1 熟年妄想族

毛深いタクシー運転手

私は62歳(雄二)で子供2人は結婚し独立して孫も5人います。妻は若くして30代でガンで亡くなりました。両親や兄弟から再婚も勧められましたがこれまでの人生で一度も考えた事がありません。私はゲイの老け専で結婚も世間体を気にしての事だった。
今は賃貸アパートで1人暮らしです。
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2 熟年妄想族
part 1

私は3人兄弟(兄、姉、私)の末っ子で若い頃から自分のセクシュアリティに気づいていたものの、時代も環境もそれを許さないものでした。父は厳格な警察官で、「男は強くあれ」「家庭を持ち子孫を残せ」と常々言っていました。
私はそんな父が大好きでいつも父の存在に心惹かれていました。尊敬と憧れが入り混じった感情を持ちながらも、幼少期から違和感を感じていました。
父は私の初恋の相手と言っても過言ではありません。もちろん、当時の私にはまだ自分の気持ちを正確に理解する力はありませんでしたが、父を見る目が他の人とは違うことに薄々気づいていました。父の強さや正義感に惹かれる一方で、父の体つきや仕草にも目が行くようになっていったのです。
父は私に「男らしくあれ」と常に言っていました。
だから私は必死で「普通の」息子であろうと努力しました。高校は男子校に通い、大学では女子学生の多いサークルを選んで無理に恋愛感情を持とうとしました。しかし、どれだけ女性と付き合っても本当に心を開けることはできませんでした。
父への想いはずっと胸の中に秘めてきました。母さえ気づかないほど完璧に隠し続けたつもりです。
母もまた、「お見合いでもなんでもいいから早く結婚しなさい」と口癖のように言っていました。だから私も押し流されるようにお見合いをして、妻の千佳と出会ったのです。彼女は清楚で優しく、まさに「理想的な嫁」という感じでした。だからこそ、罪悪感を感じながらも結婚したのです。
私たちは形だけの夫婦生活を送っていたはずでしたが、年月が経つにつれて少しずつ変化が訪れます。千佳は私の気持ちを薄々感じていたのかもしれません。ある日、彼女は静かに言いました。「あなたは私を本当に愛していないかもしれないけど、それでも私はあなたを愛してる」
その言葉に私は胸が締め付けられる思いでした。私たちには二人の息子ができましたが、私は父親としての責任を果たそうと必死でした。千佳は病に倒れるまで、明るく気丈に振る舞っていました。最期の時、彼女は私の手を握り、「あなたの秘密を知っていたわ。でも憎んだことは一度もないの。あなたはいつも私と子供たちのために尽くしてくれた」と微笑みながら言ったのです。
その瞬間から私は変わろうと思いました。もう自分に嘘をつく必要はないんだと。それでようやく長年の重荷から解放された気がしました。
子供たちが成長する過程で付き合った男達とは色々ありましたが、息子達もそれぞれ自分の道を見つけて巣立っていきました。今振り返ると、あの当時の決断は正しかったと思っています。
月日は流れ、私は62歳になりました。長い人生の中で多くのことを経験し、そして多くを失ってきました。今は特別に付き合っている男性もおらず、この年になると新しい出会いを探す気力も薄れています。
昔の自分を思い返すと、まるで別人のように思えます。父への秘めた想いや若い日の葛藤が今の私を作り上げているのだと実感しています。両親は既にこの世を去り、実家には長男夫婦だけが残されました。
私は仕事上毎日タクシーを利用します。いつものように通りに出てタクシーを止めると、ドライバーの筋肉質な腕がハンドルにかけられ、濃い眉の下の眼差しが懐かしそうに細められる。彼の腕は太くて毛深く、その姿はまさに私が想像する「親父」そのものだった。
運転手にどこか親しみを感じ見覚えのあるような気がした。
運転席の左側に表示されている乗務員証の名前や顔写真は、紛れもなく高校の同級生だった。
「マサル……」
「え?マサルじゃん!久しぶりだね」
「雄二か?全然変わってないな」
「久しぶりだな……マサル」
思わず口ごもりながら前のめりになった。久しぶりの再会に心臓が早鐘を打つ。高校時代にクラスメイトだった彼は、卒業後すぐに地元を離れたので30年以上会っていませんでした。最後にあったのは同窓会で10年前でした。
懐かしさが込み上げてくるとともに、不思議な緊張感が走りました。マサルは高校時代、私の秘密の関心の対象だったんです。誰にも言えなかったけれど、密かに恋心を抱いていた相手。当時の私は告白することもできず、卒業と共にその想いも封印していました。
「どこまで?」
「ワンメーターだけどいいかな?」
「気にすんなよ」
車は静かに出発し、私は窓の外を見つめた。夕暮れの街並みが流れていき、エンジン音だけが静かに響く。
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3 熟年妄想族
part 2

「お前、変わってないな」
マサルの声には懐かしさと共に何かを測るような響きがあった。
「そういう君は随分逞しくなったじゃないか。昔は痩せてたのに」
「まぁ、色々あったよ」
それ以上詮索しないまま、車は夕暮れの街並を進む。
「どうしてるんだ最近?」
マサルがミラー越しにちらりと視線を寄越してきた。
「そうだな……ぼちぼちやってるよ」
「雄二は昔より柔らかい雰囲気になったな。高校の時はちょっと近寄りがたいオーラ出してたからさ」
言葉に詰まった。確かに昔の私は自分の気持ちを封じ込めようと必死だった。誰かに悟られまいと鎧を纏っていたのだ。
「そうか……かもしれないな」
私も曖昧に答えるしかない。自分のセクシャリティについて打ち明けていいものか躊躇してしまう。長年押し殺してきた気持ちが今さら簡単に表に出せるわけがないのだ。
「そういえばマサルは結婚したの?」
「ああ。子どもも三人いるよ。一番下の娘が去年結婚したばかりだ」
「おめでとう。順調そうで何よりだ」
「雄二こそ……奥さんは?」
一瞬言葉に詰まったが、嘘をつく必要もないと思い直した。
「妻は25年くらい前に亡くなった。ガンだった」
マサルは小さく息を呑み、「そうか……それは辛かったな」と静かに言った。
しばらく沈黙が続いた後、マサルが口を開いた。
「勿論再婚したんだろ?」
唐突な質問に動揺した。
「いや!ずっと独身だよ」
積もる話も山ほどあるが、ワンメーターだと目的地に着くのもあっという間だった。
「ここでいいよ」
タクシーが滑るように停車する。
マサルが料金メーターを見ずに答えた。
「今日は奢るよ。久しぶりの再会祝いってことで」
「いや、そういうわけには……」
「いいんだよ。また乗ってくれればそれでいいから」
名刺を差し出しながらニヤリと笑う。裏にはマサルの携帯番号も書いてあった。
「ありがとう……職場のチケット払いだから気にすんな」
チケットを受け取ると同時に、車のドアが自動で開いた。
「じゃあな」
降りかけたとき、ふと思った。
「マサル」
振り返ると彼が怪訝な顔をしている。
「何か?」
「電話してもいいか?」
少し驚いた様子だったがすぐに嬉しそうに破顔する。
「もちろんだ!」
ポケットにしまった名刺を何度も取り出して眺めてしまった。不思議な感覚だった。何十年も抱えてきた秘密が少しだけ解放されたような清々しさがある反面、これから何をどう伝えたらいいのか全く分からない困惑もある。
帰宅すると、玄関先で靴を脱ぎながらスマホを取り出した。迷いながらも決断し、マサルにショートメールを送った。
『今日はありがとな!時間がある時ゆっくり話をしよう』
簡潔な文面だがそこに込められた意図は明白だった。昔の友達以上の関係を求めている気がする。六十を過ぎての恋なんてと思う一方で、長年の抑制から解放されるチャンスかもしれないと胸が高鳴る。
五分後に返信が来た。
『俺も同じこと思ってた!いつでも都合のいい日教えてくれと、LINEの招待リンクが添付されてきた』
画面を見つめながら微笑んだ。LINEで友達追加し、まるで十代の頃に戻ったような新鮮な感覚に戸惑いながらも嬉しかった。夕食をとりながら昔のアルバムを開いてみる。そこに映る若かりし日のマサルは今の姿からは想像できないほど細身だった。時は人を変えてしまうものだが、あの温かい笑顔は変わらない。
翌日からマサルとのやり取りが始まった。初めは仕事の話や子どもの話など当たり障りのない内容だったが、徐々に深い話題にも触れていった。
『雄二は今までどんな人と付き合ってきた?』
マサルからの質問に少しだけ戸惑った。どこまで本当のことを話すべきか迷ったが、結局は素直に答えた。
『実は男の人とも付き合ったことがあるんだ』
既読がついたがすぐには返事がこない。一時間後に届いたメッセージにはこうあった。
『そうか……なんとなく気づいてたよ。でも今日まで聞けなかった』
胸がキュッと締め付けられる感覚。長年隠し続けてきたことを初めて打ち明けられた開放感と同時になぜもっと早く言わなかったんだろうという後悔も生まれる。
『驚かせてすまん』
『謝ることないよ。俺もずっと友達だと思ってた奴がゲイだったって聞いて最初はビックリしたけど……今ならわかる』
そこから先は文字ではなく直接会って話したいと言われた。三日後、平日の午後に近くの喫茶店で待ち合わせはどうか聞いたらマサルが俺のアパートに来る事になった。
約束の日が訪れた。毛深い腕を露しポロシャツ姿で現れたマサルは髪型こそ変わっていたものの、あの屈託のない笑顔は変わらなかった。二人向き合ってコーヒーを飲んだ。
「実はさ……ずっと聞きたいことあったんだけど」
マサルの言葉に思わず緊張してしまう。何を言われるのかと身構えたが、彼は穏やかな表情で続けた。
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4 熟年妄想族
part 3

「お前の父親って厳しい人だったよな。よく叱られてるところ見てた」
突然の話題に戸惑いながらも頷く。
「ああ……父は警察官で厳格な人だった」
「その割にお前はすごく繊細そうだったよな。何か悩みを抱えてそうな感じで」
ズキンと胸が痛んだ。あの頃の自分の苦しみを誰かに理解してもらいたいと思っていたけれど、誰にも言えなかった。
「そう見える時もあったかもしれないな」
「やっぱりゲイだってこと隠してたから?」
ストレートな問いかけに返事をためらったが、マサルの目を見て答えた。
「……そうだ。でもそれを誰かに話す勇気はなかった」
マサルは真剣な表情でこちらを見つめ返してきた。
「実はさ……俺も似たような経験があるんだ」
意外な告白に驚いて顔を上げた。
「え?」
「俺もずっと男に興味があった。25で結婚してずっと封印してきたんだ」
予想外の告白に息が止まりそうになった。カップを置きながらマサルの顔をまじまじと見る。
「奥さんや子どもさんは……」
「幸いなことに俺の性自認は完全に揺らいでるわけじゃなくて、夫婦生活も何とかやってこれた。でも時々どうしても男らしい人が目に入ってドキドキすることはあるよ」
マサルの正直な告白に言葉を失った。自分のセクシュアリティについて打ち明けることはこれほど勇気のいることだったのかと改めて実感する。
「そうだったのか……」
「ああ。だから雄二がずっと何かを隠している感じがしていたんだ。昔から妙に距離を置くように見えたし」
「そうか……気づかれてたのか」
恥ずかしさと安堵が入り混じった複雑な感情が湧き上がる。長い間自分の本質をマサルに隠してきたことへの後悔と同時に、やっと理解してくれる人に出会えた喜びも感じていた。
「マサルは……今でもときどき男の人に惹かれるの?」
「正直に言えばそうだな。でも俺には家庭がある。子どもたちを不幸にするわけにはいかないからずっと悩んでた」
その言葉に胸が痛んだ。マサルもまた自分の本当の気持ちを押し殺しているのだ。
「俺の場合はもう全部終わった状態だから……」
そう言いながらコーヒーに口をつけた。妻が亡くなってからすでに25年。子どもたちは独立し、孫たちも成長している。
「雄二は今好きな人いるの?」
突然の質問にドキッとした。正直なところ自分でもよくわからない状態だった。
「いないと言えば嘘になるかもしれないが……具体的に誰かと付き合うとかそういう段階には至っていない」
「そうなのか……もしそういう機会があれば応援するよ」
マサルの温かい言葉に感謝しつつも、一方で新たな悩みが芽生えていた。彼の存在を知ってしまったことで自分の心の中に新しい感情が生まれ始めていたのだ。
「マサルは……どうなんだろう」
恐る恐る切り出すと、彼は少し照れくさそうに笑った。
「俺か?まあ……正直言って、雄二のこと気になってるよ」
ストレートなマサルの言葉に胸が高鳴った。彼は真剣な表情で続ける。
「正直に言うと……雄二とセックスしたいって思ってる」
その露骨な告白に一瞬戸惑ったが、内心では喜びが溢れていた。長年の抑圧から解放される機会が訪れたのだ。
「……俺も」
返事をしながら顔が熱くなるのを感じた。
「本当に?」マサルの目に期待の色が浮かぶ。
「うん。ずっと我慢してきたけど……もう隠す必要はない気がする」
胸の奥から暖かいものが湧き上がってくる。
「雄二、本当にいいのか?」
マサルの声は低く震えていた。二人は寝室に入るとすぐに唇を重ねた。舌が絡み合い、唾液が混ざり合う。
「ずっと……我慢してきたんだ」雄二が喘ぐように言った。
「俺もだ」マサルの手が雄二の腰を撫でる。「もう四十年以上も男を欲しがる気持ちを隠してきた」
服を脱ぎ捨て、ベッドに倒れ込む二人。マサルの手が雄二の硬くなった部分に触れる。
「すごいな……こんなに大きくなってる」
雄二もマサルのものを握りしめた。「お前こそ……こんなに……熱くて固い」
お互いの身体を貪るように舐め合い、指がお互いの最も敏感な部分を探り合う。
「マサル……舐めていいか?」
雄二の言葉にマサルが息を飲む。「もちろんさ」
マサルの前に雄二がしゃがみこみ、ゆっくりとマサルのものを口に含む。湿った舌が亀頭を這い回り、喉の奥まで飲み込まれる感触にマサルは喘ぎ声を漏らした。
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5 熟年妄想族
part 4

「うぅ……最高だ……」
交代して今度はマサルが雄二の股間に顔を埋める。唾液で濡れた唇が陰茎全体を包み込み、吸い付くように愛撫していく。
「マサル……大丈夫か?……」
「ああ!」
雄二の手がマサルの頭を掴み、快楽に耐えようとする。
「もっと……もっと激しくしていいぞ」
「あぁ……そこだ……もっと……」
「そこ……すごい……」
雄二の勃起したものは透明な液体を滴らせていた。
「はぁ……ああ……マサル……乳首も弄ってくれ」
マサルの指が雄二の尖った乳首を摘まみ上げる。電流のような刺激が背中を走り抜けた。
「くうぅ……気持ち良すぎる」
「うっ……」
乳首モロ感の雄二は体を震わせた。久しぶりの感触に全身が緊張する。
マサルの舌が乳輪の周りを円を描くように動き始めると、雄二の呼吸は次第に荒くなっていった。
乳首への執拗な攻撃に加え、同時に乳首を摘まむ指に力を入れ始めた。
「ああぁ……やばい……こんなの……久しぶりだ」
「マサル……シャブり合いだ?」
雄二が誘うとマサルは即座に理解した。「あぁ……69か」
二人は寝返りを打ちながら互いの位置を入れ替え、向き合う形になった。雄二の顔の前にはマサルのそそり立つイチモツが現れ、同時に雄二のものがマサルの口元に当たった。
「いいね……こういうの夢だったよ」マサルが囁く。
お互いに相手の陰茎を握りしめながら慎重に近づいていく。唇が触れるか触れないかのところで一旦止まり、お互いの興奮を確認するように見つめ合った。
「雄二……来て」
マサルの言葉に促されて雄二が口を開くと同時に、自分もマサルのものを口に含んだ。唾液と先走りの混ざった味が広がる。
「ああっ……これが69……」
「うおぉ……これが……男同士のセックス」
マサルは羞恥心を感じつつも期待の方が大きい。
初めての体験にマサルは感嘆の声を上げた。自分のイチモツが温かい粘膜に包まれる感覚と同時に、自分も相手のものを愛撫できる喜び。
雄二の舌が亀頭の周囲を這い回り、カリの溝を丁寧に舐めていく。マサルは思わず呻き声をあげた。
「そこ……ダメだ……すぐイっちまいそう」
言葉とは裏腹に、マサルの手は雄二の尻肉を掴み、さらに深く自分のものを咥えさせるように押し付けていた。雄二も負けじと喉の奥まで飲み込もうとする。
「ぐっ……うぅ……」
苦しいはずなのに幸福感で満たされていた。四十年以上抑え込んできた欲望が解き放たれたような感覚。マサルのモノがどんどん膨らんでくるのを感じながら舌先で亀頭を責め立てる。
「ヤバい……もう我慢できねぇよぉ」
マサルは涙声になりつつあり、その反応を見るだけで雄二の興奮も増していく。
右手で根元を扱きながら左手で玉袋を揉みしだくと、マサルの腰が跳ね上がりそうになる。
「やめろ……そんな急にしたら……出ちまう」
懇願されても止められない。むしろこの瞬間を一秒でも長く味わいたかった。
「あぁっ……凄すぎだろお前」
ついに限界を迎えたらしい。喉の奥で熱い液体が放出され始めると同時に、雄二もマサルの口内に射精していた。粘つく青臭い匂いが鼻腔を刺激する。
お互いが満足げに吐息をつきながら離れる頃には全身汗まみれだった。
シーツには大きな染みができており、照明に照らされて光っている。汗と精液の混ざった匂いが室内に漂う中、二人は肩で息をしていた。
「信じられないくらい良かったよ……ありがとう」マサルが起き上がりながら言う。
その声には疲労と共に深い満足感が滲んでいる。
雄二も上体を起こした。「俺もこんなに気持ち良い経験は久しぶりだ……ホントに最高だ」
「俺だってだよ。ここまで大胆になるとは思わなかった」マサルは苦笑いしながら自分の下腹部を拭った。
「本当に……気持ち良かった」
雄二もゆっくりと体を起こす。全身が火照り汗ばんでいた。
「それに……こんなに心が通じたのも初めてだ」
シーツに染みついた液体の跡が生々しい。でもそれは単なる汚れではなく、長年の抑圧から解放された証のようにも見えた。
二人はベッドの上で抱き合った。裸の胸と胸が触れ合い、体温が伝わってくる。
「これからもこんな関係でいられるのかな」
雄二が不安げに尋ねると、マサルはしっかりと肩を抱き寄せた。
「もちろん。お互いの家庭は壊せないけど……月に一度でもいいからこういう時間を共有したい」
「ああ……ありがとう」
窓の外には夜景が広がっている。二人は長い間見つめ合い、静かに唇を重ねた。やっと手に入れた本当の自分を受け入れてくれる相手との関係は、今までの人生の中で最も貴重なものになるだろうと思った。
しばらく余韻に浸りながら談笑した。
「マサル、シャワー浴びようか」
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part 5

「雄二」
マサルが甘えた声で呼びかける。
「うん?」
「もう一回……しないか?」
「まだ足りないのか?」
雄二が笑いながら尋ねると、マサルは首を横に振った。
「違う。ただ……雄二と一緒に繋がりたいだけさ」
その言葉に胸が熱くなる。ベッドで横になりながら互いの体に手を這わせる二人。
マサルの囁きに雄二は戸惑いを見せたが、すぐに欲望に支配されて頷いた。
「大丈夫だよ。ほら」マサルが雄二の手を導いた
雄二が手を伸ばすと、マサルの萎えかけていたものが再び熱を持ってきていた。
「凄いな……まだこんなに元気なのか」
雄二が興奮気味に言うと、。今度は正常位の体勢だ。
「お前の中に入りたい」
雄二の脚を持ち上げると、肛門が露わになった。指先で軽く触れると雄二が甘い声を上げる。
「あぁ……マサル……ケツは久しぶりなんだ焦らすなよ」
「ごめん」
マサルは自分の硬くなったものを雄二の穴に押し当てた。ゆっくりと入り口を探るように動かす。
「うん……」
雄二の呼吸に合わせてマサルが腰を進めると、先端が入り込んだ瞬間だった。狭い壁が締めつけながらも迎え入れるように吸い込んでくる感覚にマサルは痺れるような快感を覚えた。
「ああぁっ……凄いな……本当にこれが入ってるなんて……」
雄二の中で感じるマサル自身の脈打つ鼓動まで伝わってくるようだった。痛みと異物感よりも得体の知れない幸福感の方が勝っていて無意識のうちに喘ぎ声を漏らしてしまう。
「雄二……もっと動いてもいいか?」
「待って……もうちょっと馴染ませてくれ」
雄二の中は暖かく柔らかくて窮屈だった。マサルが僅かに腰を引いただけで強烈な摩擦感と共にゾワゾワする刺激が襲ってくる。
「ああっ……これ以上動いたら……」
「ダメか?」
マサルが耳元で囁くように尋ねると、それだけで背筋に快感が走り抜けて体がビクンとなった。それでも懸命に首を横に振って答える。
「違……ただ……お前の太すぎて……おかしくなりそうで」
その言葉に刺激されたのかマサルのものが更に大きくなった気がした。それによって余計に内部への圧迫感が増し一層窮屈になった気がする。
「じゃあゆっくり動かすぞ」
マサルはゆっくり抽挿を開始した。引き抜く度に腸壁全体が引っ掛かるようで強烈な感覚を与えられ同時に突き入れられる際には亀頭部分による圧迫による強い衝撃を受けたため思わず声が出てしまう。それが更なる快感となり連鎖的に新たな悦楽を呼び起こしていく。
「あ゛〜っ!!ひぃ〜っ!!」
マサルの抽挿が次第に速さを増していく。雄二は枕を握りしめながら必死に快楽を受け止めていた。
「あぁ……マサル……もうダメだ」
涙声で訴える雄二。体内を貫かれる度に脳天まで響くような衝撃が走る。若い頃ですら味わったことのない激しい感覚だった。
「雄二……お前の奥……凄いな」
マサルは感嘆の声を上げながらさらに深く突き入れる。雄二の肛門が収縮と弛緩を繰り返し、マサルのものを締め付けたり緩めたりを繰り返す。
「ひっ……あっ……それダメぇ……!」
雄二の叫びに反応してマサルの動きが加速する。ベッドが軋む音と共に二人の汗ばんだ肌がぶつかり合う音が部屋中に響き渡る。
「雄二……俺も……もう限界だ」
マサルの言葉に雄二は頷き、両腕を伸ばして抱きしめるよう求める。それに応えてマサルは体を倒し二人の胸と胸が密着する。マサルの荒い息遣いと鼓動が伝わってきて雄二は幸福感に包まれた。
「中に……出していいか?」
耳元で囁かれるその問いかけに雄二は頷いた。
「ああ……欲しい……マサルの全部……!」
最後の一突きとともにマサルの体が硬直し、雄二の中へと精液が放たれる。その熱さと勢いに雄二は全身を痙攣させながら絶頂に達した。
しばらくの間二人とも動けずにいた。互いの汗と体液が混じり合いながらベッドに沈み込む。
「雄二……幸せか?」
マサルが囁くように聞く。
「……もちろんだ」
「40年以上経って今更……自分がゲイだったことを受け入れられるなんて」
マサルは優しく雄二の肩を抱き寄せた。「人生ってのは面白いもんだ。終わりかけた時に新しい発見があるなんてさ」
「そうかもしれないな」
雄二は微笑んで答えながらマサルの頬を撫でた。長年封印してきた自分の本質を取り戻し、心から信頼できるパートナーと愛を確かめ合えた喜びは何にも代え難いものだった。

終わり
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