ログハウス本棟「ピオーズ」96

明日の発売楽しみですね

〜皇歴1753 浮遊城最上階〜

死闘・・・まさしくそれだった
どちらも対策がないわけでなかった

得意や苦手にこだわるにとどまらず、互いの研究の結果、シーソーゲームの様相を呈していた

ワグナス「くくく・・・！これほどのものとは・・・！
かの眷族が、警鐘を鳴らすわけだ・・・！ぐっ・・・！！」

アザミ「得意を残しながらも、可能な限り弱点を潰して来たとは・・・。
それでいて、先帝が討たれた時よりも、幅が増え、想定以上の泥死合・・・。
全く、これだけの備えをしながら・・・！」
ワグナス「私も備えを怠っていなかっただけの事だ、皇帝・・・。
だが、それもどちらも限界のようだな・・・」

互いに重傷
忍者から皇帝となった、当代の隠密帝アザミと家臣達も治療が追いついていない
ワグナスに至っては、再生すら雀の涙な致命傷である

皇帝達は回復と防壁
ワグナスは有利な地質作りによる再生と治療術法を挟みつつ、攻撃の手を緩めない

風の防壁術法である『ミサイルガード』をワグナスも使用し、矢と細剣の突属性と風属性攻撃を寄せ付けない
他にも火、風、天で様々な術を駆使し、属性防御では防げない「無属性」である、天の星々を降らせる秘術『ギャラクシー』までも浴びせて来た

元々の得意術法である、火風合成の暴風術法『ファイアストーム』を時折混ぜて来るので、皇帝の見極め力がなければ、全滅の憂き目にあっただろう

『ファイアストーム』は『炎の壁』でシャットアウト出来ても、『ギャラクシー』はそうはいかない
辛うじて半減させる『光の壁』で防ぐも、続けて分子分解させ、麻痺させる槍技『サイコバインド』ですわ壊滅か、というところを水地合成の完治秘術『エリクサー』で立て直し、防壁術法を切らさないように支え、アタッカーはもはや、俊敏と体術のプロフェッショナルである皇帝だけしかいなかった

腕力を強化する地術『金剛力』に俊敏を高める『妖精光』で、体術の破壊力に必要な俊敏と腕力の複合により、浴びせられる一撃や連撃はモンスター体で頑強さを増したワグナスの肉体を割き、骨を砕いた
美しくも恐ろしい面貌は、頬骨が砕けており、充血に膨らんでおり、未だ再生が追いついていない様子で、全身はズタズタな様子で裂けた箇所から出血がとめどない

アザミ「次の技で決めて見せる！今詠唱中の『ギャラクシー』は撃たせない！！」
ワグナス「出来るかな！？術法を並行しつつ、動けないわけではないぞ！！」

息を整え、後光を描くように両手を添え、構えるアザミ
体術絶技『千手観音』の構え

対してワグナス、虚空から様々な細剣を、かの英雄王の「王の財宝」の如く無数に出現させる
得意な武具は、ワグナスは片手長剣、槍だったが、細剣を追加して、術法詠唱を守る為の、更なる対策をしていた
Zの字を胸に刻み、絶命させる絶技『ファイナルレター』に加え、『乱れ突き』によって重傷気味の家臣を刈り取って見せた
『ミサイルガード』の後に、片手長剣の絶技『不動剣』で出待ちし、最遅行動になる代わりに最大威力でのカウンターを浴びせて来た
気づいてからは『ソードバリア』でなんとかいなしたが

術も技も多彩
自分の弱点も得意も限界まで伸ばし、潰していた

家臣達も治療し、復帰しているが、皇帝含めた生命力はもはや、レッドライン
次に倒れれば戦死する事になる程だ

次で決まる

「「・・・」」

再生を、治療を待つのでなく、必殺のタイミングをどちらも狙っている

動いた
ワグナスの『ファイナルレター』が閃く
皇帝の胸に、Zの字が刻まれようとする

次の瞬間ーーー

アザミ「見えたぁっ！！」
ワグナス「がぁ”ぁ”ぁ”ぁ”ぁ”ぁ”ぁ”ぁ”っっっっ！！！！！！」

カウンター絶技『ジョルトカウンター』
いなした後に隙を大きく晒すも、一撃で刈り取る拳を、ワグナスの「心臓」の位置、核目掛けて突き入れた

アッパーカット気味に突き出た「抜き手」が核を貫き、それを皇帝がトドメとばかりに握り潰し、粉砕する

勝負あった
ここに、英雄と皇帝の運命は定まった

ワグナス「ふふふ・・・。見事・・・。
「今回」は、私の負けのようだ・・・」
アザミ「あなた達に「次」は与えたくない。
必ず本体を探し出し、あなた達を全員、後の皇帝達と共に狩る」
ワグナス「ふふ・・・。「最後の皇帝」になるまでに、果たして探し出せるかな・・・？」

そして、七英雄のリーダーは爆散して果てる事となった

今日の夕飯
びっくりチキンカツ定食(白米、キャベツおかわり自由)
￥1,290