ログハウス本棟「ピオーズ」98

こんな時代なのでハジケは止められない

>>30
劉孝「ふふふ。それくらいでいいかもね♪　いずれはここも皆妊婦になるよ。ギザ兄さん以外はみーんなボテ腹。

まあ、対魔忍の後継者が現れるのは良いことってことで。

それと、お疲れー」
（台所でビキニの上にエプロンを付けてスープを作っている）

〜皇歴3510 無銘の洞窟最深層〜

死闘・・・

常に綱渡りだったが、これほど七英雄からの、自身の強みを対策の上から押し付けられたのはワグナスとの戦い以来だった

相手は、鍛錬と吸収法の究極
なれど小細工もすれば、ダイナミックかつ、壊滅的な破壊力の大技も使いこなす

ダンターグ「くくくっ・・・！良いぞ皇帝と家臣共・・・！
お前達の勇気と知恵、対策と技に術が、俺を強くする！！」

七英雄の中でも「乱暴者」といわれながらも、最強を求め続ける求道者も、既に全身が矢襖になり、他にも様々な武器傷に晒され、流血も致命傷であることを顕す程にとめどない

ファティマ「なるほど、確かにあなたは強い。
ですが、私達はここでは止まれません。

あなた達の本体を叩き、滅ぼさねば人類の未来を勝ち得ません！
故に、ここであなたの伝説を「一度」終わらせます！」

サバンナと草原の民であるノーマッドから選ばれた皇帝である、草弓帝ファティマ
通り名が顕すように、騎馬と弓、風術を得意とする
いつか人類が草原を自由に駆け抜けられる世界を、と志を持つ優しき皇帝
弓を番え、急所か牽制かを伺いながら弓を引き絞り、毅然と言い放つ

ダンターグ「まだだ！！俺は「最後の皇帝」に出会えていない！！

今の皇帝、お前も桁違いなほどに強い！そして連れて来た家臣共の練度も今までにない程だ！

だが、真の意味での「最強の人間」が、俺を待っている！！
何が何でも貴様達を倒し、強さを俺の糧としてくれる！！
そして、「最後の皇帝」に、俺が最強の七英雄であることを証明するのだ！！」

ファティマ「そうはさせません！！」

矢を引き絞り、風を割き、魔を穿つ矢を再度放つ

〜〜〜〜〜〜

事の始まりは、極地の流浪難民サイゴ族の子供と子ムウがはぐれてしまったのを、族長から知らされる
鳴き声と方角を探りながら、洞窟奥深くまで侵入する

そこで待っていたのは、巨獣が槍と盾を持つ、圧倒的な強者の気配を放つ者だった

草弓帝が継承する前の先帝がダンターグの強行調査を身をもってなし、データをつまびらかにする中で死闘を繰り広げた
皇帝が次に託すまでに得た情報は、肉弾戦の究極という、特に対策が困難かつ単純なものだった

しかも、悪い知らせとして、自己強化系の術法も使うことで、技の破壊力を極限まで高めるという

これまでにない困難に頭を抱えていた
ただでさえ、巨獣系のモンスター等を吸収したフィジカルで硬く、重い
強化術を解除するには、冥風の合成術である、重力の闇で強化術を吸い上げる『ヴォ―テクス』が必要になる

コルムーン火山にて出会った魔術師の話とサラマンダー族の生存を天秤にかけた結果、サラマンダー族を活かすべく、固めた溶岩を割って、大爆発による海底遺跡の露出を回避した
その結果、冥術の手がかりは喪失することとなった

万事休すかと思われたが、先祖代々冥術を行使する術師一族「陰陽師」が帝国へ仕官してきた事により、冥術の研究と開発が開始
天運が、帝国に降り立った瞬間であった

皇暦2266年のロックブーケや皇暦4000年の復活したクジンシーも使った分身秘術「シャドウサーヴァント」等も開発に成功
その上で、合成術「ヴォ―テクス」も開発に成功

ダンターグに挑む土台に立ったことで調査の予定から、子供と子ムウの救助活動の先に、子供達を人質としてダンターグが待ち構えていた

ダンターグ「待っていたぞ、皇帝。
迷子が長く出られなければ、虫けらの部族が捜索依頼をすると思っていた」
ファティマ「・・・・・。
ダンターグ、私達を呼び出す為、あえて誘拐を？」

しかし、これをあっさりと解放
目的は、皇帝は継承されれば自分を討ちに来る
それを待っていた、とのこと
「最後の皇帝」になるまで皇帝を討ち果たし、かつ強いモンスターを吸収していけば、自分は最強になれる、というものだった

ダンターグ「ガキには手は出してはおらん。強さの糧にもなりもしないからな。
俺が糧にすべきは皇帝と家臣、お前達だ」
ファティマ「・・・・・・」

乱暴者といえばそこまでだが、強さに対しては真摯に向き合うもの
だが、七英雄全てを討伐し、本体を討つ、という大望がある以上、ここで大人しくさせるわけにはいかなかった

射抜くような、草弓帝の瞳が七英雄を睨み、乱暴者はにやり、と笑う
開戦の火蓋が切られた