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1 無名さん

地元の同級生とのドライブデート

作り話じゃないの?っていうくらい私が体験したウソのようなホントな話です。
当時、学生だった私は地元には数年帰っておらず、情報が更新されていない状態でした。
就職を機に地元に帰ることになり、情報を得たい私は、地元の同級生と連絡をとるようになりました。
はじめは地元の話題が上がっていましたが、高校・大学での生活を話したり、今現在彼氏彼女が居ないことから、お互いに心の距離が縮まり始めました。
一気に距離を縮めたくなった私は、地元へ帰った際に夜景の綺麗な山へドライブに行こうと誘いました。
返事はもちろんOKでした。
当日、私は車で彼女の家まで迎えに行きました。
久しぶりに見た彼女は綺麗でした。
学生時代の彼女からは想像できないほどに変わった彼女をみて、私は惚れてしまいました。
テンションが上がり、早速口説きに行こうと、山へ車を走らせました。
山の頂上付近に着くと、大きな風力発電数組のカップルが寄り添い親密に話をしている状況でした。
私たちも同じように寄り添い、少しずつ身体と心の距離が縮まろうとしていました。
その時…

急にヒュ〜と風が吹き、草木が揺れ始めました。
私は、急に吹き始めた風に気付きながらも、彼女から視線を外さずにひたすらに話をしていました。
しかし、どんどんと強くなる風に彼女も気付いたようで、私の口説き話は一旦中断させられました。
ふと周りを見渡すと、当初居た周りのカップル達が誰もいないことに、私たちは初めて気がつきました。
すると、風はどんどんと強くなり、次第に雲のような霧のような、白いモヤモヤしたものがスーッとあたりに立ち込めてきました。

不気味な雰囲気になろうとしている中、私はもうちょっとで口説き落とせそう…とまだ諦めきれずにいました。

このままゴリ押してしまえ!
ともう一度彼女の顔をみると
なんか…ヤバくない?
そう言った彼女の顔はやや不安げにみえました。
もう難しいか…と諦めようと、ふと無意識に風力発電の風車へと視線を変えました。
そして、ギョッとしました。

風車の足元に、白いボワッとした何かが見えたのです。

目を凝らしてよく見ると白い何かは、髪の長い、白いワンピースのようなものを着た女の人に見えました。
そして、裸足でこちらへゆっくりと歩いてきました。

この時間に、山の頂上で、一人で?それも裸足?なんで向かってくる?

その瞬間、一気に怖くなった私は彼女の手を握りしめ、車へと走っていきました。すぐに車に乗り込み、車を走らせました。何度もバックミラーを確認しながら山を降りましたが、何も起こることはありませんでした。
無事平地にたどり着きホッとした私たちは、お互いの顔を見合わせました。
そこで私はまたギョッとしました。
彼女の顔のメイクは乱れ、髪もボサボサでした。
夜景を見に行く前の彼女とは比べ物にならないくらいでした。
それを見た私は、サーッと何かが引いていくのを感じました。
何かを期待している彼女を横目に、ゆっくりと車を走らせ、彼女を家に送り届けました。
1日に二人の女性をみて血の気が引いた話でした。