PR:一生忘れない怖い話の語り方 すぐ話せる「実話怪談」入門
1 無名さん

おかしな子

これは私の中学の頃の話です。

中学の同級生に変わった子が居ました。 仮にAとします。Aは独り言が多く、まるで見えない誰かと話しているような、そんな子でした。クラスの子達もそんな子と関わりたくないのか何処か遠巻きでグループに入れたくないペアを組みたくないと避けており、大人しい子達が集まる私達のグループに入れられました。私達も内心、Aと関わりたくないと思っていましたが中学生になっでまで、そんな子どものような事は駄目だと思い表面上は普通に接していました。Aは聞いてもいないのに一方的に「休みの日に彼氏とサイクリングに行ったの!」「昨日、頭の検査して来たんだ〜!」などと言ってきては、私は「彼氏居るの?いいなー」とか「検査あったの?大変だったね」と当たり障りない程度に返答を返していました。
ある日の事です。私とAは登校が被り、下駄箱で出会う事がよくありました。その日も軽い挨拶をし、教室に向かおうと私が先に階段を登っていると階下でAの声がしました。

何か言いながら階段を登っているようで、私は気になりを下を覗き込むと

「ちょっと待ってちょっと待ってちょっと待ってちょっと待ってちょっと待ってちょっと待ってちょっと待ってちょっと待ってちょっと待ってちょっと待ってちょっと待ってちょっと待ってちょっと待ってちょっと待ってちょっと待ってちょっと待って」
一人でそう言いながら階段を登ってくるAを尻目に走って教室に逃げ込みました。
もし、私に言っているなら私が居るであろう上を向きながら言うはずです。ですが、Aは真っ直ぐ誰も居ない空間に繰り返し言いながら登って来たのです。

その日から私はAを避け過ごしました。

2年生になり、Aとクラスが分かれ、3年生の時も違うクラスでしたので卒業するまでAと出会う機会はほどんどありませんでした。
Aのクラスメイトに聞いたのですが、こんな事があったそうです。
2年生になった日のこと、男子がAに「お前、誰と話してんだよ!」とからかいながら聞いたそうです。するとAが嬉しそうに言ったそうです。

「透明なお兄さんと話してるの」

フッと疑問に思ったのですが、Aが一緒にサイクリングをしたと言う彼氏は本当に存在するのでしょうか?