1 石井聡美
まほやく賢者の書6 雑談コーナー
推しキャラR、SR、SSR、好きなイベスト、名言、
何でもありのスレッドです。
お気に入りを思うまま(colyのガイドラインに則す範囲で)置いてって
ください。
※本編(賢者の書5まで)の考察を途切れさせないために、
別スレッドを作らせていただきました。
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別スレッドを作らせていただきました。
100 修道院での生活A
■祈りとロザリオ
キリスト教信者にとってロザリオは、祈りを通して精神を集中させ、平安へと導く最も身近な道具です。輪になったひもに小さな珠を53個、大きな珠を7個、通しています。ひもにそって信徒信条、主の祈り、天使祝詞(アヴェ.マリア)を3回、栄唱、さらに天使祝詞10回を五度くりかえすことで、信者はマリアの目を通したキリストの人生に思いを寄せます。
(参考文献『修道院へようこそ 心のやすらぎを手にするための11章』)
■修道院の生活
イタリア。シチリア島最西端のトラーパニ近くの、山上の街エリチェにある聖クララ会の観想修道院、サクオ.クオーレ修道院。ベネディクト会会則にある「祈り、働け」に基づいた時間割に沿って1日の生活を営み、自給自足のための畑仕事、食事作り、修道院内の掃除や整備の他、刺繍、蝋細工、菓子などの修道院運営のための商品作りに瞑想、祈り、食事や睡眠以外の時間をあてています。
修道女に出される食事は1日3回、朝食はパンとカフエラッテ、昼食と夕食は豆や野菜料理を中心とした料理を2皿食べます。菓子は日曜や祝祭日、信者から差し入れがあった時に。皆で分かち合って節度を守ることが大事で、独り占めや暴食は七つの大罪のひとつにあたるので避けます。一日の中で唯一修道院の外に出る機会は教会での礼拝です。教会の中には前方と後方を仕切るように鉄格子の扉があり、修道女たちは祭壇近くの格子の向こうで祈りを捧げ、外部からの参加者は鉄格子より手前に参列します。鉄格子は、聖域と俗世界を分けています。(佐藤礼子(著)『イタリアの修道院菓子』より)
キリスト教信者にとってロザリオは、祈りを通して精神を集中させ、平安へと導く最も身近な道具です。輪になったひもに小さな珠を53個、大きな珠を7個、通しています。ひもにそって信徒信条、主の祈り、天使祝詞(アヴェ.マリア)を3回、栄唱、さらに天使祝詞10回を五度くりかえすことで、信者はマリアの目を通したキリストの人生に思いを寄せます。
(参考文献『修道院へようこそ 心のやすらぎを手にするための11章』)
■修道院の生活
イタリア。シチリア島最西端のトラーパニ近くの、山上の街エリチェにある聖クララ会の観想修道院、サクオ.クオーレ修道院。ベネディクト会会則にある「祈り、働け」に基づいた時間割に沿って1日の生活を営み、自給自足のための畑仕事、食事作り、修道院内の掃除や整備の他、刺繍、蝋細工、菓子などの修道院運営のための商品作りに瞑想、祈り、食事や睡眠以外の時間をあてています。
修道女に出される食事は1日3回、朝食はパンとカフエラッテ、昼食と夕食は豆や野菜料理を中心とした料理を2皿食べます。菓子は日曜や祝祭日、信者から差し入れがあった時に。皆で分かち合って節度を守ることが大事で、独り占めや暴食は七つの大罪のひとつにあたるので避けます。一日の中で唯一修道院の外に出る機会は教会での礼拝です。教会の中には前方と後方を仕切るように鉄格子の扉があり、修道女たちは祭壇近くの格子の向こうで祈りを捧げ、外部からの参加者は鉄格子より手前に参列します。鉄格子は、聖域と俗世界を分けています。(佐藤礼子(著)『イタリアの修道院菓子』より)
99 修道院での生活@
当時、人間にとって価値の低い、奴隷が行う苦痛を伴う義務を労働ととらえる風潮があったなかで、ベネディクトゥスは「怠惰は魂にとって敵である。そのため修道士は一定の時間を手作業に当て、一定の時間を聖なる読書にあてるものとする」ということを会則に定めました。また不快な病人や手のかかる人の世話にも辛抱強くあたるように勧めました。修道院での生活は、秩序と規律(リズム)が保たれており、日々の服装、食、労働にいたるまで無節制にならぬよう、中庸が心がけられています。
修道院生活のなかでも核となるのは、朝(日の出)、昼、晩(日没)、寝る前に行う祈りです。昼の祈りは三時課(厳密には午前九時)、六時課(厳密には正午)、九時課(厳密には午後三時)に分けられています。キリストに祈り、己と対話し、他者にじっと耳を傾け、神の存在を感じること、その過程で求められることに関して具体的には次のようなことがあげられています。
■定住
聖ベネディクトゥスは生涯決まった修道院に属することを義務づけました。ただしひとつの場所にとどまり続けるにも辛抱強さが必要になります。
自分の考えが定まらないこと、流りに乗ってしまうだけになること、変えることができない事柄を蒸し返して様々な可能性を考えてしまうことといった悩みから解放され、常に変わらない自分を手に入れることができれば、魂の平安を得ることができます。結果、自分の生き方を受け入れてその生き方に責任をもつことができれば、人々から信頼を得ることにつながります。
■安息(平安)と沈黙
神とのつながりを求めるキリスト教において、安息は必要な条件です。自分の心や他者との関係、属している共同体を平安に保てることが救いを得る道へとつながります。修道院では外部(世俗社会)から遮断された静かな環境で沈思黙考します。沈黙についてベネディクトゥスは以下のように言います。「賢者は言葉数の少なさで分かる」そして聖書には「話すことと教えることは師に、沈黙と聞くことは弟子にふさわしい」とあるとも。話すのをやめ、心の内に注意を傾けることからすべての準備ははじまります。
■正しく聞くこと
自分の置かれている状況に対して注意深くなること、素直に自分の心の声に耳を傾け、他人の忠告に耳を貸すことを通して、抑圧されてきた問題に向き合い本当の望みを問うこと
■正しく話すこと
かといって話すことが全て禁じられているわけではありません。聖ベネディクトゥスは各修道院の院長に対し、大事な決定の前には兄弟たちと協議することを勧めました。「『心の揺れている兄弟』には、みなが話しかけ、深い悲しみに沈まないよう、なぐさめるべきである」
■謙虚さ
フランチェスコは布教に赴く兄弟たちに向けて「あなた方は世界をめぐるとき、喧嘩をすべきではない。だれにでも礼儀正しく話し、柔和で穏和、そしてつつましく柔軟で謙虚でありなさい」と言いました。真の謙虚さとは、
自分をみきわめ、自分の力の限界を知り、弱さを受け入れ、自分にできる範囲で貢献していくこと。そうした過程を通してありのままの自分の状態を受け入れてはじめて心の救済が得られるといいます。ただし決して楽をせよということではありません。葛藤を抱えながら辛抱強く挑戦する過程を得ずに自分の限界を見定めることなどできないからです。それは同時に過去と未来を手放し今、ここの感覚に己を集中させるということでもあります。
■救済
ありのままの自分にいたるには神的なものとのつながりが必要です。ミサ、告解、瞑想などは、そのつながりを得るための手段です。どんな人間も、神がその人のために定められた道を知り、その道を歩むべきでーそれによってイエスへ至る道だけでなく、自分自身の人生の幸福に向かって歩むことができます。
■回心
自分の心に向かい(黙想や瞑想)、神と対話(信仰告白)し、祈るなかで修道士は常に変わっていきます。昨日と同じということはなく、日々、反省と回心をすることで己を成熟させるように努めます。これは終わりがあるものでもなく、その過程は一生続くのです。
■愛.寛容.赦し
聖パウロは「たとえあらゆる神秘とあらゆる知識に通じていようとも、たとえ山を動かすほどの完全な信仰をもっていようとも愛がなければ、無に等しい」と述べました。不快な事柄、やっかいな義務、性に合わない人間などを、一度別の角度から観察することも必要です。
ベネディクトも以下のような指示を出しました。
重要な裁定のときには全ての修道士を集め、修道院長が修道士の助言に耳を傾けるかわりに修道士は傲慢にまたは頑固に自分の意見を弁明してはならない、修道士は日が暮れたあとまで怒っていてはならない、修道士は他の人びとを誰も独断的に弁護してはならない一方で、誰も他の人を「締めだしたり、殴ったりしてはならない」
出典
ペーター.ゼーヴァルト(編)シモーネ.コーゾック(著)島田道子(訳)
修道院へようこそ 心のやすらぎを手にするための11章
創元社,2010
修道院生活のなかでも核となるのは、朝(日の出)、昼、晩(日没)、寝る前に行う祈りです。昼の祈りは三時課(厳密には午前九時)、六時課(厳密には正午)、九時課(厳密には午後三時)に分けられています。キリストに祈り、己と対話し、他者にじっと耳を傾け、神の存在を感じること、その過程で求められることに関して具体的には次のようなことがあげられています。
■定住
聖ベネディクトゥスは生涯決まった修道院に属することを義務づけました。ただしひとつの場所にとどまり続けるにも辛抱強さが必要になります。
自分の考えが定まらないこと、流りに乗ってしまうだけになること、変えることができない事柄を蒸し返して様々な可能性を考えてしまうことといった悩みから解放され、常に変わらない自分を手に入れることができれば、魂の平安を得ることができます。結果、自分の生き方を受け入れてその生き方に責任をもつことができれば、人々から信頼を得ることにつながります。
■安息(平安)と沈黙
神とのつながりを求めるキリスト教において、安息は必要な条件です。自分の心や他者との関係、属している共同体を平安に保てることが救いを得る道へとつながります。修道院では外部(世俗社会)から遮断された静かな環境で沈思黙考します。沈黙についてベネディクトゥスは以下のように言います。「賢者は言葉数の少なさで分かる」そして聖書には「話すことと教えることは師に、沈黙と聞くことは弟子にふさわしい」とあるとも。話すのをやめ、心の内に注意を傾けることからすべての準備ははじまります。
■正しく聞くこと
自分の置かれている状況に対して注意深くなること、素直に自分の心の声に耳を傾け、他人の忠告に耳を貸すことを通して、抑圧されてきた問題に向き合い本当の望みを問うこと
■正しく話すこと
かといって話すことが全て禁じられているわけではありません。聖ベネディクトゥスは各修道院の院長に対し、大事な決定の前には兄弟たちと協議することを勧めました。「『心の揺れている兄弟』には、みなが話しかけ、深い悲しみに沈まないよう、なぐさめるべきである」
■謙虚さ
フランチェスコは布教に赴く兄弟たちに向けて「あなた方は世界をめぐるとき、喧嘩をすべきではない。だれにでも礼儀正しく話し、柔和で穏和、そしてつつましく柔軟で謙虚でありなさい」と言いました。真の謙虚さとは、
自分をみきわめ、自分の力の限界を知り、弱さを受け入れ、自分にできる範囲で貢献していくこと。そうした過程を通してありのままの自分の状態を受け入れてはじめて心の救済が得られるといいます。ただし決して楽をせよということではありません。葛藤を抱えながら辛抱強く挑戦する過程を得ずに自分の限界を見定めることなどできないからです。それは同時に過去と未来を手放し今、ここの感覚に己を集中させるということでもあります。
■救済
ありのままの自分にいたるには神的なものとのつながりが必要です。ミサ、告解、瞑想などは、そのつながりを得るための手段です。どんな人間も、神がその人のために定められた道を知り、その道を歩むべきでーそれによってイエスへ至る道だけでなく、自分自身の人生の幸福に向かって歩むことができます。
■回心
自分の心に向かい(黙想や瞑想)、神と対話(信仰告白)し、祈るなかで修道士は常に変わっていきます。昨日と同じということはなく、日々、反省と回心をすることで己を成熟させるように努めます。これは終わりがあるものでもなく、その過程は一生続くのです。
■愛.寛容.赦し
聖パウロは「たとえあらゆる神秘とあらゆる知識に通じていようとも、たとえ山を動かすほどの完全な信仰をもっていようとも愛がなければ、無に等しい」と述べました。不快な事柄、やっかいな義務、性に合わない人間などを、一度別の角度から観察することも必要です。
ベネディクトも以下のような指示を出しました。
重要な裁定のときには全ての修道士を集め、修道院長が修道士の助言に耳を傾けるかわりに修道士は傲慢にまたは頑固に自分の意見を弁明してはならない、修道士は日が暮れたあとまで怒っていてはならない、修道士は他の人びとを誰も独断的に弁護してはならない一方で、誰も他の人を「締めだしたり、殴ったりしてはならない」
出典
ペーター.ゼーヴァルト(編)シモーネ.コーゾック(著)島田道子(訳)
修道院へようこそ 心のやすらぎを手にするための11章
創元社,2010
98 そもそも修道院とは?
修道院の生活がベネディクトゥスの理想とした質素な生活からかけ離れ、怠惰な生活を送るようになった10世紀、フランスのクリュニー修道院で宗教改革が起こりました。本来の生活に立ち返ることを目的としていましたが、また贅沢な生活を送るようになると、1098年、ブリュゴーニュでベネディクト派のシトー会が、人里離れた場所で祈りと労働中心の共同生活を始めました。装飾も最小限に抑えられました。同じ頃、聖地エルサレムをイスラム教徒から奪還する十字軍の動きも起き、十字軍の戦士が修道士を兼ねるという、ヨハネス騎士修道会が結成されました。十字軍遠征によりスパイスや砂糖などがヨーロッパ全土の修道院に広まりました。一方で堕落した修道会から一線を画したフランチェスコ会やドミニコ会などの托鉢修道会もできました。創立当初は、修道士には衣服以外の私財を持つことを禁じ、修道会自体も財産を持つことを禁じられていましたが、戒律は緩和に向かいました。托鉢修道会の資金源は信者からの寄付でした。そして大航海時代の幕開け後の16世紀、宗教改革の煽りを受けたカトリック側はイエズス会を設立して世界に宣教師を派遣しました。フランシスコザビエルらが来日し、キリスト教とともに修道院菓子(カステラや金平糖)も伝わりました。1861年、イタリアは南北統一を果たします。新政府は修道院を解散しました。これにより修道院は再び衰退します。第二次大戦後には山中ではなく街中に小さな修道院が建てられるようになりました。(佐藤礼子(著)「イタリアの修道院菓子」より)
97 そもそも修道院とは?
キリスト教(ローマ.カトリック)を信仰する場のなかでも、修道院は「世俗から離れて修行に打ち込む修道士が共同生活を送る場」です。聖書の書写、古典研究、薬草による医療や農業、耕具、食等に関する研究と技術の向上が修道院を中心にして行われてきました。3世紀末、アントニウスがエジプトの荒野で一人修行に打ち込んだことから修道院の歴史は始まります。4世紀、キリスト教への迫害が終るとともにエジプトでは修道士が共同体を作り、食事や生活を共にしながら修行に励むように。さらにローマのテオドシウス帝が392年にキリスト教を国教化すると、修道士の共同体は都市部まで広がりました。463年にはコンスタンティノーブル(現イスタンブール)にストゥディウス修道院が建設され、キリスト教は東ヨーロッパに広まり、さらに5世紀にはアイルランドと、修道士文化は西ヨーロッパ全土に広がっていきます。6世紀にモンテ.カッシーノの山中にベネディクトゥスが修道院を建設し、ベネディクト会を成立させたことが契機となり、その戒律(「清貧、純潔、服従」を理想とする禁欲生活と、「祈り、働け」というモットー)は現在に至るまで修道院での生活の下地になっています。ベネディクトゥスの理想のもとに、院内では自給自足の生活が求められ、野菜、果物、薬草を育て、羊や鶏などの家畜も飼いました。それによって関連分野の研究が進み、修道院が薬を調合して治療を施す、薬局や病院の役割を担いました。また醸造技術も発達し、ホップを利用したビールは水分や栄養補給に役立ちました。また、修道院で行うキリスト教関連の行事(クリスマスや復活祭)に必要な菓子やパンの製造、ワインの醸造も行っていました。9世紀になると、教会や貴族の権力が大きくなります。宗教行事を引き受けていた修道院は権力下で潤沢な資金を手に入れ、製菓や料理に関する技術はますます磨かれていきました。(この頃になるとシチリアにアラブ人が入植し、砂糖、スパイス、かんきつ類といった新しい食材やかんがい農法の技術が伝えられて、シチリアの修道院を発展させていきます)
96 リケ祝誕生日2
95 リケ祝誕生日1
94 カンタベリ物語より
ネロの誕生日ボイスで料理についてのコメント、特に肉料理(メインディッシュ、黄金のフライドチキン)や香辛料についてが目立ったのはカンタベリ物語のこの部分に対する皮肉かも。(粉屋の失態話は賢者の書9参照)
「は、は、は、は、粉屋のやつ、人に宿を貸したおかげで、ひどい目にあいましたね。『どんな者でもわが家には入れるものではない』とは、ソロモンもうまく言ったものだ。うっかり他人を泊めるのはあぶないよ。よっぽどよく考えてから内に入れることだね。わっちあ、ワルのホッヂというけちな野郎ですが、これほどうまい仕事をしていた粉屋なんて、今まで聞いたことがありませんね。かげじゃよっぽど悪いことをしてたに違いねえ。だが、ここでとどまっているわけにもいかねえから、早速でかけることにしやしょう。で、こんなけちな野郎のする話でもきいてくださるんなら、わっちも精いっぱい、わっちらの都にあった、ふざけた話でもいたしやしょう」
すると、亭主がそれに答えて言った。
「ああいいとも、さあおやりな、ロジェル。いいところを一席。あんたもだいぶ鹿肉のパイじゃ血を盗んだろうし、ドーヴェル焼きとかいう肉饅頭じゃ、何度も冷やしたり焼きなおしたりして売ったこったろうな。それどころじゃねえ、あんたの店じゃ蝿をしこたまからしておいたろうから、こやした鵞鳥につけたパセリを喰わせられたおかげで、ひどい目にあった巡礼者たちの恨みをかったこともたびたびあったろうさー」
引用文献
チョーサー(作).西脇順三郎(訳).
カンタベリ物語 筑摩世界文学体系12.筑摩書房,1972
「は、は、は、は、粉屋のやつ、人に宿を貸したおかげで、ひどい目にあいましたね。『どんな者でもわが家には入れるものではない』とは、ソロモンもうまく言ったものだ。うっかり他人を泊めるのはあぶないよ。よっぽどよく考えてから内に入れることだね。わっちあ、ワルのホッヂというけちな野郎ですが、これほどうまい仕事をしていた粉屋なんて、今まで聞いたことがありませんね。かげじゃよっぽど悪いことをしてたに違いねえ。だが、ここでとどまっているわけにもいかねえから、早速でかけることにしやしょう。で、こんなけちな野郎のする話でもきいてくださるんなら、わっちも精いっぱい、わっちらの都にあった、ふざけた話でもいたしやしょう」
すると、亭主がそれに答えて言った。
「ああいいとも、さあおやりな、ロジェル。いいところを一席。あんたもだいぶ鹿肉のパイじゃ血を盗んだろうし、ドーヴェル焼きとかいう肉饅頭じゃ、何度も冷やしたり焼きなおしたりして売ったこったろうな。それどころじゃねえ、あんたの店じゃ蝿をしこたまからしておいたろうから、こやした鵞鳥につけたパセリを喰わせられたおかげで、ひどい目にあった巡礼者たちの恨みをかったこともたびたびあったろうさー」
引用文献
チョーサー(作).西脇順三郎(訳).
カンタベリ物語 筑摩世界文学体系12.筑摩書房,1972
93 ネロ祝誕
92 フィガロのポッシデオ
90 アスクレピオスの蘇生術
アスクレピオスが蘇らせた者の中にはテセウスの息子(ヒッポリュトス)もいました。テセウスの妻パイドラは義理の息子であるヒッポリュトスに恋してしまいますが、テセウスは女性に対する非難の言葉を浴びせます。パイドラは自殺してしまいますが、そのときヒッポリュトスに乱暴されたと偽の遺書を残します。怒ったテセウスはポセイドンにヒッポリュトスの死を願ってしまいます。願いは聞き届けられてしまい、ヒッポリュトスは自ら操作する馬が驚いた拍子に落馬し引きずられて瀕死状態に陥りました。
89 カラスが黒い訳と医神の杖
複数いたアポロンの恋人のなかで、コロニスはアポロンの子を身ごもりながら人間のイスキュスに恋をして結婚します。アポロンにそのことを告げにきたカラスは元々白い色でしたが、アポロンにより黒焦げにされてしまいます。コロニスはアルテミスが殺しますが、お腹にいた子は無事でした。その子が後に医神となるアスクレピオスで、イアソン率いるアルゴー船にも乗船し、遂には蘇りの秘術まで習得します。ところが、冥界を仕切るハデスはこれをよしとせず、ゼウスも同調したため、アスクレピオスは雷に打たれて絶命します。天に昇ったアスクレピオスは蛇使い座になりました。
アスクレピオスの杖は今でも医療を象徴するものとしてWHOのシンボルにも採用されています。杖には蛇が一匹、一重の螺旋状に巻き付いています。(ヘルメスが与えられたケリュケイオンは形状が似ていますが二匹の蛇が二重螺旋状に絡まっている別物です)wikipedia他
アスクレピオスの杖は今でも医療を象徴するものとしてWHOのシンボルにも採用されています。杖には蛇が一匹、一重の螺旋状に巻き付いています。(ヘルメスが与えられたケリュケイオンは形状が似ていますが二匹の蛇が二重螺旋状に絡まっている別物です)wikipedia他
88 アポロンとヘルメス
ソナチネシリーズ、カインのお相手はブラッドリー。ブラッドリーのイベストで印象的なのは、剛の彼が剛を従える柔へと変化した盗賊のエチュード。そこで彼はラスティカのカフスボタンを盗みますが、「言ってくれたらあげたのに」と言う言葉に矜持を砕かれて突き返します。その後、ラスティカは殺さずして盗賊討伐任務終了のお祝いに改めてカフスボタンを贈りますが、ブラッドリーは厚意だけを受け取ってボタンは賢者に託します。この流れの元になったと考えられる話がアポロンの逸話の中にあります。
ヘルメス(ローマ神話ではメルクリウスの逸話に相当)はアポロンから50頭の雄牛を盗むと洞窟に隠します。その途中見つけた亀を殺し、その甲羅で竪琴を作り、牛の内臓で弦を張りました。アポロンはヘルメスを見つけますが、竪琴に魅了されて牛との交換をヘルメスに持ち出します。ヘルメスは牛に加えてアポロンから占いの術を得ることを条件に交渉は成立します。
またアポロンはヘルメスに柄に蛇が巻き付き先端に一対の翼のついた杖(リュケイオン)を与えました。ヘルメスは、旅人、商人、泥棒、牧夫の守護神とも言われています。カリュプソに捕らわれたオデュッセウスを救うため、神々の伝令としてゼウスが遣わしたのもヘルメスでした。
参考文献
マーティン.J.ドハティ(著)岡本千晶(訳)
ギリシア神話物語百科.原書房,2023
マーティン.J.ドハティ(著)龍和子(訳)
ローマ神話物語百科.原書房,2022
マルグリットフォンタ(著)遠藤ゆかり(訳)
100の傑作で読む ギリシア神話の世界 名画と彫刻でたどる
.創元社,2018
※ホメロス(作)松平千秋(訳)オデュッセイア(上).岩波文庫,1994
※ヘルメスはヘルメイアスと表記
ヘルメス(ローマ神話ではメルクリウスの逸話に相当)はアポロンから50頭の雄牛を盗むと洞窟に隠します。その途中見つけた亀を殺し、その甲羅で竪琴を作り、牛の内臓で弦を張りました。アポロンはヘルメスを見つけますが、竪琴に魅了されて牛との交換をヘルメスに持ち出します。ヘルメスは牛に加えてアポロンから占いの術を得ることを条件に交渉は成立します。
またアポロンはヘルメスに柄に蛇が巻き付き先端に一対の翼のついた杖(リュケイオン)を与えました。ヘルメスは、旅人、商人、泥棒、牧夫の守護神とも言われています。カリュプソに捕らわれたオデュッセウスを救うため、神々の伝令としてゼウスが遣わしたのもヘルメスでした。
参考文献
マーティン.J.ドハティ(著)岡本千晶(訳)
ギリシア神話物語百科.原書房,2023
マーティン.J.ドハティ(著)龍和子(訳)
ローマ神話物語百科.原書房,2022
マルグリットフォンタ(著)遠藤ゆかり(訳)
100の傑作で読む ギリシア神話の世界 名画と彫刻でたどる
.創元社,2018
※ホメロス(作)松平千秋(訳)オデュッセイア(上).岩波文庫,1994
※ヘルメスはヘルメイアスと表記
87 哲学者からの謎かけ
人はだれでも哲学の問いに向き合いはするけれど、だからといってすべての人が哲学者になるのではありません。ほとんどの人びとは、さまざまな理由から日常にとらわれて、生きることへの驚きを深いところに押しこんでしまう。(人びとは兎の毛の奥深くにもぐりこみ、そこが居心地がよくなって、人生の残りを毛皮のなかで過ごすのです。)子どもにとって世界は、そして世界にあるすべてのものは驚きを呼びさます「新しいもの」です。おとなはそんな見方はしない。たいていのおとなは、世界を当たり前のこととして受けいれている。だからこそ、哲学者はたいへん珍しい例外なのです。哲学者には、世界になれっこになるなど、どうしてもできない。男でも女でも、哲学者にとって世界はいつまでたってもわけがわからない。そう、謎だらけで秘密めいている。哲学者と幼い子どもは、大切なところで似た者同士なわけです。哲学者は、一生幼い子どものままでいる例外人間といえるでしょう。
さあ、親愛なるソフィー、あなたは今、選ばなければならない。ソフィーはまだ世界に「なれっこ」になっていない子どもかな?それとも、なれっこになど絶対ならないと誓って言える哲学者かな?
ヨースタイン.ゴルデル(著)須田朗(監修)池田香代子(訳)
ソフィーの世界 哲学者からの不思議な手紙
1995,NHK出版
さあ、親愛なるソフィー、あなたは今、選ばなければならない。ソフィーはまだ世界に「なれっこ」になっていない子どもかな?それとも、なれっこになど絶対ならないと誓って言える哲学者かな?
ヨースタイン.ゴルデル(著)須田朗(監修)池田香代子(訳)
ソフィーの世界 哲学者からの不思議な手紙
1995,NHK出版
86 哲学者からの謎かけ
多くの人びとにとって、世界はちょうど、手品師が今の今ままで空っぽだったシルクハットから取り出した兎のように、まるでわけがわからない。(中略)わたしたちは、世界はまやかしなんかではないと知っている。なにしろ、わたしたちはこの大地を走りまわっているのだし、わたしたちが世界の一部だからです。つまり、わたしたちがシルクハットから取り出された白兎だというわけです。白兎との違いはただ一つ、兎は自分が手品に一役買っているとは知らない、ということだけです。わたしたちはちがう。わたしたちは、自分たちがなにか謎めいたことがらに参加していると知っていて、すべてはどんな仕組みになっているのかつきとめたいと思うのです。
追伸
白兎は全宇宙になぞらえたほうがいいかもしれない。わたしたち、ここにいるわたしたちは、兎の毛の奥深くでうごめく蚤です。けれども哲学者たちは、大いなる手品師の全貌をまのあたりにしようと、細い毛をつたって這いあがろうとしてきたのでした。
(中略)
わたしたちは子どものうちに、この世界に驚く能力を失ってしまうらしい。それによって、わたしたちは大切な何かを失う。哲学者たちはその何かをもう一度目覚めさせようとします。なぜなら、わたしたちの心のどこかで何かが、生きていることは大きな謎だ、と語りかけているからです。わたしたちは、生きることについて考えるのを学ぶずっと以前から、この語りかけを聞いているのです。もっとはっきり言いましょう。
追伸
白兎は全宇宙になぞらえたほうがいいかもしれない。わたしたち、ここにいるわたしたちは、兎の毛の奥深くでうごめく蚤です。けれども哲学者たちは、大いなる手品師の全貌をまのあたりにしようと、細い毛をつたって這いあがろうとしてきたのでした。
(中略)
わたしたちは子どものうちに、この世界に驚く能力を失ってしまうらしい。それによって、わたしたちは大切な何かを失う。哲学者たちはその何かをもう一度目覚めさせようとします。なぜなら、わたしたちの心のどこかで何かが、生きていることは大きな謎だ、と語りかけているからです。わたしたちは、生きることについて考えるのを学ぶずっと以前から、この語りかけを聞いているのです。もっとはっきり言いましょう。
85 哲学者からの謎かけ
すべての人に関心のあることなんてあるだろうか?だれにでも、世界のどこに住んでいる人にでも、あらゆる人間に関係あることなんて、あるのだろうか?あるんですよ。親愛なるソフィー。(中略)基本条件がすべて満たされたとして、それでもまだ、あらゆる人にとって切実なものはあるだろうか?哲学者たちは、ある、と言います。哲学者たちは人はパンのみで生きるのではない、と考えるのです。もちろん、人はみな、食べなければならない。愛と気配りも必要です。けれども、すべての人びとにとって切実なものはまだある。わたしたちはだれなのか、なぜ生きているのか、それを知りたいという欲求を、わたしたちはもっているのです。(中略)
哲学の世界に入っていくいちばんいい方法は問題意識をもつこと。世界はどのようにつくられたのか?今ここで起こっていることの背後には意志や意味があるのか?死後の命はあるのか?どうしたらこういう問いの答えは見つかるのか?そしてなによりも、わたしたちはいかに生きるべきか?こうしたことを人間はいつだって問いかけてきました。人間とは何か、世界はどのようにしてできたかと問わなかった文化はありません。
哲学の問いはそれほどいろいろと立てられるものでもありませんーところがそれにたいして哲学の歴史が教えてくれる答えは、それこそさまざまです。だから、問いに答えようとするよりも問いを立てる、このほうが哲学に入っていきやすいのです。(中略)
今から二千年以上も前の古代ギリシアの哲学者は、人間が「なんかへんだなあ」と思ったことが哲学の始まりだ、と考えました。人が生きているというのはなんておかしなことだろう、と思ったところから、哲学の問いが生まれた、というのです。それは手品に似ています。(中略)
哲学の世界に入っていくいちばんいい方法は問題意識をもつこと。世界はどのようにつくられたのか?今ここで起こっていることの背後には意志や意味があるのか?死後の命はあるのか?どうしたらこういう問いの答えは見つかるのか?そしてなによりも、わたしたちはいかに生きるべきか?こうしたことを人間はいつだって問いかけてきました。人間とは何か、世界はどのようにしてできたかと問わなかった文化はありません。
哲学の問いはそれほどいろいろと立てられるものでもありませんーところがそれにたいして哲学の歴史が教えてくれる答えは、それこそさまざまです。だから、問いに答えようとするよりも問いを立てる、このほうが哲学に入っていきやすいのです。(中略)
今から二千年以上も前の古代ギリシアの哲学者は、人間が「なんかへんだなあ」と思ったことが哲学の始まりだ、と考えました。人が生きているというのはなんておかしなことだろう、と思ったところから、哲学の問いが生まれた、というのです。それは手品に似ています。(中略)
84 ソフィーの世界
実はもうひとつ、帽子とうさぎを例に哲学的な会話を進めていく物語があります。「ソフィーの世界」です。ある日、無料の哲学講座と称して主人公ソフィーのもとに謎の人物から手紙が届きます。しかも全く別の宛名なのになぜか手紙はソフィーの家の郵便箱に届くのです。学校で習う物理的な理屈とはまた別のところでソフィーは自分や自分をとりまく世界について考察を深めていこうとします。きっかけは謎の送り主による帽子とうさぎの話です。オーディンをはじめとする北欧神話もまた世界で起きる事象を納得するために人々が編み出したものだと謎の差出人は言います。そしてギリシャの哲学者たちがそこに異を唱え始め、時に壮大な哲学の旅が始まるのです。
83 ルチルこぼれ話A後半
「きょうは何日ですかね?」
アリスに向かってそういってね。ポケットから時計をとりだして、そわそわとながめては、しきりにふったり、耳にあててみたりしてる。アリスはちょっと考えこんでから、
「四日でしょ」
「二日違ってら!」帽子屋はためいきをついて、(中略)ウカレウサギは時計をとりあげて、しぶい顔してながめていたけれど、それからじぶんのお茶の中へぽいとつっこんで、あらためて見なおしてね。
(中略)
「へんな時計!日にちはわかるけど、何時かはわからないなんて」
「なにがへんだい。あんたの時計、何年かわかるのかい」
帽子屋はおかんむりだ。
「まさかーだけど、一年なんてやたら長くってすすまないじゃないの」
「おれの時計がまさにしかりだ(中略)なぞなぞはそろそろとけたかい?」
帽子屋はまたアリスにほこさきを向けてきた。
「だめ、こうさんよ。こたえはどう?」
アリスがそういうと、帽子屋のいわく、
「それがさっぱりわかんないときてる」
「ぼくだって」とウカレウサギ。
アリスはもう、うんざりしてためいきついて、
「こたえのないなぞなぞなんかでひまつぶすより、もっと時間を大事に
すればいいのに」
「あんた、おれくらい時間を知ってたらそんなふうに時間を呼び捨てにしやしまいな(中略)いいかね、ふだんから時間くんとなかよくしていさえすりゃ、時計だってあんたの好きなように動かしてくれらあな。たとえば朝の九時、(中略)時間くんに耳打ちすれば、たちまち針がチカチカとまわって、一時半、おひるですよってわけだ(中略)なんならすきなだけ一時半のままにしとけばいい」
「あんたはいつもそんなふうにやってるの?」
ルイスキャロル(著).矢川澄子(訳).不思議の国のアリス.
新潮文庫,1994
アリスに向かってそういってね。ポケットから時計をとりだして、そわそわとながめては、しきりにふったり、耳にあててみたりしてる。アリスはちょっと考えこんでから、
「四日でしょ」
「二日違ってら!」帽子屋はためいきをついて、(中略)ウカレウサギは時計をとりあげて、しぶい顔してながめていたけれど、それからじぶんのお茶の中へぽいとつっこんで、あらためて見なおしてね。
(中略)
「へんな時計!日にちはわかるけど、何時かはわからないなんて」
「なにがへんだい。あんたの時計、何年かわかるのかい」
帽子屋はおかんむりだ。
「まさかーだけど、一年なんてやたら長くってすすまないじゃないの」
「おれの時計がまさにしかりだ(中略)なぞなぞはそろそろとけたかい?」
帽子屋はまたアリスにほこさきを向けてきた。
「だめ、こうさんよ。こたえはどう?」
アリスがそういうと、帽子屋のいわく、
「それがさっぱりわかんないときてる」
「ぼくだって」とウカレウサギ。
アリスはもう、うんざりしてためいきついて、
「こたえのないなぞなぞなんかでひまつぶすより、もっと時間を大事に
すればいいのに」
「あんた、おれくらい時間を知ってたらそんなふうに時間を呼び捨てにしやしまいな(中略)いいかね、ふだんから時間くんとなかよくしていさえすりゃ、時計だってあんたの好きなように動かしてくれらあな。たとえば朝の九時、(中略)時間くんに耳打ちすれば、たちまち針がチカチカとまわって、一時半、おひるですよってわけだ(中略)なんならすきなだけ一時半のままにしとけばいい」
「あんたはいつもそんなふうにやってるの?」
ルイスキャロル(著).矢川澄子(訳).不思議の国のアリス.
新潮文庫,1994
82 ルチルこぼれ話A
言葉だけは達者な帽子屋たち。
「カラスとカキモノ机と似てるってなーぜだ?」
「あの、あたしあてられそうよ」
「つまり、あんたがこたえられると思ってるってわけかいーだったら思ってることを言わなくちゃね」
「そうしてるじゃないのーだって、そう思えばこそ言ってるんだもの。
どっちみち同じでしょ」
「おなじなものか、ちっとも!」
「だったら、あんた、〈じぶんのたべるものを見る〉ってのと、〈じぶんの見るものをたべる〉ってのと、おんなじだってことになるじゃないか」
「だったらこうもいえるよー〈じぶんの手に入るものがすき〉ってことは〈じぶんのすきなものを手に入れる〉ってこととおんなじだって」
「じゃ、こうもいえるね。〈ねむりながら息してる〉ってのと、〈息しながらねむってる〉てのもおんなじね」(中略)
アリスはそのひまにカラスとカキモノ机についてあれこれ知恵をひねってみたけれど、たいした答えもうかばなかった。だんまりをまずやぶったのは帽子屋だ。
「カラスとカキモノ机と似てるってなーぜだ?」
「あの、あたしあてられそうよ」
「つまり、あんたがこたえられると思ってるってわけかいーだったら思ってることを言わなくちゃね」
「そうしてるじゃないのーだって、そう思えばこそ言ってるんだもの。
どっちみち同じでしょ」
「おなじなものか、ちっとも!」
「だったら、あんた、〈じぶんのたべるものを見る〉ってのと、〈じぶんの見るものをたべる〉ってのと、おんなじだってことになるじゃないか」
「だったらこうもいえるよー〈じぶんの手に入るものがすき〉ってことは〈じぶんのすきなものを手に入れる〉ってこととおんなじだって」
「じゃ、こうもいえるね。〈ねむりながら息してる〉ってのと、〈息しながらねむってる〉てのもおんなじね」(中略)
アリスはそのひまにカラスとカキモノ机についてあれこれ知恵をひねってみたけれど、たいした答えもうかばなかった。だんまりをまずやぶったのは帽子屋だ。
81 ルチルこぼれ話@
ルチルとミチルが主人公のお話、「泣き虫うさぎと帽子のフロル」。
泣き虫うさぎとはミチルのことで、父親を亡くした後、ルチルがミチルを励ましたのをきっかけに、兄弟は自分たちで記念日を作り祝おうとします。重要アイテムとしてチレッタの帽子が登場。うさぎと帽子とお祝いは何だか不思議の国のアリスを思わせます。アリスの物語の中では、帽子屋の歌に合わせて眠ったまま歌いだしたネムリネズミがハートの女王の顰蹙を買ってしまったために、六時で時計がとまってしまい、帽子屋とうさぎは席順を順繰りに回しながら永遠と同じことを繰り返しているようです。
泣き虫うさぎとはミチルのことで、父親を亡くした後、ルチルがミチルを励ましたのをきっかけに、兄弟は自分たちで記念日を作り祝おうとします。重要アイテムとしてチレッタの帽子が登場。うさぎと帽子とお祝いは何だか不思議の国のアリスを思わせます。アリスの物語の中では、帽子屋の歌に合わせて眠ったまま歌いだしたネムリネズミがハートの女王の顰蹙を買ってしまったために、六時で時計がとまってしまい、帽子屋とうさぎは席順を順繰りに回しながら永遠と同じことを繰り返しているようです。
80 過ぎてしまいましたが
79 過ぎてしまいましたが
77 ルチル祝誕
7月1日はルチルの誕生日です。「叶わぬ吹雪に願いを灯して」の主役はヒースですが、ルチルも同行した魔法使いの一人です。というのも、メインで下地になっているのはマッチ売りの少女の物語ですが、「涙の果てで紫花の微笑みを」でエスコートされる烏同様、つむじ風とともに現れる白い人影と描写され、ヒースにも目をつけるフロスティ、少女の目に浮かぶ雪の結晶など同じアンデルセン作の雪の女王に登場するモチーフがさり気なく物語に取り入れられているのです。
今回の任務には北の国の魔法使いであり、夢の森が育成場所であるオーエンも途中から合流しますが、当初は他の北の魔法使いとともに暴走するソリ軍団を止めるはずでした。雪の女王も白い毛皮のマントを着てソリに乗って現れて、雪の破片が目に入って心が冷たくなってしまったカイ少年を攫っていきます。カイにはゲルダという幼なじみがおり、ゲルダのおばあさんは二人に「冬の夜、雪の女王は、町の通りを飛んで家々の窓の中をのぞいて、窓に霜の花を残していくのさ」と語っていました。(アンシアベル再話.成沢訳)
ゲルダはカイを探して旅に出ます。
烏の手引きでカイらしき少年に会うためにとある城に潜入しますが、少年はカイではありませんでした。少年のお相手である王女はゲルダのためにブーツ、マフ、ケーキや果物、しょうがパンに加え金の四輪馬車を用意しました。おそらく雪の女王はチレッタと結びついており、ルチルとも切り離せないほど関係が深いと思われます。
今回の任務には北の国の魔法使いであり、夢の森が育成場所であるオーエンも途中から合流しますが、当初は他の北の魔法使いとともに暴走するソリ軍団を止めるはずでした。雪の女王も白い毛皮のマントを着てソリに乗って現れて、雪の破片が目に入って心が冷たくなってしまったカイ少年を攫っていきます。カイにはゲルダという幼なじみがおり、ゲルダのおばあさんは二人に「冬の夜、雪の女王は、町の通りを飛んで家々の窓の中をのぞいて、窓に霜の花を残していくのさ」と語っていました。(アンシアベル再話.成沢訳)
ゲルダはカイを探して旅に出ます。
烏の手引きでカイらしき少年に会うためにとある城に潜入しますが、少年はカイではありませんでした。少年のお相手である王女はゲルダのためにブーツ、マフ、ケーキや果物、しょうがパンに加え金の四輪馬車を用意しました。おそらく雪の女王はチレッタと結びついており、ルチルとも切り離せないほど関係が深いと思われます。
76 叶わぬ吹雪に願いを灯して
真実の街で、ヒース、ルチル、レノックスたちとともに賢者は摺った者の願いを幻影で見せる力のあるマッチを売るベルーガという少女に出会います。
ヒースがベルーガから不思議な気配を感じ取り、後日、オズやシャイロックもともなってその正体が悪質なものかを確かめに再びベルーガの元を訪れます。ベルーガはマッチを売れば自分を捨てた両親が戻ると信じたがっていました。(現在はマイヤというパン屋の女性がベルーガを見つけて保護していました)ベルーガが使っていたのは夢の森に棲息する夢幻の木の枝でした。ベルーガの様子からヒースは窓辺に置かれていた氷の花のことを思い出します。それは、ないものねだりをしている子供を見つけて攫うフロスティからの贈り物でした。ヒースの前にもフロスティは現れていました。両親の愛情に見合うように魔法使いでなく普通の人間になりたがっていたかつてのヒースはフロスティの格好の標的でした。フロスティに気に入られた子の目には雪の華のような模様が浮かびます。ベルーガとフロスティの間にある縁を切るために、領主エメットの了承を得て、魔法使いたちは妖魔払いを行うことに。ところが、ベルーガを説得中にフロスティが現れて、ヒース、賢者、ベルーガが雪のドームの中に閉じ込められてしまいます。幸い、オズがお守りに渡していた花弁のお陰で、(シノの話を聞いた)残りの魔法使いたちはすぐに駆けつけることができました。オズの魔法を怖がったベルーガのために、幻影のマッチを使って内と外から雪を溶かすことにします。
ヒースがベルーガから不思議な気配を感じ取り、後日、オズやシャイロックもともなってその正体が悪質なものかを確かめに再びベルーガの元を訪れます。ベルーガはマッチを売れば自分を捨てた両親が戻ると信じたがっていました。(現在はマイヤというパン屋の女性がベルーガを見つけて保護していました)ベルーガが使っていたのは夢の森に棲息する夢幻の木の枝でした。ベルーガの様子からヒースは窓辺に置かれていた氷の花のことを思い出します。それは、ないものねだりをしている子供を見つけて攫うフロスティからの贈り物でした。ヒースの前にもフロスティは現れていました。両親の愛情に見合うように魔法使いでなく普通の人間になりたがっていたかつてのヒースはフロスティの格好の標的でした。フロスティに気に入られた子の目には雪の華のような模様が浮かびます。ベルーガとフロスティの間にある縁を切るために、領主エメットの了承を得て、魔法使いたちは妖魔払いを行うことに。ところが、ベルーガを説得中にフロスティが現れて、ヒース、賢者、ベルーガが雪のドームの中に閉じ込められてしまいます。幸い、オズがお守りに渡していた花弁のお陰で、(シノの話を聞いた)残りの魔法使いたちはすぐに駆けつけることができました。オズの魔法を怖がったベルーガのために、幻影のマッチを使って内と外から雪を溶かすことにします。
73 ヒース祝誕
72 揺蕩う夢と未来のラーゴ
ネタバレあり!
水面が黒くなるという異変を受けて、魔法使いたちは「水鏡の湖」へ向かいます。(占いによりミスラから黒い何者かに見舞われると告げられたアーサーと双子から水難に気を付けるように言われたミスラも同行していました)
手練れの魔法使いたちは湖から不穏な気配を感じ取ります。そこで二手に分かれ、スノウ、アーサー、賢者、クロエ、ネロが村人から事情を聴くと、湖は未来を映し出すと村人たちに信じられていました。というのも、村にはある占い師が湖に村の輝かしい未来を映し出したことで、村人たちが元々自然条件に左右されやすかった土地を開拓してきた過去があったのです。今でも村人たちは湖に葉を浮かべて、中央にそびえる木に葉が到達するか否かで未来を占っていました。願いが成就する兆しは夢に現れると信じ、村人たちは湖が黒くなったことは村に不幸をもたらす兆しではないかと考えていましたが、実は異変の正体は、長年湖に蓄積されてきた村人たちの願いでした。それを逆手に取るように、一行がファウスト、ブラッドリー、ホワイト、ミスラのもとへ戻ると、村人の望まない光景や恐怖の幻影が湖に映し出されます。まずは湖の浄化が必要でした。湖からはね上がる黒い水柱を空中からミスラとアーサーが受け止めます。それぞれの予言は的中した様子。湖から黒いものが取り払われ、元の美しさを取り戻しても村人たちの顔は晴れません。そこで双子は改めて観衆を前に予言を披露することにしました。実は、かつて村の輝かしい未来を予見した者は魔法使いの詐欺師で、村を今の姿へと発展させたのは村人自身の力でした。結局のところ、占われた結果をどう捉えてその先の行動につなげるかは当人たち次第なのです。
水面が黒くなるという異変を受けて、魔法使いたちは「水鏡の湖」へ向かいます。(占いによりミスラから黒い何者かに見舞われると告げられたアーサーと双子から水難に気を付けるように言われたミスラも同行していました)
手練れの魔法使いたちは湖から不穏な気配を感じ取ります。そこで二手に分かれ、スノウ、アーサー、賢者、クロエ、ネロが村人から事情を聴くと、湖は未来を映し出すと村人たちに信じられていました。というのも、村にはある占い師が湖に村の輝かしい未来を映し出したことで、村人たちが元々自然条件に左右されやすかった土地を開拓してきた過去があったのです。今でも村人たちは湖に葉を浮かべて、中央にそびえる木に葉が到達するか否かで未来を占っていました。願いが成就する兆しは夢に現れると信じ、村人たちは湖が黒くなったことは村に不幸をもたらす兆しではないかと考えていましたが、実は異変の正体は、長年湖に蓄積されてきた村人たちの願いでした。それを逆手に取るように、一行がファウスト、ブラッドリー、ホワイト、ミスラのもとへ戻ると、村人の望まない光景や恐怖の幻影が湖に映し出されます。まずは湖の浄化が必要でした。湖からはね上がる黒い水柱を空中からミスラとアーサーが受け止めます。それぞれの予言は的中した様子。湖から黒いものが取り払われ、元の美しさを取り戻しても村人たちの顔は晴れません。そこで双子は改めて観衆を前に予言を披露することにしました。実は、かつて村の輝かしい未来を予見した者は魔法使いの詐欺師で、村を今の姿へと発展させたのは村人自身の力でした。結局のところ、占われた結果をどう捉えてその先の行動につなげるかは当人たち次第なのです。
71 王子と乞食余談2
エドワードとして暮らすようになったトムの元に罪人が連れてこられたとき、彼は自ら尋問します。そのうちの一人は毒殺を疑われていました。奇妙な予言があったことも、理由のひとつでした。
「むかし、村からどこへともなくすがたをけしたひとりの魔女が、例の病人はいつか毒殺されるだろうと予言し、村人たちにそのことをひそかにつげていたそうでございます。そして、よその人間がー茶色の髪の、すりきれた、そまつな服をきたよその人間が毒をもるだろうともいってたそうでございます。この囚人は、その人相風体にぴったりあうのでございます」(河田訳,p.211)ところが、男には同時刻(元日の朝十時)にアリバイがあり、ジャイルズ=ウィッドというテムズ川で溺れかけた少年を救っていました。
なんとトム自身がそのことを知っていたため、男は放免されました。
まほやくでも、湖に現れた大いなる厄災の影響を、迷信が具現化したと恐れる民のために、双子が本領を発揮する話があります。それが「揺蕩う夢と未来のラーゴ」です。
「むかし、村からどこへともなくすがたをけしたひとりの魔女が、例の病人はいつか毒殺されるだろうと予言し、村人たちにそのことをひそかにつげていたそうでございます。そして、よその人間がー茶色の髪の、すりきれた、そまつな服をきたよその人間が毒をもるだろうともいってたそうでございます。この囚人は、その人相風体にぴったりあうのでございます」(河田訳,p.211)ところが、男には同時刻(元日の朝十時)にアリバイがあり、ジャイルズ=ウィッドというテムズ川で溺れかけた少年を救っていました。
なんとトム自身がそのことを知っていたため、男は放免されました。
まほやくでも、湖に現れた大いなる厄災の影響を、迷信が具現化したと恐れる民のために、双子が本領を発揮する話があります。それが「揺蕩う夢と未来のラーゴ」です。
70 王子と乞食とまほやく 余談
先王がまだご存命だった頃、エドワードにされてしまったトムの「自分は王子ではない」という発言をどう捉えるべきか悩んだ王の義兄は後見人のハーフォード卿に相談します。これを聞いてハーフォード卿は陛下への反逆罪になると忠告し、相手を安心させるために、ある人物を引き合いに出します。
「おぼえておられますかな?あのマーレー老男爵が気がくるって、六十年見なれてきたじぶんの顔をわすれ、他人の顔とかんちがいしたことを。いや、そのうえ、じぶんはマグダラのマリアのむすこで、じぶんの頭はスペインのガラスでできているとさえいうしまつですよ。じっさい、男爵は、そそっかしがあやまってじぶんの頭をわるといけないからといって、だれにも頭をさわらせなかったんですよ」(河田訳,p83)
このエピソードは「硝子の塔と祝福のレガ−ロ」を彷彿とさせます。双子はステンドグラス職人でもあります。かつて弟子のフィガロにもステンドグラスの贈り物をしたことがありました。双子は賢者にも塔の形をしたステンドグラスの置物を贈ります。北の国にはその塔と同様の塔がありました。そしてその塔になりたいと望むほどに恋をした西の魔法使いに譲っていたのです。後半の「頭をさわらせない」くだりはリケの造形に活かされたように見受けられます。
「おぼえておられますかな?あのマーレー老男爵が気がくるって、六十年見なれてきたじぶんの顔をわすれ、他人の顔とかんちがいしたことを。いや、そのうえ、じぶんはマグダラのマリアのむすこで、じぶんの頭はスペインのガラスでできているとさえいうしまつですよ。じっさい、男爵は、そそっかしがあやまってじぶんの頭をわるといけないからといって、だれにも頭をさわらせなかったんですよ」(河田訳,p83)
このエピソードは「硝子の塔と祝福のレガ−ロ」を彷彿とさせます。双子はステンドグラス職人でもあります。かつて弟子のフィガロにもステンドグラスの贈り物をしたことがありました。双子は賢者にも塔の形をしたステンドグラスの置物を贈ります。北の国にはその塔と同様の塔がありました。そしてその塔になりたいと望むほどに恋をした西の魔法使いに譲っていたのです。後半の「頭をさわらせない」くだりはリケの造形に活かされたように見受けられます。
69 王子と乞食とまほやくの類似点C
エドワードのモデルは実在する王様、エドワード6世です。ヘンリー8世には他にメアリーとエリザベスという2人の王女がいました。メアリーはキャサリン.オブ.アラゴンとの間に、エリザベスはアン.ブーリンとの間に産まれた子です。(さらにエドワードの逝去後、2人の前にジェーン.グレイという人物が担ぎ出されて9日間だけ王位に就いた後、メアリーに王座を明け渡すことになります)
メアリーは新教徒を弾圧したため「血のメアリー」と呼ばれました。一方のエリザベスはメアリーの統治下で投獄されますが、メアリーが病死したため王位を引き継ぎます。メアリーがもたらした旧教と新教の間の混乱をおさめて英国教会を確立しました。国内でシェイクスピアとマーロウという両雄による演劇文化が花開くと同時に、無敵と言われたスペインの艦隊を倒すなど、海外への進出を果たした時代でもあります。
※以下二部ネタバレ!
このジェ−ングレイを挟んだメアリーとエリザベスはまほやくではリリアーナを挟んだアリアとザラとして史実をなぞっているように思います。(魔法使いであるザラは両親によって塔に幽閉されて育ちました。またアリアはザラの呪いにより、ラスティカに見つけられても、ザラへの恨みが残っていたために恐ろしい魔物になってしまったように思います。ザラはリリアーナとして、かつて手にできなかったものを手にし、また自らの目的を果たすために暴走してしまいます)
一方、王子と乞食のフィクション要素として、王女達(物語の中では、エリザベスとジェーン、エドワードが親しい友人として描かれ、親しかった頃の姉妹とラスティカに反映されているように感じます)と対比するようにトムにもベットとナンという双子の姉がいました。こちらの姉妹は、まほやくでは魔法舎でカインが出会う姉妹の魔法使いの設定に反映されているように思います。
メアリーは新教徒を弾圧したため「血のメアリー」と呼ばれました。一方のエリザベスはメアリーの統治下で投獄されますが、メアリーが病死したため王位を引き継ぎます。メアリーがもたらした旧教と新教の間の混乱をおさめて英国教会を確立しました。国内でシェイクスピアとマーロウという両雄による演劇文化が花開くと同時に、無敵と言われたスペインの艦隊を倒すなど、海外への進出を果たした時代でもあります。
※以下二部ネタバレ!
このジェ−ングレイを挟んだメアリーとエリザベスはまほやくではリリアーナを挟んだアリアとザラとして史実をなぞっているように思います。(魔法使いであるザラは両親によって塔に幽閉されて育ちました。またアリアはザラの呪いにより、ラスティカに見つけられても、ザラへの恨みが残っていたために恐ろしい魔物になってしまったように思います。ザラはリリアーナとして、かつて手にできなかったものを手にし、また自らの目的を果たすために暴走してしまいます)
一方、王子と乞食のフィクション要素として、王女達(物語の中では、エリザベスとジェーン、エドワードが親しい友人として描かれ、親しかった頃の姉妹とラスティカに反映されているように感じます)と対比するようにトムにもベットとナンという双子の姉がいました。こちらの姉妹は、まほやくでは魔法舎でカインが出会う姉妹の魔法使いの設定に反映されているように思います。
68 王子と乞食とまほやくの類似点B
細かい描写のなかにも、まほやくに活かされていると思われる箇所があります。宮殿を出てきたトム(偽エドワード)の服装は、
「白いしゅすの上着をきて、はなやかによそおっていた。むらさき色のうす絹でできた上着のまえの部分は、ダイヤモンドがちりばめられ、白てんの毛皮のへりかざりがついていた。その上に錦糸織りの白いマントをはおっていた。マントには三枚のはねの紋章がうがたれて、青いしゅすのうら地がついており、真珠や宝石でかざられて、ダイヤモンドのとめ金でとめてあった。トムの首には、ガーター勲章と、いくつかの外国の紋章がかかっていた」
(河田訳pp102-103)
と描写されています。そもそも紫は昔から高貴な身分を象徴する色でした。王子として出てきたトムの服装は、まほやくで双子が身につけたパレードの衣装を思わせます。(デザインは男賢者の衣装の方がより近いように思います)北の魔法使いの霊験あらたかな印象を強めるようです。
また、エドワードに対してヘンドンが必要以上にかしこまらないことからも、エドワードとヘンドンの関係はアーサーとカインを見るようです。
(『この男はおれの友だちだー見どころのある子だと思った。いつかきっと名をあげるようになるだろうといってたんだ。この男を見てくれ。おれのいったとおりだろう?』河田訳,p.156)
ヘンドンにはアーサーという名の兄とヒューという弟がおり、アーサーには婚約者のイーディスがいました。ヘンドンはイーディスに好意を持っており、それはイーディスも同じでした。アーサーは別に好きな人がいたため二人の関係を認めていました。ところが、弟のヒューがヘンドンが横恋慕を画策したかのように父親に吹き込んだため、ヘンドンは3年間の出征を余儀なくされます。そして外国でさらに7年間捕虜になっていたところを脱走してエドワードと出会ったのです。10年前、ヘンドンが家を出る前の年齢構成は、アーサーは22、イーディスは16で、名前と上下関係は逆転するものの、中央の国の年齢構成にほぼ一致します。ヘンドン自身はこのとき20才で他の若い魔法使い(ルチルとクロエ)の年齢に合致します。故郷を追われたというヘンドンの生い立ちも騎士団長の職を解かれてしまい、その地位の奪還にアーサーが奔走しようとしているところに重なります。
「白いしゅすの上着をきて、はなやかによそおっていた。むらさき色のうす絹でできた上着のまえの部分は、ダイヤモンドがちりばめられ、白てんの毛皮のへりかざりがついていた。その上に錦糸織りの白いマントをはおっていた。マントには三枚のはねの紋章がうがたれて、青いしゅすのうら地がついており、真珠や宝石でかざられて、ダイヤモンドのとめ金でとめてあった。トムの首には、ガーター勲章と、いくつかの外国の紋章がかかっていた」
(河田訳pp102-103)
と描写されています。そもそも紫は昔から高貴な身分を象徴する色でした。王子として出てきたトムの服装は、まほやくで双子が身につけたパレードの衣装を思わせます。(デザインは男賢者の衣装の方がより近いように思います)北の魔法使いの霊験あらたかな印象を強めるようです。
また、エドワードに対してヘンドンが必要以上にかしこまらないことからも、エドワードとヘンドンの関係はアーサーとカインを見るようです。
(『この男はおれの友だちだー見どころのある子だと思った。いつかきっと名をあげるようになるだろうといってたんだ。この男を見てくれ。おれのいったとおりだろう?』河田訳,p.156)
ヘンドンにはアーサーという名の兄とヒューという弟がおり、アーサーには婚約者のイーディスがいました。ヘンドンはイーディスに好意を持っており、それはイーディスも同じでした。アーサーは別に好きな人がいたため二人の関係を認めていました。ところが、弟のヒューがヘンドンが横恋慕を画策したかのように父親に吹き込んだため、ヘンドンは3年間の出征を余儀なくされます。そして外国でさらに7年間捕虜になっていたところを脱走してエドワードと出会ったのです。10年前、ヘンドンが家を出る前の年齢構成は、アーサーは22、イーディスは16で、名前と上下関係は逆転するものの、中央の国の年齢構成にほぼ一致します。ヘンドン自身はこのとき20才で他の若い魔法使い(ルチルとクロエ)の年齢に合致します。故郷を追われたというヘンドンの生い立ちも騎士団長の職を解かれてしまい、その地位の奪還にアーサーが奔走しようとしているところに重なります。
67 王子と乞食とまほやくの類似点A
「王子とこじき(上)」では、ゴロツキが次のようにエドワードをからかいます。ゴロツキたちの希望であると同時に現在の王室を皮肉っているのです。
「おやさしい国王さま、どうか慈悲をおかけくださいまし!」
「とうとい陛下さま、こうして哀願しております、あわれなうじ虫どもをふみつけになさらないでくださいまし!」ー
「ひかりかがやく太陽のごとき国王さま、陛下のご栄光でわたくしどもを元気づけ、あたためてくださいまし!」
「陛下のおみ足で地面をふんで、きよめてくださいまし。わたくしどもがその土をなめて、りっぱな人間になれますように!」
「陛下、わたくしどもにつばをはきかけてくださいまし。子孫どもが陛下のごしんせつをかたりぐさにして、いつまでもほこりとしあわせを感じることができますように!」
引用図書
マーク.トウェイン(著).河田智雄(訳).王子とこじき(上)完訳版
偕成社文庫,1979
まほやくの世界でも双子やその弟子のフィガロには未だに北の国をはじめとして庇護を求めてきます。一方で長い歳月の経過でそのありがたみや実像が薄れていくこと、また双子自身も移り気で庇護を受けられたとしても、魔法使いが生きる歳月の中では一時の慰めにしかならないことも描かれます。
エドワードは置かれた環境の変化にとまどい、トムは足りない知識を本や人から補って早々に適応します。この違いはまほやくでも双子の違いを表すようです。当初は見分けが難しいほどに瓜二つに見え、息もそろっている双子ですが、幽霊であるホワイトは、スノウによって魂をつなぎとめられています。そのため、自分の記憶が生前の自身のものなのか、スノウの意図が入ってしまっているのか密かに悩んでいます。
「おやさしい国王さま、どうか慈悲をおかけくださいまし!」
「とうとい陛下さま、こうして哀願しております、あわれなうじ虫どもをふみつけになさらないでくださいまし!」ー
「ひかりかがやく太陽のごとき国王さま、陛下のご栄光でわたくしどもを元気づけ、あたためてくださいまし!」
「陛下のおみ足で地面をふんで、きよめてくださいまし。わたくしどもがその土をなめて、りっぱな人間になれますように!」
「陛下、わたくしどもにつばをはきかけてくださいまし。子孫どもが陛下のごしんせつをかたりぐさにして、いつまでもほこりとしあわせを感じることができますように!」
引用図書
マーク.トウェイン(著).河田智雄(訳).王子とこじき(上)完訳版
偕成社文庫,1979
まほやくの世界でも双子やその弟子のフィガロには未だに北の国をはじめとして庇護を求めてきます。一方で長い歳月の経過でそのありがたみや実像が薄れていくこと、また双子自身も移り気で庇護を受けられたとしても、魔法使いが生きる歳月の中では一時の慰めにしかならないことも描かれます。
エドワードは置かれた環境の変化にとまどい、トムは足りない知識を本や人から補って早々に適応します。この違いはまほやくでも双子の違いを表すようです。当初は見分けが難しいほどに瓜二つに見え、息もそろっている双子ですが、幽霊であるホワイトは、スノウによって魂をつなぎとめられています。そのため、自分の記憶が生前の自身のものなのか、スノウの意図が入ってしまっているのか密かに悩んでいます。
66 削除済
65 王子と乞食 上
エドワードは貴族崩れの男、ヘンドンに助けられます。ヘンドンは彼を弟のように感じ、保護者として守りたいと望みますが、エドワードと向き合って食事をとるにも一計を案じなければなりませんでした。さらに、本物のトムに良くしてくれていたアンドリュー神父を殺したトムの父親にエドワードが誘拐されてしまいます。連れて行かれたのはゴロツキのたまり場で、彼らは事実とはいえ、自らを王と言ってはばからないエドワードと王室を辱めます。一方のトムは着替えや食事ひとつとっても手順と役人が多いことや王室の借金の金額に驚かされます。それでも王のかわりに鞭打たれることで生計を立てているハンフリー少年からの情報もあり、4日目には晩餐会を開いて公衆の前に顔をみせられるほど王室の生活になじんでいきます。トムは自らの判断で死刑にされるはずの三名の事情を聞き、女性達は放免しました。
元々、正反対の立場にいた者の視点から庶民の生活と王侯貴族の生活が描かれることで、それぞれの異様さ(贅沢に慣れすぎて富を持て余している貴族と劣悪な環境下に置かれる庶民)があぶり出されます。それでも各々に備わった機知で二人は乗り越えていきます。
元々、正反対の立場にいた者の視点から庶民の生活と王侯貴族の生活が描かれることで、それぞれの異様さ(贅沢に慣れすぎて富を持て余している貴族と劣悪な環境下に置かれる庶民)があぶり出されます。それでも各々に備わった機知で二人は乗り越えていきます。
64 最近の収穫
63 泣き虫うさぎと帽子のフロル
チレッタ関連のとっておきのイベストをもうひとつ。
父親を亡くして落ち込むミチルのためにルチルは、南の国(雲の街)の花畑に咲くというガラスフラワーとチレッタの三角帽子で励ましたことがありました。その日を記念して準備を進める兄弟のもとに、ミチルから聞いた話を「兄(ルチル)に元気にしてもらう魔法をかけてもらった」と解釈したルチルの教え子がルチルに助けを乞いに来ます。絵を描くのが好きな妹が、学校の先生から有名な画家の絵を見せられて以来、部屋に引きこもってしまったのです。少女の気持ちを解くためにルチルたちはこれまで少女が描いてきた絵に魔法をかけます。すると、絵から動物が逃げ出してきました。
父親を亡くして落ち込むミチルのためにルチルは、南の国(雲の街)の花畑に咲くというガラスフラワーとチレッタの三角帽子で励ましたことがありました。その日を記念して準備を進める兄弟のもとに、ミチルから聞いた話を「兄(ルチル)に元気にしてもらう魔法をかけてもらった」と解釈したルチルの教え子がルチルに助けを乞いに来ます。絵を描くのが好きな妹が、学校の先生から有名な画家の絵を見せられて以来、部屋に引きこもってしまったのです。少女の気持ちを解くためにルチルたちはこれまで少女が描いてきた絵に魔法をかけます。すると、絵から動物が逃げ出してきました。
62 ヤコブの祝福
ヤコブは、ある日、天から地へと降りる階段(梯子)の夢を見ます。天からの使いが上り下りする中、神がヤコブを祝福し、今ヤコブが横たわる土地をヤコブとその子孫に与えると言います。その後、伯父ラバンのもとにたどり着き、娘のラケルと恋に落ちます。そこでヤコブは七年間の労働の後でラケルを娶ることをラバンに約束させました。※伯父が正解。
(以後の話は未成年は閲覧注意)
ところがラバンはヤコブとラケルとの婚礼の後、ヤコブの寝床にラケルの姉のレアを忍ばせます。そこでヤコブはさらに七年働いて姉妹を両方、嫁に迎えます。さらにヤコブは姉妹それぞれの侍女とも関係を持ち、12人も子供を授かります。そして働き手を失いたくないラバンを振り切り、家族と家畜を連れて逃げ出したヤコブは先に家族に川を渡らせて自分は野営をしました。
そこにある者が闘いを挑んできます。互いに組んずほぐれつの決闘は一晩続き、相手が根を上げたところでヤコブは祝福を要求します。すると、相手はヤコブに今後はイスラエルと名乗るように告げます。彼は神だったのです。
その後、ヤコブ改めイスラエルはカナンの地へ戻り、待っていたエサウとようやく仲直りを果たしました。
参考図書
町田俊之(著).名画とあらすじでわかる! 旧約聖書.青春出版社,2013
(以後の話は未成年は閲覧注意)
ところがラバンはヤコブとラケルとの婚礼の後、ヤコブの寝床にラケルの姉のレアを忍ばせます。そこでヤコブはさらに七年働いて姉妹を両方、嫁に迎えます。さらにヤコブは姉妹それぞれの侍女とも関係を持ち、12人も子供を授かります。そして働き手を失いたくないラバンを振り切り、家族と家畜を連れて逃げ出したヤコブは先に家族に川を渡らせて自分は野営をしました。
そこにある者が闘いを挑んできます。互いに組んずほぐれつの決闘は一晩続き、相手が根を上げたところでヤコブは祝福を要求します。すると、相手はヤコブに今後はイスラエルと名乗るように告げます。彼は神だったのです。
その後、ヤコブ改めイスラエルはカナンの地へ戻り、待っていたエサウとようやく仲直りを果たしました。
参考図書
町田俊之(著).名画とあらすじでわかる! 旧約聖書.青春出版社,2013
61 エサウとヤコブの物語@
父親に愛された兄のエサウと母親に愛された弟のイサク。エサウは毛深く、弟は兄のかかとをつかんで生まれたことがその名の由来になった。ある日、空腹のあまりエサウは煮物を作っていたイサクに長子の権利を譲ると言ってしまった。数年後、父親のイサクが天に召されそうになったとき、長子としての祝福(財産や地位)を授けようと、狩りをして料理をしてくれるよう頼んだ。エサウが外に出た隙に母親のリベカはヤコブにエサウの服と毛皮を着せてエサウの振りをさせた。イサクは目を悪くしており、見分けがつかなかった。そのため、エサウに引き継がれるはずだった長子としての権利はイサクに渡った。これをきっかけに兄弟は長年、袂を分かつことになった。リベカはほとぼりがさめるまでヤコブを叔父のラバンに預けることにした。
60 スキンティッラの祝福
(以下ネタバレ)
無事、闘いぬいたミチルにはもうひとつやることがありました。それはミスラとともに祝いの火花を降らすこと。そもそもチレッタが村長の魔法使いとの闘いに勝利し、筋肉隆々の姿から元に戻った村長が寝てしまった後、盛大に火花を降らせたことから、村の伝統は始まっていたのでした。この格闘と祝福の関係を示すエピソードが旧約聖書にあります。それがエサウとヤコブの物語です。
無事、闘いぬいたミチルにはもうひとつやることがありました。それはミスラとともに祝いの火花を降らすこと。そもそもチレッタが村長の魔法使いとの闘いに勝利し、筋肉隆々の姿から元に戻った村長が寝てしまった後、盛大に火花を降らせたことから、村の伝統は始まっていたのでした。この格闘と祝福の関係を示すエピソードが旧約聖書にあります。それがエサウとヤコブの物語です。
59 ヘラクレスの最期
ヘラクレスはケルベロスを捕らえに冥界に降りたおりに、メレアグロスの亡霊と出会って、地上に戻った暁には妹のデアネイラと結婚する約束をします。ヘラクレスは12の試練を終えて約束通り、デイアネイラを妻にします。故郷に向かうとケンタウロスのネッソスが渡し守をする川にさしかかります。ヘラクレスはネッソスの元に妻を残して川を渡ります。ところがネッソスがデイアネイラに欲情したため射殺してしまいます。デイアネイラはネッソスの言葉を信じてヘラクレスの心がよその女性にうつったときのためにその血をとっておきます。あるとき、ヘラクレスはオイカリアの王女を捕虜にしました。デイアネイラはヘラクレスの儀式(ゼウスの祭壇を作り生け贄を捧げる)のために用意させた服にネッソスの血を塗り込めます。ヘラクレスがそれを着るとたちまち肌を焼きこがしました。妻の元にその身が連れてこられると、デイアネイラは首をくくります。ヘラクレスはオイタ山上で自分を火葬するように言い、通りかかったプロクテテスが火をつけます。火葬壇に火が燃えあがると暗雲が覆い、稲妻が走り、ゼウスがヘラクレスを天上に召し上げました。
参考図書
中務哲郎,中村善也(著).ギリシア神話.岩波ジュニア新書,1981
参考図書
中務哲郎,中村善也(著).ギリシア神話.岩波ジュニア新書,1981
58 ヘラクレスと12の試練A(抜粋)
ーヘラクレスの家畜小屋掃除
3000頭を飼育しながら30年掃除されなかった家畜小屋には肥だめが広がり、ひどい悪臭がした。小屋の周りにある牧場も糞尿で覆われていたのでなにも栽培できなかった。ヘラクレスは川の水の流れを変えて家畜小屋の壁に穴をあけて家畜小屋と牧場に流し込み、一気に掃除した。ところが家畜小屋の主であるアウゲイアスはヘラクレスに約束した報酬(家畜の10分の1)を与えることを拒んだ。またエウリュステウスも川の力を借りたことで試練の達成とは認めなかった。
ーヘラクレスとケルベロス
「アテナとヘルメスの案内で、ヘラクレスは闇の王国タルタロスにおりた。冥界の川の渡し守であるカロンは、ヘラクレスの異様な姿に震えあがり、なにもいわずに彼を船に乗せた。タルタロスで、ヘラクレスは「忘却の椅子」に座ったテセウスとペイリトオスを発見した。彼らはハデスの妻ペルセポネを連れ去ろうとして以来、ここに縛りつけられていたのである。ヘラクレスはふたりを助けだしたが、地上に戻ることができたのはテセウスだけだった。冥界の王ハデスと面会したヘラクレスは、ケルベロスを連れていきたいと頼んだ。(略)ヘラクレスは3つの頭をもつ怪物ケルベロスと素手で戦った。ケルベロスは全力で抵抗し、鋼のような尾でヘラクレスを打ったが、ネメアのライオンの硬い毛皮で守られたヘラクレスは少しも痛みを感じず、ケルベロスを捕まえることに成功する。ヘラクレスはケルベロスをエウリュステウスの前に連れていったが、エウリュステウスは恐怖におののき、すぐにハデスのところへ返してくるように命じたという」
(マルグリット,遠藤,p.138)
3000頭を飼育しながら30年掃除されなかった家畜小屋には肥だめが広がり、ひどい悪臭がした。小屋の周りにある牧場も糞尿で覆われていたのでなにも栽培できなかった。ヘラクレスは川の水の流れを変えて家畜小屋の壁に穴をあけて家畜小屋と牧場に流し込み、一気に掃除した。ところが家畜小屋の主であるアウゲイアスはヘラクレスに約束した報酬(家畜の10分の1)を与えることを拒んだ。またエウリュステウスも川の力を借りたことで試練の達成とは認めなかった。
ーヘラクレスとケルベロス
「アテナとヘルメスの案内で、ヘラクレスは闇の王国タルタロスにおりた。冥界の川の渡し守であるカロンは、ヘラクレスの異様な姿に震えあがり、なにもいわずに彼を船に乗せた。タルタロスで、ヘラクレスは「忘却の椅子」に座ったテセウスとペイリトオスを発見した。彼らはハデスの妻ペルセポネを連れ去ろうとして以来、ここに縛りつけられていたのである。ヘラクレスはふたりを助けだしたが、地上に戻ることができたのはテセウスだけだった。冥界の王ハデスと面会したヘラクレスは、ケルベロスを連れていきたいと頼んだ。(略)ヘラクレスは3つの頭をもつ怪物ケルベロスと素手で戦った。ケルベロスは全力で抵抗し、鋼のような尾でヘラクレスを打ったが、ネメアのライオンの硬い毛皮で守られたヘラクレスは少しも痛みを感じず、ケルベロスを捕まえることに成功する。ヘラクレスはケルベロスをエウリュステウスの前に連れていったが、エウリュステウスは恐怖におののき、すぐにハデスのところへ返してくるように命じたという」
(マルグリット,遠藤,p.138)
57 ヘラクレスと12の試練@(抜粋)
ーヘラクレスの獅子退治
既に獅子の口には犠牲になった住人たちの血がついていた。ヘラクレスは弓矢、剣、こん棒のいずれも獅子の前には無力であることを知った。そこで直接対決するため、まず洞窟の入り口を封じ、もう一方から入って獅子と向き合うとその胴を抱えて絞め殺した。ヘラクレスは獅子をエウリュステウスに見せたが処分するように言われたので、その皮は鎧にした。
ーヘラクレスのヒュドラ退治
ヒュドラは犬の体に多くの蛇の頭を持ち毒の息を吐く。ヘラクレスは甥のイオラオスを連れて退治に向かった。ヒュドラの頭を切り倒しても次の頭が生えてくる。そこでヘラクレスはイオラオスに火をつけさせてヒュドラの頭をひとつひとつ燃やしていくことにした。最後の頭は岩を投げて、その下に閉じ込めた。エウリュステウスはイオラオスの手を借りたとして試練を達成したとは認めなかった。
因みにヒュドラを差し向けたのはヘラでした。一匹の蟹がヘラクレスに立ち向かい、足を挟みますが、無残にも棍棒で粉々にされてしまいます。ヘラはその労に報いて蟹座が出来たと言われています。
参考図書
マルグリット.フォンタ(著),遠藤ゆかり(訳)
100の傑作で読むギリシア神話の世界 名画と彫刻でたどる.創元社,2018
沼澤茂美,脇屋奈々代.12星座とギリシャ神話の絵本.あすなろ書房,2016
既に獅子の口には犠牲になった住人たちの血がついていた。ヘラクレスは弓矢、剣、こん棒のいずれも獅子の前には無力であることを知った。そこで直接対決するため、まず洞窟の入り口を封じ、もう一方から入って獅子と向き合うとその胴を抱えて絞め殺した。ヘラクレスは獅子をエウリュステウスに見せたが処分するように言われたので、その皮は鎧にした。
ーヘラクレスのヒュドラ退治
ヒュドラは犬の体に多くの蛇の頭を持ち毒の息を吐く。ヘラクレスは甥のイオラオスを連れて退治に向かった。ヒュドラの頭を切り倒しても次の頭が生えてくる。そこでヘラクレスはイオラオスに火をつけさせてヒュドラの頭をひとつひとつ燃やしていくことにした。最後の頭は岩を投げて、その下に閉じ込めた。エウリュステウスはイオラオスの手を借りたとして試練を達成したとは認めなかった。
因みにヒュドラを差し向けたのはヘラでした。一匹の蟹がヘラクレスに立ち向かい、足を挟みますが、無残にも棍棒で粉々にされてしまいます。ヘラはその労に報いて蟹座が出来たと言われています。
参考図書
マルグリット.フォンタ(著),遠藤ゆかり(訳)
100の傑作で読むギリシア神話の世界 名画と彫刻でたどる.創元社,2018
沼澤茂美,脇屋奈々代.12星座とギリシャ神話の絵本.あすなろ書房,2016
56 英雄ヘラクレス
魔法使いの力比べの元ネタのひとつは、12の試練で有名な英雄、ヘラクレスだと思われます。
ゼウスは太陽神ヘリオスの歩みを遅らせて夜の時間を三倍にしてアルクメネ
の婚約者であるアムピトリュオンに化けてアルクメネを妊娠させます。ゼウスの妻、ヘラはこれに嫉妬してアルクメネの妊娠を遅らせ、イピクレスと双子でヘラクレスが産まれます。ヘラクレスの誕生を待たずにヘラはエウリュステスを世に出させます。
ヘラクレスが18歳の時、キタイロン山の獅子を退治します。その後、テーバイの王クレオンを助けた功を認められて、王女メガラを妻にします。ところがヘラクレスは狂気の果てにわが子を火中に投じて殺してしまいます。罪を浄化しデルポイの神託を受けて、ヘラクレスはアルゴリスの支配者であるエウリュステスに服従し、12の試練に挑むことになります。その試練とは、
@ネメアの不死身の獅子の皮を取ってくる
Aレルネ沼の九の首を持つ水蛇(ヒュドラ)を殺す
Bアルテミスの聖なる鹿を生け捕る
Cエリュマントス山の猪を捕らえる
D3000頭を飼育しながら30年掃除されていない、エリス王アウゲイアスの家畜小屋を一日で綺麗にする
Eアルカディアのステユムパロス湖畔の鳥の群れ退治
Fクレタ島の狂い牛を生け捕る
Gトラキアのディオメネス王の人食い馬を捕らえる
Hアマゾン族の女王の帯を取ってくる
I西果てからゲリュオネウスの牛を連れて帰る
J日没の国で娘達が守っている黄金のリンゴを手に入れる
K冥界の番犬、ケルベロスを地上に連れ出す
です。
ゼウスは太陽神ヘリオスの歩みを遅らせて夜の時間を三倍にしてアルクメネ
の婚約者であるアムピトリュオンに化けてアルクメネを妊娠させます。ゼウスの妻、ヘラはこれに嫉妬してアルクメネの妊娠を遅らせ、イピクレスと双子でヘラクレスが産まれます。ヘラクレスの誕生を待たずにヘラはエウリュステスを世に出させます。
ヘラクレスが18歳の時、キタイロン山の獅子を退治します。その後、テーバイの王クレオンを助けた功を認められて、王女メガラを妻にします。ところがヘラクレスは狂気の果てにわが子を火中に投じて殺してしまいます。罪を浄化しデルポイの神託を受けて、ヘラクレスはアルゴリスの支配者であるエウリュステスに服従し、12の試練に挑むことになります。その試練とは、
@ネメアの不死身の獅子の皮を取ってくる
Aレルネ沼の九の首を持つ水蛇(ヒュドラ)を殺す
Bアルテミスの聖なる鹿を生け捕る
Cエリュマントス山の猪を捕らえる
D3000頭を飼育しながら30年掃除されていない、エリス王アウゲイアスの家畜小屋を一日で綺麗にする
Eアルカディアのステユムパロス湖畔の鳥の群れ退治
Fクレタ島の狂い牛を生け捕る
Gトラキアのディオメネス王の人食い馬を捕らえる
Hアマゾン族の女王の帯を取ってくる
I西果てからゲリュオネウスの牛を連れて帰る
J日没の国で娘達が守っている黄金のリンゴを手に入れる
K冥界の番犬、ケルベロスを地上に連れ出す
です。
55 母の日@
まほやくのなかで存在感を示す母親といえばチレッタ。5月17日の13時まで「火花の祝福と誉れのソナチネ」が開催されました。
チレッタがまだ北の魔女だった頃、弟子のミスラを伴って南の国のとある村を訪ねます。その村の長老に勝ったことで、以来、力自慢を競う祭りが行われてきました。ところが今や年配者ばかりが祭りに関心をもつようになっていました。祭りを盛り上げるため、ミチルはチレッタの息子として魔法使いの長老と勝負することになります。かつてチレッタの教えを受けた者としてミスラがミチルの指南役を買って出ました。(フィガロを中心に南の魔法使いたちは魔法使いの家にて行われる交流会の準備に追われていました。予言のことを気にしながらも、フィガロはミチルがチレッタの呪文を使うことは許可しますが、魔力の消費が大きいため心配はしていました。一方のミチルはこっそりと魔法舎の外でも呪文を使う練習をしていました。勝負に向けた修行を通してミチルのなかで、一部から問われていた「強さとは何か?どのように魔法を使いたいのか?」が少しずつ固まってきた様子。
チレッタがまだ北の魔女だった頃、弟子のミスラを伴って南の国のとある村を訪ねます。その村の長老に勝ったことで、以来、力自慢を競う祭りが行われてきました。ところが今や年配者ばかりが祭りに関心をもつようになっていました。祭りを盛り上げるため、ミチルはチレッタの息子として魔法使いの長老と勝負することになります。かつてチレッタの教えを受けた者としてミスラがミチルの指南役を買って出ました。(フィガロを中心に南の魔法使いたちは魔法使いの家にて行われる交流会の準備に追われていました。予言のことを気にしながらも、フィガロはミチルがチレッタの呪文を使うことは許可しますが、魔力の消費が大きいため心配はしていました。一方のミチルはこっそりと魔法舎の外でも呪文を使う練習をしていました。勝負に向けた修行を通してミチルのなかで、一部から問われていた「強さとは何か?どのように魔法を使いたいのか?」が少しずつ固まってきた様子。
53 ワルプルギスの夜に
51 4周年の強い絆
48 記憶の汀に踊る綺羅星C
レイラはフランのことを本当に忘れているのでしょうか?クロエは彼女が毎年、祭りの日に川辺に来ていることに望みをかけます。自分たちがショーをしている間に街の人の目を川辺からそらして、レイラとフランが会う機会を作るというミチルの提案を受けて、魔法使いたちは祭りに参加することに。クロエは魔法使いたちと賢者とフランのための衣装を用意します。そこにミスラが彼なりの方法で励まします。ミスラもメインストーリー一部の時点ではチレッタとの約束を忘れていました。それでも彼女のことを忘れたことはありませんでした。一方、母親のあとに父親も亡くしたルチルは会えなくなってもミスラの存在を心のよりどころにしていました。いよいよ祭りの本番がやってきます。
47 記憶の汀に踊る綺羅星B
ネタバレあり
フランはシロワタボウシを探してこの島にたどり着きますが、レイラときちんとしたお別れができなかったため、会いに行くことをためらって月日が経っていました。賢者の魔法使いたちと出会ったのを契機に、星見の街へ行くことを決意します。折しも、街では祭りを控えていました。魔法使いたちは一度二手に別れます。ミスラ、ミチルとともにフランたちと別行動をとっていたブラッドリーは、かつて訪れた店を探してはぐれてしまったラスティカが戻ったとき、その店がなくなっていたことを聞いて、あることに思い至ります。一方のフランはレイラの家を見つけますが、そこから出てきたのは年を重ねて老女の姿になったレイラでした。そしてレイラは物忘れがひどくなっていたのです。他の三人と合流して島に戻ってくると、悲しむフランの姿を見ると、クロエは、魔法舎に来る前のこと、特に幼い頃に見た流星群のことを忘れてしまっているラスティカをレイラと重ねてしまいます。ラスティカは過去を忘れている分、新しい思い出を積み重ねればいいとフランを励ましますが、その言葉はそのままクロエの心に突き刺さるのでした。
フランはシロワタボウシを探してこの島にたどり着きますが、レイラときちんとしたお別れができなかったため、会いに行くことをためらって月日が経っていました。賢者の魔法使いたちと出会ったのを契機に、星見の街へ行くことを決意します。折しも、街では祭りを控えていました。魔法使いたちは一度二手に別れます。ミスラ、ミチルとともにフランたちと別行動をとっていたブラッドリーは、かつて訪れた店を探してはぐれてしまったラスティカが戻ったとき、その店がなくなっていたことを聞いて、あることに思い至ります。一方のフランはレイラの家を見つけますが、そこから出てきたのは年を重ねて老女の姿になったレイラでした。そしてレイラは物忘れがひどくなっていたのです。他の三人と合流して島に戻ってくると、悲しむフランの姿を見ると、クロエは、魔法舎に来る前のこと、特に幼い頃に見た流星群のことを忘れてしまっているラスティカをレイラと重ねてしまいます。ラスティカは過去を忘れている分、新しい思い出を積み重ねればいいとフランを励ましますが、その言葉はそのままクロエの心に突き刺さるのでした。
46 記憶の汀に踊る綺羅星A
若者の名前はフランといい、魔法使いたちを家に招きます。フランはレイラという子を喜ばせようとシロワタボウシを養っていました。西の国の貧民街育ちのフランは、ある日、足を引きずりながら川辺で花火を見ていたレイラに出会います。レイラは偏見なしにフランに接しました。クロエはフランとレイラに自分とラスティカを重ねます。フランとレイラが会えるのは年に一度、お祭りの日だけでした。川の向こうの富裕層が住む地区はフランにとっては別世界だったのです。フランはレイラから寄り集まると金色に光るシロワタボウシを見たいという願いを聞きます。急速に科学技術が発展する西の国では、星空を見ることが難しくなっていました。
45 記憶の汀に踊る綺羅星@
賢者、ラスティカ、クロエは、西の国で、川を隔てて敵同士の関係にある家に生まれた恋人どうしの物語を観劇します。その帰り道、怪我をした白い奇妙な生き物が飛んできました。ラスティカが治癒魔法を施しますが、まだ元気がなく、三人は魔法舎に連れ帰ります。ナッツや蜂蜜を用意すると、カインのアドバイスでミチルが栄養薬を含ませます。その後、シャイロックのバーで三人はムルから生き物の名前がシロワタボウシであることを聞かされます。バーにはブラッドリーとミスラもいました。シロワタボウシはミスラの赤い頭の上が気に入ったようでした。ブラッドリーにはシロワタボウシに見覚えがありました。ムルが広げた地図からシロワタボウシがどこから来たかを割り出し、クロエたちはシロワタボウシを故郷に帰すことにします。ミチルが同行を志願すると、ミチルが死んでしまって約束が守れず魔力を失うのを危惧してミスラもついていくことにします。(実はブラッドリーとミスラがついてきたのは体よく北の任務をサボる口実づくりのためでした)島につくと、ブラッドリーは島に住む唯一の魔法使いの気配を嗅ぎ取ります。すると向こうからミスラと同じような髪色をした若者がやって来ました。
44 黒猫と魔法使いのワルツ
43 黒猫と魔法使いのワルツB
ところが、いざ魔法使いたちが招きに応じて見ると目の前にあったのはガラスの棺でした。棺のまわりを12枚のシーツが囲み、骸骨になった騎士たちが気遣います。自分たちが行っていたのは末娘の葬式の儀式なのではないかと他の魔法使いたちが悟るなかで、オーエンはミスラが約束した“報酬”に手をのばします。それは紫のリンゴでした。(この辺りはまほやく版の白雪姫といったところ)するとシャンデリアが揺れ、天井を覆っていたガラスが割れてオレンジ色が露わになりました。衝撃に驚いたのか、庭で見かけたコウモリが出てきました。ファウストがコウモリをガラス破片を集めてできた紫の三角帽子に入れると、コウモリは黒猫になりました。これで、ミスラが文字が擦れて読めなかった箇所の謎も解けました。
42 黒猫と魔法使いのワルツA
まず、ミスラが墓から掘り起こした12体の中央の騎士たちの骸骨と白いシーツ姿の幽霊になった12人の娘、それと死人の振りをすることになってしまった賢者が館の庭でダンスを踊ります。賢者の前には魔法の気配を宿したコウモリが現れ、末娘の気配だけを感じることができました。次に、アーサー(銀髪)とヒース(金髪)は「ダック.アップル」をする羽目になり、ミスラは彼らの首をつかむと無理矢理、リンゴの入った桶に突っ込みました。それぞれに銀と金のリンゴを口に咥えて二人が顔を出すと、魔法使いたちの衣装が変わっていました。次にラスティカ(音楽家)が銀のリンゴを囓って音を教え、ネロ(料理人)は金のリンゴに魔法で砂糖のコーティングを施してキャンディアップルを作りました。すると、ホワイト(亡霊)が目の前に現れた鐘を鳴らして舞踏会の始まりを告げました。
41 黒猫と魔法使いのワルツ@
初期の頃のミスラの気まぐれをあらわすイベストが、「黒猫と魔法使いのワルツ」です。ある日、東の国の依頼に同行した賢者のもとにミスラがやって来ます。ミスラは厄災の傷で眠れなくなっており、賢者の手を握ることで希に眠れていました。結局、その日は双子とオズによってミスラは連れ戻されてしまいます。子供たちの誘拐事件が無事解決し、東の魔法使いと魔法舎へ戻ってきた賢者はミスラに謝ろうと部屋を訪れます。
部屋には骸骨の山がありました。
ミスラは自分が眠れる方法を見つけたといい、銀髪と金髪の青年、音楽家、料理人、亡霊、紫の帽子、オレンジの瞳という謎の言葉を口にしながら、アーサーとヒース、ラスティカ、ネロ、ホワイト、ファウスト、オーエンを次々と呼び出します。ミスラの願いを叶えるため、その気まぐれに付き合わされる形で一同が向かった先は、「紫の帽子とオレンジの夜と黒猫の館」という名の古い洋館でした。その館には昔、舞踏会で踊ることを夢見る姉妹が13人、住んでいました。彼女たちはあまりに恥ずかしがり屋のため、その存在を気づかれずに夢を叶えることなくひっそりと亡くなっていました。なかでも末の娘は魔女で姉妹のなかでも特に恥ずかしがり屋でした。館で舞踏会を開き、その13人目の魔女を見つけて彼女を満足させることができれば、褒美として、二度と覚めないくらいの眠気を与えるという「キャンディ.アップル」を得られるのです。
部屋には骸骨の山がありました。
ミスラは自分が眠れる方法を見つけたといい、銀髪と金髪の青年、音楽家、料理人、亡霊、紫の帽子、オレンジの瞳という謎の言葉を口にしながら、アーサーとヒース、ラスティカ、ネロ、ホワイト、ファウスト、オーエンを次々と呼び出します。ミスラの願いを叶えるため、その気まぐれに付き合わされる形で一同が向かった先は、「紫の帽子とオレンジの夜と黒猫の館」という名の古い洋館でした。その館には昔、舞踏会で踊ることを夢見る姉妹が13人、住んでいました。彼女たちはあまりに恥ずかしがり屋のため、その存在を気づかれずに夢を叶えることなくひっそりと亡くなっていました。なかでも末の娘は魔女で姉妹のなかでも特に恥ずかしがり屋でした。館で舞踏会を開き、その13人目の魔女を見つけて彼女を満足させることができれば、褒美として、二度と覚めないくらいの眠気を与えるという「キャンディ.アップル」を得られるのです。
40 ミスラ祝誕
2月8日はミスラの誕生日。当初はつかみどころがなく、唯一、時と場所を選ばずに最強の魔法使いの座を巡ってオズに対抗意識を燃やしていたのが最近ではオズが万全の状態ではないときに無理にその座を奪うことには抵抗がある模様。むしろ他の面でかつてのオズに近づいているのではと思わせる面があります。
もしかすると、扉越しに空間と空間をつなげて魔法使いと賢者を移動させる能力を切り札としてあてにされることも影響しているのかもしれません。
話をよく聞かずに2部で西の国のいい加減な場所(劇場の廃墟)に仲間を飛ばしてしまうのもご愛敬?1部でもノーヴァの正体を聞かなかったり、祝祭でも作戦をばらしそうになったり肝心なところで辛抱がきかなかったり。
子育て期間を終えてもアーサーに甘いオズに対してミスラの子育ては、自分も子供っぽさを残しながら赤ちゃんに一喜一憂する新米お母さんのよう。
ルチルとの関係でいうと、チレッタとの約束を受けて、ミスラの方が気に掛けているように見せてルチルの方がぐいぐい引っ張っていくところも。
(ミチルにはすぐに気持ち悪がられるお守りを壊されるまでずっと大事に持っていたルチル。彼の目にはミスラのあらゆる面がキュートに映る模様)
1部の時点では、自らが強ければ群れる必要はなく、人に嫌われても構わないと単独行動に走りがちだったのが、約束を思い出すところから変化が始まり、「チレッタにとって自分の優先順位が家族よりも低かった」ことを微妙に引きずり、どこでも首を突っ込みそうな南の兄弟を強引に守ろうと?(冷凍保存したり、手の届く距離に縛り付けたりすればトラブルが起きても巻き込まれることはないという発想)していたのが、賢者との関係(=ミスラの寝かしつけ)を間に挟んでより人間らしい面を見せるようになります。
2部でシノに助けを求められたときには迷わずに応援に向かう一方、「自分たちのように強い石を食べれば強くなる」という発想で兄弟にマナ石を与えようとしたものの、ルチルに拒否されたり、ミチルが石の力に取り込まれそうになり動揺する姿も描かれます。
もしかすると、扉越しに空間と空間をつなげて魔法使いと賢者を移動させる能力を切り札としてあてにされることも影響しているのかもしれません。
話をよく聞かずに2部で西の国のいい加減な場所(劇場の廃墟)に仲間を飛ばしてしまうのもご愛敬?1部でもノーヴァの正体を聞かなかったり、祝祭でも作戦をばらしそうになったり肝心なところで辛抱がきかなかったり。
子育て期間を終えてもアーサーに甘いオズに対してミスラの子育ては、自分も子供っぽさを残しながら赤ちゃんに一喜一憂する新米お母さんのよう。
ルチルとの関係でいうと、チレッタとの約束を受けて、ミスラの方が気に掛けているように見せてルチルの方がぐいぐい引っ張っていくところも。
(ミチルにはすぐに気持ち悪がられるお守りを壊されるまでずっと大事に持っていたルチル。彼の目にはミスラのあらゆる面がキュートに映る模様)
1部の時点では、自らが強ければ群れる必要はなく、人に嫌われても構わないと単独行動に走りがちだったのが、約束を思い出すところから変化が始まり、「チレッタにとって自分の優先順位が家族よりも低かった」ことを微妙に引きずり、どこでも首を突っ込みそうな南の兄弟を強引に守ろうと?(冷凍保存したり、手の届く距離に縛り付けたりすればトラブルが起きても巻き込まれることはないという発想)していたのが、賢者との関係(=ミスラの寝かしつけ)を間に挟んでより人間らしい面を見せるようになります。
2部でシノに助けを求められたときには迷わずに応援に向かう一方、「自分たちのように強い石を食べれば強くなる」という発想で兄弟にマナ石を与えようとしたものの、ルチルに拒否されたり、ミチルが石の力に取り込まれそうになり動揺する姿も描かれます。
39 終わらぬ夜へ戯れの愛寵をB
シューリスは双子の見た目を真似て、黒髪に金色の目の少年の姿をしていました。魅了の力が強く、賢者は川へ引き寄せられますが、ブラッドリーに叩かれて我に返ります。やがて里の入り口側につがいとなる雌のシューリスが
現れました。狐のような見た目をしていて歩くたびに金の鱗を落とします。
晴れ間を縫うように雨が降ってきました。
二匹が婚礼を終えると泉の底から壺がでてきました。それは昔、スノウが宴
に参加したときにうっかり落としてしまった、写しの壺でした。壺には思い出の景色をひとつ閉じ込めておくことができました。同じものがもうひとつあり、かつてスノウはホワイトのために氷の街の情景を閉じ込めようとしてホワイトに怒られたことがありました。ホワイトは見つかった壺にスノウが気に入った、この里の景色を閉じ込めることを提案しますが、スノウは二人で思い出を共有することを優先します。
一方、シューリスは婚礼を終えるとその生涯を閉じます。かわりにまた別々の場所で後につがいとなる二体が生まれ、夜もすがらの里が守護を受けることはなくなり水源もやがては尽きてしまいます。それでも双子は里を守り続けることを拒みました。というより双子はとうの昔に里を引きあげたつもりでおり、実質、里を維持してきたのは人間自身の生きる力だったのです。
またシューリスは雪の上に置き土産となる金色の軌跡を残していました。カインは里の人々の暮らしが続けられるように、神酒の歓楽街で酒場を経営しているシャイロックの力を借りて里の噂を国境を越えて西の国に広めることにしました。
現れました。狐のような見た目をしていて歩くたびに金の鱗を落とします。
晴れ間を縫うように雨が降ってきました。
二匹が婚礼を終えると泉の底から壺がでてきました。それは昔、スノウが宴
に参加したときにうっかり落としてしまった、写しの壺でした。壺には思い出の景色をひとつ閉じ込めておくことができました。同じものがもうひとつあり、かつてスノウはホワイトのために氷の街の情景を閉じ込めようとしてホワイトに怒られたことがありました。ホワイトは見つかった壺にスノウが気に入った、この里の景色を閉じ込めることを提案しますが、スノウは二人で思い出を共有することを優先します。
一方、シューリスは婚礼を終えるとその生涯を閉じます。かわりにまた別々の場所で後につがいとなる二体が生まれ、夜もすがらの里が守護を受けることはなくなり水源もやがては尽きてしまいます。それでも双子は里を守り続けることを拒みました。というより双子はとうの昔に里を引きあげたつもりでおり、実質、里を維持してきたのは人間自身の生きる力だったのです。
またシューリスは雪の上に置き土産となる金色の軌跡を残していました。カインは里の人々の暮らしが続けられるように、神酒の歓楽街で酒場を経営しているシャイロックの力を借りて里の噂を国境を越えて西の国に広めることにしました。
38 終わらぬ夜へ戯れの愛寵をA
里に着くと、空間の扉でブラッドリー、オーエン、ミスラが現れました。三人は双子の屋敷の倉庫を整理する名目でお宝を物色するつもりだったようです。里の人たちは魔法使いたちを寒さが厳しく、手に入る物が限られるなか、自分たちにできる精一杯の方法で丁重にもてなします。賢者は恐縮してしまいますが、同行した魔法使いのなかで最年少のカインは里の人たちとも気さくに接し、子どもたちとも打ち解けていました。
(里の伝承では泉を浄化した後、魔法生物を双子が退治したことになっていました。そして里を守り続けるためのささやかな祭りが催されてきました。双子が里まで足を伸ばすとなれば尚のことです。彼らをもてなさなければ寒波と食糧難が襲うと信じられていたほどでした)
一方、水辺に現れるというシューリスは、「美系の若者」の形をとって里におりてきていました。
(里の伝承では泉を浄化した後、魔法生物を双子が退治したことになっていました。そして里を守り続けるためのささやかな祭りが催されてきました。双子が里まで足を伸ばすとなれば尚のことです。彼らをもてなさなければ寒波と食糧難が襲うと信じられていたほどでした)
一方、水辺に現れるというシューリスは、「美系の若者」の形をとって里におりてきていました。
37 石井聡美 足湯につかりたい
「終わらぬ夜へ戯れの愛寵を」ストーリー@
西の国と北の国の境にある辺境の地に「夜もすがらの里」という場所がありました。そこにはかつてスノウとホワイトが浄化した泉があり、庇護を求めた人々が集落をつくっていました。泉の水には賢者の世界でいう温泉の効能がありました。というのも、泉にはそれがいる限りは水が枯れないとされるシューリスという魔物がいたのです。シューリスが一生に一度つがいを見つけると、その守護も終わるとされていましたが、「夜もすがらの里」のシューリスには異性に対する魅了の力が弱く、人々は長い間恩恵を受けていたのです。五カ国和平会議後のヴィンセントの二回目の視察(幼児化した魔法使いたちが出迎える)後、スノウとホワイトはオズやフィガロたちと久々に里を訪れることにします。実は、「夜もすがらの里」こそが昔、スノウが移住を望み、(スノウを)止めようとしたホワイトが命を落とすきっかけになった場所でした。
西の国と北の国の境にある辺境の地に「夜もすがらの里」という場所がありました。そこにはかつてスノウとホワイトが浄化した泉があり、庇護を求めた人々が集落をつくっていました。泉の水には賢者の世界でいう温泉の効能がありました。というのも、泉にはそれがいる限りは水が枯れないとされるシューリスという魔物がいたのです。シューリスが一生に一度つがいを見つけると、その守護も終わるとされていましたが、「夜もすがらの里」のシューリスには異性に対する魅了の力が弱く、人々は長い間恩恵を受けていたのです。五カ国和平会議後のヴィンセントの二回目の視察(幼児化した魔法使いたちが出迎える)後、スノウとホワイトはオズやフィガロたちと久々に里を訪れることにします。実は、「夜もすがらの里」こそが昔、スノウが移住を望み、(スノウを)止めようとしたホワイトが命を落とすきっかけになった場所でした。
36 白雪と赤薔薇C
夕方、帰り道に双子は例の小男が同じ場所にいるのを目撃しました。小男は地面に膝をついて周りに広げた宝石をながめていました。宝石はそれまで双子が見たことがないくらい燃えるように輝いていました。そこで双子も目を留めずにはいられなかったのです。小男の顔も見られた怒りで真っ赤になりましたが、その時、森の中から熊が現れました。小男の顔は恐怖でいっぱいになり体はすくみ上がりました。小男は熊に命乞いを始め、あろうことか自分の代わりに双子をさしだそうとしたのです。小男は熊が前足を一振りしただけで地面に息絶えました。すると熊は毛皮が取れて金の衣を身に纏った若く美しい男性に変わりました。彼は王子だったのです。小男は王子の宝を奪い、彼を呪いで熊に変えてしまったのでした。そして王子は熊として森を彷徨い、小男を殺して呪いを解く機会をうかがっていたのです。3人は一緒に母親の待つ家へと戻りました。その後、何年かして白雪は王子と赤薔薇は王子の兄弟と結婚しました。彼女たちは小男が長年隠していた宝物を分け合いました。彼らは大きな城で幸せに暮らし、双子は母親を呼び寄せました。窓の下の庭には、小屋から持ってきた白薔薇と赤薔薇の木が植えられました。それらは毎年夏になると美しい花を咲かせたということです。
35 白雪と赤薔薇B
ある日、母親は双子に森で薪を取ってくるように言い渡します。森には1本大きな丸太が横たわっていました。そして白く長い髭が丸太の幹に出来た隙間に挟まってしまった小男に出会います。(小男は斧を丸太に振り下ろして割れ目を作ったのですが、あろうことかそこに挟まってしまったのです)
小男に声を掛けられた双子は髭を引っ張ろうとしますが、固く抜けません。そこで白雪が小男の髭を鋏で切って小男を丸太から救出しました。ところが小男はお礼を言うどころか髭が短くなったことに文句を言って、木の側にあった袋をとると去っていきます。
また別の日、同じ小男が釣りをしていました。小男は小川の魚に水中に連れ込まれようとしていました。小男の髭に釣り竿の糸が絡まってしまっていました。またしても白雪は鋏で髭の半分以上を切りました。小男は「靴底がなくなるくらい走ってろ!」と吐き捨てて茂みに隠しておいた真珠の袋を持って消えてしまいました。
さらに別の日、母親は針と糸を買ってくるように双子を町へ送り出しました。途中に岩がごろごろしているような道で鷲が宙をうろうろしたかと思うと例の小男を引っ張り上げて飛び去ろうとしているところを見ました。そこで双子は小男の赤い衣をつかんでなんとか阻止しました。例によって小男は自分の衣が鷲に持ち去られるのを気にしていました。小男は貴重な石が入った袋を持って去っていきました。双子はもう粗野な態度には慣れっこだったので町へ行って言いつけ通り針と糸を買いました。
小男に声を掛けられた双子は髭を引っ張ろうとしますが、固く抜けません。そこで白雪が小男の髭を鋏で切って小男を丸太から救出しました。ところが小男はお礼を言うどころか髭が短くなったことに文句を言って、木の側にあった袋をとると去っていきます。
また別の日、同じ小男が釣りをしていました。小男は小川の魚に水中に連れ込まれようとしていました。小男の髭に釣り竿の糸が絡まってしまっていました。またしても白雪は鋏で髭の半分以上を切りました。小男は「靴底がなくなるくらい走ってろ!」と吐き捨てて茂みに隠しておいた真珠の袋を持って消えてしまいました。
さらに別の日、母親は針と糸を買ってくるように双子を町へ送り出しました。途中に岩がごろごろしているような道で鷲が宙をうろうろしたかと思うと例の小男を引っ張り上げて飛び去ろうとしているところを見ました。そこで双子は小男の赤い衣をつかんでなんとか阻止しました。例によって小男は自分の衣が鷲に持ち去られるのを気にしていました。小男は貴重な石が入った袋を持って去っていきました。双子はもう粗野な態度には慣れっこだったので町へ行って言いつけ通り針と糸を買いました。
34 白雪と赤薔薇A
ある吹雪く夜に、親子3人は暖炉のそばに集まっていました。すると戸を叩く者があります。こんな夜に迷った旅人が凍えてはかわいそうと3人は家に招きいれますがそれは大きな熊だったのです。双子は思わず隠れてしまいますが、母親に「この熊は襲わないわよ」と言われて出てきます。そして熊も一緒に暖を取りました。2人は熊から雪を取り除き、毛をとかしてあげました。その後昼には熊は出て行ってしまいましたが、夕方にはまた戻ってきました。以後も熊は言葉をたがえず、とても友好的で、白薔薇と赤薔薇ともにすぐに打ち解け、一緒に冬を越すことになりました。そこで姉妹は熊が来るまで家の戸を開けておきました。再び森に春の息吹きが感じられると、熊は「夏中は戻らない」と言って双子の家を出ていきました。冬は固い氷が宝物を守ってくれますが、その氷が溶けると邪悪な小男(ドワーフ)が宝を掘り起こすので宝を守らなければならないというのです。熊が立ち去るとき、白雪は毛皮の下に隠れたきらきら光るものを見た気がしましたがそれが何かはわかりませんでした。
33 白雪と赤薔薇@
あるところに貧しい未亡人がおりました。彼女には娘が2人いて名前を白雪と赤薔薇といいました。未亡人の住まいの前には小さな庭があり、薔薇の木が2本植えられていました。それぞれ赤い花と白い花をつけたので、2人の娘はそこからつけられたのです。娘達は2人とも気立てが良く、素直で、いつも忙しそうに立ち働き、幸せでした。一方でその外見は対照的で、髪にそれぞれの名前の色の薔薇の花を飾っていました。白雪の方は金髪で静かで優しい性格をしていました。赤薔薇の方は黒髪で走り回ったり、スキップしたり、踊ったりするのが好きな活発な性格でした。そしてお互いのために実を捧げ離れずにいることを誓っていました。2人はいつも小屋を清潔に保って誰が家に来てもいいようにしていました。それぞれに仕事があり、夏は赤薔薇が母親のベッドの側にある花瓶に新鮮な花を飾っていました。そこにはいつも庭から取ってきた赤薔薇と白薔薇が1輪ずつ飾られました。一方、冬は白雪が毎朝やかんを火にかけていました。銅でできたやかんを白雪はいつもぴかぴかに磨きあげました。
2人は多くの時間を一緒に森で過ごしていました。遅くなるときは森で夜を過ごすこともありました。野生動物は彼女たちを信頼し傷つけることはなく、彼女たちの周りを駆けたり、その手から餌をもらっていました。母親は森にいる限りは安全だと思っていたほどです。ある時、森で眠ってしまった双子が朝に目覚めると、その前に白い衣に身を包んだ子どもが立っていました。なんと二人が眠っていた場所は崖すれすれで少しでも動けば落ちるところだったのです。この話を聞かされた母親は、それはいつも見守ってくれている2人の守護天使ではないかと思いました。
2人は多くの時間を一緒に森で過ごしていました。遅くなるときは森で夜を過ごすこともありました。野生動物は彼女たちを信頼し傷つけることはなく、彼女たちの周りを駆けたり、その手から餌をもらっていました。母親は森にいる限りは安全だと思っていたほどです。ある時、森で眠ってしまった双子が朝に目覚めると、その前に白い衣に身を包んだ子どもが立っていました。なんと二人が眠っていた場所は崖すれすれで少しでも動けば落ちるところだったのです。この話を聞かされた母親は、それはいつも見守ってくれている2人の守護天使ではないかと思いました。
32 大畑訳訂正
「「さあ、ぼくを殺してください」と、あわれなアヒルの子はいって、頭を水の上にたらして、死を待っていました。そのとき、すみきった水のおもてに、いったい、なにが見えたでしょう?それは、じぶんじしんのすがたでした。けれども、それは、もうあのぶかっこうな灰色の、みんなにいやがられた、みにくいアヒルの子ではなくて、一羽のりっぱな白鳥でした。
(略)いままで、たえしのんできた、さまざまな悲しみや苦しみを思うにつけ、いまのじぶんの幸福を、しみじみ感じました。いまこそ、じぶんの幸福を、そして自分を迎えてくれた、あらゆるすばらしいもののよさがはっきりわかりました。(略)若い白鳥は、はずかしさのあまり、頭をつばさのうしろにかくしてしまいました。もう、どうしてよいかわかりません。なぜなら、心のすなおなものは、けっして、とくいになるなどということはないからです。白鳥は、いままでどんなに追いかけられたり、はずかしめられたりしたかを思いだしました。それがいまは、みんなに、あらゆる美しい鳥のうちでもいちばん美しい鳥だ、といわれるのをきくようになったのです。
(略)若い白鳥は、羽をサアッ!となびかせて、すんなりとしたくびをあげました。そして心からよろこびの声をあげました。「ぼくが、みにくいアヒルの子だったとき、だれがこのような多くの幸福を夢みたろう!」
(略)いままで、たえしのんできた、さまざまな悲しみや苦しみを思うにつけ、いまのじぶんの幸福を、しみじみ感じました。いまこそ、じぶんの幸福を、そして自分を迎えてくれた、あらゆるすばらしいもののよさがはっきりわかりました。(略)若い白鳥は、はずかしさのあまり、頭をつばさのうしろにかくしてしまいました。もう、どうしてよいかわかりません。なぜなら、心のすなおなものは、けっして、とくいになるなどということはないからです。白鳥は、いままでどんなに追いかけられたり、はずかしめられたりしたかを思いだしました。それがいまは、みんなに、あらゆる美しい鳥のうちでもいちばん美しい鳥だ、といわれるのをきくようになったのです。
(略)若い白鳥は、羽をサアッ!となびかせて、すんなりとしたくびをあげました。そして心からよろこびの声をあげました。「ぼくが、みにくいアヒルの子だったとき、だれがこのような多くの幸福を夢みたろう!」
31 みにくいアヒルの子の考察C
改めて読み返すと、「劣等感の克服」以上のテーマが浮かび上がってくことがわかります。ミチルとリケ、それぞれにアヒルの子に重なる部分は見られるものの、その行き先は違う様相を見せます。(ミチルのリケに対する劣等感が尚更そうさせるのかもしれません)リケは魔法舎でアーサーやネロ(の食事)に温かく見守られることによって、世界にあふれる幸福を知り、自分が得た幸福を他者にも分け与え、ファウストへの憧れも相まって、導こうとします。一方のミチルは、他者に祝福を与える気持ち(例えばミチルは薬学が専門なのでその治療には定評があります)よりも自分のエゴが強くなってしまったよう。それぞれが合宿で咲かせた花のように、彼らの進む道も幸福に満ちあふれたものでありますように。
30 削除済
29 みにくいアヒルの子の考察B
世界を見てきた末にアヒルの子が抱いた思いについては次のような記述があります。
(大塚訳)
「さあ、ぼくを殺してください!」かわいそうなアヒルの子は、そういいながら、頭を水のおもてのほうにたらして、死ぬときを待っていました。ところが、澄みきった水のおもてには、いったい、なにが見えたでしょう?自分の下に見えたのは、自分の姿でした。けれど、それはもう、ぶかっこうな、暗い灰色の鳥の姿ではありません。みにくくも、いやらしくもなくて、もう自分自身が、一羽の白鳥なのでした。(略)これまでに、あんなにたくさん、つらいことや苦しみをたえしのんできたのを、この鳥は今、とてもよかったと感じていました。あんなだったからこそ、今、自分がどんなに幸せか、自分を迎えてくれたものがどんなにすばらしいかが、はっきり、よくわかったのです。(略)若い白鳥は、すっかり恥ずかしくなってしまい、頭を翼のかげにかくしました。もう、どうしたらいいか、わからなかったのです!若い白鳥は、あまりにも幸せすぎるくらいでしたけれど、すこしも、いばったりしませんでした。というのも、心のすなおなものは、けっして、いばったりしないのです!若い白鳥は、これまで自分がどんなに追いかけられたり、ばかにされたりしたかを思いだしました。それが今では、美しい鳥すべての中でもあれがいちばん美しい、とみんなが話すのを耳にしているのです。(略)若い白鳥は、さーっと音をたてて、羽ばたきをし、すらりとした首を上にのばしました。そして、心の底からよろこんで、声をあげました。
「ぼくが、みにくいアヒルの子だったときには、こんなにも幸せになれようなんて、夢にも思っていなかった!」」
(大塚訳)
「さあ、ぼくを殺してください!」かわいそうなアヒルの子は、そういいながら、頭を水のおもてのほうにたらして、死ぬときを待っていました。ところが、澄みきった水のおもてには、いったい、なにが見えたでしょう?自分の下に見えたのは、自分の姿でした。けれど、それはもう、ぶかっこうな、暗い灰色の鳥の姿ではありません。みにくくも、いやらしくもなくて、もう自分自身が、一羽の白鳥なのでした。(略)これまでに、あんなにたくさん、つらいことや苦しみをたえしのんできたのを、この鳥は今、とてもよかったと感じていました。あんなだったからこそ、今、自分がどんなに幸せか、自分を迎えてくれたものがどんなにすばらしいかが、はっきり、よくわかったのです。(略)若い白鳥は、すっかり恥ずかしくなってしまい、頭を翼のかげにかくしました。もう、どうしたらいいか、わからなかったのです!若い白鳥は、あまりにも幸せすぎるくらいでしたけれど、すこしも、いばったりしませんでした。というのも、心のすなおなものは、けっして、いばったりしないのです!若い白鳥は、これまで自分がどんなに追いかけられたり、ばかにされたりしたかを思いだしました。それが今では、美しい鳥すべての中でもあれがいちばん美しい、とみんなが話すのを耳にしているのです。(略)若い白鳥は、さーっと音をたてて、羽ばたきをし、すらりとした首を上にのばしました。そして、心の底からよろこんで、声をあげました。
「ぼくが、みにくいアヒルの子だったときには、こんなにも幸せになれようなんて、夢にも思っていなかった!」」
28 みにくいアヒルの子の考察A
みにくいアヒルの子を読み進めると、リケの持つ使命感や清廉さに近い部分を感じる場面に出会います。例えば、老婆と雌鶏と猫のいる家で再び水辺に戻ろうとしたとき、アヒルの子は雌鶏と以下の問答をします。
(大塚訳)
「あなたがたには、ぼくのいうことが、わからないんです!」
「ああ、あたしたちにゃあんたのいうことがわからないってのなら、いったい、だれなら、あんたのことがわかるってのさ?まさか、あんた、あのネコさんやおばあさんより自分のほうがりこうだなんて、そういうつもりじゃないだろうね?このあたしのことは、いうつもりはないけどさ!子どものくせに、なまいきいうんじゃないよ!それより、ひとからいろいろ親切にしてもらったことを考えて、それを神さまにお礼申しあげることさ!あんたは、こうして、あたたかい部屋に入れてもらってさ、あたしたちにつきあってもらって、いろんなことをおぼえられたんじゃないの?それなのに、あんたときたら、ばかみたい。あんたとつきあったって、おもしろくありゃしない!ほんとうにそうだよ!あたしはね、あんたのためを思うからこそいやなことまでいってしまうの。(略)」
「でも、ぼく、やっぱり広い世の中にでていきたいって思います!」
(大畑訳)
「あなたがたには、ぼくのいうことが、おわかりにならないんです」
「ふん、わたしたちに、おまえさんのいうことがわからないって?じゃ、おったい、だれがわかるっていうの?おまえさん、よもや、ネコのだんなさんより、じぶんのほうがりこうだ、なんていうんじゃないだろうね、わたしはともかくとしてさ。子どものくせに、しゃれたことをおいいでないよ!それよりか、ひとのしてくれたしんせつを、神さまにお礼をいうがいいよ。こうして、あたたかいへやへいれてもらって、友だちづきあいまでさせてもらっているじゃないの。いろいろなこともおぼえられるしさ。でも、おまえさんは、まぬけだよ!おまえさんなんかとのおつきあいはまっぴらだわ!ほんとよ。わたしは、おまえさんのためを思っていればこそこんなおもしろくもないことをいうのよ(略)」
「でも、ぼくは、やっぱり、そとのひろい世界へ出てみたい気がするんです」
(大塚訳)
「あなたがたには、ぼくのいうことが、わからないんです!」
「ああ、あたしたちにゃあんたのいうことがわからないってのなら、いったい、だれなら、あんたのことがわかるってのさ?まさか、あんた、あのネコさんやおばあさんより自分のほうがりこうだなんて、そういうつもりじゃないだろうね?このあたしのことは、いうつもりはないけどさ!子どものくせに、なまいきいうんじゃないよ!それより、ひとからいろいろ親切にしてもらったことを考えて、それを神さまにお礼申しあげることさ!あんたは、こうして、あたたかい部屋に入れてもらってさ、あたしたちにつきあってもらって、いろんなことをおぼえられたんじゃないの?それなのに、あんたときたら、ばかみたい。あんたとつきあったって、おもしろくありゃしない!ほんとうにそうだよ!あたしはね、あんたのためを思うからこそいやなことまでいってしまうの。(略)」
「でも、ぼく、やっぱり広い世の中にでていきたいって思います!」
(大畑訳)
「あなたがたには、ぼくのいうことが、おわかりにならないんです」
「ふん、わたしたちに、おまえさんのいうことがわからないって?じゃ、おったい、だれがわかるっていうの?おまえさん、よもや、ネコのだんなさんより、じぶんのほうがりこうだ、なんていうんじゃないだろうね、わたしはともかくとしてさ。子どものくせに、しゃれたことをおいいでないよ!それよりか、ひとのしてくれたしんせつを、神さまにお礼をいうがいいよ。こうして、あたたかいへやへいれてもらって、友だちづきあいまでさせてもらっているじゃないの。いろいろなこともおぼえられるしさ。でも、おまえさんは、まぬけだよ!おまえさんなんかとのおつきあいはまっぴらだわ!ほんとよ。わたしは、おまえさんのためを思っていればこそこんなおもしろくもないことをいうのよ(略)」
「でも、ぼくは、やっぱり、そとのひろい世界へ出てみたい気がするんです」
27 みにくいアヒルの子の考察@
アヒルの子のもつ清廉潔白さと自らの処遇に対する迷いはミチルとリケの設定にも垣間見えます。
ミチルとリケではそれぞれに自分の行く末に迷う事情が異なります。ミチルの幼少期を支えていたのは教師の兄と医者のフィガロであり、自分を産んで亡くなった母親、チレッタの面影を追い求めている節があります。非常に頑張り屋で勉強熱心であり薬学の知識は、直接の描写はないもののフィガロの弟子のファウストも認めていることでしょう。一方でフィガロにより間接的に呪文で魔法を封じられていることにより、魔法使いとしては未熟で、母親の権威を借りて自分を強く見せたがり、焦っているところがあります。故に芯の強さが魔力と結びついたときに発揮されるものよりも、目で見て分かるような単純な強さを追い求める危険なところがあります。(保護者代わりのミスラが石を食べさせたことでそれを助長してしまった様子)
一方、リケは長年、教団の檻の中で衆人の目にさらされながら過ごすという異常な環境下にいました。教団の教えを守り、食べられる物も限られ、普段も規則正しい生活を送り、節制を心がけています。さらには「魔法を人のために使う」という司祭との約束に何の疑問もなく、自分の力は選ばれた者に与えられたものだと考えていました。ところが賢者の魔法使いとして活動するうちに迷いが生まれて、外の世界は教えられていたものよりも汚れていないことを知ることになります。(司祭は崩壊石の力を借りて自分の都合のよいようにリケを操っていた疑いまであります)
そこで、「何が正しくて何が悪いのか」を自分の目で見極め、また自分のものさしだけが絶対のものではなく他者にも同様にものさしが存在すること、人も魔法使いも常に学び変わっていけるということをアーサーに教えられ、迷いのある者たちに救いの手をさしのべようとします。
ミチルとリケではそれぞれに自分の行く末に迷う事情が異なります。ミチルの幼少期を支えていたのは教師の兄と医者のフィガロであり、自分を産んで亡くなった母親、チレッタの面影を追い求めている節があります。非常に頑張り屋で勉強熱心であり薬学の知識は、直接の描写はないもののフィガロの弟子のファウストも認めていることでしょう。一方でフィガロにより間接的に呪文で魔法を封じられていることにより、魔法使いとしては未熟で、母親の権威を借りて自分を強く見せたがり、焦っているところがあります。故に芯の強さが魔力と結びついたときに発揮されるものよりも、目で見て分かるような単純な強さを追い求める危険なところがあります。(保護者代わりのミスラが石を食べさせたことでそれを助長してしまった様子)
一方、リケは長年、教団の檻の中で衆人の目にさらされながら過ごすという異常な環境下にいました。教団の教えを守り、食べられる物も限られ、普段も規則正しい生活を送り、節制を心がけています。さらには「魔法を人のために使う」という司祭との約束に何の疑問もなく、自分の力は選ばれた者に与えられたものだと考えていました。ところが賢者の魔法使いとして活動するうちに迷いが生まれて、外の世界は教えられていたものよりも汚れていないことを知ることになります。(司祭は崩壊石の力を借りて自分の都合のよいようにリケを操っていた疑いまであります)
そこで、「何が正しくて何が悪いのか」を自分の目で見極め、また自分のものさしだけが絶対のものではなく他者にも同様にものさしが存在すること、人も魔法使いも常に学び変わっていけるということをアーサーに教えられ、迷いのある者たちに救いの手をさしのべようとします。
26 みにくいアヒルの子B
再び水辺に戻ったアヒルの子ですが、やはりどの生き物からも邪険にされていまいます。季節は秋になりました。そして冬がやってきて白鳥が飛びたつ時期を迎えます。白鳥たちは皆、白く輝く体としなやかな首と長い翼をもっていました。けれどもアヒルの子は彼らの仲間に入れてもらいたいと思いはすれど、彼らをうらやんで彼らのように美しくなりたいと思うことは、とてもおこがましく、あり得ないことでした。やがて水面は凍り付いていきました。ついにはアヒルの子まで凍ってしまったのです。それを百姓が見つけて氷を砕くとアヒルの子は生き返りました。百姓はアヒルの子をつれ帰りますが、子どもたちの反応に驚いてミルク鉢に飛び込んでしまいます。さらにはバターおけやら小麦粉のたるやらに体をつっこんだ挙げ句、家の者に追い立てられるようにして百姓の家を後にします。再び冷たい雪の中に放り込まれた後、ようやく春を迎えます。アヒルの子は自分でもわけがわからぬ力の強さで羽ばたくとリンゴの花が咲く大きい庭の中に降り立ちます。そこには白鳥の群れがいました。“アヒル”はこれまでの経験を思い返しながらも勇気をもってその輪の中に入ってゆきます。そして“アヒル”は水面に映った自分の姿を見ました。それはあこがれていた白鳥そのものでした。庭に入ってきた人間の子どもはこの白鳥が一番美しいと褒め称えます。仲間の白鳥もこの新入りに気づき近寄って頭を垂れました。それでもこの白鳥はおごり高ぶるようなことは決してなく心は清らかなままでした。(完)
参考図書
大塚勇三(編,訳).イブ.スパング.オルセン(画).
人魚姫.アンデルセンの童話2.福音館書店,1992
大畑末吉(訳).アンデルセン童話集1.岩波少年文庫,1986
参考図書
大塚勇三(編,訳).イブ.スパング.オルセン(画).
人魚姫.アンデルセンの童話2.福音館書店,1992
大畑末吉(訳).アンデルセン童話集1.岩波少年文庫,1986
25 みにくいアヒルの子A
アヒルの子はついに小屋を逃げ出します。生け垣を飛びこえて沼のところまでやって来ました。沼には野鴨がいましたが、彼らにも「君がみにくかろうと、自分たちの家族と結婚しなければいいことだ」と言われてしまうのでした。二日後にアヒルの子が会ったのは灰色雁(ガン)でした。彼らもアヒルの子をみにくいとは思いながら渡り鳥の仲間に入れようとします。ところが猟師の銃がガンの群れを狙い、二羽は銃弾に倒れます。おまけに目の前に猟犬が現れて顔を近づけアヒルの子は恐怖を感じますが、犬はそれ以上のことはせずに去っていきました。アヒルの子はしばらく動けずにいましたが何とか沼を抜け出し、夕方になってたどり着いたのは百姓の家でした。戸のちょうつがいが外れていたので、アヒルの子は何とか中に入ることができました。家の中には老婆と猫と雌鶏がいました。(この猫は背中を丸めてのどをごろごろ鳴らし、誰かが背中をこすることで火花を出すこともできました。この描写と長靴をはいた猫や牡猫ムル、さらには我が輩は猫であるがつながってムルの猫描写は造形されているように感じます)翌朝、目が覚めた老婆は目が悪かったのでアヒルの子を肥えたアヒルと思い込み、さらに三週間飼うことにしました。もちろんアヒルの子はのどを鳴らさないし卵も産まないのでまたしても下に見られてしばらくは大人しくしていましたが、段々と水の上が恋しくなっていきます。
24 みにくいアヒルの子@
田舎のお屋敷の周りを堀が囲んでいました。屋敷の壁と堀の水の間には葉の茂みがあり、アヒルが卵を産みました。その
なかに他よりいっとう大きな卵がありました。頭上の緑の葉に目をしばたたかせている兄弟たちより遅れて、大きな卵から産まれた子は体格も大きく、灰色でみにくい見た目でした。年寄りのアヒルはその子どもが七面鳥ではないかと疑いますが、お母さんが水辺を泳がせると他の子と同じように泳ぐことができました。アヒルのお母さんは子どもたちに世界を見せようとアヒル小屋にやって来ます。お母さんは子どもたちに、中でも一番由緒正しいアヒルに挨拶をさせます。そのアヒルの足には赤い布が巻かれていました。そのアヒルからしても、灰色のアヒルは決して見栄えのするものではありませんでした。みにくいアヒルの子はアヒル仲間からもニワトリや七面鳥などの他の鳥からも噛みつかれたりつつかれたり、はみだし者として扱われました。ついには兄弟たちからも悪口を言われるようになりました。
なかに他よりいっとう大きな卵がありました。頭上の緑の葉に目をしばたたかせている兄弟たちより遅れて、大きな卵から産まれた子は体格も大きく、灰色でみにくい見た目でした。年寄りのアヒルはその子どもが七面鳥ではないかと疑いますが、お母さんが水辺を泳がせると他の子と同じように泳ぐことができました。アヒルのお母さんは子どもたちに世界を見せようとアヒル小屋にやって来ます。お母さんは子どもたちに、中でも一番由緒正しいアヒルに挨拶をさせます。そのアヒルの足には赤い布が巻かれていました。そのアヒルからしても、灰色のアヒルは決して見栄えのするものではありませんでした。みにくいアヒルの子はアヒル仲間からもニワトリや七面鳥などの他の鳥からも噛みつかれたりつつかれたり、はみだし者として扱われました。ついには兄弟たちからも悪口を言われるようになりました。
23 補足
21−22の記載が「精霊の王」となっていますが、正しくは「水の王」と呼ばれる妖精です。他の水妖や水魔よりも魔力が強く、アーサー曰く、「時に荒ぶり水辺を穢す者を罰するが正しく敬意を払えば恵みをくれる」そう。ミチルはルチルの弟なので、ここにも遠回しにヴァルナの設定が見てとれます。(ヴァルナについては世界名作○場を参照のこと)普通は300年の寿命のうち200年を幼体で過ごしますが、「幼心の家」の湖にいる個体はさらに20年間も羽化しないままでいたのです。
22 ミチル祝誕A
最初の課題の先生はオズです。オズは当日まで課題の内容に悩み、決めきれませんでした。長年、シャイロックが別荘をあけていたので部屋がほこりっぽかったことから、若い魔法使いたちは「幼心の家」を魔法で掃除することにします。オズの説明しない授業にも不慣れということもあり、一度では綺麗にすることができず、ミチルはリケと力を合わせました。
ファウストの授業は座学で、双子の課題は宝探しでした。
アーサーが危ない目に遭うのを見ていられないオズは親心から鳥に変身して手助けしてしまいます。
授業の合間に、アーサーとリケがフィガロの課題をこなす一方、ミチルだけなかなか花を咲かすべきタイミングをつかめずにいました。落ち込むミチルは湖で赤い布にたくさん物を入れて泳ぐ、アヒルに似た不思議な鳥を見つけます。合宿も終盤、シャイロックの授業はファウストの座学の実践でした。これこそが今回の合宿の目的であり、若い魔法使いたちは精霊の王が巣立つ貴重な瞬間を目にすることになります。その精霊の王こそが赤い布を手放せずに湖を泳いでいた鳥でした。ミチルはいつしか精霊の王に魔法が上達しない自分を重ねるようになっていましたが、今や精霊の王は美しい白鳥に姿を変えていました。そしてミチルはついに自分の花を咲かせるべき瞬間を見つけます。ちょうどフィガロも間に合い、若い魔法使いたちの成果を確認しに来ました。
ファウストの授業は座学で、双子の課題は宝探しでした。
アーサーが危ない目に遭うのを見ていられないオズは親心から鳥に変身して手助けしてしまいます。
授業の合間に、アーサーとリケがフィガロの課題をこなす一方、ミチルだけなかなか花を咲かすべきタイミングをつかめずにいました。落ち込むミチルは湖で赤い布にたくさん物を入れて泳ぐ、アヒルに似た不思議な鳥を見つけます。合宿も終盤、シャイロックの授業はファウストの座学の実践でした。これこそが今回の合宿の目的であり、若い魔法使いたちは精霊の王が巣立つ貴重な瞬間を目にすることになります。その精霊の王こそが赤い布を手放せずに湖を泳いでいた鳥でした。ミチルはいつしか精霊の王に魔法が上達しない自分を重ねるようになっていましたが、今や精霊の王は美しい白鳥に姿を変えていました。そしてミチルはついに自分の花を咲かせるべき瞬間を見つけます。ちょうどフィガロも間に合い、若い魔法使いたちの成果を確認しに来ました。
21 ミチル祝誕@
2023年に描かれたストーリーはミチルにとってさらなる成長を促すものとなりました。自分の魔法の上達が遅いことにプレッシャーを覚えるミチル。予言に対するフィガロの懸念をよそにどうしても強い魔法に憧れ、ついつい母親、チレッタの権威を借りる傾向があります。(実際、魔法を封じ込める「オルトニクセアルシスピルチェ」よりも「スキンティッラ」の方が魔力を解放できるもののまだ完全に使いこなすのは難しそう)1.5部でも同じ年頃のリケの方が強い魔力を巧に扱えることに若干の嫉妬を覚える様子が描かれます。今回紹介するイベストもそんなミチルの焦りから始まります。
ちょうど「幼心の家」というシャイロックが友人から借り受けた別荘の近くの湖で精霊の王が巣立ちの時を迎える時分。そこで賢者の提案をもとに、双子、オズ、ファウスト、シャイロックが順番に先生役となり魔法使い流の夏期講習を行うことにします。フィガロは大いなる厄災の後に蘇った、「アップルパイだけを食べたくなる」という謎の患者の経過観察のために同行できず、代わりに生徒役のミチル、リケ、アーサーに同じ課題を出します。それは、それぞれが「今だ!」と思うタイミングで鉢に魔法をかけて花を咲かせるという課題でした。
ちょうど「幼心の家」というシャイロックが友人から借り受けた別荘の近くの湖で精霊の王が巣立ちの時を迎える時分。そこで賢者の提案をもとに、双子、オズ、ファウスト、シャイロックが順番に先生役となり魔法使い流の夏期講習を行うことにします。フィガロは大いなる厄災の後に蘇った、「アップルパイだけを食べたくなる」という謎の患者の経過観察のために同行できず、代わりに生徒役のミチル、リケ、アーサーに同じ課題を出します。それは、それぞれが「今だ!」と思うタイミングで鉢に魔法をかけて花を咲かせるという課題でした。
20 卵屋のファンタジア エピローグ
任務を無事に終えて魔法使い達はそれぞれに卵を受け取ります。ヒースの卵だけ一足先に孵化していました。ネロは獅子と戦う(上手く森へ逃がす)代償に自分の卵をミスラやオーエンに渡すことになりますが、ブラッドリーが機転を利かせます。後日、賢者はネロからネロが孵化させた銀製スプーンを受け取るのでした。
18 銀宿る卵屋のファンタジア
東の国にある「銀の卵屋」と呼ばれる銀製品の工房からの依頼を受けて、東の国と北の国の魔法使いたちは森の中を奥ヘと進んでいきます。双子が依頼主からもらった鍵で岩を割り、結界をとくとダージマハルを模したような白いドーム型の建物が現れます。中は養鶏場になっていました。「銀の卵屋」とはその名の通り、鳥が生んだ卵を魔法使い達が孵化させることで、その魔法使いの願いを反映した銀製品を作り出す場所だったのです。
工房と聞いてブランシェットのような職人仕事を期待していたヒースは驚きます。店主から説明を受ける前から銀の卵の秘密を知っていたらしいネロも浮かない表情でした。
店の中央には一際大きな卵がありました。店主の話では「大いなる厄災」の影響で卵を産む予定だった鶏の半数を失ってしまい、その代償のように厖大な魔力を宿した巨大な卵が出現したということでした。
魔法使いたちは店主の意志を受けて卵が孵化するまで見守ることにします。
その夜、ネロはファウストと晩酌をしていました。そこでネロはかつて自らの手で育てながら手放してしまった銀の卵のことを話します。人の手に渡った卵は孵化する前に割れてしまいました。ネロが浮かない顔をしていたのは「もしもあの時・・・」と考えずにはいられなかったからでした。
(下のブラッドリーの台詞はその時のネロに向けられたものです)
そこへ血相を変えたシノが二人を呼びに来ました。店内では生き残った鶏が生んだ銀の卵が落ちてしまい割れてしまったところを、ヒースが魔法で回復を試みているところでした。店主はその卵をヒースに託すことにします。何とか朝を迎えると、いよいよ問題の卵は孵化の時を迎えるのでした。
工房と聞いてブランシェットのような職人仕事を期待していたヒースは驚きます。店主から説明を受ける前から銀の卵の秘密を知っていたらしいネロも浮かない表情でした。
店の中央には一際大きな卵がありました。店主の話では「大いなる厄災」の影響で卵を産む予定だった鶏の半数を失ってしまい、その代償のように厖大な魔力を宿した巨大な卵が出現したということでした。
魔法使いたちは店主の意志を受けて卵が孵化するまで見守ることにします。
その夜、ネロはファウストと晩酌をしていました。そこでネロはかつて自らの手で育てながら手放してしまった銀の卵のことを話します。人の手に渡った卵は孵化する前に割れてしまいました。ネロが浮かない顔をしていたのは「もしもあの時・・・」と考えずにはいられなかったからでした。
(下のブラッドリーの台詞はその時のネロに向けられたものです)
そこへ血相を変えたシノが二人を呼びに来ました。店内では生き残った鶏が生んだ銀の卵が落ちてしまい割れてしまったところを、ヒースが魔法で回復を試みているところでした。店主はその卵をヒースに託すことにします。何とか朝を迎えると、いよいよ問題の卵は孵化の時を迎えるのでした。
16 迷える旅人に門出のボーダを
今年のジューンブライドの舞台は南の国です。レノックスの友人から結婚式の案内状が届きます。結婚式当日、賢者の魔法使いが会場に着くと、式場が壊されており、雲の街の住人は修理に追われていました。式場にはかすかに厄災の気配も残っていました。新郎のリュカと新婦のエミリーの話では、式に招待した森の木の洞に住んでいるアルという名の幼い魔法使いの魔力が暴走したとのこと。そこでレノ、リケ、ルチルがアルの住む洞を訪ねました。
アルがもっていた方位磁石が厄災の影響もあり魔力の暴走を引き起こしたと
考えたレノックスは方位磁石を浄化します。方位磁石にはリジーという少女の髪の毛が入っていました。アルは離ればなれになってしまったリジーを探す旅を続けていました。リジーを見つけ出さないことにはアルの心は晴れないのでした。そこで髪の毛からオズがリジーの痕跡を辿ることになります。
レノックスはファウストを探していた頃を思い出していました。
翌朝、アルはエミリーとリュカを精一杯祝福しようとします。まだ魔法が安定しないアルのためにリケは花飾りの作り方を教えます。南の大地がレノックスを癒やしたように雲の街の人々の優しさや同じ年頃の魔法使いとの交流はアルの心を少しずつ解いていきました。ルチルが雲の街の子どもたちに話した結婚式の逸話をもとにアルが用意したとっておきの魔法が式場を包みます。
開拓に手を貸しながら南の地に落ちついたレノの様子を知ることができたり、アーサーやオズに見守られながら心を解放していくリケの成長が見られたり、怪我人を治療したり歳下の子に頼られてミチルが嬉しそうだったり、
全体的に南らしい温かな雰囲気に包まれている物語です。
雲の街で授業をするルチルの様子や南の住人に頼られるオズなど南のコンチェルトを思わせるエピソードが入っているのも見所。
(シャイロックが用意した結婚式に合うお酒って何だろう?)
アルがもっていた方位磁石が厄災の影響もあり魔力の暴走を引き起こしたと
考えたレノックスは方位磁石を浄化します。方位磁石にはリジーという少女の髪の毛が入っていました。アルは離ればなれになってしまったリジーを探す旅を続けていました。リジーを見つけ出さないことにはアルの心は晴れないのでした。そこで髪の毛からオズがリジーの痕跡を辿ることになります。
レノックスはファウストを探していた頃を思い出していました。
翌朝、アルはエミリーとリュカを精一杯祝福しようとします。まだ魔法が安定しないアルのためにリケは花飾りの作り方を教えます。南の大地がレノックスを癒やしたように雲の街の人々の優しさや同じ年頃の魔法使いとの交流はアルの心を少しずつ解いていきました。ルチルが雲の街の子どもたちに話した結婚式の逸話をもとにアルが用意したとっておきの魔法が式場を包みます。
開拓に手を貸しながら南の地に落ちついたレノの様子を知ることができたり、アーサーやオズに見守られながら心を解放していくリケの成長が見られたり、怪我人を治療したり歳下の子に頼られてミチルが嬉しそうだったり、
全体的に南らしい温かな雰囲気に包まれている物語です。
雲の街で授業をするルチルの様子や南の住人に頼られるオズなど南のコンチェルトを思わせるエピソードが入っているのも見所。
(シャイロックが用意した結婚式に合うお酒って何だろう?)
14 クオーレA ネタバレあり
アーネストはしがない薬師でした。大いなる厄災の被害を受けて顧客が街を離れてしまい、仕事にあぶれていたところ、キキイが空き家になっていた大商人の館に導いたのです。薬草を調合して館から失敬した分の食費を工面し出て行こうとしたところ、キキイが怪我をするようになり、出て行けなくなっていたのでした。魔法使いたちは二手に分かれ、シャイロック、ブラッドリー、ミスラ、ムル、リケが異変の原因を調査する間、フィガロはキキイを治療し、オーエンが通訳します。キキイは本来、白く神々しい姿をしていますが憔悴すると黒い色に変わります。それを人間は都合よく、神々しい姿は縁起物として崇め、黒い色は不幸を呼ぶものとして忌み嫌うのです。アーネストがキキイに向けたのは無償の愛でした。崇められることでしか自らの価値を測れないキキイはどう応じればよいのかわからなかったのです。そこでキキイのとった手段が元の神々しさを取り戻すために星の光を浴びることでした。ところがキキイから漏れ出す魔力がラオシュという化け物を呼び寄せ、キキイは毎朝傷だらけでアーネストの元へ帰ってくるのでした。
13 幸運を招く真実のクオーレ@
アーネストという名の青年が大商人の館に置き去りにされた一匹の犬の世話をしていました。館には様々なお守りが所狭しと飾られ、夜になると不気味な声がしていました。アーネストが世話をする犬も夜な夜な姿を消しては傷だらけで戻ってくるのでした。アーネストから依頼を受けた魔法使いたちは館に調査に向かいます。いつものように魔法舎を壊したあげ句、双子先生のチュロスを台無しにした仕置きとしてしぶしぶ連れてこられた北の魔法使いたちも「災禍の女神」という美酒につられて手柄を競います。
アーネストが世話をしている犬の正体は「キキイ」という魔法生物で幸福と不幸の両方を与えるという逸話がありました。真の姿を見ない限りにおいては飼い主は幸運に恵まれるというのです。(つづく)
魔法使いの治療を拒み、主のごとく振る舞うキキイにはフィガロの面影があります。メインスト二部13章から始まるフィガロの書と合わせて読むと、今まで明かされてこなかったフィガロの内面が垣間見えます。特別な存在として一方的に崇められながらいざ助けが必要になった時に何かできるわけでもなく無力さが露呈。これまで自分を頼っていた者たちにどう顔向けすればいいのか。月日を重ねても尚、自分を頼る者は現れる。そのなかで、ねだるのではなく己を鍛えるための道しるべとして純粋な尊敬を向けてくれた唯一無二の弟子の存在がいかに救いだったかをこのイベスト後、メインストーリーでフィガロは身をもって感じていきます。
イエス.キリストに重ねられることもあるフィガロ。フィガロの苦悩は一介の人間に奇跡を請い続ける民衆やユダに裏切られ磔にされなければならない運命を課す神へのイエスの憤りに重なります。不吉ながら縁のある数字ということであえてこのイベストを選びました。
余談
このイベストにも、硝煙のシノの手のように伏線となる「ソースをかけると色がかわる皿」の話が挿入されています。ムル、フィガロ、シャイロックは、予め温度差で色が変わるように仕掛けが施された皿を恋占いができる皿(今自分に恋する者がいるかどうかを見る皿)のように見せかけます。結局
ムルに皿を壊されシャイロックが用意したつまみを食べ損ねた賢者はシャイロックに改めてご馳走してもらえることになり、その食材を買いに来た市場で犬の手当のために薬草を買いに来ていたアーネストを見かけます。
アーネストが世話をしている犬の正体は「キキイ」という魔法生物で幸福と不幸の両方を与えるという逸話がありました。真の姿を見ない限りにおいては飼い主は幸運に恵まれるというのです。(つづく)
魔法使いの治療を拒み、主のごとく振る舞うキキイにはフィガロの面影があります。メインスト二部13章から始まるフィガロの書と合わせて読むと、今まで明かされてこなかったフィガロの内面が垣間見えます。特別な存在として一方的に崇められながらいざ助けが必要になった時に何かできるわけでもなく無力さが露呈。これまで自分を頼っていた者たちにどう顔向けすればいいのか。月日を重ねても尚、自分を頼る者は現れる。そのなかで、ねだるのではなく己を鍛えるための道しるべとして純粋な尊敬を向けてくれた唯一無二の弟子の存在がいかに救いだったかをこのイベスト後、メインストーリーでフィガロは身をもって感じていきます。
イエス.キリストに重ねられることもあるフィガロ。フィガロの苦悩は一介の人間に奇跡を請い続ける民衆やユダに裏切られ磔にされなければならない運命を課す神へのイエスの憤りに重なります。不吉ながら縁のある数字ということであえてこのイベストを選びました。
余談
このイベストにも、硝煙のシノの手のように伏線となる「ソースをかけると色がかわる皿」の話が挿入されています。ムル、フィガロ、シャイロックは、予め温度差で色が変わるように仕掛けが施された皿を恋占いができる皿(今自分に恋する者がいるかどうかを見る皿)のように見せかけます。結局
ムルに皿を壊されシャイロックが用意したつまみを食べ損ねた賢者はシャイロックに改めてご馳走してもらえることになり、その食材を買いに来た市場で犬の手当のために薬草を買いに来ていたアーネストを見かけます。
12 南〜開拓者のバラッド
バラッドは別名、依頼人シリーズと呼ばれています。
今回の依頼者は南の国の開拓民です。南の国の辺境で地下宮殿が発見されますが、「邪神を目覚めさせないようにポワンカレには近づくな」という謎の警告を受けて開拓に支障が出ないように魔法舎に調査を依頼します。双子もフィガロも地下宮殿のことは初耳でした。一方、北の魔法使いミスラ、オーエン、ブラッドリーには心当たりがありました。(※)
南の国は開拓途中であるため人と魔法使いが手をとりあって暮らしています。開拓民のブルックは仕事仲間で魔法使いのステイシーのことを気にかけていました。地下宮殿への移動中、レノックスはステイシーの箒の練習に付き合います。徐々に魔法使いとして自信をもっていくステイシーの成長もこの物語の見所です。
地下宮殿には北の魔法使いが仕留め損ねた魔法生物が封印されていました。ブラッドリーとルチルは箒に跨がり逃げ出した髑髏を追い込みます。ここでも教え上手なブラッドリーの一面が垣間見えます。フィガロは(蘇った魔法生物を懲らしめるために)ミチルを危険な宮殿内から遠ざけて地上の見張り役を言いつけホワイトに保護者役を頼みます。外にも悪しき古代種の気配にひかれた精霊たちが集まりはじめていました。魔法使いそれぞれが自分の得意とする力を合わせて古の眠りを覚まされた禍々しいものを再び封じます。
以下ネタバレ
※ホワイトはオズが世界征服をやめ中央の国が建国される間に幽霊になった模様。この頃、ミスラはオーエン、ブラッドリーとともに北の国で暴れていた古代の魔法生物を仕留めようとしました。魔法生物には逃げられてしまいましたが、ミスラたちは魔法生物を蘇らせた張本人である魔法使いをとらえ、魔法生物を封印するための魔道具にしていました。ポワンカレとは魔法生物が逃げ込んだ地下宮殿です。ブルックのように魔力の耐性がない人間が踏み入れると操られて魔道具である髑髏を抜き、封印を解いてしまいます。
今回の依頼者は南の国の開拓民です。南の国の辺境で地下宮殿が発見されますが、「邪神を目覚めさせないようにポワンカレには近づくな」という謎の警告を受けて開拓に支障が出ないように魔法舎に調査を依頼します。双子もフィガロも地下宮殿のことは初耳でした。一方、北の魔法使いミスラ、オーエン、ブラッドリーには心当たりがありました。(※)
南の国は開拓途中であるため人と魔法使いが手をとりあって暮らしています。開拓民のブルックは仕事仲間で魔法使いのステイシーのことを気にかけていました。地下宮殿への移動中、レノックスはステイシーの箒の練習に付き合います。徐々に魔法使いとして自信をもっていくステイシーの成長もこの物語の見所です。
地下宮殿には北の魔法使いが仕留め損ねた魔法生物が封印されていました。ブラッドリーとルチルは箒に跨がり逃げ出した髑髏を追い込みます。ここでも教え上手なブラッドリーの一面が垣間見えます。フィガロは(蘇った魔法生物を懲らしめるために)ミチルを危険な宮殿内から遠ざけて地上の見張り役を言いつけホワイトに保護者役を頼みます。外にも悪しき古代種の気配にひかれた精霊たちが集まりはじめていました。魔法使いそれぞれが自分の得意とする力を合わせて古の眠りを覚まされた禍々しいものを再び封じます。
以下ネタバレ
※ホワイトはオズが世界征服をやめ中央の国が建国される間に幽霊になった模様。この頃、ミスラはオーエン、ブラッドリーとともに北の国で暴れていた古代の魔法生物を仕留めようとしました。魔法生物には逃げられてしまいましたが、ミスラたちは魔法生物を蘇らせた張本人である魔法使いをとらえ、魔法生物を封印するための魔道具にしていました。ポワンカレとは魔法生物が逃げ込んだ地下宮殿です。ブルックのように魔力の耐性がない人間が踏み入れると操られて魔道具である髑髏を抜き、封印を解いてしまいます。
11 シノの成長A
雨の街に来たときのシノはまだファウストのことを完全には信用していませんでした。それは武勇伝やその名を冠した聖堂が残されている(ヴィンセントでさえも魔法使いのなかでファウストは敬称をつける)のにもかかわらずファウスト自身は過去の自分のことを話さなかったからです。それでもノーヴァの放った人造魔法使いの攻撃によってネロが致命傷を負い、ヒースの傷について事前に伝えなかった自分を悔やみ動揺します。それをファウストは落ち着かせ、魔道具の鏡を託して地下牢に捕らわれた西の者たちを過去の自分と同じように鼓舞しながら誘導するようにシノに伝えます。結局、ファウストはフィガロのネロはブラッドリーの助けがあったことで東の魔法使いたちは危機的な状況を脱します。そんな中起きたコルテーゼ領内の異変。あらかじめ必要そうな魔法を学び万全の準備でのぞんだシノはまず住民の避難や怪我人の手当てを優先します。レノックスから相手が受けた魔力を自分の力にすることを聞かされると攻撃にはやることはせず、それに適した相手(=カイン)に華を譲りました。たとえるならば、反抗期の小学生から高校の全国大会常連校の部活を率いるキャプテンへと短い間に成長を遂げたことになります。
10 シノの成長@
シノは孤児だったところをブランシェット家に拾われて今はヒースクリフの従者であるとともにシャーウッドの森番(森の管理と旅人の道案内)を任されています。実戦での集中力と魔道具の扱いにはファウストも一目置いています。それ故に二部前半までは座学を軽視したり繊細さが求められる苦手な魔法を後回しにするところがありました。また一人で生き抜いてきた時期や領主から直接命を受けて討伐にあたっていた自負から西の祝祭時、泡の街で貧しい魔法使いが生きていく術についてクロエに説明されるまで理解が難しかった様子。メインスト1部や東の祝祭では子煩悩な両親や魔法使いの出自から肩身の狭さを感じて自分に自信がないヒースクリフへのもどかしさから手柄を立てたいと焦る姿が見られます。1.5部ではかろうじてミノタウロスを破りますが、年長者との力の差は歴然としています。さらにこの間にヒースクリフが恐怖のために黒豹になり味方を傷つけるという傷をもっているという秘密を一人で抱えてしまいます。他のイベスト(「狩人のバラッド」や「硝煙に捧ぐ宴のテソーロ」)ではネロやブラッドリーから狭い場所での戦い方を学びます。ファウストに「危険だから」と遠ざけられつつ結局は危険な場所へ赴かざるを得なかった経験もシノを強くさせたようです。そして2部ではファウストとの関係が前進します。
ヒースとの関係も厄災戦で命を落とした以前の師匠のせいで意味もわからないうちに無理矢理させられた約束を縛りに感じていたところをよりかけがえのない存在として互いを守る誓いに変わったようです。
ヒースとの関係も厄災戦で命を落とした以前の師匠のせいで意味もわからないうちに無理矢理させられた約束を縛りに感じていたところをよりかけがえのない存在として互いを守る誓いに変わったようです。
9 硝煙B ネタバレあり
そこにミスラ、スノウ、オーエン、フィガロが戻ってきました。シノとカインが苦戦していたヴィーヴルの群れをミスラは竜巻で一掃します。さらに谷に咆哮が轟きますが、その姿は見えません。どうやらシノの手が透明になったように、透明になる魔法がかかった「ワルプルギスの夜」を食べたヴィーヴルの一匹が厄災の影響で透明になり宝石の存在が見えるようになったようです。おまけにヴィーヴルは巨大化し、地形を一変させてしまうほどの力を得ていました。ミスラとオーエンの攻撃もかわします。苛立つ二人をブラッドリーは挑発しました。するとオーエンの魔法でできた炎がミスラの魔法で現れた氷を溶かし、ヴィーヴルの動きが煙(湯気)で見えるようになりました。そこでカインとシノが協力して追い立てます。ブラッドリーは弱ったヴィーヴルから宝石を取り出しました。ブラッドリーは食らいついてきたヴィーヴルに銃を向けます。ミスラとオーエンが残党を仕留めました。
(この仕留め方はメインスト二部の毒を吐く猛獣、ハリタス.モルティファと似ています。この作戦の発案者もブラッドリーです)
洞窟に残っていた宝は魔法使いたちが物色していきました。ブラッドリーは長年追い続けた宝(ワルプルギスの夜)を満足げに眺めていました。例え代償が高くついたとしても、欲しい物を取りに行くブラッドリーの矜持が感じられるイベストです。
(この仕留め方はメインスト二部の毒を吐く猛獣、ハリタス.モルティファと似ています。この作戦の発案者もブラッドリーです)
洞窟に残っていた宝は魔法使いたちが物色していきました。ブラッドリーは長年追い続けた宝(ワルプルギスの夜)を満足げに眺めていました。例え代償が高くついたとしても、欲しい物を取りに行くブラッドリーの矜持が感じられるイベストです。
8 硝煙に捧ぐ宴のテソーロA
盗まれることがないように宝石には姿が見えなくなる魔法がかかっていましたが、ブラッドリーは異変が起きた場所に宝石があると踏んで、調査を口実に「ワルプルギスの夜」を手に入れようと企みます。
翌日、異変のあった谷は広がり続けていました。早々に離脱したミスラとオーエンをスノウとフィガロが連れ戻す間に、カイン、シノ、ブラッドリー、ホワイト、賢者(晶)が谷底を進んでいくと、先に調査に入って戻れなかった者たちの遺留品が残されており、奥から獣の声が聞こえてきました。正体はヴィーブル。ブラッドリーはカインとシノに実戦での身のこなし方を伝えます。(ブラッドリーの若手に対する助言は具体性があり的確です。盗賊団の首領でなければ良い上司なり教師なり人を導く存在になれるはずなのですが、窮屈な生き方は彼の肌には合わないかもしれません)
翌日、異変のあった谷は広がり続けていました。早々に離脱したミスラとオーエンをスノウとフィガロが連れ戻す間に、カイン、シノ、ブラッドリー、ホワイト、賢者(晶)が谷底を進んでいくと、先に調査に入って戻れなかった者たちの遺留品が残されており、奥から獣の声が聞こえてきました。正体はヴィーブル。ブラッドリーはカインとシノに実戦での身のこなし方を伝えます。(ブラッドリーの若手に対する助言は具体性があり的確です。盗賊団の首領でなければ良い上司なり教師なり人を導く存在になれるはずなのですが、窮屈な生き方は彼の肌には合わないかもしれません)
7 硝煙に捧ぐ宴のテソーロ@
21章の内容に大きく関わるイベントストーリーです。
ある日、カインと賢者は市場の露店で不思議なキャンディを買って魔法舎に戻ります。キャンディの瓶には魔法がかかっていて一目では何も入っていない透明な瓶のように見えます。中庭でブラッドリーと鍛錬をしていたシノにキャンディを食べさせると、しばらくの間、シノの片手が透明になってしまいました。
ブラッドリーを呼びに来たホワイトとともに一同は談話室に移動して魔法舎に届いた依頼に耳を傾けます。北の国で「小さなクレパスが巨大な谷になる」という地形変動が起き、魔法使いたちは厄災の影響を疑います。さらに調査をしていた人間のほとんどが得体の知れない何かに遭遇して戻らず、戦いに長けた魔法使いが現地に赴く必要がありました。年長者が任務でいない中、カインとシノが立候補します。オーエンやミスラも同行するため、オズのかわりにフィガロが保護者役を務めることになります。
囚人になる以前、盗賊団の首領として「ワルプルギスの夜」と呼ばれる宝を狙っていたブラッドリーは、異変が起こった場所に覚えがありました。「ワルプルギスの夜」には持っているだけで魔力が強くなるという噂があり、ある魔法使いが後生大事に隠し持っていた宝石でした。
ある日、カインと賢者は市場の露店で不思議なキャンディを買って魔法舎に戻ります。キャンディの瓶には魔法がかかっていて一目では何も入っていない透明な瓶のように見えます。中庭でブラッドリーと鍛錬をしていたシノにキャンディを食べさせると、しばらくの間、シノの片手が透明になってしまいました。
ブラッドリーを呼びに来たホワイトとともに一同は談話室に移動して魔法舎に届いた依頼に耳を傾けます。北の国で「小さなクレパスが巨大な谷になる」という地形変動が起き、魔法使いたちは厄災の影響を疑います。さらに調査をしていた人間のほとんどが得体の知れない何かに遭遇して戻らず、戦いに長けた魔法使いが現地に赴く必要がありました。年長者が任務でいない中、カインとシノが立候補します。オーエンやミスラも同行するため、オズのかわりにフィガロが保護者役を務めることになります。
囚人になる以前、盗賊団の首領として「ワルプルギスの夜」と呼ばれる宝を狙っていたブラッドリーは、異変が起こった場所に覚えがありました。「ワルプルギスの夜」には持っているだけで魔力が強くなるという噂があり、ある魔法使いが後生大事に隠し持っていた宝石でした。
6 スクアーマネタバレ
海軍大将のムルには世界を守るための秘策があり、時間を引き延ばすための働きかけをすべく、政府要人のファウストおよびレノックスと会談していた。しかし時の流れは無情なもので、手段を選んではいられなくなったムルについていくことをネロは選ぶ。忽然といなくなったネロを探すブラッドリーたちの前でラスティカがオカリナを吹くと、海が渦を巻き、昼にも関わらず水面が輝く。晶は身体に痛みを感じるなか、ブラッドリーたちとともに渦に飛び込む。たどり着いたのはウンディーネの遺跡だった。またしてもホワイトとヒースが行く手を阻むが、ルチルとラスティカがギフト(ラスティカは音楽で人を魅了し、ルチルは相手に触れて体の力を奪うギフトが備わっている)によって足止めをしている間にブラッドリーと晶は先を急ぐ。
何故海軍はネロを手に入れたいのか。実はネロの紋章が青いことには意味があり、この世界に安寧をもたらす「宝珠の子」としてネロは生まれた。先代の寿命がつきると、今度はネロが宝珠の中で世界を守らなければならない。かつてウンディーネたちはその身を犠牲にして宝珠に嵐を閉じ込めた。守り手を失えばウンディーネの血を引いている全スクアーマの命が危うくなる。
この場を切り抜ける唯一の希望は「彗星の天使」、晶の存在だった。ムルの言葉通り、晶はウンディーネの歌を歌いながら翼の形をした痣のある手で宝珠に触れて自分の力を宝珠に注いだー宝珠は青い輝きを取り戻すのと引き換えにネロの首の紋章の色が黒く変わった。世界の危機は去り、ネロはブラッドリーの海賊団にとどまることにするーという晶がエイプリールフールに見た異世界の夢のお話。
何故海軍はネロを手に入れたいのか。実はネロの紋章が青いことには意味があり、この世界に安寧をもたらす「宝珠の子」としてネロは生まれた。先代の寿命がつきると、今度はネロが宝珠の中で世界を守らなければならない。かつてウンディーネたちはその身を犠牲にして宝珠に嵐を閉じ込めた。守り手を失えばウンディーネの血を引いている全スクアーマの命が危うくなる。
この場を切り抜ける唯一の希望は「彗星の天使」、晶の存在だった。ムルの言葉通り、晶はウンディーネの歌を歌いながら翼の形をした痣のある手で宝珠に触れて自分の力を宝珠に注いだー宝珠は青い輝きを取り戻すのと引き換えにネロの首の紋章の色が黒く変わった。世界の危機は去り、ネロはブラッドリーの海賊団にとどまることにするーという晶がエイプリールフールに見た異世界の夢のお話。
5 シーローバースクアーマA
フォルモーント島には女海賊、チレッタの息子、ルチルが住んでいる。チレッタもまた宝珠を追い求めていた。ルチルはその話を物語にして島の子供たちの前で読み上げ、島でネロのために包丁を調達していたブラッドリーを惹きつける。二人は食料などの買い出しに来ていたスノウと晶に合流して、ルチルの話に耳を傾ける。
ブラッドリーはルチルを仲間に引き入れるが、ブラッドリーの目的を知ったネロは浮かない表情をする。
その頃、一足先に島に上陸していた海軍大将ムルは政府の要人との極秘会談を名目にホワイトとヒースの元を離れ、「彗星の天使」と呼ばれる者を探す。人垣にネロの姿を認めて、ムルはホワイトに海賊団を調べさせる。
船に戻った晶とルチルが荷ほどきをしていると海軍の砲弾が飛んでくる。
海軍が寄越した小型船からホワイトはネロを返すように要求。海賊船に乗る育ての親から死んだと聞かされていたスノウの姿に驚く。一方ではじめて外に出ることを許されたネロは海賊団にとどまることを望む。どさくさに紛れるように船には海軍の捕らわれていたラスティカが乗り込み保護を求める。
ブラッドリーはルチルを仲間に引き入れるが、ブラッドリーの目的を知ったネロは浮かない表情をする。
その頃、一足先に島に上陸していた海軍大将ムルは政府の要人との極秘会談を名目にホワイトとヒースの元を離れ、「彗星の天使」と呼ばれる者を探す。人垣にネロの姿を認めて、ムルはホワイトに海賊団を調べさせる。
船に戻った晶とルチルが荷ほどきをしていると海軍の砲弾が飛んでくる。
海軍が寄越した小型船からホワイトはネロを返すように要求。海賊船に乗る育ての親から死んだと聞かされていたスノウの姿に驚く。一方ではじめて外に出ることを許されたネロは海賊団にとどまることを望む。どさくさに紛れるように船には海軍の捕らわれていたラスティカが乗り込み保護を求める。
4 ネロ祝誕@
9月8日はネロの誕生日。
今回のネロの衣装、ブラッドリーの2022の誕生日衣装と色違い?
(シャツの色はブラッドリーが通常時に着ているのと同じ)
ということは、ブラッドリーのおさがりの衣装という可能性も?
おさがり衣装といえば、
エイプリルフールのイベント、「シーローバースクアーマ」ということで、
あらすじを振り返ります。
かつてウンディーネと人魚、人間とウンディーネの間に生まれたスクアーマがともに暮らしていた世界。嵐の影響でウンディーネは全滅。陸に咲いていた銀波桜は海の底に沈んでなお咲き続ける。その影響でこの世界の海はピンク色をしていた。
彗星が落ちてきた夜。フォルモーント海軍所属のホワイトは「宝珠の子(ネロ)」を逃がす。後日、ウンディーネにまつわる伝説の宝「幻の宝珠」を探すブラッドリー率いる「死の海賊団」に素性の分からない者(晶)が引き揚げられる。素性の分からない者同士、ブラッドリーはネロを世話役につける。一方の海軍では、ホワイトの上司(階級は大佐)ムルが部下のホワイトとヒースクリフに宝珠の子の捜索を命じていた。
ブラッドリーの船に一匹狼の海賊、スノウが乗り込んでくる。スノウは片割れのホワイトを探しながら海賊に勝負を挑んでいた。ブラッドリーにも勝負を挑み、両者は互角の戦いを見せる。この世界に住む種族の内、スクアーマにはギフトが備わっている(首にぐるっとあるうろこの紋章がスクアーマの証。ブラッドリーの首には黒、ネロの首には青い紋章がついている。青い紋章のスクアーマにはギフトがない「能なし」とされていたがー)。
ブラッドリーのギフトは他人の纏(まと)う敵意が見えること。スノウにはその気配がないため、ブラッドリーはスノウを仲間に引き入れ、スノウはホワイトを探すべく乗り込む。一行は次の目的地、フォルモーント島へと船を進める。
今回のネロの衣装、ブラッドリーの2022の誕生日衣装と色違い?
(シャツの色はブラッドリーが通常時に着ているのと同じ)
ということは、ブラッドリーのおさがりの衣装という可能性も?
おさがり衣装といえば、
エイプリルフールのイベント、「シーローバースクアーマ」ということで、
あらすじを振り返ります。
かつてウンディーネと人魚、人間とウンディーネの間に生まれたスクアーマがともに暮らしていた世界。嵐の影響でウンディーネは全滅。陸に咲いていた銀波桜は海の底に沈んでなお咲き続ける。その影響でこの世界の海はピンク色をしていた。
彗星が落ちてきた夜。フォルモーント海軍所属のホワイトは「宝珠の子(ネロ)」を逃がす。後日、ウンディーネにまつわる伝説の宝「幻の宝珠」を探すブラッドリー率いる「死の海賊団」に素性の分からない者(晶)が引き揚げられる。素性の分からない者同士、ブラッドリーはネロを世話役につける。一方の海軍では、ホワイトの上司(階級は大佐)ムルが部下のホワイトとヒースクリフに宝珠の子の捜索を命じていた。
ブラッドリーの船に一匹狼の海賊、スノウが乗り込んでくる。スノウは片割れのホワイトを探しながら海賊に勝負を挑んでいた。ブラッドリーにも勝負を挑み、両者は互角の戦いを見せる。この世界に住む種族の内、スクアーマにはギフトが備わっている(首にぐるっとあるうろこの紋章がスクアーマの証。ブラッドリーの首には黒、ネロの首には青い紋章がついている。青い紋章のスクアーマにはギフトがない「能なし」とされていたがー)。
ブラッドリーのギフトは他人の纏(まと)う敵意が見えること。スノウにはその気配がないため、ブラッドリーはスノウを仲間に引き入れ、スノウはホワイトを探すべく乗り込む。一行は次の目的地、フォルモーント島へと船を進める。
3 返信
月華さん、(新情報以外なら)5を使って大丈夫ですからね。
本来であれば、11連無料ガチャとか特別仕様のログインボーナスとか1.5部の復刻ガチャとか色々やろうとしてたみたいです。
(多分9月1日に一斉お知らせするつもりだったであろう情報が先に公開されていたので、今日まで黙ってました)
いつも通り、ネロ誕のガチャと10話分の更新だけならそう大きなトラブルは起きなかったかも。
夏休みが終わることを一番惜しんでいたのは厄災君でしたか。
月の模様をひっくり返した形がまほやくの五か国の大陸の形になるって知ってましたか?
私は早くカイン(=ラーンスロット&カインとアベル)の分の記事を仕上げないと。尚、別スレッドのタイトルは我々が幼少期に観ていたアニメシリーズから頂きました。
本来であれば、11連無料ガチャとか特別仕様のログインボーナスとか1.5部の復刻ガチャとか色々やろうとしてたみたいです。
(多分9月1日に一斉お知らせするつもりだったであろう情報が先に公開されていたので、今日まで黙ってました)
いつも通り、ネロ誕のガチャと10話分の更新だけならそう大きなトラブルは起きなかったかも。
夏休みが終わることを一番惜しんでいたのは厄災君でしたか。
月の模様をひっくり返した形がまほやくの五か国の大陸の形になるって知ってましたか?
私は早くカイン(=ラーンスロット&カインとアベル)の分の記事を仕上げないと。尚、別スレッドのタイトルは我々が幼少期に観ていたアニメシリーズから頂きました。