1 匿名希望
在宅での中心静脈栄養
90歳の母のことです。傾眠傾向から食べられなくなってきました。入院して、末梢静脈栄養から今は中心静脈栄養の点滴しています。退院して在宅に戻りたいのですが、CVポートではありません。IVHはリスクが大きくて在宅では難しいものなのでしょうか
2 安間 章裕
こんにちは。ケアエコ運営医師の安間と申します。
当掲示板へのご相談を頂きありがとうございます。
お母様をご自宅で見ていきたいというお気持ちなのですね。
ご自宅で中心静脈栄養を行っておられる患者さんもしばしばいらっしゃいますので、中心静脈栄養の管理自体は訪問看護さんの協力のもと、行うことは可能かと思います。
ただ、わたしの経験上はほとんどの方はポートからになります。
現在はポートではないとのことですが、管は首もしくは胸に入っているかと思います。
これを中心静脈カテーテルと言いますが、中心静脈カテーテルはもともと長い利用を想定されていないのです。
そのため、ご自宅で数ヶ月単位で使用すると、感染(管からばい菌が入り血流に乗って全身にまわってしまう)、詰まりなどのトラブルが高い確率で起こると思います。
何かあってカテーテルを入れ替えないといけない場合も、ご自宅で入れ替えるのはリスクが高くなかなか難しいのです。
なので、中心静脈カテーテルのままでのご自宅退院はお勧めしません(もしかしたら受けてくれるところもあるかもしれません)。
ポートはお造りになられていないとのことですが、何かご事情があるのでしょうか。
手術自体は局所麻酔で行われ、時間も30分程度であることが一般的ですので、管理の面からも特段の事情がなければポートの造設をおすすめします。
(ちなみに私の経験でも90歳代の方でポートをお造りになった方がいらっしゃいます。)
もう一つの選択肢としては、PICC (ピック)といって、腕から入れられる中心静脈カテーテルもあります。こちらは、首や胸からより感染のリスクが低いとされています。
癌末期で食べられない方などでご自宅でPICCから中心静脈栄養を入れている方も時々おられます。
ただ、PICCの場合も入れ替えはご自宅では難しい場合が多いかと思います(対応してくれる医療機関さんもあります)。
なので、ご自宅で中心静脈栄養を続けられるご意志であれば、ポート造設をお勧めいたします。
私からは以上となりますが、ご参考になりましたでしょうか。
お母様とのお時間が実りあるものとなりますようにお祈りしております。
当掲示板へのご相談を頂きありがとうございます。
お母様をご自宅で見ていきたいというお気持ちなのですね。
ご自宅で中心静脈栄養を行っておられる患者さんもしばしばいらっしゃいますので、中心静脈栄養の管理自体は訪問看護さんの協力のもと、行うことは可能かと思います。
ただ、わたしの経験上はほとんどの方はポートからになります。
現在はポートではないとのことですが、管は首もしくは胸に入っているかと思います。
これを中心静脈カテーテルと言いますが、中心静脈カテーテルはもともと長い利用を想定されていないのです。
そのため、ご自宅で数ヶ月単位で使用すると、感染(管からばい菌が入り血流に乗って全身にまわってしまう)、詰まりなどのトラブルが高い確率で起こると思います。
何かあってカテーテルを入れ替えないといけない場合も、ご自宅で入れ替えるのはリスクが高くなかなか難しいのです。
なので、中心静脈カテーテルのままでのご自宅退院はお勧めしません(もしかしたら受けてくれるところもあるかもしれません)。
ポートはお造りになられていないとのことですが、何かご事情があるのでしょうか。
手術自体は局所麻酔で行われ、時間も30分程度であることが一般的ですので、管理の面からも特段の事情がなければポートの造設をおすすめします。
(ちなみに私の経験でも90歳代の方でポートをお造りになった方がいらっしゃいます。)
もう一つの選択肢としては、PICC (ピック)といって、腕から入れられる中心静脈カテーテルもあります。こちらは、首や胸からより感染のリスクが低いとされています。
癌末期で食べられない方などでご自宅でPICCから中心静脈栄養を入れている方も時々おられます。
ただ、PICCの場合も入れ替えはご自宅では難しい場合が多いかと思います(対応してくれる医療機関さんもあります)。
なので、ご自宅で中心静脈栄養を続けられるご意志であれば、ポート造設をお勧めいたします。
私からは以上となりますが、ご参考になりましたでしょうか。
お母様とのお時間が実りあるものとなりますようにお祈りしております。
3 匿名希望
安間先生、大変わかりやすいご回答ありがとうございます。
現在入院中の病院で、8月の末に誤嚥性肺炎になり、末梢静脈点滴から中心静脈点滴に切り替えました。左足付け根からのカテーテルで、その病院では手術ができないのでポート増設は無理とのことでした。8月半ばから在宅療養の意思は伝えていたのですが…
今は誤嚥性肺炎も落ち着き、退院できない状態ではないのですが、退院するなら中心静脈点滴はやめることになるので家では数週間だと言われました。このまま病院で中心静脈点滴を継続したほうが良いと言われてます。
感染するとかの状況でない限り、在宅療養の為にボート造設の転院は出来ないとも…
このままだと、又いつ誤嚥性肺炎や感染を起こすのではという心配もあります。在宅療養したいとずっと思っていましたが、入院前の介護と全く違ったものになるという大変さが未知の世界で不安もあります。
訪問看護や訪問ヘルパー、専門分野の方々にお世話にならないと出来ないことでもありますが、母はもともと脳出血後遺症の為半身麻痺があり、車椅子生活でしたので介護サービスは利用していました。
面会が自由に出来る介護施設も探してみましたが、ボート造設でないと難しいみたいです。
現在入院中の病院で、8月の末に誤嚥性肺炎になり、末梢静脈点滴から中心静脈点滴に切り替えました。左足付け根からのカテーテルで、その病院では手術ができないのでポート増設は無理とのことでした。8月半ばから在宅療養の意思は伝えていたのですが…
今は誤嚥性肺炎も落ち着き、退院できない状態ではないのですが、退院するなら中心静脈点滴はやめることになるので家では数週間だと言われました。このまま病院で中心静脈点滴を継続したほうが良いと言われてます。
感染するとかの状況でない限り、在宅療養の為にボート造設の転院は出来ないとも…
このままだと、又いつ誤嚥性肺炎や感染を起こすのではという心配もあります。在宅療養したいとずっと思っていましたが、入院前の介護と全く違ったものになるという大変さが未知の世界で不安もあります。
訪問看護や訪問ヘルパー、専門分野の方々にお世話にならないと出来ないことでもありますが、母はもともと脳出血後遺症の為半身麻痺があり、車椅子生活でしたので介護サービスは利用していました。
面会が自由に出来る介護施設も探してみましたが、ボート造設でないと難しいみたいです。
4 安間 章裕
詳細な追加情報をありがとうございました。
大変悩ましい状況ですね。
やはり、ポートを造設することが最善な気がしますので、まずは主治医の先生に再度思いをお伝えし、ご相談されるのがよいのではないでしょうか。
とはいえ、それでも結果としてポート造設ができないことも十分にありえると思います。
その場合は、なかなか厳しいですが、今ある選択肢の中で、お母様、皆さん方が何を一番大事にしたいのかをはっきりさせた上で、いずれかの方法を選択するしかないと思います。
お母様自身、皆さんは、これからのお母様の人生で何を大事にされたいのでしょうか。
1日でも長く生きることでしょうか。それとも、ご家族で過ごされるお時間でしょうか。ご自宅で過ごすことでしょうか。
もちろん、全てを取れる方法が一番いいとは思います。しかし、人の命には限りがあり、全てを享受することはできない、というのが残念ながら現実です。
現実の中で、お母様にとって最も有意義な時間を過ごせる選択をするのがよいのではないかと思います。
例えば、同じような状況の方で、ご自宅で末梢点滴のみで過ごされる方も大勢いらっしゃいます。
確かに中心静脈栄養より寿命は短かくなります。それでも、その限りある時間をご家族で有意義に過ごされることができます。
私は決して末梢点滴を勧めているわけではございません。正解はないのです。
ただ、最善であると思われる選択肢を、皆さん自身が選ばなくてはならないのです。
私に申し上げられることは以上です。
お母様、皆さんが少しでも悔いのない選択をされることを願っております。
大変悩ましい状況ですね。
やはり、ポートを造設することが最善な気がしますので、まずは主治医の先生に再度思いをお伝えし、ご相談されるのがよいのではないでしょうか。
とはいえ、それでも結果としてポート造設ができないことも十分にありえると思います。
その場合は、なかなか厳しいですが、今ある選択肢の中で、お母様、皆さん方が何を一番大事にしたいのかをはっきりさせた上で、いずれかの方法を選択するしかないと思います。
お母様自身、皆さんは、これからのお母様の人生で何を大事にされたいのでしょうか。
1日でも長く生きることでしょうか。それとも、ご家族で過ごされるお時間でしょうか。ご自宅で過ごすことでしょうか。
もちろん、全てを取れる方法が一番いいとは思います。しかし、人の命には限りがあり、全てを享受することはできない、というのが残念ながら現実です。
現実の中で、お母様にとって最も有意義な時間を過ごせる選択をするのがよいのではないかと思います。
例えば、同じような状況の方で、ご自宅で末梢点滴のみで過ごされる方も大勢いらっしゃいます。
確かに中心静脈栄養より寿命は短かくなります。それでも、その限りある時間をご家族で有意義に過ごされることができます。
私は決して末梢点滴を勧めているわけではございません。正解はないのです。
ただ、最善であると思われる選択肢を、皆さん自身が選ばなくてはならないのです。
私に申し上げられることは以上です。
お母様、皆さんが少しでも悔いのない選択をされることを願っております。
5 安間 章裕
追記です。
ただし、その選択はご家族だけで背負う必要はないと思っています。
これまで関わってくれていたケアマネジャーさん、訪問看護さん、ヘルパーさん、かかりつけの先生など、関わっている関係者皆で話し合い、納得できる答えを出せるのが理想だと思います。
大変お辛い時期だと思います。お母様のためにも頑張ってください。
ただし、その選択はご家族だけで背負う必要はないと思っています。
これまで関わってくれていたケアマネジャーさん、訪問看護さん、ヘルパーさん、かかりつけの先生など、関わっている関係者皆で話し合い、納得できる答えを出せるのが理想だと思います。
大変お辛い時期だと思います。お母様のためにも頑張ってください。
6 匿名希望
安間先生ありがとうございます。
面会も殆ど出来ない病院で過ごすよりも、自宅で過ごすことの方を選択したいのですが、医療行為は、基本家族でと言われています。私がたん吸引をできることが前提で、自信がついたら在宅を考えてはという感じです。いくら病院で指導を受けたところで、私がたん吸引できるようになるのは難しいと思います。訪問看護師、ケアマネ、病院の相談員とも話してますが、なかなか思うような結果へと進みません。
主治医とも又話してみます。ありがとうございます。
面会も殆ど出来ない病院で過ごすよりも、自宅で過ごすことの方を選択したいのですが、医療行為は、基本家族でと言われています。私がたん吸引をできることが前提で、自信がついたら在宅を考えてはという感じです。いくら病院で指導を受けたところで、私がたん吸引できるようになるのは難しいと思います。訪問看護師、ケアマネ、病院の相談員とも話してますが、なかなか思うような結果へと進みません。
主治医とも又話してみます。ありがとうございます。