PR:一生忘れない怖い話の語り方 すぐ話せる「実話怪談」入門
1 R

小学4年生の頃の思い出

私がまだ小学校4年生の頃、怖い話や学校の怪談などが流行していました。休み時間や放課後などは教室に居残り、仲の良い数人でオカルト的な話やゲームなどを楽しんでいました。

先生が見回りで、教室のドアを無造作に開けると「そろそろ帰りなさい」そう言われるのが日常でした。

その日は、帰り際にトイレに行きたくなり、玄関ホールから程近いトイレに立ち寄り個室に入り、用を足そうとした時でした、トイレの天井から液体がポタポタと垂れてきたのです。

床に広がる液体は、どす黒い赤い色をしており、私は直ぐに気付く事が出来ず、何かのオイルが垂れているのだと思っておりました。

ポタポタと滴る液体を横目に、気にせず用を足し終えると、女子トイレの天井から何か垂れている事を先生に報告して、帰路に付きました。

帰り道友人にそのことを話すと、真っ青な表情を浮かべ、私の手を引き学校のトイレに走って戻ったのです。
しかし、戻った時には私が見た液体は既に無くなっており、先程伝えた先生に確認してもまだ何もやっていないとの事でした。

友人と顔を合わせると、友人は相変わらず青い顔になっており、私にこう言いました「恐らく血液だったのでは」怪談話の中に本物があって呼んでしまったのではないかという事でした。

私が通っていた小学校の怪談は、七つでは無く無数にありました、よくあるベートーヴェンの怪談や理科室の人体模型などは、逆に無く学校設立前、そこは戦争で亡くなった方達を燃やす為の場所だった事から派生したような怪談が多数ありました。

確かにおかしな所がある学校でしたので、色々な噂も多かったのは事実でした。例えば、何も無い空っぽの旧校舎が良い例でした。明らかに、新校舎と体育館の邪魔になっており、渡り廊下は使えず外から入る形をとっていましたし、大掃除時期になっても旧校舎だけは、立ち入りを禁止されていました。

小学校六年間あそこだけは、気味が悪かった場所でした。未だにそこの旧校舎は変わりなく残っていました。そんな学校の怪談の中に確かに本当の話が紛れていてもおかしくはないと思い、友人と翌日から調べてみようと話しておりました。
学校の怪談をかき集め、図書室では学校設立前の文献はないか調べてみたりもしていましたが、何もなく設立前は、すべて田んぼだったという事しかわかりませんでした。
ある日、一度資料をまとめようと友人の家に遊びに行った時の事でした。私の家から友人の家まで自転車で約20分ほどで、行きも帰りも学校の前を通らなければ友人の家にはたどり着かない道のりだったのです。行きは何事もなく友人宅に付き、宿題を終わらせてから資料を話しながらまとめていました。
都市伝説的な話と、実際に誰かが体験したなどで先ずは分類してみました。トイレの天井から血液の様な液体が滴り落ちる話も何件か入っており、その他にも旧校舎の窓ガラス内側に無数の手形があったなども報告されていました。
その他にもいくつかの話しがあり、他の学校にもある話は排除していました、ある程度資料はまとまり別の日に考察してみようと話しをし、私は友人宅を後にしました。

空もすっかり暮れており、帰宅時間も迫っていたので私は家路に急ぎました。何時ものように学校の前の信号につかまり、何気なく学校の屋上にある水タンクを見ていたら、白い羽衣を着た下半身のない女の人が見えたのです。最初目に見えた時は、コンビニなどの袋が風に流されて飛んできたのだと見えていたのだけれども、その日は、無風状態で何かが飛んでくるとかはあり得ず、水タンクに何かが引っかかっているとも思ったが、白い羽衣とタンクには、引っ掛かりのない空間があったので、その考えも除外した。

女性らしき羽衣は、じっとこちらを見ており不思議と恐怖などは感じなかったのですが、未だに覚えている光景の一つでもあります。

死装束の様な白い着物に白い羽衣を纏っており、下半身のない女性悲しそうな寂しそうな感じに見えておりました。信号が変わり一瞬目を離してしまい、もう一度確認した時には、既に水タンクの近くに白い羽衣は、見えなくなっておりました。

あの時何を伝えたかったのか分からなかったのですが、今調べている事は、やめた方が良いと思い帰宅後友人に報告しました。
友人は納得こそしていなかったようでしたが、その後私を怪談について誘うのは辞めてくれました。数か月後友人は親の都合で遠方に引っ越して行きましたので、その後については分かりませんが、何か触れてはいけない事に触れてしまったのではと心配ではありましたが、怪談の事は私には一切話すことなく引っ越して行きました。
奇妙なことは続くもので、あの白い羽衣を見た夜に不思議な夢を見ており、知らないマンション見たことのない景色が夢にみました。一人の女性が屋上から自殺をした夢でした。
翌日そのことをクラスメイトに話したら、クラスメイトの一人の男の子のマンションと酷似しており、その後そのマンションで自殺した女性がいたと知りました。
それからは、予知夢の様な夢を見る事もありましたが、口にする事は無くなりました。