take２

もう眠くなってきた。
試験開始１０分である。
うー。これはいかんぞ。また母ちゃんに叱られる。
いちたすいち？
なんだ。
なぜ、いちといちをたすんだ？
足さなくてもいいではないか。いちいち。あ。おもろ。うはははは。
笑ってる場合ではない。
足す必要あるのか。
あー、こんなこと考えてるから、いけないんだな。
単純に、先生のゆうた通り、足せばよいのだ。足せば、いい点数がとれる。そうなれば、母ちゃんに叱られない。
もっと言えば、母ちゃんがイライラして、家庭不和の原因になる。父ちゃんにも迷惑をかける。
しかし…………どうしても考えてしまう。なぜ、いちといちを足す？
何か意味あるのか？
コップにジュースを足す。これはわかる。意味がある。飲むためだ。
でも、いちにいちを足しても何も意味がない。意味のないことを考えるのは苦手だ。こんなことして、世界が平和になるってのか？
なるってひともいるかもしれない。
とにかく、数字というのは、文明を進化させてきた。数字がなければ、いまだ人類は原始時代を過ごしてるであろう。生活が快適になったのは、数字のおかげだと。
しかし、同時に、戦争など、憎しみも生んでるはないか。
数字のせいで、むだな争いが増えてるではないか。
父ちゃんが言ってたぞ。営業で数字とるために同僚を蹴落として、たまにいやになると。

ううう。時間だけが過ぎる。こんなことでは、また零点だ。
焦る。焦る。焦る。
みんなの快調な鉛筆音が癪にさわる。
飛ばして、文章問題でもやってみるか。
む。
むむむむ！？？
りんご二個とみかん三個を足す？？？
足せないではないか！
りんごとみかんは違うものだぜ？
りんご二個と戦闘機三機を足すと発想が同じではないか。
先生はクレイジーか。
しかし、世間的には、零点をとるおれがクレイジーということになるのが、難しいところだ。
うー。
クレイジーにはなりたくない。
でも、納得がいかない。
どうしたらいいんだ。

わからない。
わからない。
わからない。

☆
「たけるちゃん。問題、意外と簡単だったねー」
ううう。可南子ちゃん可愛いけど、殴りたい…………。

　
テイクツー、からの、退屈ぅー、ならば、体罰している大仏ぅー！！争いだったらリンゴを何個も食おうとしている怪物ぅー！！ブツブツ小言の物々交換！！高価な硬貨で強化の効果！！消火試合ならセンコー召喚！！凌駕、している、世界は平和ぁぁあああ〜？？？