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1 無名さん

シャッター

朝、私はバイト先で店を開ける作業をしていました。店の中の掃除が一通り終わり、前日のごみをまとめてごみ捨て場に捨てにいけばもう店が開けられます。うちのビルは、何個かのテナントがごみ捨て場を共有しており、ボタンを押してシャッターを開けて中にごみ袋を置いていくような形になります。時間も迫っていたので、急ぎ気味にごみ袋を持ってごみ捨て場に向かいました。いつも通りシャッターを開けて中に入ってごみ袋を置き、出たらシャッターを閉めるボタンを押して、急いでいたため閉まるのを見送らずにお店に戻ろうとしました。少し歩いて、一応ちゃんと閉まるのを見届けようかと思って振り向くと、足が見えました。下がっていくシャッターの奥、ごみ捨て場の中に間違いなく人の足が見えます。膝から下くらいしか見えませんでしたが、普通のジーンズを履いてたと思います。靴は遠かったのもあってあまり覚えてません。先ほど自分が入ったときには間違いなくそこに物はありませんでした。人かとも思いましたが、いたずらにしては悪趣味だし、閉まったら中からそのシャッターを開けることはできないはずです。その足はそのまま微動だにせず、少ししたらシャッターは完全に閉まって見えなくなりました。少し呆然としていましたが、開店時間が近づいていたので、その日はすぐお店に戻りました。その日からは、シャッターが最後まで閉まるのをちゃんと見守るようにしています。