1 木暮奈央(簡易電動車椅子)

丸沼高原・日光白根山ロープウェイ

 紅葉を見るために、丸沼高原へ行って来ました。駐車場に入ると最初に目に入る建物には、「お食事」などの文字が書かれていて、食堂などがあるようでしたが階段しかなく、入ることはできませんでした。その建物を過ぎて、ロープウェイ乗り場という案内看板に従って進んでいくと、もう一つ建物が見えてきました。そちらの建物には出入り口にスロープがあり、身障者用駐車場も設置されていました。身障者用駐車場とスロープを使って建物に入ると、お土産ショップとエスカレーター、多目的トイレがありました。ロープウェイに乗る人はエスカレーターに乗っていくようでした。私は車椅子なのでエレベーターを探したのですが、見つからず、スタッフの方に聞いたところ、「エレベーターはないので、この建物の裏まで車で行ってください。そちらにロープウェイ乗り場があります」と教えていただきました。再び車に乗り込み、建物の裏へ回りました。スタッフの方は「建物の裏へ回るのに坂が急だから車で行った方がいい」と言っていましたが、距離が短くて坂の勾配も電動車椅子なら気を付けて進めるぐらいの道でした。建物の裏へ車を停めました。ロープウェイ乗り場は屋外にありました。

 ロープウェイに乗るためには、自分の車椅子を降りて貸出車椅子(介助用)に乗り換える必要がありました。乗り口に段差があり、幅も狭いためです。58センチ以内の車椅子だとそのまま乗れることもあるようですが、私の車椅子は無理でした。貸出用の車椅子はロープウェイ乗り場に置いてあります。私は、何かにしっかり掴まらないと立つことができないので、スロープについている手すりに掴まりながら立って、介助用車椅子に乗り換えました。介助用車椅子は、自分で漕げるようにはなっていないので、自分で進むことができません。なので、一緒に行ったお父さんに押してもらおうと思ったのですが、私のお父さんも身体障害(3級)があるため難しく、ロープウェイ乗り場のスタッフさんに押してもらい、乗り場の前まで行きました。

 実際に乗り込むときは、かなりびっくりしたのですが、スロープを敷くのではなく、介助用車椅子の前輪を上げて乗り込みました。スタッフの方にやってもらったのですが、前輪が上がって体が後ろにかなり傾きながら乗り込んだので、身体的に少し大変でした。体幹が弱い人は介助用車椅子から落ちそうになる人もいるかもしれません。乗り込むと、ローウェイは山頂駅目指してどんどん上っていきました。さっき車椅子を乗り換えたところに私の電動車椅子がポツンと見えました。ちょっと行ってくるから待っててね〜(置き去り)。ゴンドラは少し揺れるので、お父さんに車巣を軽く抑えててもらいました。外を見渡すと、山々の紅葉がとてもきれいで空を飛んでいるような気持でした!どんどん上に行くに連れてもっと遠くの景色が見えたり、湖が見えてきたりして飽きることなく山頂駅に着きました。降りる時も、けっこう傾きながら下してもらうので、心の準備が要りました。

 山頂駅の出入り口には、小さなスロープがありましたが、少し急坂だったので介助用車椅子を押してくれるお父さんは大変そうでした。お父さんも歩くのが大変で転びやすいため、山頂ではあまり動けませんでした。山頂駅周辺には、天空の足湯、展望テラス、天空のカフェなどがあるのですが、そこへ行くには急な坂を上らなくてはいけなかったので、今回は諦めました。そこまで広くない場所ですが、坂がネックになっていました。階段を通らなくていい設計にはなっているので、無理なく介助用車椅子を押してくれる人と一緒に行けば、足湯や展望テラスも車椅子で行けると思います。標高2000メートルという標識のところまでは比較的平坦だったので近くまで行って写真を撮れました。私たちが行ったときはコロナの影響か、天空のカフェは営業していなくて、食堂が営業していました。食堂へ入るところもかなり急な坂道になっていたため、お父さんが食堂の方へお手伝いを頼みに行きました。私が坂の下で待っているとお父さんが戻ってきて「女性しかいないから難しいと言われた」と残念そうにしていましたが、すぐに2人スタッフさんが出てきてくださり、お店の中まで車椅子を押して連れて行ってくださいました。お店の前の小さな段差には小さいスロープをはめて通していただきました。料理も運んでいただくなど、とても心地よく昼食をとることができました。帰るときは、ロープウェイ乗り場まで押していただきました。

 帰りのロープウェイへ乗り込むときもスロープはなく、前輪を上げて乗り込む形でした。景色は帰りの方が迫力がありました(下るのでちょっと怖い)。
 今回はお父さんに少し無理をさせてしまいました。ロープウェイへの乗り降りにスロープを用いない点と、介助用車椅子は誰かが押さないと動けない(自力で漕げない)点、山頂駅周辺は坂が多いという点を考えると、車椅子の方と行く場合は身体的に健常の方が最低でも一人はいたほうが安全に楽しめるかと思います。また、介助用車椅子から落ちないように体のバランスを取ることが難しいと、ちょっと危ないかもしれません。すこし大変でしたが、スタッフさんは親切な方が多く、景色も素晴らしくて紅葉をたっぷり楽しむことができました。今回は足湯と展望テラスを諦めてしまったので、いつかまたリベンジしたいと思います。
2 木暮奈央(簡易電動車椅子)









3 高橋俊一郎(手動車椅子)
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