三角の指輪

一年前、二年前かな、僕の付けてた三角の指輪を持ってるヴィクトルを捜しています。
ヴィクトルはもう僕の事なんて忘れちゃったかもしれないけど、僕はあの日からずっと、ヴィクトルの事を忘れられないよ。
僕が勝手に部屋を出て行って、あれだけたくさん酷い言葉をかけてしまったヴィクトルにとって、僕は忘れたい存在かもしれない。
あの日から色々な事があって、たくさん後悔して、でも一番心に引っかかってるのは、ヴィクトルにごめんなさいって言えてない事なんだ。

ヴィクトルが僕のために親友になろうって言ってくれたのに、
僕は僕を否定された気がしてとても悲しくて、ヴィクトルが離れて行っちゃうって思ったら寂しくて、その気持ちばっかり前に出てしまった。ヴィクトルの事も考えてあげられないで、たくさん酷い事言って、本当にごめんね。

ヴィクトルがここを見てるか分からないけど、もし僕の話を聞いてくれるなら、謝りたい。

また勇利と会う口実、って僕の指輪勝手に持っていったでしょ。
安い指輪だけど、気にいってたんだから返してよね。

鍵はそれだけ。ヴィクトルならわかるでしょ?
待ってるから、また話したい。自分勝手でごめんね。