「ガンジーの会」代表:末延芳晴
第209回「9の日・9条・ハンスト・イン」実施のお知らせ(下)
(承前)

6.以上のような弊害を是正するためにも、複数の視聴者や識者から指摘があった場合は、該当する記事や番組の公平性や中立性について、調査する中立的審査機関の設立を求める法案を、立憲民主党はじめ野党各党は国会内で審議し、成立させるために努力すべきではないでしょうか。

7.二世議員の弊害が、ここまで蔓延してしまった要因の一つとして無視できないのは、国政選挙の立候補に対する供託金が、小選挙区・比例それぞれ一人当たり300万円、両方だと計600万円と高額であることが指摘されています。参考までに各国の供託金は次のようです。アメリカ、フランス、イタリア、ドイツは供託金はゼロです。韓国約159万円、マレーシア約90万円、イギリス約9万円、カナダ約7万円 オーストラリア(下院)約5万円、オーストラリア(上院)約2万5千円、インド約2万5千円となっています。日本の供託金は、恐らく世界一高く、イギリスの33倍、カナダの43倍、韓国の2倍です。

かつては乱立を避けるために、どこの国も供託金をとっていましたが、近年では以上のように供託金ゼロが主流であり、その国の民主主義度を反映していると言っていいでしょう。停滞・退化しつつある日本の政治を変えるために、富める者も、そうでない者も、誰でも立候補する権利を保障するためには、この供託金の問題に取り組む必要があります。
 
欧米の先進国では殆ど実施されていない供託金が、このように異常に高いことが、志ある 若い世代の政治への参加の意志を阻害して来たことは、論を待ちません。そこで、野党各党は、衆参両院の総選挙に要求される供託金の額を、欧米先進国並みに引き下げるべく、早急に法案を作成し、国会に上程すべきではないでしょうか。

8. 最後にもう一つ、先月19日より21日まで、広島市内のグランド・プリンス・ホテル広島で開かれた第49回G7サミットは、プーチン大統領の時代錯誤とでも言うべき「大ロシア主義」の妄想によって、断行されたウクライナ侵攻に端を発したウクライナ戦争は、当初予想されていた以上に遥に長引き、すでに一年と三か月以上も、ウクライナ国内でロシア軍とウクライナ軍との間で激しい戦闘が続けられています。しかし、それにも関わらず、戦闘の終結と、両国の講和に向けた話し合いの端緒は未だに見えてこず、徒にウクライナを支援する西側諸国の団結を誇示するだけの、むなしいページェントで終わってしまっています。

こうした状況にあって、日本国内の新聞やテレビ、インターネットなどの報道メディアは、連日,いたずらに細部にわたった戦闘行為の報道・解説に終始し、この戦争を早く終結させるには、いかなる方策があるかを、見定めようとする解説番組の類は殆ど見かけられず、大方の国民は、連日相次ぐ、行き過ぎで細部に及ぶ戦闘行為の報道にうんざりし、半ば無関心となるか、なるようになれ!といった諦めの心理状態に陥っているというのが、現状のようです。だがしかし、だからと言って、このまま、事態の推移を見過ごして行くわけにはいきません。戦場からはるか遠く離れて、見守るしかない私たちでも、なんとかこの戦争は早く終わらせ るための方策を必死に考え出す必要があるのではないでしょうか?

それでは、戦争を早く終わらせるための方策とは何か? 詳しくは、今月の「ハンストイン参加報告」のサイトに記したく思います。

以上掲げた8項目の課題をより速やかに実現させるためにも、立憲民主党は、できるだけ速やかに臨時党大会を開き、辻元清美氏を党代表、蓮舫氏を副代表とする新執行部を選出し、今月中にも確実視されている衆議院選挙に備えるべきである。

以上を踏まえて、私たちは、来る6月9日正午から、24時間の「ハンストイン」に参加する所存です。

2023年6月6日
「ガンジーの会」代表:末延芳晴
「ガンジーの会」代表:末延芳晴
第209回「9の日・9条・ハンストイン」実施のお知らせ(上)
(承前)

6.以上のような弊害を是正するためにも、複数の視聴者や識者から指摘があった場合は、該当する記事や番組の公平性や中立性について、調査する中立的審査機関の設立を求める法案を、立憲民主党はじめ野党各党は国会内で審議し、成立させるために努力すべきではないでしょうか。

7.二世議員の弊害が、ここまで蔓延してしまった要因の一つとして無視できないのは、国政選挙の立候補に対する供託金が、小選挙区・比例それぞれ一人当たり300万円、両方だと計600万円と高額であることが指摘されています。参考までに各国の供託金は次のようです。アメリカ、フランス、イタリア、ドイツは供託金はゼロです。韓国約159万円、マレーシア約90万円、イギリス約9万円、カナダ約7万円 オーストラリア(下院)約5万円、オーストラリア(上院)約2万5千円、インド約2万5千円となっています。日本の供託金は、恐らく世界一高く、イギリスの33倍、カナダの43倍、韓国の2倍です。

かつては乱立を避けるために、どこの国も供託金をとっていましたが、近年では以上のように供託金ゼロが主流であり、その国の民主主義度を反映していると言っていいでしょう。停滞・退化しつつある日本の政治を変えるために、富める者も、そうでない者も、誰でも立候補する権利を保障するためには、この供託金の問題に取り組む必要があります。 

欧米の先進国では殆ど実施されていない供託金が、このように異常に高いことが、志ある 若い世代の政治への参加の意志を阻害して来たことは、論を待ちません。そこで、野党各党は、衆参両院の総選挙に要求される供託金の額を、欧米先進国並みに引き下げるべく、早急に法案を作成し、国会に上程すべきではないでしょうか。

8. 最後にもう一つ、先月19日より21日まで、広島市内のグランド・プリンス・ホテル広島で開かれた第49回G7サミットは、プーチン大統領の時代錯誤とでも言うべき「大ロシア主義」の妄想によって、断行されたウクライナ侵攻に端を発したウクライナ戦争は、当初予想されていた以上に遥に長引き、すでに一年と三か月以上も、ウクライナ国内でロシア軍とウクライナ軍との間で激しい戦闘が続けられています。しかし、それにも関わらず、戦闘の終結と、両国の講和に向けた話し合いの端緒は未だに見えてこず、徒にウクライナを支援する西側諸国の団結を誇示するだけの、むなしいページェントで終わってしまっています。

こうした状況にあって、日本国内の新聞やテレビ、インターネットなどの報道メディアは、連日,いたずらに細部にわたった戦闘行為の報道・解説に終始し、この戦争を早く終結させるには、いかなる方策があるかを、見定めようとする解説番組の類は殆ど見かけられず、大方の国民は、連日相次ぐ、行き過ぎで細部に及ぶ戦闘行為の報道にうんざりし、半ば無関心となるか、なるようになれ!といった諦めの心理状態に陥っているというのが、現状のようです。

だがしかし、だからと言って、このまま、事態の推移を見過ごして行くわけにはいきません。戦場からはるか遠く離れて、見守るしかない私たちでも、なんとかこの戦争は早く終わらせ るための方策を必死に考え出す必要があるのではないでしょうか?それでは、戦争を早く終わらせるための方策とは何か? 詳しくは今月の「ハンストイン参加報告」のサイトに記したく思います。

以上掲げた8項目の課題をより速やかに実現させるためにも、立憲民主党は、できるだけ速やかに臨時党大会を開き、辻元清美氏を党代表、蓮舫氏を副代表とする新執行部を選出し、今月中にも確実視されている衆議院選挙に備えるべきである。

以上を踏まえて、私たちは、来る6月9日正午から、24時間の「ハンストイン」に参加する所存です。

2023年6月6日
「ガンジーの会」代表:末延芳晴
「ガンジーの会」代表:末延芳晴
第208回「9の日・9条・ハンスト・イン」実施のお知らせ
日本と世界の未来のために九条を護りその基本精神を
世界に向けて実現していくべきだと考えるすべてのみなさまへ

風薫る端午の節句の時節を迎え、皆さま、心健やかにお過ごしのことと思います。

毎月恒例の「9の日・9条・ハンスト・イン」が、今月もまた近づいて来ました。208回目を迎える今月の「ハンスト・イン」は、5月9日(火)の正午からスタートの予定です。

さて、岸田首相は、新聞・テレビ・メディアの世論調査の支持率が、一時は30%台にまで落ち込み、不支持率が支持率を上回るまで追い込まれていましたが、昨年の後半から回復基調に転じ、今年に入って以降も着実に上昇傾向をたどり、支持率は50%台を着実に維持。このまま回復基調が続き、今月19日から三日間、広島で開かれるG7広島サミットで、一層存在感を増し、支持率がさらに上昇すれば、一気に衆議院の解散・総選挙に打って出るのではないかという予想が、永田町や報道メディアの間で高まっているようです。

そうした中、維新の会は、統一地方選挙での大躍進の勢いにのって、立憲民主党を蹴落として、第二野党に躍進し、自民党と組んで憲法改正、特に自衛隊の存在を憲法に明記し、九条を実質的になきものにしようと鼻息を荒くしており、馬場伸幸代表は、もし衆議院総選挙が行われるようなことになれば、全国選挙区で立候補者を立てると明言しています。

こうした状況を見るにつけ、恐ろしいと思うのは、維新の会の意気込みが、単なる怪気炎のレベルを越えて、現実味を帯びてきているということです。すなわち、立憲民主党が今の泉健太代表体制を続けて行けば、維新の躍進によって、第一野党の座から間違いなく蹴落とされ、九条廃棄を実質的内容とする自民党の改憲案が、維新の会のリーダーシップのもとでそのまま、新憲法として成立してしまいかねないということです。

私たちとしては、何としてでもこうした事態は避けたいと思うのですが、泉健太代表はじめ、立憲民主党からは、事態の打開に向けて努力する姿勢は見えてこず、このままではジリ貧状態を打開できず、維新の後塵を拝し、第一野党の座から転げ落ちるのは眼に見えています。

そこで、逆転の発想ということで、私たちが提案したく思うのは、立憲民主党は、出来るだけ早い時期に、臨時党大会を開き。泉代表に変わる新しい代表として、女性の代表、とりわけいい意味でも、悪い意味でも、国民の認知度が高く、存在感が突出して大きい、二人の女性幹部、すなわち辻元清美・参議院議員と、蓮舫・衆議院議員の二人を共同代表として選出し、二人の意向に沿って新しい執行部を選出し、維新の会と戦う体制を早急に構築するというものです。

さてそれでは、今、なぜ二人の女性が共同代表として、立憲民主党を率いて行かなければならないのかと言いますと、第一の理由は、国政の場における女性議員の数が、先進国のなかでは突出して少なく、ましてや大臣は言うに及ばず、役職につく女性議員の数が少ないにもかかわらず、少子高齢化対策やジェンダー問題、老人介護問題、教育の負担軽減問題、医療保険、社会保険問題などなど、女性議員の参画が不可欠な問題が山済みしているということ。そうしたなかで、辻元清美議員と蓮舫議員という、国会内の花形議員が第一野党の党首に就くことは、極めてシンボリックな意味を持ち、国会内だけに限らず、広く全国民的に関心を持たれ、結果、立憲民主党は、失われた国民の支持と関心を再び呼び戻せる可能性が大きくなるからです。

第二に、二人の女性代表が、それぞれに女性としての体験を踏まえて、下は乳幼児から上は80歳を超えた老人介護の問題まで、幸せな人生を送れるような、弱者にやさしい政策を立案し、施行することに努力して行けば、これまでの男性中心の、融通の利かない政治に変わる、新しい女性原理に基づいた、優しく、思いやりのある政治が行なわれていけば、弱者に優しい新しい社会が実現できる可能性が大きく開けてくるからです。

第三に、女性リーダーが、第一野党の代表の座に着き、日本の直面する様々な課題に前向きに取り組み、成果を上げて行けば、諸外国の対日イメージの改善・促進に大きく寄与することになる。

第四に、その結果、平和と愛の精神の結晶に他ならない憲法第九条を、廃棄し、日本を再び戦争の出来る国に改変し直そうという自民党や維新の会のよこしまな野心が国民から見透かされ、
それぞれのレーゾン・レーテルが消えて行き、日本は恒久的に世界平和を願い、求める国として世界からも信頼されるようになるから。

以上を踏まえて、私たちは、「戦争によって得るものより、失うものの方がはるかに大きい」という、歴史が教えてくれた普遍真理に基づいて、ウクライナとロシアが一日も早く停戦・和平交渉の座に着くことを強く願うとともに、立憲民主党がすみやかに、臨時党大会を開き、辻元清美と蓮舫氏を共同代表に選び、女性中心の新執行部をスタートさせる。そしてそのことによって、第一野党としての立場を死守し、平和憲法を守る砦として、再び国民の信頼を集めることを願って、208回目の「24時間・完全ハンスト・イン」に参加する所存です。一人でも多くの方々が賛同されるて、参加下さることを願っています。

2023年5月6日
「ガンジーの会」代表・末延芳晴
「ガンジーの会」代表:末延芳晴
第207回「9の日・9条・ハンスト・イン」実施の御案内
日本と世界の未来のために九条を護りその基本精神を
世界に向けて実現していくべきだと考えるすべての皆さまへ!

 今年の春は例年になく早く、この「ガンジー村通信」がお手元に届く頃は、すでに桜も散り始めているかもしれません。春はどんな春でも、花のたよりをつれてくるので、心を弾ませるものがあります。とりあえず、コロナのタブーからも解放され、ホッとするところですが、この感染症の根源が明らかにされたわけでもなく、まだ当分油断ならぬ日々を過ごすことになりそうです。皆さまにはお元気で桜の春を迎えられたことと推察しております。

 さて、例月の「9の日・9条・ハンスト・イン」が近づいてきました。今月のハンスト・インは、4月9日(日)正午から24時間ハンストが、下記実施要項のように行われる予定です。現下の政治情勢を鑑み、一人でも多くの皆さんが危機を表明し、参加下さることを期待しております。

 自民党岸田内閣は、国民のささやかな希望も裏切り、歴代内閣が決して手を付けなかった防衛費をニ倍にし、軍拡に邁進しております。国会での討論で明らかになっただけでも非現実的で、生煮えの計画ばかりです。そもそも日本には憲法9条という不戦の条文があり、戦後1947年に施行されて以来、平和を求める国民の大きな心の拠り所としての役割を果たしてきました。また、自衛隊にしても、専守防衛の認識をもって国民には容認されてきました。

 さらに憲法の前文では、「・・・政府の行為によって再び戦争の惨禍が起ることのないようにすることを決意し、ここに主権が国民に存することを宣言し、この憲法を確定する」とあります。つまり、1941年に始まり、日本民族を滅亡寸前にまで追い込んでしまった太平洋戦争の愚を再び犯してはならないという日本国民、及び世界人類の願いと決意に基づいて制定された、日本国新憲法においては、「政府の行為によって再び戦争の惨禍が起ることのないように」という総括がされているのです。ですから、占領軍の手によって新憲法の条文は策定されとはいえ、新憲法は、「日本政府の行為」によって、あの戦争は引き起こされたのだという総括の上に、成立しているということなのです。

 この文面を岸田首相はじめ政府の面々は、ぜひ声を出して読んでもらいたいと思います。9条も専守防衛もすっ飛ばして軍事力を拡大することに、政府は将来共に責任を問われるのです。今回の軍事拡大が、戦争の惨禍に繋がらないと言えるのか。今でさえ、日本の軍事予算は世界で五位か六位です。軍事費を倍にすればアメリカ、中国に次いで三位の軍事大国に日本はなるのです。「

 国権の発動たる戦争と、武力による威嚇又は武力の行使は国際紛争を解決する手段としては、永久にこれを放棄する」、「陸海空軍その他の戦力は、これを保持しない」……このように憲法によって「非戦の原則」と決意を、日本に止まらず、全世界に向けて表明した平和憲法を、国是としていただく国のリーダーとして岸田首相は、恥ずかしいと思わないのでしようか。軍事にせよ、軍備にせよ、戦う人間と武器を大量に用意することで、戦争の様式を整えることが、結局は戦争に繋がっていくのです。「軍拡競争」はその最たるもので、戦争への第一歩であり、いま、日本はそこへ足を踏み出そうとしているのです。

 かりに九十九歩譲って、岸田政府と自民党が推し進めようとしている軍拡の中身を見てみると、2027年度までにトマホーク500発を買う予定とか。これは巡航ミサイルらしいのですが、一体どのように使うのでしょうか。国会で500発のトマホークの値段を追求されても、機密事項なので答えられないというだけ。一発1億〜2億円という世界です。そのミサイルをのせた巡航ミサイルが海から敵基地攻撃をするという計画だというのです。

 この敵基地攻撃を、政府は反撃能力と言い換えていますが、これが憲法上許されるのは、他に自衛手段がない場合に限るとのこと。しかし、敵基地をどのようにして見つけるか、そこをトマホークで狙ったとしましょう、そして運よく当たったとしましょう。問題は次の段階です。当然相手も日本に反撃してくるでしょう。それに対して、日本も二発目、三発目を撃つでしょう・・・・・・そうなれば、日本は、全面戦争に巻き込まれるしかないわけで、それをも日本国憲法は認めているということなのでしょうか?

(以下、【2】に続く)
「ガンジーの会」代表:末延芳晴
第207回「9の日・9条・ハンスト・イン」実施の御案内 (2)
(承前)

この敵基地攻撃を、政府は反撃能力と言い換えていますが、これが憲法上許されるのは、他に自衛手段がない場合に限るとのこと。しかし、敵基地をどのようにして見つけるか、そこをトマホークで狙ったとしましょう、そして運よく当たったとしましょう。問題は次の段階です。当然相手も日本に反撃してくるでしょう。それに対して、日本も二発目、三発目を撃つでしょう・・・・・・そうなれば、日本は、全面戦争に巻き込まれるしかないわけで、それをも日本国憲法は認めているということなのでしょうか。

こうして、地域戦争というものは始まり、全面戦争、ひいては世界戦争へと広がっていく・・・・・・。そう考えると、政府の説明はあまりに稚拙で、素人でも想像できる事態がまるで抜けていて、これでどうして「専守防衛」といえるのでしょうか。「戦わない」が原則の憲法を持っている以上、戦わないように対処すべきで、そうである以上、戦争の危機を回避する努力は、軍事ではなくて、外交でこそ発揮されるべきものだと思います。しかも、こうした形で本格的な戦争になれば、原発を54基も海岸線に設置している(現在稼働しているのは9基)日本は、丸裸で戦争に立ち向かうようなものです。その結果は「政府の決断と行為」によってもたらされたもので、責任は必ず問われます。そういうことが分かって、岸田首相はじめ政治の責任に当たっている人々は、政治の責任を果たしているといえるのでしょうか。

岸田首相とその内閣、さらには自民党が推し進めようとしている、今回のただただ「軍拡ありき」が前提の軍拡路線を見ていると、論議の進め方があまりに姑息なせいで、国民は一層不信感をもたざるを得ません。常に隠そう隠そうという姿勢に貫かれ、国民の意見を聴くという姿勢がまったく見えてこない。すべてを開陳して、国民の意見を問う、という姿勢が、まったくないのは何故なのでしょうか?…・・・。岸田首相の特技は「聞く力」だったのでは?……

突き詰めれば、国民の意志が国家の意志を決めるという、民主主義の原則的精神を貫く覚悟が欠落しているということなのです。どうしても軍拡が日本のために必要という見解であるなら、まずその理由を説明し、そのうえで国民の意志を問うために公平、かつ民主的な方法で国民投票を行い、憲法を変えてから始めるべきでしょう。それもしないで、憲法の精神を踏みにじって、政府与党の一存で憲法の規定を踏みにじってでも、軍拡路線を押し進めようというのであれば、憲法に人格があるなら、「身勝手な思い込みで、私を抹殺するような政治はしないでくれ」というでしょう。

 思えば、太平洋戦争も、軍部の一存で、こそこそ突然始めた戦争でした。同じように、岸田政権とそれを支える自民党も、誤魔化し誤魔化し、ぐだぐだと、戦争、それも一歩間違えば、核戦争に直結しかねない戦争の準備を始めようとしているのです。同じ過ちをまた繰り返すのでしょうか。その前奏曲はすでに始まっています。私たち国民もしっかり目を開けて現実を見つめ、岸田政権と自民党の危険なたくらみに対して、はっきりと「ノー!」と言わなければいけない段階に来ています。

今年の3月には、大江健三郎さん、坂本龍一さんという日本を代表する二人の芸術家が他界されました。お二人とも、その芸術を大切にされながら、常にか弱き国民の側に立ち、静かに政府と闘ってくれた方々でした。メディアはお二人の芸術的功績については、大々的に利用し宣伝したけれど、お二人が、故人安倍晋三元首相を頂点とする、平和憲法を書き換え、その非戦の決意を骨抜きにして、日本を再び戦争のできる国に再編し直そうとする、よこしまな野心を持った自民党を中核とする保守・反動権力と、「闘った」人たちだった、という面にはほとんど無視で通しました。

 先日、恐らく大江さんの最後の講演会だったろうと言われている、2016年沖縄で行われた講演の録画を見ました。その中で、大江さんは、「もし憲法9条が変えられても、この9条の精神は、日本人の中にもはや文化として生きていると思う」ということを言われていました。また同じ頃(2015年)、坂本さんも、「学者の会」とSEALSに向けて、「多くの日本人のなかに、兵器への忌避感、戦争への拒否感、つまりは憲法9条の精神が、今でも深く刻み込まれていることが分かりました。これらのことが私にとっては唯一の希望です」というメッセージが送られてきたと言います。はからずも、二人の芸術家が、9条が多くの日本人の精神文化となっていることを「心の支え」にして、冥界へと旅立っていかれてのです。合掌・・・・・・。

 長い間、その芸術とともに、行動をもって平和憲法を守るための戦いの先頭に立ち、「平和の灯」のともる松明を掲げ続けてくれたお二人に感謝の意を捧げ、ご冥福をお祈りしつつ、私たちは、207回目の「9の日・9条・ハンスト・イン」の24時間完全ハンストに参加する所存です。

(以下 【3】に続く)
「ガンジーの会」代表:末延芳晴
第207回「9の日・9条・ハンスト・イン」実施のお案内
(承前)

■ 第207回「9の日・9条・ハンスト・イン」実施要項■
1.日時:2023年4月9日(日)正午から、24時間完全断食によるハンスト。
     *水と白湯は可。
2.参加方法:参7加希望者は、本会ホームページの「参加申込」のサイトに、4月9日正午までに、名前(ハンドルネームも可)、年代、都道府県名、簡単なコメントなどを書き込んで下さい。
3.参加表明:このハンスト・インの運動は、インターネットで意志表明をすることによって、他の参加者や全国で志を同じくする人々と励まし合い、九条を護る運動の輪を広げていくことが目的です。従ってなるべく事前に参加表明を書き込んで下さると、参加する方々が連帯感をもってスタートできて嬉しく思います。
4.終了報告:24時間のハンストが終了しましたら、終了報告を書きこんで下さい。これを怠るとあなたが自衛隊の海外派兵や9条の改悪・廃棄に反対してハンストを行なったことが誰にも伝わりません。あなた自身の意志を明確に表明し、あなたが終了報告を書き込んで初めて、ハンストという行為が政治的抗議行動になることをお忘れなく。
5.実施方法:初めて参加される方は、ハンスト上の注意や方法などホームペ─ジの「実施要項」を必ずお読みの上、ご参加下さい。また、24 時間のハンストができるかどうか自信がなくても心配はいりません。 まずはじめてみましょう。出来る人が、出来るところまでやる。それであなたの意志は十分に参加する人たちに伝わります。
6.その他 :パソコンを使えない方の分は、まとめ役の方が、一括して参加 者名をご報告下さいますようお願いします。

2023年4月6日
「ガンジーの会」代表:末延芳晴
      同上副代表:藤森治子
「ガンジーの会」代表:末延芳晴
第206回「9の日・9条・ハンスト・イン」実施のお知らせ(上)
日本と世界の未来のために九条を護りその基本精神を
世界に向けて実現していくべきだと考えるすべてのみなさまへ

地球温暖化による「暖冬異変」という言葉など、どこ吹く風だとばかりに、冬将軍にどっかりと居座られた感じの今年の京都の冬。身体が寒気にがんじがらめに縛り付けられたように寒い日が、ずっと続いておりましたが、3月に入って以降、漸く寒気が緩み、日中の日差しが高く、明るくなり、春がちょっぴり近づいてきた感じでヤレヤレと言ったところですが、皆さまいかがお過ごしでしょうか。

さて、毎月恒例の「9の日・9条・ハンストイン」が近づいて参りました。206回目に当る今回の「ハンストイン」は、以下に精しく書きますように、ウクライナ―ロシア戦争を出来る限り早く終結させるための講和会議の、早急な開催を求めて、3月9日(木)正午からスタートします。

ウクライナ―ロシア戦争は、プーチン大統領の強引な決断によって、昨年2月24日、ロシア軍の一方的なウクライナ領土への侵攻によってスタートし、以来、ウクライナ軍のしぶとい抵抗にあって、ロシア軍が苦戦を強いられるという形で一年が経過。この間、私たちは、銃弾やミサイル砲弾が飛び交い、一般市民の住居やビル、道路、工場、橋、農地などが次々と爆撃を受けて破壊され、多くの兵士が倒れ、市民が傷付けられる現場をテレビやインターネットの画面で嫌と言うほど見せつけられ、感覚が麻痺してしまったというか、何か奇妙な無反応状態に陥ってしまっているように思われてなりません。

だがしかし、第一次世界大戦がはじまった当初、イギリスの作家D・H・ローレンスが、彼の母国イギリスをも巻き込んで、世界戦争が勃発したことで、彼の精神がいかに決定的打撃を受けたかについて、知人に宛てた書簡のなかで「戦争は私をだめにしてしまいました。それはあらゆる悲哀と希望の脇腹を貫く槍でした。……〔戦争勃発以来〕私の魂は、常に、墓のなかに横たわってきました。―死んではいません。だがひらたい石にふたをされ、屍となり、屍のように冷たくなっています・・・・・・」と告白したように、戦争は、戦争そのものとは直接かかわりを持たない私たちの精神をも「屍(しかばね)」と化し、墓のなかに閉じ込めてしまうものなのです。

ですが、新聞や雑誌、ラジオやテレビ、さらにはインターネットなどの情報媒体が、世界の隅々まで行き渡り、戦争がもたらす悲惨な現実を写した画像や映像、報道・解説記事が、ほとんど時差なしで私たちの非戦争的な日常的生活空間のなかに洪水のように流れ込んでくる現代社会にあっては、私たちの感性は戦争の本質を伝える悲惨な画像にも麻痺してしまい、今、現実に起っている悲劇が、何か別の世界での、フィクショナルな出来事のように思われ、無感動という本来あってはならない非人間的な心的空間に、私たちは閉じ込められてしまっているのではないか・・・・・・言い換えれば、ローレンスを苦しめたような、人間的な苦痛や絶望とは無縁な、非人間的な墓の中の「柩(ひつぎ)」に閉じ込められていながら、そのことの不幸に気が付かないで、日々をノウノウと無感動のままに生きているのではないか?……。

そうなのです、私たち自身もまたが、このような無感動な墓のなかにとどまり、外から入ってくる戦争の画像を、さながらコンピューター・ゲームでも見るように、楽しみ、時間をつぶしている限り、言い換えれば、D・H・ローレンスのような苦しみを自らの苦しみとし、私たちの閉ざされた精神の「柩」を打破しないかぎり、ウクライナとロシアの戦争は遠い彼方で行われている幻想的な戦争ゲームに過ぎず、そうである限り、私たちもまた墓のなかに閉じられたままなのです。

それでは、どうすれば、この閉ざされた「柩」を打破することが出来るのでしょうか? まず最初にしなければならないことは、今、現実に地球のはるか彼方で行われている戦争が、世界人類に対して何を教え、いかなる歴史的教訓をもたらしてくれているかを読み抜かなりません。そうなのです、いかに残虐で、悪逆非道なことであっても、それがこの地球上の人間世界で起こったものである限り、それは、私たち人間社会に対して何らかの教訓としての意味を持ち、私たちは、その意味を、「善」と「悪」との二つの光を当てて正確に読み取り、「悪」の教訓が二度と起こらないように、私たち自身の行動や思考法、さらには政治や社会の在り方を正していかなければならないのです。

(下に続く)
「ガンジーの会」代表:末延芳晴
第206回「9の日・9条・ハンスト・イン」実施の御案内(中)
〔上からの続き)

さてそれでは、今回のウクライナ―ロシア戦争が、私たちに教え示してくれた、人類の歴史に対する教訓と何か?…・・・。今、私に読み取れている人類の歴史に対する教訓を箇条書きに整理して書くと以下のようになります。

1. 国際間の紛争を戦争という手段によって解決することは、すでに非現実的で、不可能となってしまった。その意味で、戦争はジョン・レノンとオノ・ヨーコが歌ったように、「もう終わってしまった」のである。

2. アメリカやロシアのように、どれほど、軍事的かつ経済的に優越する強大国であっても、距離の遠近にかかわらず、弱小国を戦争という強硬手段にって、侵略・征服することはできなくなってしまった。

3. 何故なら、アメリカが、アジアや中近東の弱小国に戦争を仕掛けても、ロシアが当該弱小国に対して、軍事的かつ経済的支援を与え、弱小国はロシアから供与された武器を使って、ゲリラ的攻勢をアメリカ軍に仕掛けることで、ヴェトナム戦争やイラク、アフガン戦争の時のように、アメリカ軍は苦戦を強いられ、結局撤退することになるからである。

4. 逆に、ロシアが、今回のようにウクライナのような近隣国に戦争を仕掛けても、アメリカやイギリスなどの西側大国が軍事援助を与え、ウクライナ軍はそれをフルに活用してゲリラ的に戦うので、ロシアは結局撤退に追い込まれてしまうことになる。

5. ウクライナーロシア戦争を巡る、ロシアとアメリカとの関係を見ると、アメリカはウクライナ軍に対する大規模な軍事・経済支援ではロシアと対立することは辞さないが、だからと言って、核兵器を使ってまでして、自身がロシアとの全面的核戦争に突入する意思は持っていない。

6. それはロシアも同じで、ウクライナ戦争では二進も三進も行かない状況に追い込まれているにもかかわらず、ウクライナに対して核兵器を使ってまでして戦争に勝ちたいとは思っていない。なぜなら、万一核兵器を使用すると、アメリカが核兵器をウクライナに供与し、世界は全面的に核戦争に巻き込まれ、地球そのものの破滅を招きかねないことを、プ―チン大統領は好く弁えているからである。

7. ウクライナ―ロシア戦争で、ウクライナが全面的敗北を免れ、ロシアとの間に和平交渉がまとまれば、この戦争を最後に、戦争によって国際間の紛糾を解決しようという試みは、地球の上から消え、戦争の脅威に脅かされない恒久的、かつ平和的地球社会の実現に向けた道が開かれるかもしれない。なぜなら、アメリカもロシアも、核兵器も含めて圧倒的に優越する軍事大国の力を以てしても、アジアや中近東の弱小国を戦争によって屈服させることが不可能であることが、ウクライナ―ロシア戦争によって証明されてしまったからである。

(以下に続く)
「ガンジーの会」代表:末延芳晴
第206回「9の日・9条・ハンスト・イン」実施のお知らせ(下)
(上からの続き)

以上を踏まえて、アメリカのバイデン大統領と日本の岸田首相は二人三脚を組み、すでにウクライナとロシアが戦争終結に向けて話し合う可能性を求めて、動き出しつつある中国の習金平主席や、インドの女性大統領、トラウバディ・ムルムダイトウリョウとナランドラ・モディ首相をも巻き込んで、今こそ、戦争の終結に向けて和平交渉会議を開催すべく、ロシアのプーチン大統領とウクライナのベリンスキー大統領に対して、お互い意地を捨てて、虚心に交渉の場につくように説得すべきである。

その際に重要なことは、プーチン大統領の「非」を一方的に攻め立てることはやめて、「貴方の言い分も分かる。しかし、ここはウクライナ側の言い分にも耳を傾けて欲しい」とか、「貴方がたが、今回、ウクライナに戦争を仕掛けたことで、たくさんの命が失われ、傷つき、家を焼かれ、道路や橋を破壊され……と甚大な被害を受けた。それは大変悲しく、残念なことである。だがしかし、今回の戦争によって、戦争という手段によって国際間の紛争を解決することは不可能であるということが、歴史に対する証明として全世界的に認知され、その結果、地球上に初めて戦争のない恒久平和が実現する可能性が開かれることになった。その意味で、私たちは、貴方が、自ら大きな犠牲を払うことを覚悟したうえで、人類最後の戦争に踏み切ったことに深く感謝し、貴方の名が永遠に歴史に残ることになるものと、私たちは信じています」という形で、プーチン首相のメンツを立て、かつ半永久的に戦争のない、平和的世界の実現に向けて一歩を踏み出すよう励ます配慮も忘れてはならい。

最後に、ウクライナ―ロシア間の和平交渉会議をどこで開くかについてだが、私たちがかねてから主張してきたように、今から117年前、日露戦争の終結に向けて、日露間の和平交渉会議が、当時のアメリカ大統領ルーズベルトンの仲介で、アメリカ合衆国北東部のポーツマスで開かれたことにちなみ、バイデン大統領と岸田首相からの共同提案という形で、ポーツマスを講和会議の場所として提供する旨、申し出るべきでしょう。

以上の願いを込めて、私たちは、ウクライナ― ロシア間の講和交渉会議の一日も早い実現を期待して、9日の正午から「ハンストイン」に入る所存です。

2023年3月6日
ガンジーの会」代表:末延芳晴

*「ハンスト・イン」の参加方法については、本ホームページの「ハンスト参加申し込み」をご参照ください。

「ガンジーの会」代表:末延芳晴
第205回「9の日・9条・ハンスト・イン」への実施と参加へのお願い(1)
日本と世界の未来のために九条を護りその基本精神を
世界に向けて実現していくべきだと考えるすべてのみなさまへ

地球温暖化による暖冬異変という言葉は、随分前から聞き慣れてきて、今では当たり前の言い回しになってしまったようですが、今年の冬はそういう言い方が通用しない感じで、英語で言う「テリブル」で「アンビリーバブル」な寒さで、とにかく「寒い!」、「寒い!」の冬が続いておりますが、皆さまお変わりなく、お過ごしでしょうか。

毎月恒例の「9の日・9条・ハンスト・イン」が近づいて参りました。205回目に当る今回の「ハンスト・イン」は、2月9日正午からスタートします。ふるって皆様の参加をお待ち致しております。

さて、ウクライナ戦争が起こってから、今月の24日で一年目を迎えることになります。まずは、この一年間で、戦争の犠牲となられて、命を落とされたウクライナとロシアの全ての兵士に哀悼の意を捧げると共に、戦火の犠牲となられ、身体を傷つけられ、家を焼かれ、田畑を爆破されたウクライナの一般市民の方々に対して、心よりお見舞い申し上げる次第です。

それにしても、なぜ国際戦争はなくならないのでしょうか。ヴェトナム戦争反対運動が最盛期だったころ、ニューヨークのタイムススクエアーの角のビルの屋上に、オノ・ヨーコさんのメッセージ・アート、「 WAR IS OVER, IF YOU WANT IT 」(戦争は終わります、もしあなたがたがそれを望むなら)と黒字で大きく書かれた看板が立てられてから、半世紀以上の歳月が流れましたが、果たして戦争は終わったのでしょうか。ヴェトナム戦争以降、世界で起こった主な戦争や国際・国内紛争は、ざっと数えただけでも87回も起こっています。

確かに、オノ・ヨーコさんが予言したように、ヴェトナム戦争は終結しました。オノ・ヨーコさんとジョン・レノンが、クリスマスのメッセージ・ソングに託して「 WAR IS OVER, IF YOU WANT IT 」をハーレムの子供たちと一緒に歌い、そのフレーズが書かれたメッセージが、世界中の主要都市のビルの屋上や壁に掲げられ、その結果、メッセージの中で呼びかけを受けた「あなたがた」が,ヴェトナム戦争、一日でも早い終結を望んだからこそ、それは実現したのです。

そして、私たちは、もう二度と戦争は起こらないと願い、平和な世界が続くことを祈りました。しかし、現実は大きく私たちの期待と希望を裏切り続け、ヴェトナム戦争以降、世界で起こった主な戦争と国際紛争の数は大きく増え続け、今回のウクライナ戦争を入れて、国際戦争や地域紛争を含めて、90回近くも戦争が起こっているのです。

だがそれにしても、世界中の「あなたがた」が、戦争の終結を願った結果、ヴェトナム戦争を終結させることが出来たのにもかかわらず、なぜ、それ以降もたえることなく戦争と国際紛争が起こり、数多くの人々が命を失ったり、身体に損傷を受けたり、家を焼かれ、学校を焼かれたりしなければならなかったのでしょうか?・・・・・・。

その理由として考えられるのは、世界の大多数の「あなたがた」が、戦争の永久終結を望んでいるにも関わらず、「戦争の終結」を望まない一部の階層の人たちがいて、彼らは、戦争を終結させることより、戦争を継続させることを望んでいるからなのです。そして、残念なことに、そうした人々は数としてはほんの一部であるにもかかわらず、時の大統領であったり、首相であったり、閣僚であったりするせいで、彼らの方が持つ政治的、経済的、社会的な発信力と影響力が、「戦争の終結」を望む大多数の「あなたがた」の希望や夢の力よりはるかに強く、大きい。そしてそのせいで、「戦争で解決する」という彼らの決断の方が、社会的、かつ政治的に説得力を持ち、結果、本来は「非戦派」であるはずの「あなたがた」の内のかなりの数の方々が、戦争支持派に寝返りを打ってしまっているというのが、悲しい現実であるわけです。

つまり、「戦争によって解決する」という、支配階層に属する人々が、「外敵の脅威」を過大に強調し、「あなたがた」に向けて、今にも外敵が攻めて来るから、「防衛」のための戦力を強化しなければいけないと、マスメディアを通じて危機感をあおる戦術を不断に展開してくるため、本来は「平和主義」であるはずの「あなたがた」までが、「戦争支持派」に逆転してしまっているということなのです。

(続く)