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1 無名さん

事故物件に住んでいた頃の話

私は若い頃 仕事が忙しく家を空ける事が多かったので、家賃が安い事故物件を意図的に選んで契約して住んでいました。今は結婚して普通の所に住んでいるのですが、これは独身の最後に住んだ事故物件の話です。
その部屋は4階で角部屋でした、日当たりも普通でそんなに狭いワケでも無いのですが家賃が相場の半分以下で、他の部屋の家賃は倍以上。不動産屋のサイトにも告知事項有り物件と記載がありました。
私は何も考えずに契約しテキトーに説明を聞いてさっさと引っ越しを済ませましたが、初日から管理人さんに「何かあったらすぐ私の部屋のピンポン鳴らして」と言われたので、そんなにヤバいのかな?と思ったのですが特に気になる事は無く普通に住んでました。
何週間かしたある日、管理会社から着信履歴がある事に気がつきました。
仕事で出れ無かったので夕方に掛け直すと
「お隣さんと下の階の方から騒音の苦情が来てるんですが…今お仕事中で留守ですよね…」
と明らかに変な様子で
「そうですね、毎日朝8時から夜の22時ぐらいまでは仕事なので部屋は誰も居ないハズです」
と言うとそそくさと電話を切られてしまい、なんだ感じ悪いなと思ってその日はそのまま帰宅しそんな事は完全に忘れてました、というか気にして無かったですね。
ところが次の週に事態が急変
また仕事中に管理会社から着信履歴
掛け直すとまた「お隣さんと下の階の方から…」
前の話を思い出した私は
「あー、あれなら鍵開けて一回中見て貰っても構いませんよ」と
もう面倒だったのでなかば投げ槍に言うと
「あ、はい…では一度ご確認を…」
と言って電話は切れた。
正直、家をあけてる時間も長いし管理会社のちゃんとした人に確認してもらえるなら有難いと半分得したぐらいに軽く考えていた。
1時間後ぐらいにまた着信履歴があったので掛け直した、どうせ何も無かったんだろうと思っていたが担当者は電話に出たが呼吸が荒く明らかに様子がおかしかった。
「○○さん、あのですね…鍵開けさせてもらってドア開けようとしたらですね…何かドアの向こうから誰かがドアノブをギューっと握ってるような感じでですね、ノブ回らないんです…僕怖くてですね…中見れて無いんです…すみません…すみません…あと怖くて怖くて鍵も閉め忘れてしまいました…すみません」
おいマジかよ鍵は困る、と思ったが
かなり怯えてる感じだったので、あぁ大丈夫ですよ今日は早く帰るのでと伝えて電話を切った。少し気になりながらもいつも通り帰宅し部屋に入ろうとして思い出した、そう言えば鍵閉め忘れたとか言ってたよな?だが確認するとしっかり鍵は閉まっている。管理会社の人はビビリ過ぎて鍵閉めたのに忘れたのかなとか思ってそのまま普通に部屋に入りいつも通りの一連の作業をして寝た。
それから何日かしてまた管理会社から着信履歴があり、また何かあったのかと思って掛け直すと新しい担当者からの挨拶の連絡だった。前の担当者は辞めたらしい、理由は聞いたが知らないと言っていた。
どうやら新しい担当者は私の部屋の事はどうやら知らないらしく頑張りますアピールを必死でしていた
因みに、私の部屋は私の前に住んでいたカップルがお互いを刃物で刺し合って出血多量で死んで血だらけになった部屋だったらしい。私が住んだのは事件からかなり時間が経過してからだったが
住んでいてちょっと気になった点は、宗教の勧誘が私の部屋だけ来ない(他の部屋を回っているのは何回も見ている)NHKの集金も全く来ない、私は別に受信料を払っても良いと思っていたが
一切来なかった。一度部屋の前まで来た事があって覗き穴から見ていたが
何かメモみたいなものを見て立ち去って行った。
あと共用部分の蛍光灯が自分の部屋の前のものだけすぐに切れる。
あと、怪文書のような読めない字を書いた紙がポストに入れられていた事が何回かあった