1 木暮奈央

沢渡温泉 宮田旅館

沢渡温泉の「宮田屋旅館」に家族旅行で行って来ました。 旅館のホームページには、バリアフリーについて書かれていて、 実際に館内の廊下には、手すりがあり、車椅子で移動することが想定されているためエレベーターもありました。 エレベーターは、車椅子1台と歩く人が1人入ってちょうどいいくらいの大きさで、中に手すりもついています。 車椅子の人が押しやすい位置のボタンはありませんでした。 エレベーターの近くや廊下の途中にいくつか休憩所のような椅子と手すりがあり、 たくさんの工夫がされていました。 まず、玄関の目の前に「思いやり駐車場」があり、事前に連絡しておくと必要な人が使えるようになっています。 建物の入り口には数センチの段差がありますが、小さいスロープがあるので電動車椅子で超えられました。玄関を入ると、10センチくらいの段差があり、ここは車椅子では超えられなかったので、 私は一旦降りて、車椅子はお兄ちゃんに持ち上げてもらい段差を超えることにしました。 一旦車椅子から立ち上がるときに、下駄箱についてる手すりがちょうどいい位置にあったので、 安全に立ち上がって座りなおすことができました。
  館内には、貸し出し用の車椅子もあるため、自分の車椅子は持っていないけど歩行に不安のある人も 楽に館内を移動できるようになっています。
 今回は、部屋おまかせプランを選んでいたため、和室に泊まりました。 部屋に入るドアは内側に開く形です。 ドアを開けると、廊下から平らなまま入れるスペースが少しあり、 その先に畳に上がるための10センチくらいの段差があったので そこで車椅子から降りて、畳に座ることにしました。 畳に上がってしまえば部屋の中には段差はなく、トイレにも段差なく入れるようになっています。 トイレのドアはスライド式で開けやすくなっていますが、中に手すりがないので、 トイレットペーパーを置いておく棚につかまって立ち上がりました。 部屋はそんなに広くありませんが、つかまれるような手すりはないので 立ち上がることや歩行に不安がある人は杖などを持って行ったりして、気を付ける必要があります。
  私は、車椅子→畳の移動は楽にできるのですが、 畳→車椅子の移動がなかなか難しく、家族に手伝ってもらいながらどうにか移乗しました。
  お風呂は、大浴場、貸切露天風呂、貸切家族風呂があり、 私は予約不要の貸切家族風呂に入りました。 エレベーターを使って部屋から貸切風呂まで車椅子のまま行けました。
ドアはスライド式で、脱衣所まで完全フラットになっています。 脱衣所には、壁に設置してある荷物置きがあり、 頑丈なつくりだったので、着替えるときに掴まったりして体を支えました。 荷物置きと反対側の壁には手すりが設置されています。 脱衣所から浴室へは5センチくらいの段差が1つありますが、 介助者がいれば車椅子でも浴室まで入れそうでした。 私は、脱衣所で車椅子を降りて荷物棚や手すりに掴まりながら歩き、 ドアに掴まりながらその段差を降りて 浴室に入りました。 浴室の床はざらざらしていて、滑らないようになっています。 入って左に洗い場があり、高めの椅子(背もたれ無)もありました。 入って右に浴槽があり、浴室のドアから浴槽の横まで手すりが続いていました。
  座って体を洗った後、立つことが難しかったため浴槽まで座ったまま移動し 温泉に入りました。 草津の治し湯というだけあって温泉のにおいがあまりしない優しいお湯でした。 熱すぎないのにしばらく入っていると 体が温まってきました。 出るときは、浴槽のふちに座って 手すりに掴まりながら立ちました。 ちょっと大変でしたが、床が滑らないおかげで怪我することもなく一人で入浴することができました。 でも、洗い場の椅子が背もたれ付きだともう少し便利かなと思いました。
 大浴場は私は入らなかったのですが、脱衣所の様子を少し見に行きました。 出入口がちょっと狭く、車椅子の幅ぎりぎりで、 その先がカーブになっていたため車椅子操作の腕が試されました。 そこを抜けると、数センチの段差があり、その段差のところから壁に手すりが設置されていました。 大浴場まで入る体力がなかったため、そこで引き返しました。 さっき入ってきたところを引き返すわけですが、 カーブからの狭い出入口なので、電動車椅子を細かく操作しながら出ましたw
  お父さんが「入ったんだから出れるだんべ」と言っていましたw たしかに!入ったんだから出れました!(突然の脱出ゲーム) 貸切露天風呂は予約が必要で、外階段の下にあるようです。
 チェックアウト後、沢渡温泉の町並みを見るため 少し散歩しました。 とても急な坂が多く、歩道もなかったり、舗装が古くなっているところが多かったので 注意しながら散策しました。 普段の私のように、ボケーっとしているとちょっと危ないですが、 車と道の様子に気を付けながら進めば、電動車椅子ならばある程度は移動できるかと思います。 (壁のような坂もあるため、電動車椅子で大丈夫な坂は50%くらいかもしれません) 旅館が面するような道は、どうにか注意しながら通れば大丈夫なところが多かったです。 あ、でも横道は草が生い茂っているところばかりなので難しいです。 旅館から少し下って行ったところに 川と橋があり、川辺まで続く遊歩道がありました。 上から見た限り草が多くて、車椅子にはちょっと厳しそうでした。 階段とスロープの2つの道があるように見えました。 その川の側には、沢渡温泉の地図とトイレがある休憩所のようなところがあります。多目的トイレもあり、外にあるトイレにしてはかなりきれいでした☆(虫がいないという意味) 今回は和室に泊まりましたが、和洋室もあるようで、そっちのほうが便利かもしれません。
今度また行ってみようと思います!





2 戸丸大地
沢渡温泉は坂道に作られた温泉街です。
手動の車イスで登るのは少し大変そうですが、押してくれる人がいれば問題ないと思います。
道路はきれいに舗装されているので歩きやすいです。

草津温泉と四万温泉の間に位置する小さな温泉地ですが、「草津の直し湯」と昔から呼ばれるくらい肌に優しい泉質です。
数年ほど前に自動車で行った際に温泉街の坂道の車載動画を撮影しました。
坂道の斜度や道路状況の参考にしてもらえると嬉しいです。
3 高橋俊一郎(手動車椅子)
宮田屋旅館のホームページです。
http://miyataya.skr.jp/