客もぽつぽつと集まり始め、室内の密度が増していく。それぞれが小さな世界を形成していて、高橋はまるで透明人間にでもなったかのような感覚を覚えた。周りの人々は確かに存在しているのに、どこか別次元の住人のようだ。
大画面に映し出される男女の姿に高橋の意識は次第に集中していく。昨日の記憶が甦り股間に血が集まってくるのを感じた。
昨夜あれほど満たされたにも関わらず、既に身体は次を求めている。三十四年間の結婚生活では考えられなかった貪欲さだ。
スクリーンでは女優が挑発的な表情でカメラを見つめながら自らの胸に触れていた。その動き一つ一つが高橋の欲情を刺激する。右手を股間へおくと。
その瞬間再び隣の男と目が合った。いや正確には視線を感じただけだが明らかにこちらの行動を追跡している様子だ。
その後も何度か似たような状況が続いた。以前の私であれば恥じらいから身を縮こまらせていたところだろうが、今の彼に躊躇いはなかった。
スクリーン上の情事が進むにつれ室内の空気も変化していく。時折聞こえる息づかいや衣擦れの音。それら全てが非日常的な儀式の一部のようだった。
映画も佳境に入ったころ高橋は自らイチモツを出して男に見せた。
映画の濡れ場シーンが流れる中、高橋は周囲を警戒しながらも徐々に大胆になっていった。隣の男との無言の駆け引きが続くなか、彼の我慢は限界に達しようとしていた。
画面では俳優二人が激しく絡み合っている。その光景を見るほどに、高橋の中の欲望は膨れ上がっていった。隣の男がちらちらと視線を送ってくるのがわかる。それが挑発なのか遠慮なのか判断がつかない。
高橋は勃起したズル剥けマラを左手で隠しながらも右手を動かし始めていた。公共の場での露出は禁止だが、今ここにいるほとんどが同志ばかり。そう思うと少し安心できる。
男も気づいたらしく、さりげなく高橋の方に移動してきた。肩と肩が触れるかどうかの距離感。この接近は合意だということを互いに理解している。
「お前はどうしたい?」という視線を投げかけてくる。
男の動きは極めて滑らかだった。まず右手がゆっくりと股間に伸びていく。動作は最小限で、他者からは単なる居心地の悪い体勢調整にしか見えない。しかし高橋には明らかだった?了解の合図だ。
ファスナーを下ろす際の金属音の軽い摩擦音だけが漏れるが、映画の効果音に簡単に掻き消される。
取り出された男根はガチムチ体型に合致し予想通り立派なものだった。赤銅色の亀頭が先走りで濡れ光り、表皮には血管が蛇のように浮き出ている。高橋の18センチより僅かに短いながらも、竿と亀頭の部分が驚くほど太い。その重量感のある質感は見る者を否応なしに惹きつけて離さない。
男はイチモツを取り出し終えると高橋の反応を窺う。上半身は平静を装っているが下半身は雄弁だ。角度によって見え隠れする陰影は猥褻以外の何ものでもない。竿の中程まで手で支えているため全体像が把握しずらいのも計算のうちか。
続く
空には満月が浮かんでいた。三十四年間続いた結婚生活の中で幾度となく見上げてきた光景だが、今日ほど鮮明に見えることはなかった。
遠くから車のクラクションが聞こえる。どこかの店から漏れる笑い声。すべてが新鮮に感じられた。外出自粛要請前には当たり前だった日常が、今はとても尊く思える。
翌日の日曜日、高橋は再び同じポルノ映画館に足を運んでいた。昨夜の経験が忘れられず、朝から股間が疼いて仕方がなかった。三十四年間の結婚生活では味わえなかった肉体的充足感が、彼の欲望に火をつけてしまっていた。
受付を済ませて暗い通路を歩く。昨日と同じ右端の席に向かう途中、別の男と目が合った。五十代半ばと思しき中肉中背の男だ。帽子を被りマスク超しに黒縁眼鏡の奥の目が妖しく光っている。
高橋は昨日と同じ場所に座った。見渡すと客は10人もいないだろうか……。いつもより少ない気がする。皆が外出を控えているのか、あるいはポルノ映画館という特殊な空間自体が避けられているのか。
帽子を目深にかぶりマスクをしている者がほとんどだが、その僅かな隙間からのぞく瞳の動きから雰囲気は感じ取れる。
ふと視線を感じて横を見ると、先ほどの男五十代半ばと思しき中肉中背の男がこちらを見ていた。
その男は高橋をまじまじと観察しているようで、しばしの間無言の視線が交錯した。
この狭い空間での無言の交流には独特の緊張感がある。互いに何を求めているのか探り合い、それでいて言葉を交わさずに意思疎通を試みるのだ。
高橋はその視線から逃れるように正面を向き直したが、男の存在は常に意識の中にあった。パンデミック以降久しく感じていなかった人との繋がりを予感させる何かがあった。
時間がたつにつれ客もぽつぽつと集まり始め、室内の密度が増していく。それぞれが小さな世界を形成していて、高橋はまるで透明人間にでもなったかのような感覚を覚えた。周りの人々は確かに存在しているのに、どこか別次元の住人のようだ。
大画面に映し出される男女の姿に高橋の意識は次第に集中していく。昨日の記憶が甦り股間に血が集まってくるのを感じた。
昨夜あれほど満たされたにも関わらず、既に身体は次を求めている。三十四年間の結婚生活では考えられなかった貪欲さだ。
スクリーンでは女優が挑発的な表情でカメラを見つめながら自らの胸に触れていた。その動き一つ一つが高橋の欲情を刺激する。右手を股間へおくと。
その瞬間再び隣の男と目が合った。いや正確には視線を感じただけだが明らかにこちらの行動を追跡している様子だ。
その後も何度か似たような状況が続いた。以前の私であれば恥じらいから身を縮こまらせていたところだろうが、今の彼に躊躇いはなかった。
スクリーン上の情事が進むにつれ室内の空気も変化していく。時折聞こえる息づかいや衣擦れの音。それら全てが非日常的な儀式の一部のようだった。
映画も佳境に入ったころ高橋は自らイチモツを出して男に見せた。
映画の濡れ場シーンが流れる中、高橋は周囲を警戒しながらも徐々に大胆になっていった。隣の男との無言の駆け引きが続くなか、彼の我慢は限界に達しようとしていた。
画面では俳優二人が激しく絡み合っている。その光景を見るほどに、高橋の中の欲望は膨れ上がっていった。隣の男がちらちらと視線を送ってくるのがわかる。それが挑発なのか遠慮なのか判断がつかない。
高橋は勃起したズル剥けマラを左手で隠しながらも右手を動かし始めていた。公共の場での露出は禁止だが、今ここにいるほとんどが同志ばかり。そう思うと少し安心できる。
男も気づいたらしく、さりげなく高橋の方に移動してきた。肩と肩が触れるかどうかの距離感。この接近は合意だということを互いに理解している。
「お前はどうしたい?」という視線を投げかけてくる。
男の動きは極めて滑らかだった。まず右手がゆっくりと股間に伸びていく。動作は最小限で、他者からは単なる居心地の悪い体勢調整にしか見えない。しかし高橋には明らかだった?了解の合図だ。
ファスナーを下ろす際の金属音の軽い摩擦音だけが漏れるが、映画の効果音に簡単に掻き消される。
取り出された男根はガチムチ体型に合致し予想通り立派なものだった。赤銅色の亀頭が先走りで濡れ光り、表皮には血管が蛇のように浮き出ている。高橋の18センチより僅かに短いながらも、竿と亀頭の部分が驚くほど太い。その重量感のある質感は見る者を否応なしに惹きつけて離さない。
男はイチモツを取り出し終えると高橋の反応を窺う。上半身は平静を装っているが下半身は雄弁だ。角度によって見え隠れする陰影は猥褻以外の何ものでもない。竿の中程まで手で支えているため全体像が把握しずらいのも計算のうちか。
続く
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