1 エレボス

奈落

(|)<慈しみ合う心こそがヒトを家族たらしめるのです
(SC-03L/gmo-isp ID:PpwXWU)
19 エレボス
>>18
「あら、私の歴史すべてをご所望? 良いわよ、見せてあげる。
 真打も見せて貰ったことだしっ!」

拘束されるも、その言葉と共に狂気が渦巻く。狂気によって不可視の鉄線は崩壊し、エレボスは拘束から解放される。
大空が不吉な光を帯び、星の軌道が歪んで並びが変わり、世界が悲鳴を上げる。
渦巻くエレボスの狂気が瞬く間に魔剣を一つの世界に書き換える。
紛れもなくエレボスの触覚における最強の札。
当然ながら流出時までは届かないが、それでもそこらの概念など容易に破壊し塗り替える程度の力を放っている。
(SC-03L/gmo-isp ID:PpwXWU)
20 神座(ヤツメ)
>>19
「アハッ♪ふふっ………キヒヒ………!あぁ、なんて美しい♪やっぱり祈りと答えを持つ者は最高ね
さぁ、私を愛して?貴女を愛させて?
私は獣、私はケダモノ、私は死神。貴女が行き着く最後の救い
融けあいましょう?貴女と私が混ざり合い、永遠に愛し合いましょう?

さぁ、孕み啜りなさい、贄姫」

(エレボスが織り成す他を圧倒し、その在り方すら歪めて塗り潰す神のごとき御業
本来の在り方を考えれば全霊とは遥かに程遠い児戯であれど、その驚異は凡百を滅する制圧力であり、当然としてヤツメも対抗策を開帳する

福音の如く鳴り響く言の葉はどれもヤツメが意識したものではなく、己の世界を外側に放出する際の自己暗示、エレボスの狂気に比例するように身に秘める殺意を滾らせ、贄姫の鋭利な切っ先にて自身の腹部を深深と突き刺し切腹するかのように掻っ捌く。
常軌を逸した量の血飛沫が深淵となり世界を侵し塗り潰す様はエレボスの行った魔業と酷似しており、強固に組み上げられた自己の概念がヤツメという触覚の肉体を食い破る)

「あぁ♡んんっ………あはっ………♡さぁ、はじめましょ?」

(ヤツメ本来の在り方を考えればコチラもまた児戯のようなものであれど世界の在り方を塗り潰し征服する魔業
腹部に走る強烈な痛覚に発情したかのような甘い声を漏らすも、深淵たる穢れ血を帯びた贄姫を構えつつ血まみれのままにこやかに微笑む)

めっちゃくちゃ遅くなってすいません………
(HWV32/au ID:9sgfaZ)
21 エレボス
>>20
「ハッ、貴方に私は殺せない。たとえ私の肉体が滅びようと、魂もろとも消え失せようと──生きるとは願うことなのだからっ!」

肉体や魂が消えてなくなっても願うことが出来るならそれは死ではない。
狂っている理屈だが、それがエレボスにとっての真実。
狂気に満ちた理屈を口にしながら一瞬でヤツメに接近。
世界ごとヤツメを両断しようと先ほどまでの剣技が児戯にしか思えないほどの技の冴えをもって魔剣が振るわれる。
(SC-03L/gmo-isp ID:PpwXWU)
22 神座(ヤツメ)
>>21
「願う事が生そのもの、故に願うことを辞めない限りは不滅と?
ふふっ、面白い理屈ね、私には無かった考え、とっても大好きよ」

(どう見ても狂った理屈であれど生命の博愛者たるヤツメが祈りと答えを持つ者の結論に異を唱える訳もない
戦場に身を置きながらも慈母のような優しげな笑みを浮かべ、エレボスの答えの全てを肯定する

先程までの競り合いが子供のお遊びだったかのような壮絶な技の冴え、ヤツメという死の世界を両断する魔剣の一閃に対して、ヤツメも手中にある贄姫を振るう
世界を侵す深淵を刀身の切っ先に集中させ、限りなく質量を高めた妖刀はエレボスの豪剣を弾き逸らすかのように切っ先で押し退けていき、僅かな遅滞もなく切り返しの一閃が走る

技の起こりから残心までその全てが殺意と狂気に塗り潰され、ありとあらゆる攻撃の意を読み取ることすら拒否する絶殺の斬撃、穢れ血と化した深淵は刀身にへばり付きながらも流麗に研ぎ澄まされ血刃となってエレボスを切り裂かんとする
(HWV32/au ID:9sgfaZ)
23 エレボス
>>22
「ええ、願うことが出来るならそれは死んでないわ。生きてる──ああ、なんて素晴らしいことかっ! 願いは紡がれ、想いは継がれ、永久に残り続ける! 何も終わりなどしない──終わらせなんてしないわ!」

回避──不可能。本体ならともかく触覚のスペックでは近すぎる。
ヤツメの斬撃を前にそう結論を出し、ならば仕方ないと左手で血刃を掴む。狂気で左手を覆うことで可能な限りダメージを抑え──同時に右手で魔剣を振るって斬りかかる。
(SC-03L/gmo-isp ID:PpwXWU)
24 神座(ヤツメ)
>>23
「我想う故に我あり……なんて言葉は聞いた事有るけれど、それに近しいのかしら?
結局のところ生命の存在というものは意思が全て、その身が潰えても、その魂が死しても想いが定かであればこの世界に存在している………

あぁ、だから貴女は死を奪うのね、肉体という仮初の軛が無ければ想いすら潰えてしまうから、死を奪ってしまえば肉体という器は無くとも想いという人の本質は残り続ける

貴女なりの愛………なのかしら?」

(贄姫、並びに血刃をガッチリと掴まれ、更にはヤツメという概念にも似た死の塊を殺害しうる魔剣が迫り来る
限りなく死の気配を感じる修羅場であっても踊る言の葉は何処までも気楽そのもの

大地へと放出された数多の穢れ血という名の深淵が瞬く間にヤツメの右足に収束、ドス黒くも目が眩むほどの鮮血が即席の刃と形を変える

愛刀にして妖刀である贄姫を何ら躊躇いなく手放すと同時に、人間ならざる常識外れの駆動でクルリと後ろ回し踵蹴りの軌道を描きエレボスの魔剣とかち合う
無論、鍔迫り合いにすらなる訳もなく、本人もそのことは重々承知、複雑な軌道を描く蹴りは絶妙な身体駆動を用いて魔剣を横殴りに蹴り穿つように弾いており、脚部の多大な損傷と引き換えに凌いでみせた

そして、掴まれた贄姫もタダでは済まない
その刀身には到底考えられない量の深淵が血質性の猛毒となり狂気に覆われた皮膚を食い破りその身を呪毒殺せんと猛威を振るい始める)
(HWV32/au ID:9sgfaZ)
25 エレボス
>>24
「消えない、消せない、消させない──ええ、そうよ。私は私なりに森羅万象を愛してる! 何者であろうと、森羅万象──私の大切なものを奪わせるなんて許容するわけないでしょう?」

脚部の損傷は通常の生物なら充分に致命的だが、ヤツメの場合はそこまで致命的とは言えないだろう。なにせ相手は死の総体。どんな隠し球があっても不思議ではない。
そうエレボスは判断し、ではどうするか──当然、追撃する。
強引に弾かれた魔剣を引き戻すと、ヤツメの胸の中心──通常の生き物ならば心臓がある位置を目掛けて突きを放つ。
皮膚を食い破って猛威を振るい始める深淵を狂気をもって浸食し返し、必然的に引き起こされるのは狂気の鬩ぎ合い。
それは自らの狂気による自傷すら引き起こすが、そんなことなどエレボスは気にしない。
渇望に触れたことで、狂気が弾けて爆発を繰り返しているエレボスに──最初からあったかはさておいても──正気など欠片も残されてはいないのだから。
(SC-03L/gmo-isp ID:PpwXWU)
26 神座(ヤツメ)
>>25
「じゃあ……貴女の愛を感じさせて?
―――ッ!アハ―――ッ!あぁ………貴女の愛………こんな色なのね、とっても情熱的で甘くて濃厚♪」

(エレボスの狂気に塗れた魔剣を弾いた事で脚部の筋肉はズタズタであり鮮血を撒き散らす、しかしそこら中にちらばった深淵が即座に肉体を補填していき体勢を整える頃には身体駆動においては何ら問題なく治癒を成し遂げる

そして、心臓を貫かんとする突きに対して慈愛の笑みを浮かべながら何ら抵抗せずに受け入れる
白磁の如き柔肌を貫き破壊していく魔剣の鋭さとエレボスの狂気と殺意を文字通り一身に受け止め、胸骨を砕かれ心の臓を破壊される激痛に喘ぐかのような甘い声、殺意に濡れていた慈愛の笑みが切り替わる)

「ふふっ、貴女の愛を教えて貰ったし、今度は私の番よね?」

(吹き出る真紅の穢れ血は人体に到底収まりきらない途方もない量であり、間欠泉の如く放出されエレボスを押し流すように氾濫する
底冷えする悪寒に包まれる笑みには殺意と愛が等価、愛しているし殺したい、その相反する感情が何故か同一に綯い交ぜにされ、血に濡れた胸部に指を這わせて溢れる血の味を舌で味わう

狂気のせめぎあいを持ってエレボスを呪殺せんとしている贄姫は主の意思に答えて深淵へと還り、瞬く間にヤツメの手中に収まる

状況を見れば言うまでもなくエレボスの優勢、せめぎあいによる僅かな自傷のエレボスに対して、ヤツメは腹部を貫いた自傷に加えて心臓を破壊される大打撃であり状勢は決したと言っても過言では無い

純白の神子服を鮮血に染めた有様は死に体のようでありながらも何処までも狂うほどの戦意と狂気に彩られており、主の穢れ血を啜る贄姫は凶器としての本質を深めながら流れる穢れ血がチェンソーのごとく流れ走って殺傷力を高めていく)
(HWV32/au ID:9sgfaZ)
27 エレボス
>>26
「───!」

ヤツメが脚部を治癒することは想定内でしかない。
それは言ってしまえば自傷の範疇に入る程度のもの。決してエレボスの法則によるダメージではない。
しかし、心臓は別だ。
エレボスの狂気を直接叩き込んでいるに等しい以上、鬩ぎ合いに最低限拮抗──否、勝利して完全にエレボスの法則を否定しなければ修復も容易にはなせないはずだ。
しかも──これはエレボスにも言えることだが──エレボスの法則は死を否定するものである以上、死の総体であるヤツメからしたら完全に否定しなければ特に害となるはずだ。
だと言うのにヤツメは受けた。
エレボスを相手に死に体になるような選択肢をわざわざ取るものはこれで二人目だ。
一人目は死に体になった状態で──そのときのエレボスは触覚ではあったものの決して油断などしていなかったのだが──エレボスに勝利した。
かつての敗北を繰り返すなどエレボスは許容しない。
狂気が廻る。呪詛が猛る。戦意は留まるところを知らず、膨れ上がる。
ギチギチと軋みながら魔剣が絶叫し──

「さあ──そろそろ決着といきましょうか、ヤツメェッ!」

それを合図にエレボスが飛び出す。
エレボスが今まで見せた剣技の比にならない速度、冴えで振るわれる魔剣。
それはかつて死に体でエレボスから勝利をもぎ取った者──リナの剣技を模したそれは、神域に至った剣技の一端に他ならない。
(SC-03L/gmo-isp ID:PpwXWU)
28 神座(ヤツメ)
>>27
「………ふふっ、はやとちりは………ダメよ?」

(胸部から腹部にかけて夥しい程の鮮血を垂れ流すヤツメは言うまでもなく死に体であり、傷の損傷など何ひとつとして出来ていない
死の否定という自身の在り方に対するアンチを叩き込まれた心臓は容赦なく破壊され、それを通じてヤツメが培ってきた死の歴史すらも崩壊していく
本体はさておき、触覚たるこの身は今にも死してしまいそうな状態であり、だからこそヤツメは死していない

死そのものであるが故に、ヤツメが死に近づくほど死の純度が高まり死の歴史が積み上がる

理屈を聞けば頓智ですらない屁理屈ではあるが、ヤツメ自身がそうであるのだと確固たる自負がある以上は現実としてそのような理不尽が起こってしまう)

「終わりにする?ヤツメ神楽―――対の舞」

(エレボスの繰り出す神域の剣技、幾つもの業を修めたヤツメですら瞠目する術理に対し、ヤツメも自身の持ちうる全てを開帳する
いつの間にか保持していた鞘を左手に構え、穢れ血に溢れた贄姫をゆっくりと納刀
ヤツメを中心に収束していく深淵と殺意と狂気の坩堝は時空間の在り方すらも容易く歪め、数十秒にもかけた納刀は刹那の内に終える

刻々と死が近づいて死にながらも強大になるという矛盾を孕みつつ紡ぐのはヤツメ神楽、それの対
愛も殺意も、狂気と理性すらも薪へと焚べる破滅的有様はヤツメの物ではなく、対となる存在の物
己の命と深淵すらも注ぎ込み、その命が潰えて、より強固な死の塊となった瞬間、絶殺の術理が牙を剥いた)

「狩人」

(放たれるのはあらゆる常識を彼方へと置き去る殺意の奔流
秒間にして数千を超える殺害術理が世界を駆け抜け、エレボスへと牙を向きながらも究極の殺気がエレボスを喰らわんと贄姫を抜刀
血刃の奔流たる贄姫の斬撃とヤツメの保持する全ての殺気が混ぜ合わされた殺害術理
ヤツメという死の塊が、深淵という死の世界が、そして何よりも狩人という生命の絶対的捕食者の殺意が斬撃という形となってエレボスへと殺到していく)
(HWV32/au ID:9sgfaZ)
29 エレボス
>>28
「!」

失敗した。エレボスはそれを悟る。
死の総体が死に近づくことの意味を加速する狂気によって失念していた。
だが、エレボスが今引き摺り出して模しているのはリナの剣技。
神域に到達した人間の剣技の一端。
その意味は決して軽くない。
斬撃を魔剣で往なして前に進む。
リナのように上手くはいかず、大小様々な傷が増えていくが、それでも致命的なものだけは確実に往なしてみせていた。
(SC-03L/gmo-isp ID:PpwXWU)
30 神座(ヤツメ)
>>29
「ヤツメ神楽………続けて………」

(殺意の颶風がヤツメの中心に暴風の如く吹き荒れ、死という結果を押し付ける告死の具現
それすらも乗り越えて迫り来るエレボスに薄らと笑みを浮かべる

自傷と心臓の破壊という多大な負傷によりヤツメという触覚は崩れ落ち、細やかな粒子へと還る
しかし、深淵という死の総体は留まりを知らない
ヤツメという死を喰らい尽くして無節操に拡大する死の歴史、縦横無尽に溢れ氾濫する告死の深淵が時空間を侵し尽くせば、真のヤツメ神楽が開帳される)

「――――――深淵」

(いなされ、透かされ、無へと喫した殺意の斬撃を媒介に深淵に蓄えられた殺戮技巧の全てが開放される
文字通り全方位で踊り狂う狂気の雨霰、寸断の隙間無く殺到する殺害術理が物質的な殺傷力と神秘的な破壊力すら伴い、ただエレボスを殺害する為に殺到した)
(HWV32/au ID:9sgfaZ)
31 エレボス
>>30
「クッ……!」

如何に神域の剣技の一端を振るっているとは言えど、所詮は一端。
いつまでも耐えられるようなものではない。これがリナなら笑いながら反撃さえしかねないが、生憎とエレボスはその境地に至っていない。
さらに言えば狂気で自らを覆ったところで、死に近づき強力になっている今のヤツメは触覚に過ぎないエレボスで防げるレベルではないだろう。
ならば仕方ないと、エレボスは自らの才覚のすべてを使って回避に専念する。
左腕が切り落とされ、右脇腹を抉られながらも無理やり切り抜ける。
(SC-03L/gmo-isp ID:PpwXWU)
32 神座(ヤツメ)
>>31
(ヤツメとしての姿はとうに消えうせ、宿主を失った深淵の暴走が残るのみであり、主を失った深淵は現世に形を保つ事も出来ずに闇雲に死をばらまいては露と消えうせていく

規則性も統率性の欠片もない有様ではあるが、その殺傷力は右に出る物はなし
しかし、それすらも凌ぐエレボスの才覚、深淵が上げた戦果は致命傷とは程遠い負傷であり、蔓延していた深淵も徐々に減少していき、深淵もヤツメも何も無かったかのように消えうせてしまった)

遅くなってすいません………
(HWV32/au ID:9sgfaZ)
33 エレボス
>>32
「ハァ……ハァ……勝利……とは言い難いわね……」

闇で自らの傷を塞ぎ、応急措置をしながらぼやく。
切り抜けるのに腕を一本と脇腹を抉られたのだから、追撃されようものなら嬲り殺しになっていただろう。
時間切れまではなんとか凌げたが、それを勝利と言うほどエレボスは単純ではない。
(SC-03L/gmo-isp ID:PpwXWU)
34 神座(ヤツメ)
>>33
「あーあ、負けちゃった
もう少し身体が持ってたら貴女を愛せてたのに………ぶーぶー」

(消え失せた深淵が此処では無い何処か、時間も空間も意味を成さない超次元より供給され傷一つ無いヤツメが精製される
愛おしげに贄姫を抱きながら柔らかな笑顔を浮かべていたが、結果に不満があるのか頬をふくらませて不満げにしている)
(HWV32/au ID:9sgfaZ)
35 エレボス
>>34
「ハ、なら突きをわざと受けるなんてしなければ良かったでしょう」

遊び過ぎだと咎めるような響きを含んでいた。
結果に不満があるのは互いに同じ。
本体ならいざ知らず、触覚ではジリ貧だったのはエレボスとて理解しているのだから。
(SC-03L/d ID:PpwXWU)
36 神座(ヤツメ)
>>35
「だってー、あの攻撃を受けたら気持ちよさそうだったもの、仕方ないわね」

(男であれば見蕩れてしまうような微笑みを浮かべる
心臓を貫かれた痛みを反芻しているのか頬を上気させながら身体をくねらせており、はぁはぁ、と熱い吐息を漏らしている)
(HWV32/au ID:9sgfaZ)
37 エレボス
>>36
「それで勝ちを逃してたら世話ないわね」
(SC-03L/gmo-isp ID:PpwXWU)