PR:一生忘れない怖い話の語り方 すぐ話せる「実話怪談」入門
1 ほうじ茶

どこに行ったの…?

見つけてくださりありがとうございます。

今から話すのは私が高校一年生の頃に実際に体験した出来事です。


家の近くにホタル公園というホタルを鑑賞できる公園があり、初夏になるとホタル祭りという催しが開かれます。
ホタル祭りが終わり一週間ほどすぎた頃に母親と夜のウォーキングがてらまだホタルがいるか見に行こう。と公園に行きました。

ホタルを鑑賞できるだけあって、公園内には街灯も無く真っ暗なのです。
草の茂みと遊歩道で小川を挟んでいて、私たちは遊歩道からホタルを探し始めました

ちらほら黄緑の光が飛ぶ中、小川の向こう側 茂みの下に青白い顔がぽわっと浮かんでいました。
私は咄嗟に違う方向に目をやりました。
(もう一回見て居なかったら見間違いだ)(でも居たら…?)(居たら居たで怖いけど)
そんなことを考えていると、キョロキョロうろうろしている私に『どうしたの?』と母が声をかけてきたので青白い顔を指差し「あそこに顔みたいものない…?」と言った途端、普段冷静な母が『ぎゃーーーーーー!!!』と叫び私の腕を引っ張って公園の外まで走り出したのです。

走っている最中、後ろからの圧迫感や何かが後ろにいるような気配を感じ、振り向いたらダメなんだろうなと心臓をバクバクさせながら近くのコンビニまで走りました。

コンビニの灯りや周りの車に安心感を覚え、現実に戻ったような感じがして(もしかしたら見間違いだったのでは?)とも思いましたが
母に『何が見えた?』と聞かれ「呪○のとしおくんみたいな顔が見えた」と答えると母も同じものを見たというのです。


それからすぐに家の中で、主に私の周りで不思議なことが起こり始めました。
夜、布団で寝ようとして居た時に頭の中か耳元か分かりませんが小さな男の子の声で
〈なに?〉と言われたり、〈キャハハハハハ〉と笑っている声が聞こえる。

部屋のクローゼットのドアががミシミシ鳴り出し、中からドン!とドアを叩く音や
家族がリビングに居る時にドアがガタガタガタと揺れる。
もちろん地震などではありません。

当時ホラー系が好きで、テレビで放送していた心霊番組の録画を夜中にエアコンもつけず扇風機もつけず窓も開けずに一人で見ていたところ、部屋にあったバランスボールが突然転がり何にも当たってないのにピタッと止まったのをしっかり見てしまい、流石に怖くなりテレビを消し布団に潜りその日は寝ました。

他にも子供の走るような足音が聞こえたり、誰も居ない上の階からガタガタミシミシというような音が聞こえていました。


そんなことが続き20歳を過ぎた頃、私は実家を出て都心で暮らすようになったのですが新居に選んだ家は築2年の新しくて綺麗なマンションでした。
引っ越してから連日怖い夢を見ていて、自分が寝ている寝室のドアを開けて入っていく等の現実か夢なのかわからなくなるような夢を見ていました。

そんなある日友達が家に遊びにきた時、この家の電気がついていないところ(脱衣所や廊下など)がなんとなく怖い感じがする。と言われてしまい
母からは『実家が静かになった、足音が聞こえなくなった。』と言われ連れて来てしまったんだなと感じました。

しかし急に怖い夢も家の中の怖い雰囲気も気配も何もかもがスーっと無くなったのです。

当時、たくさんの人が使う大きな駅の近くでバイトをしていたので、もしかしたら私の他にもっと居心地のいい人や私と同じように男の子の存在を認識してしまった人に憑いて行ったのかもしれません。

この出来事がきっかけなのか元々持っていたものかわかりませんが、それ以来疲れている時や気を抜いている時に霊を見てしまう時があります。


ーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーー

おまけ

15歳の頃から21歳までの約6年間の間、家で物音がしたりドアが揺れたり声が聞こえていたので、私も家族も慣れてしまい
「なんか今日暴れてるね〜w」「うるさいなぁ、テレビ見てるのに…」「走ってるねw元気だなぁ」
くらいの感覚になってしまっていました笑

急に居なくなり少し、すこ〜しだけ寂しいような誰かに取られてしまったような気持ちになってしまったのは母にも誰にも言えません。
慣れって恐ろしいです…。

読んでいただきありがとうございました。