ログハウス本棟「ピオーズ」174

外の方は寒くなったねー

〜ラストダンジョン 中枢〜

「「「「「「「ギャ”ァ”ァ”ァ”ァ”ァ”ァ”ァ”ァ”ァ”ァ”ァ”ァ”ァ”ァ”ァ”ァ”ァ”ァ”ァ”！！！！！！！」」」」」」」

終わった・・・
絶対先制の『クイックタイム』だけでなく、『リバイヴァ』での緊急蘇生で"七連携"をしのぎ切り、回復してからは5連携を叩きつけ返した

周囲の空間がどんどん、罅が入っていく
これは脱出できなければマズい！！

「逃げてっ！！崩れるわ！！」

家臣達が急いで脱出していく
そして、私は振り返る

彼等は確かに英雄だったのだ
そして、私わたくしもまた、彼等と同じく、これからの人間の時代には不要なモノ、という考えが過る

他人事ではない彼等

記憶を読み解いた今となって・・・
ここで、彼等を看取るのも、悪くないのか・・・

そして、閃光と共に意識が遠のく・・・

〜皇歴4007 大雪原〜

鳥の声が聞こえる・・・

先帝の声が聞こえる・・・

生きろ、と・・・

私は、まだやれる事がある
生きて還れる場所がある

こんなに嬉しい事はない

家臣達が遠くから捜索に来たようだ
もはやモンスター達がいない、ただの大雪原で、夜明けの光が照らしている

長い戦いに、終止符が打たれたのだ

帰ろう、アバロンへ

ーーーーーー

皇歴4007 おりしも新年一日
ヤウダでは「正月」というめでたい日取り

ここに、七英雄との戦いにピリオドが打たれたのだ

歴史学者群「ユグドラシル」 終戦 より

〜皇歴4025 バレンヌ共和国首都アバロン 新市街酒場〜

「わたし」はいつものように英雄譚を弾き語りを終え、客を見送る
テレジア見つめて、微笑む

ウェイトレス「もうおしまいですよ？」
マスター「良いんだその人は。それより君、帰って良いからね？」

そして、ウェイトレスは上がっていく

テレジア「ありがとうマスター」

そしてこちらも竪琴を収めつつ、聞いていく

「如何でしたか、テレジア・・・？
楽しめましたか・・・？」
テレジア「ありがとう、アルモニカ。
いつもあなたの歌は素晴らしいわ」

「色々と大変ですが、麗しのアバロンは今日も平和、ですね・・・」
テレジア「ええ。そして、これからの世界に、皇帝は要らない。
皇帝もまた、歌の中で語られる存在であれば、それでいい」

「ふふ・・・。でも、脳を焼かれた人は多いのではないですかね、「陛下」・・・？」
「「ユグドラシル」、陛下はやめて」

そんな風に苦笑を浮かべる中で、「わたし」は店を後にする
そしてーーー

テレジア「先帝ジェラール・・・」

テレジア「ヴィクトール様・・・」

多くの、守ったものと共に、アバロンを導かれるように、テレジアは歩いていく

「わたし」も、その景色を見にいきながら・・・

(まだエンドでないので、今しばらくお付き合いください)

歩く 歩く 麗しのアバロン

守った景色 先帝達も含めて共に生きた家臣達

共に守った日常と、帝国時代に歩いた日常


誰もが笑い、誰もがイキイキとした景色

彼等に導かれるように宮殿へ


玉座は、今はどうなっていたかしら？

〜皇歴4025 バレンヌ共和国首都アバロン 歴史的保護建造物 アバロン宮殿 玉座の間〜

そう
帝国を共和国に変えた以上は、皇帝は去るべきもの
故に玉座を閉じたのだった

ふと、後ろから気配が

嗚呼、かつて最後の戦いまで駆け抜けた仲間かしん達

うん
私わたくしは決して孤独じゃなかった
歩んだ軌跡が、確かにそこにある

先帝の皆様、今こそ我が皇帝の冠をお返し致します
どうか、これからもアバロンをお守りください

(リメイクに当たり、ここまで無事に描き終えました。
バトルを飛ばしたのは申し訳ありませんでした。
とはいえ、お付き合いありがとうございました)