外務省

　外務省でアルバイト。今日も外人と交渉をする。
「拉致家族を返しなさい」
「いやニダ。何かちょーだいニダ」
「戦争だ」
　オレはスリッパで金正恩の頭を叩いた。キムは泣いた。
「ミサイル飛ばすニダ」
「なにい生意気だな北朝鮮の分際で」
　やはりアルバイトに外交はムリかなー？
　正規外交官の山科さんが、キムにゆった。
「アメリカジャイアンに逆らうなんて大したもんです。我が日本などスネ夫みたいなもんですお恥ずかしい」
「拉致家族を半分返すニダ。うれしいニダ」
「ありがとー」
　さすが正規は違う！　アルバイトは低賃金ゆえにすぐキレてまうが、正規はいいもん食ってるからいい仕事ができる。
　格差反対！
　オレと山科さんは居酒屋で飲んだ。
「たけし。外交官にとって大事なものは何だ」
「才能ですか」
「全然違う。だからお前はアルバイトなんだ。いいか。外交官に必要なのはノリだ。ノリが一番大事なんだ。覚えとけ」
「はい！」
　山科さんカッコいい。
　オレは将来、アルバイトをやめてプロ作家になる。その時に役に立ちそうだ。
　ケータイの着信音。居酒屋を出て、現場に向かう。
　ラーメン屋で客と王さんがケンカしてる。仲裁も外交官の仕事だ。
　へとへとになって本日は帰宅。小説を一時間書いて寝る。明日は財務省でアルバイト。保育園増設に向け、財源を調整しなくちゃいけない。また残業だ。掛け持ちは大変である。
　野良犬が不気味に吠えてた。
　Am7。

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