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1 無名さん

警備会社のサトウさん

私は地方の福祉施設で働く30歳の介護員です。
今日は6年前に私の仕事中に起きた出来事をお話します。
その出来事が起きたのは6年前の11月下旬でした。
私は勤務している介護施設で12月から行われるレクの準備に追われていて毎日夜遅くまで残業していました。
他の職員に手伝ってもらいましたが21時以降は他の職員に手伝ってもらうのは悪いと思い1人で作業していました。
21時以降、警備はセンサーが反応したときに管理会社から電話がくるシステムだったことと施設が通所型のため高齢者も施設にはいないため施設には私1人だけの状態でした。
1人だけ施設に残っているときには施設の奥にある職員出入口にあるセンサー作動スイッチを押して帰宅することになっていました。

11月29日、午後23時を過ぎたころだったと思います。
次の日も仕事なので今日は帰宅しようと思い施設にある
「金庫」
「食堂」
「利用者出入口」
の合計3つのセンサーを確認してセンサーの作動スイッチを押すと、
「キンコ ロック エラー」
の文字が出ていました。確認しに行くと金庫のセンサーの位置は普段と全く変わりありませんでした。もう一度職員出入口に向かうと、職員出入口のガラスがぼわぁっと光っていました。私が近づくに連れて光は薄くなっていきました。
その後、センサーの作動スイッチを押すと問題なくセンサーが作動しました。
その時には「11月下旬ずっと残業した疲れが出たのかな?」と思っただけでした。
事態に異常を感じ始めたのは翌日の出来事でした。
翌日11月30日、行事の最終準備で日をまたいで深夜1時頃だったと思います。
無事に行事準備を終え、安心して帰宅しようとしていた時でした。
この日も1人で残っていたのでセンサーの作動スイッチを押したところ
「チュウボウ ロック エラー」
という文字が表示されていました。
昨日のエラーの件もあり入念にチェックしただけに違和感を感じつつ厨房のドアのセンサーを見に行くとセンサーは正常に動作しているようでした。

職員出入口に戻ろうとしたとき事業所の電話が鳴りました。
着信表示を見ると携帯電話からでした。
サトウさん「警備会社のサトウです。連日センサーエラーが出ていた様なので気になって電話しました。問題はありませんか?」
私「夜分にすみません。特に問題はないのですがセンサーのエラーが出てしまいます。」
サトウさん「明日、私が様子を伺いに行きますね。」
私「ありがとうございます。」
というやり取りをしてその日は帰宅しました。

12月1日、行事が無事に終了しました。
終業後、警備会社のサトウさんがまだ来ていなかったようだったので警備会社に電話したところ、
警備会社「センサー作動前のエラーに関して警備会社から連絡することはありません。」
警備会社「サトウという職員は現在当社にはおりません」
とのこと。
さすがに異常だと感じた私は上司に今までの件を報告しました。
上司から話を聞くと、
・職場が立つ前、この土地は林で自殺が何回か起きていた。
・ほかの職員も同じようなことがあって不眠症になる職員がいた。
ということがわかりました。
翌日が休みだったのですぐに神社でお祓いをしてもらい、その後はそういったことは起きなくなりました。

警備会社のサトウさんはいったい誰だったのか、今も私にはわかりません。