「ガンジーの会」代表:末延芳晴
第218回「9の日・9条・ハンスト・イン」実施のお知らせ(上)
日本と世界の未来のために九条を護りその基本精神を世界に向けて実現していくべきだと考えるすべてのみなさまへ

ようやく日中の日射しが明るく、春めいてきた3月雛の節句過ぎの今日この頃、皆さま心健やかにお過ごしのことと、記したいところですが、現実の世界を見てみると、ウクライナ戦争は、ロシア軍がウクライナ国境を越えて、無謀・不条理な侵攻を初めて、二年が経ったのにもかかわらず、一向に停戦・和平に向けた動きは見えてきません。

またイスラエル軍の常軌を逸したガザ地区への空爆攻撃によって、多くの子供やお年寄り、さらには3万人を越える一般市民が命を奪われ、難民キャンプでは、多くの人々が水や食料、医薬品不足に苦しめられているにも関わらず、イスラエルの首相ネタニエフ首相は、「正当防衛」を理由に、無防備なパレスチナ難民に対する、残虐非道な虐殺の手を緩める気配は一向に見せておりません。

一方、国内政治に目を転じてみますと、国会では、自民党のキックバック問題で、安倍派のリーダーを中心に、「政倫審」の場で、立憲民主党や共産党などの野党議員を中心に、喚問が行われていますが、パーティ券売上収益の国会議員へのキックバック問題では、出席した安倍派のリーダーは一様に、「すべては会計責任者がやったことで、自分は何も知らない」と、言い逃れをして、その場を言い繕うとするばかりで、問題の真相は一向に見えてこず、私たちはイライラを募らせるばかりです。

こうした無残と言うべきか、あまりにも情けなく、見るに堪えない現下の政治の現実を前にして、毎月一回の「24時間ハンガー・ストライキ」による抗議行動が、どれほど意味があるか、疑問に思われ、「ハンスト・イン」参加をためらわれておられる方も少なくないと思います。ですが、前回217回目の「9の日・9条・ハンスト・イン」の実施の案内と思い、「参加呼び掛け文」に記しましたように、そこであきらめてしまっては、何も始まらない。私たちは、この醜悪、理不尽な現実世界に対して、「これではいけない!」と、「歴史」に対する「証言」として、「24時間のハンガー・ストライキ」をスタートさせ、結果、今に至るまで20年の長きに亘って、定期的に断食を行ってきたわけです。

こうした私たちの「証言行為」に対して、そんなことをしても無駄だ」とか「ちっぽけな自己満足」に過ぎないという、批判や嘲笑が投げつけられてきたわけですが、私たちは、このような一見無駄とも思える自己犠牲的抗議運動を20年間続けてきたことで、いや別の言い方をすれば、続けてきたからこそ、はっきり見えてきた「歴史の意志」というものがあることを、今、初めて発見し、辛く、悲しいこと、怒りに駆られたことも沢山あったけど、あきらめずに
「ハンスト」を続けて来てよかったという思いに浸っていることも確かなことです。

(中に続く)
「ガンジーの会」代表:末延芳晴
第218回「9の日・9条・ハンスト・イン」実施のお知らせ(中)
(承前)

さらに加えて、無視してならないのは、今、国会で進められている政治倫理調査会で明らかにされているように、私的利益最優先を掲げ、安部首相への「「忖度政治」を支えて来た自民党内安部派幹部による、パーティ券の売り上げ利益のキックバックを巡る,さまざまな悪行が次々と明らかにされ、自民党内の権力力学が、脱安倍体制志向へと決定的に覆った今こそ、私たちは、自民党内の安倍独占体制が、音を立てて崩壊していく現場に立ち会っているのだという認識を新たにし、そのうえで民意主体の立憲民主主義を徹底的に、否定し、排除しようとしてきた悪夢の安倍絶対統治体制を、今こそ完全打破し、真の立憲民主主義に則った、民意主体の政治を、早急に確立しなければならないところに、私たちは立ち合っていることが、「歴史の意志」として明らかにされてきているということなのです。

このように、旧態然たる自民党の私権優先政治体制が、音を立てて崩れようとする現実を前にして、明らかに見えてきたことは、「歴史に対する証言」行為としての「ハンガー・ストライキを20年間続けて来た私たちに対する応答として、「歴史」は、今、「歴史の意志」という形で、私たちに、何かを語り掛けようとしているのではないでしょうか・・・・・・

それでは、20年間、「ハンガー・ストライキ」を続けてきたことで、ようやく見えて来た「歴史の意志」とは何なのか?……それは、ウクライナ戦争やイスラエルの不条理、残虐なパレスチナ・ガザ地区への爆撃行為が証明しているように、「戦争によって得るものは、戦争をしないことによって失うものより遥かに少ない」という事実を、最も残虐な形で証明しているのではないか?……。そして、もう一つ、それにもかかわらず、人類は戦争を繰り返し、これから先も地域戦争が繰り返され、少なからぬ兵士や一般市民の命が奪われていくかもしれない。……しかしそれでも、「歴史の意志」は、「もう戦争は嫌だ!」という世界人類の共同願望を反映して、「反戦・非戦」の方向を志向しているように見えるということ、そしてその歴史の意志」に応える形で、20年間続いてきたのが、私たち「ガンジーの会」の「ハンスト・リレー」だったのです。

どういうことかと言いますと、ウクライナ戦争の例を見れば明らかなように、ソ連とアメリカやイギリスを中核とするNATO連合は、この戦争が、核兵器の使用をきっかけに、第三次世界大戦に発展し、結果として地球を破滅に追い込む「愚」だけは避けなければならないという最低限の理性は持ち合わせているように見えるということです。

(下に続く)
「ガンジーの会」代表:末延芳晴
第218回「9の日・9条・ハンスト・イン」実施のお知らせ(下)
(承前)

第二に、「歴史の意志として」、20年間、故安倍晋三首相を中核とする、自民党内の右派・改憲派が、統一教会のバックアップを受けて、憲法第九条の廃棄を目的とする改憲攻勢を、猛烈な勢いで仕掛けてくる中、自民党の改憲案の発議に必要とされる、衆参両院における議席の3分の2以上の議席を自民党が確保した結果、防衛庁は防衛省に格上げされ、機密保護法案は国会の衆参両院で強硬採決され、防衛予算は大幅に増額されるなどなど、戦争国家として日本が軍事体制を、日々強化させてきたものの、そうした表面的な武装強化とは裏腹に、大方の国民は九条の廃棄に反対し、国会での憲法審議会での改憲論議は足踏み状態が続いてきたことで、大方の日本国民が九条廃棄を目的とした自民党の改憲案に反対していることが、歴史的に証明されてしまったのです。

さらに、決定的だったのは、改憲派の急先鋒であった故安倍首相が、2022年の7月8日、選挙演説中に、世界救世教に反対感情を募らせていた青年によって、射殺されたことで、自民党内の改憲勢力の中核が失われてしまったこと。そしてこのショッキングな事件によって、いわゆる安倍政治の実態が、民主主義とは全く裏腹の、安倍首相個人の利益、あるいは野望実現のための「忖度」政治であり、安倍政治の実態というものがいかに、自民党内の国会議員、さらにはその下の地方議会議員やその支援者たちの、私的利権追求者たちによって、支えられたものであったかが、白日の下にさらけ出されてしまいました。

そしてこうした現実を前にして、「歴史の意志」として明らかに見えてきたことは、日本人民が、憲法第九条が高らかに宣言した「非戦・平和主義」と民意優先の「立憲民主主義」を国是として、私たち日本人は力を合わせて、これから先未来永劫に渡って、憲法第九条の「 日本国民は、正義と秩序を基調とする国際平和を誠実に希求し、@国権の発動たる戦争と、武力による威嚇又は 武力の行使は、2国際紛争を解決する手段としては、永久にこれを放棄する。 A 前項の目的を達するため、陸海空軍その他の4戦力は、これを保持しない。 国の交戦権は、これを認めない。 」という宣言に則り、世界平和の実現のために力を尽くさなければならないという自覚を、日々深めつつあることなのです。

私たちは、20年に及ぶ「ハンスト」運動を続けることによって、世界の宝たる「九条」を守るために、ささやかではあるものの、戦い続けてきた日本人が何人かはいたことを、「歴史に対する証明行為」として続けてきました。

そして今、私たちの「歴史に対する証言行為」への答えとして、「歴史」は、ということは「日本国民」は、「九条を守れ!」という「教訓」を、私たちに残してくれた。そのことを、私たちは、何より嬉しく、誇りに思うものであります。

最後に、さてそれでは、「九条を守れ」という歴史の「意志」を実現するためには、現実期に何をすればいいのか? この点については、私たちの考えをまとめ、「ガンジーの会よりの緊急提案」として、近く「ガンジーの会」ホームページに掲載する予定ですので、是非お読みになってください。

以上を踏まえたうえで、私たちは、来る3月9日の正午から、24時間の「ハンスト・イン」に参加する所存です。私たちと同じように、人類社会が永遠に平和の裡に共存してくためには、「絶対に戦争という手段に頼ってはならない」という、「歴史の意志」を、心の深いところで受け止め、「歴史への証言者」として「ハンスト・イン」に参加したく思う方々の参加を、心よりお待ち申し上げております。

 2024年3月6日
「ガンジーの会」代表:末延芳晴
「ガンジーの会」代表:末延芳晴
第217回「9の日・9条・ハンスト・イン」実施のお知らせ(上)
日本と世界の未来のために九条を護りその基本精神を
世界に向けて実現していくべきだと考えるすべてのみなさまへ

新暦の節季によれば、立春を迎え、日中の日射しは少し明るくなり、夕方空が暗くなるのも幾分遅くなってきた感じがするものの、寒気は依然厳しく、春の兆しは一向に見えてこない、今日この頃、皆さまお変わりなくお過ごしのことと思います。

毎月9日恒例の「9の日・9条・ハンスト・イン」が近づいて参りましたので、お知らせいたします。

217回目を迎える今回の「ハンスト・イン」は、2月9日正午からスタートします。憲法第九条のかけがえのなさを日々胸にして過ごしておられる皆様方の参加を、心よりお待ち致しております。

さて、今から20年前の2,004年1月26日、自衛隊の艦船がイラクに派遣された日の正午を期して、「自衛隊のイラク派遣」に反対・抗議の意思を表明するための市民の、市民による、市民のための「草の根」の平和運動として、私たち「ガンジーの会」が立ち上げた24時間完全断食による「ハンスト・リレー」には、今年の1月26日正午をもって20周年を迎えました。

加えてまた、レギュラー・ベースの「ハンスト・リレー」より一年遅れて、2005年2月9日正午をもってスタートした、毎月9日を「9条の日」と定め、その日の正午からスタートする、24時間完全断食による「9の日・9条・ハンスト・イン」は、今月9日正午をもって19周年を迎えることになります。

思えば、長く、苦しい道のりでした。最初の5年間の「24時間ハンスト・リレー」は、一日たりとも「ハンスト・リレー」の「火」を消すわけにはいかないので、代表である私は、スタートした当初こそ毎週一回のペースで参加していましたが、回を追うにつれて参加回数は週2回、3回と増え、結局、自衛隊がイラクから撤収し、日本に帰国して来た日、すなわち2009年2月9日の正午、「ハンスト・リレー」の終結を宣言する日まで、ほぼ4年間、毎週3回、24時間完全断食を続けることになってしまいました。その結果、一時は75キロ近くあった体重は50キロスレスレにまで減り、久しぶりに会った友人からは、「どうしたのだ!?……癌の手術でも受けたのか?」 と、本気で心配されるほど、体力は衰え、心身ともに消耗し尽してしまいました。

苦しかったのは、私だけではありません。副代表として長野から参加され、「ガンジーの会」の公式機関誌「ガンジー村通信」の編集長として、同誌の編集を一手に引き受けて来られた藤森治子さんも、高等学校の英語教師を、定年退職するまで務め上げることで培った英語力を駆使して、ニューヨーク・タイムスとかイギリスのタイムス紙など、欧米の日刊新聞の記事を、インターネットを通して閲読、さらにはBBC放送などの海外のニュース報道番組を聴取し、朝日新聞とかNHKの海外特派員が報じてこない、貴重なニュースを直にキャッチ。そのうえで、そこから得た情報をベースに、ご自身の欧米の国々の近現代史や文明、文化(特に文学)についての豊富な知識を加味して、「平和と愛」という視点から、憲法第九条の「人類史的尊さ」を説かれたエッセイを毎号、「でんでんむしのつぶやき」と題した編集後記に連載し、ともすれば挫けがちな私たちの心を励まし続けてくれました。

さらにまた、途中からの参加ではあるものの、北九州市から毎週一回、「ハンスト・リレー」に参加し続けてこられた相良和彦さんは、80歳を超える高齢であるにもかかわらず、毎回、矍鑠たる筆力で、「参加報告」や「終了報告」を書きこまれ、私たちを励まし、鼓舞してくれました。
(続く)
「ガンジーの会」代表:末延芳晴
第217回「9の日・9条・ハンスト・イン」実施のお知らせ(中)
(承前)

このほか、お名前は一々挙げませんが、人類史において例を見ない、私たちの24時間完全断食による「ハンスト・リレー」は、日本全国各地で日常的生活を送る中で、日本の永久「不戦」と世界人類の平和的共存を祈念する人々の、憲法第九条こそは「日本のレガシー」として、守り抜こうという悲願と強い決意によって粘り強く続けられ、5年間の任務を完遂できたわけです。

こうして、「ガンジーの会」の「ハンスト・リレー」は、2009年1月26日、自衛隊のイラクからの撤退を見届けたうえで、終了宣言を行ったことで、一応終結することができました。本来であれば、そこで「ヤレヤレ」と一息入れて、私たちも平穏な日常生活も戻れるはずであったのですが、安倍晋三という狂気の独裁宰相の主導の下、自民党は、衆参両院における議席数での圧倒的優位性をフルに利用して、今こそ「改憲・九条廃棄」の千載一遇のチャンスとばかりに、改憲攻勢を仕掛けてき、私たち「護憲」派の市民の間にも、「もうだめかもしれない!」という悲観論や諦めの気持ちが広がるようになってきてしまったのです。

今、振り返ってみて、私たちは、その時、24時間断食による市民の抗議運動を続けられるかどうかで、むつかしい岐路に立たされていたわけです。そうしたなかで、5年間もの長きに渡って、たとえ毎週一回とはいえ、24時間の断食に参加し続けてきたことで、レギュラーのメンバーたちの心身上の疲労は極点に達し、退会を申し出る人が続出。毎週一回の「断食」参加をつなぐことで、「ハンスト・リレー」を継続していくことが、ほとんど不可能になってしまったのです。

そうなのです、憲法第九条の規定に違反する形で、5年間もイラクに違法に派遣され続けた自衛隊が日本に帰国し、違法状態が解消されたことで、「ハンスト・リレー」は、それ以上続けるべきかどうかという問題に突き当たり、それまでレギュラー・メンバーとして、毎週一回「24時間ハンストに参加して来られた多くの会員が、自衛隊のイラクからの撤退という初期の目的が達成された以上、これ以上「ハンスト・リレー」を続ける理由はないということで、「ガンジーの会」から脱会し、運動それ自体の存続が危ぶまれる事態に追い込まれてしまったのです。

だがしかし、そのとき会を消滅の危機から救ってくれたのは、5年間「ハンスト・リレー」に積極的に参加し続け、この運動の根本目的は、憲法第九条を日本の憲法としてだけでなく、世界普遍の憲法として守り、広げて行くことにあることを真に理解し、市民の手による平和運動として、「ハンスト・リレー」を根底から支え続けて呉れた、藤森さんや相良さんたちの、「九条を守るため、市民が掲げ続けて来た松明を今、消してはならない。なぜなら、自衛隊はイラクから引き揚げて来ても、安倍首相をリーダーとする、自民党内右派による改憲攻勢は、今後ますます強くなって来るに違いない。そうである以上、「ガンジーの会」が掲げ続けて来た、「護憲の灯」は消してならない。そのためには、参加者それぞれが可能な範囲で、週に一回とか、毎月一回という形で、参加できる人が自由に参加する方向で、運動を継続させようということで、「ガンジーの会」は第二期というべき「ハンスト・リレー」を、「9の日・9条・ハンスト・イン」として続けて行くことになり、以来、十四年間、最低でも毎月一回、9日の正午から「24時間ハンスト」に参加するという形で、「ガンジーの会」の、「9条」を守るための、平和運動は再スタートし、現在に至っているわけです。
「ガンジーの会」代表:末延芳晴
第217回「9の日・9条・ハンスト・イン」実施のお知らせ(下)
(承前)

ですが、毎月一回だけの「ハンスト・イン」とは言っても、続けて行くには、多大の忍耐力と精神力が必要とされ、さらにまた、憲法第九条の廃棄を、最も重要な政治的使命と考え、自衛隊を憲法に明記し、九条を実質的に亡き者にしてしまうことを、自身にとって最も重要な政治使命と公言してはばからない安倍首相が宰領する自民党内閣が二度も続き、それと前後する形で、衆参両院の総選挙で自民党が大勝し、憲法改正案の発議に必要な3分の2以上の議席を自民党が確保。その結果、防衛庁は防衛省に格上げされ、緊急事態法案が成立、防衛予算は年を追って大幅に増額されるなど、日本をアジアにおいて、最も強力な軍事大国に急成長させようという安倍首相の思惑通りに、事態が進捗していく現実を前にして、ある種の幻滅感が国民の間に広がり、何をやっても無駄だという諦めに近い感情が、国民レベルで広がって行きました。その結果、「ガンジーの会」の「ハンスト・イン」に参加する市民の数も、年を追って減少。現時点では,レギュラー・ベースで、毎月一回の「24時間ハンスト」への参加メンバーは、3〜4人という状態が続いているわけです。

こうした事態をみるにつけ、たったこれだけのメンバーで、市民の運動として「ハンスト・イン」を続けるのは無意味ではないかという意見があることは、よく分かっています。だがしかし、それでも私たちが、「ハンスト」を続けるのは何のためか・・・・・・。今年一月に入り、「ガンジーの会」の「断食」による平和運動が20周年を迎えて以来、私は、なぜ私たちは「断食」を20年間も続けて来たのか、そしてそのことが日本人に対して、ひいては世界人類に対して持つ意味、あるいは意義は何だったのかについて、考え続けてきました。

そして、最近、ようやく「天」からの啓示のようにして見えて来たことは、私たちが、20年間、「ハンスト・リレー」を続けてきた最大の理由は、たとえそれが一日だけの「断食」であるとはいえ、平和を守るための「抗議行動」として「ハンスト・リレー」や「ハンスト・イン」を続けることで、たった三人だけとはいえ、憲法第九条を守ることの大切さを世界人類に向けて訴え続けた日本人がいることを、「歴史」に対して「証言」しようとしてきたということなのです。

そうなのです、私たちは、日々の生活の中で、呼吸し、食べ、運動し、眠り、愛し合い、子供を産み、育て、働き、平和な家庭を築き、平和な社会共同体を築くために協力し合い、愛や喜び、感動を共有し合う一方、飢えや不幸や戦争の犠牲となり、悲しみ、怒り、涙を流し、時には絶望し、運命を呪う・・・・・・だがしかし、人間はそうした様々な相反し合う感情やよこしまな思念を乗り越えて、「平和」と「愛」によって、すべての人間が繋がりあえる世界人類共同体の実現を求めて、日々懸命に生きているのです。

そうなのです、私自身の「生」の営みを含めて、全ての人間は、「歴史」に対して、「愛」と「平和」な人類共同体の実現に向けて、「我、かく生きけり」ということを「証明」するために生きているということ。そして、私たちが、これまで、「ガンジーの会」のホームページや「ガンジー村通信」に書き込んできた、膨大な記録は、人類史的視野に立って見れば、「歴史に対する証言」として、かけがえのない意味と価値を有しているということ。そのことが、見えて来たことによる喜ばしく、誇らしい気持を、皆さまと共有しつつ、今月9日の正午から、217回目の「9の日・9条・ハンスト・イン」に参加する所存です。
思いを同じく方々の参加をお待ちしております。

2024年2月6日
「ガンジーの会」代表:末延芳晴
「ガンジーの会」代表:末延芳晴
第216回「9の日・9条・ハンスト・イン」実施の御案内(1)
日本と世界の未来のために九条を護りその基本精神を
世界に向けて実現していくきだと考えるすべての皆さまへ!

「皆さま、新年、明けましておめでとうございます!」と、書きたいところですが、正月元旦には、石川県能登半島を中心に最大震度7強の巨大地震が発生、石川県を中心に富山、京都、新潟、福井など、日本海沿岸部の諸府県の都市部や漁・農村部などで、家屋の倒壊や地割れや地崩れによる道路の損壊、津波による浸水、停電、断水などの被害が発生。死者数は石川県内で80人以上に達し、重傷者数は、京都、福井、石川など関連する7つの府県で併せて400名を越え、避難者数も、石川県だけで3万4千人に達するなど、被害の実態は日を追って拡大し、深刻化しております。

このような悲惨な現実を知るにつけ、私たちは、80余名の不運にも死亡された方々に対して、心から追悼の意を捧げるとともに、被災された皆様にお見舞いを申し上げる次第です。

それにしても、年明け早々、このような自然災害がもたらす悲惨な実態を新聞やテレビ、インターネットなどを通して知るにつけ、痛感させられたのは、私たち日本人は太古以来、地震や台風や津波などの自然災害がもたらす壊滅的脅威を宿命的に背負い、向かい合って生きてきたこと、そして現在も将来も、その現実と向かい合って生きて行くことを運命づけられているということ。だがそれにもかかわらず、そうした自然災害がもたらす暴力的脅威を乗り越えるための具体的方策を、いまだに十分に持てないまま、今回の大地震を迎えてしまった。そしてこれから先も、無防備なまま生きて行かざるを得ないということです。

重要なことは、そのような大自然災害が何年かに一度、必ず起こることが分かっているにも関わらず、悲惨な被災状況を伝えるテレビやインターネットの画面を通して知らされるように、停電や断水、食料やトイレ不足などなど、災害を乗り越えて生き抜いていくために、絶対不可欠な生活物資の準備・供給体制が、ほとんど構築されておらず、また道路や橋の破損、津波による家屋浸水、電線の断絶による停電などなどが原因で、生活機能がほとんど麻痺してしまい、地域住民はなすすべもない状態に放置されたまま、真冬の寒さに耐え忍んでいるしかない・・・・。こうした現実を見るにつけ、改めて痛感させられるのは、倍増が確実視されている防衛予算の半分、いや三分の一でもいいから自然災害予防予算に充て、日本全国の海岸や河川流域、さらには山岳部の防災体制の徹底的強化を図るべく、岸田首相は立ち上がって欲しいということです。。

そうなのです、今、現実的に私たちの命を脅かし、日常生活を破綻させようする脅威は、北朝鮮のミサイル実験や中国による台湾進攻といった軍事的脅威ではなく、年に何回か必ず襲ってくる地震による家屋の倒壊や道路や橋の損壊、津波や台風による河川の氾濫、地滑りなどの自然的災害なのです。にもかかわらず、一部の改憲派の国会議員や右翼的なジャーナリストや言論人は、北朝鮮や中国からの軍事的脅威を言い募り、その声を後ろ盾にして、岸田首相は、防衛予算の倍増を、国会の衆参両院において自民党が3分の2以上の議席を確保し、圧倒的に優越性を保持していることを背景に、十分な国会審議を重ねないまま、防衛予算倍増計画を、衆参両院において強引に成立させてしまいました。
ところが、現実に日本を襲い、数多くの国民の命を奪い、甚大な被害をもたらしたのは、中国、北朝鮮からの軍事的、かつ人工的脅威ではなく、毎年、間違いなく襲ってくる自然的災害であり、それに対して、日本は何らの防衛手段をも持ち得ていないことが、世界に晒されてしまったわけです。

(続く)
「ガンジーの会」代表:末延芳晴
第216回「9の日・9条・ハンスト・イン」実施の御案内(2)
(続き)

以上、前置きがかなり長くなってしまいましたが、毎月恒例の「9の日・9条・ハンスト・イン」が近づいてまいりました。216回目に当たる今回の「ハンスト・イン」は、1月9日正午からスタートします。

ちなみに、2024年最初の「ハンスト・イン」に参加するに当たって、私たちは、まず第一に、これから開けてくる新しい年に暗い陰を投げかけているウクライナ戦争とイスラエル軍によるガザ地区における反イスラエル勢力ハマスの殲滅作戦を、一日でも早く終結させるために、世界は何をなすべきか、さらには太平洋戦争終結以降、78年もの長きに渡り、戦争権を放棄することを宣言した「憲法第九条」を国是として掲げ、未だに一人も戦死者を出していない、世界で唯一の平和国家として生きる道を、曲がりなりにも貫いてきた日本の国民として、今、そしてこれから先、何をなすべきかついて以下にまとめた10項目の提言を胸に、「ハンスト・イン」に参加する所存です。

1.2022年2月22日、ロシア軍の戦車がウクライナ国境を越え、ウクライナ侵攻を始めたことで始まったウクライナ戦争は、一進一退を繰り返し、消耗戦が続いた結果、最近ではウクライナ軍に疲弊の色が出てきて、ロシア軍の優勢が伝えられています。しかし、ロシア軍がウクライナ軍を殲滅し、全面的に勝利を収める可能性は低く、現実的には今の消耗戦が繰り返され、終りの見えてこない消耗戦が半永久的に続いていくことは確実です。

2.このようにウクライナ、ロシア両軍が泥沼状態に陥り、二進も三進もいかない状況に陥ってしまっている状況を見るにつけ、それでも確実に一つ言えることは、ウクライナ軍がどれほどしぶとくロシア軍に抵抗しても、ウクライナ軍がロシア軍に勝って、ロシア領土内に攻め込み井、勝利を収める可能性はゼロだということです。なぜならウクライナとロシアとでは、ロシアの領土と国力が圧倒的にウクライナを上回っており、どれほどウクライナ軍が、アメリカを筆頭に、イギリス、フランス、ドイツなど西側の「NATO」加盟国から軍事支援を受け、ロシア軍に対して優勢に戦局を展開しようと、それは常にウクライナの領土の中でのことであり、ウクライナ軍がロシアとの国境を越えてロシア領内でロシア軍と戦い、勝利することはあり得ないからです。

3.普通、こうした戦争は、交戦国のどちらかが戦闘において勝利し、交戦国の領土を侵攻・支配することで終わるはずなのですが、ウクライナ軍がロシア軍に勝利して、ロシアの領土に侵攻し、支配権を確立ることはありえないし、逆に国力において圧倒的に勝るロシア軍が勝利しても、ウクライナを完全制圧することもあり得ません。
「ガンジーの会」代表:末延芳晴
第216回「9の日・9条・ハンスト・イン」実施の御案内(3)
(続続き)

4.そうである以上、ウクライナはどこかで、ロシアと停戦・休戦協定を結び、ロシアとの和平交渉に応じ、ロシア側の要求のいくつかを飲む代わりに、自国の独立と安全確保のために、いくつかの条件をロシア側に飲ませたうえで、終戦宣言を行い、和平を復活させる道以外には、ウクライナの生きる道はないと言っていいでしょう。

5.以上にのべたような形で、ウクライナ戦争を終結させるうえで、最も重要なことは、ウクライナが戦勝国ロシアの要求の内、プーチンがウクライナ侵攻に踏み切るうえで、最も重要な要因の一つとなった、ウクライナの「NATO」参加への意志を放棄し、ロシアとの間で、「非武装・中立」宣言を行うこと。そして、その代わりに、ロシアとの間の「永久不可侵条約」を締結することだろうと思われます。

6.ただ、以上のことを実現させるためには、ウクライナ―ロシア間の和平交渉の場に、アメリカやイギリス、フランスなど「NATO」加盟国の首脳も参加し、ウクライナとロシア間の「相互不可侵・永久和平宣言」の作成に向けて、お互いに知恵を出し合い、そうした協業作業を進めるなかで、「NATO」加盟国の側からウクライナのロシア侵攻を使嗾したり、後押しすることは絶対しにあり得ないことを、ウクライナ、ロシア、アメリカ、イギリス、フランスなどの関係諸国の首脳の署名による共同宣言の形で世界に向けて布告することが不可欠となります。

7.以上を踏まえたうえで、戦争権を放棄し、恒久平和主義を謳った憲法(具体的には第九条)を「国是として掲げる日本は何をなすべきか? さしあたって考えられるのは、上に記したように、ウクライナはいずれ、どこかでロシアと妥協して、停戦・終戦の協議に応じざるを得ない以上、岸田首相はウクライナのゼレンスキー大統領とロシアのプーチン大統領、さらにはアメリカのバイデン大統領を説得し、ウクライナとロシアが妥協できるような終戦案を極秘裏に作成し、両国間の和平交渉の場として、世界平和の原点であり、シンボルでもある広島を提供することを申し出る。

8.その際重要なことは、ロシアのプーチン大統領をして、ウクライナ侵攻を決意させるに至った要因の一つとして、ゼレンスキー大統領が、ロシアの侵略的姿勢に対抗するために、ウクライナの「NATO」参加の意向を明らかにしてきたことについて、もしウクライナが「NATO」に加盟すれば、ロシアは警戒心を一層強くし、ウクライナへの侵攻作戦を絶対にやめないものと考えられる。である以上、ウクライナは「NATO」への加盟を諦めることを表明する代わりに、ウクライナの非戦主義と永久中立宣言を謳った講和文書に、ウクライナとロシア、アメリカ、フランス、イギリスなどの首脳の共同署名の下に、世界に向けて宣言し、それをもってウクライナとロシア軍は武装解除し、戦争を終結させるべきだということです。

9.次に、イスラエル軍による、パレスチナのガザ地区で市民の中に潜入することで、イスラエルに対する抵抗作戦を展開するハマスへの過剰な無差別爆弾攻撃が、多くのパレスチナ市民とその家族に、悲惨な犠牲を強いている問題についてですが、ガザ地区でイスラエル軍が、一般市民をも巻き込む形で、残虐な無差別殺戮行為を続ければ続けるほど、イスラエル人は、第ニ次世界大戦において多くのユダヤ人を虐殺したドイツのヒットラーとナチスに匹敵する、人類に対する鬼畜にも勝る大犯罪者として、汚名を歴史に残すことになるのではないかと、私たちは、ユダヤの人々のために深く憂慮するものであります。

10.ではどうすれば、ハマスとイスラエル人の憎悪の連鎖を断ち切ることが出来るのか。残念ながら、今の、私たちには、正直に言ってその方策が見えて来ません。ただしかし、無辜の市民、特に老人や女性、子供を巻き込んだ銃撃、それだけは、今すぐやめて欲しく思う次第です。

以上を踏まえて、地球の上に一日でも早く、戦争のない日が来ることを祈って、私たちは、1月9日の正午から、24時間の断食に入る所存です。

2023年1月6日
「ガンジーの会」代表:末延芳晴
「ガンジーの会」代表:末延芳晴
第215回「9の日・9条・アンスト・イン」実施のお知らせ (上)
日本と世界の未来のために九条を護りその基本精神を
世界に向けて実現していくきだと考えるすべての皆さまへ!

11月の末、勤労感謝の日を過ぎる辺りから急に気温が下がり、晩秋の趣に浸る間もなく、11月の半ば過ぎには一気に冬に突入した感じに、身も心も縮み上がる今日この頃、皆さまお変わりなくお過ごしでしょうか?

毎月恒例の、ガンジーの会主催の「9の日・9条・ハンスト・イン」が近づいて参りました。215回目に当る今回は、12月9日(土)正午から、24時間断食がスタートします。

さて、岸田内閣に対する新聞・テレビの世論調査の結果が、支持率は軒並み20%台すれすれのデンジャラス・ゾーンへと急激に降下し、岸田首相は統治能力と政策立案、遂行力をほとんど失ったかに見えます。このような、衆参両院における政治情況に鑑み、私たちは、立憲民主党や共産党、社民党などの護憲野党に対して、いつ解散総選挙が行われても、即時に対応し、諸悪の根源である自民党の数の上での圧倒的優越性を打破し、三権分立の原則に基づく立憲民主主義国家日本の健全性を速やかに回復し、日本を再び健全な平和的、民主的、福祉的、文化国家に立ち直らせるための第一歩として、政権交代を実現させるために一致協力して、出来るだけ多くの国民、特に無党派層にアッピールし得る野党共闘体制を、可及的速やかに構築すべく、以下のマニュフェスト、あるいは戦術の策定に具体的取り組むことを強く求めるものであります。

1.緊急事態法案や防衛予算の倍増計画の国会における強行採決、森友・加計疑惑、政府の一存で強引に押し切られた防衛予算倍増計画、大阪万博を巡る政府と維新の会に対する様々疑惑などなど…… 2012年12月に第二次安倍政権が成立して以降、日本は完全に「負」のスパイラルに陥ってしまったように見えます。このような安部政治「負」の遺産を一掃すべく、立憲民主党を中心に護憲野党は、それぞれの党派の思想信条の違いを乗り越えて、実りある野党共闘体制の構築に向けて、話し合いを進め、自民党の独占支配体制を打破し得る方策の策定に向けて、全力を傾けるべきである。

2.ところで、このような体たらくに日本を落とし込んだ原因、あるいは要因として、まず最初に挙げなければンらないのは、第二次安倍内閣が成立して以降、安倍首相を頂点とする自民党の独裁体制が揺るぎがたく確立し、安倍首相に対する忖度政治が蔓延。その結果、安倍独裁体制が揺るぎがたく構築され、安倍首相に対する忖度政治がまかり通り、結果、立法府と行政府、そして司法府の完全独立によって保障・担保されるはずの民主主義の根幹が傾き、すべての立法行為が、行政府の長たる」安倍首相の意向で決まるという、戦後日本の憲政史上きわめていびつ、かつ異常な独裁政治がまかり通るようになってしまったわけです。

さてそれにしても、戦前の天皇を頂点とする軍事独裁体制が否定され、民主国家として再生して68年余、欧米先進国並みに定着したと思われた三権分立制度と民主主義国家としての根幹が、なぜこうも易々と、安倍晋三という独裁者の手によって、破壊されてしまったのでしょうか。

考えられる理由と原因としては、以下に列記するように、四つが挙げられると思います。

1.戦後日本の政治を独占的に統治してきた自民党の国会議員の三分の一以上が、政治的理念も政策作成能力も、行動力も倫理感も持ち合わせていない、言い換えれば「公」の意識と理念に欠けた二世議員で占められているという事実がいみじくも物語るように、自民党が自己利益追求集団に堕し、「公」の人としての倫理意識が欠落した政治集団へと堕落してしまった。

2.その結果、本来権力の横暴をチェックし、阻止する使命を負うはずの立法権力と司法権力までが、行政機関の長たる安倍首相が強引に推し進める強権的決定の追認機構の堕してしまったわけです。

3.さらにまた、行政府の主体たる自由民主党と、そのトップに君臨する総理大臣の横暴を監視し、警鐘を鳴らすべき使命を負うはずの新聞やテレビなどの報道機関までもが、行政府とその長たる総理大臣の意向に忖度し、批判すべきことを批判せず、見逃してしまっている現実が、今も続いていることも無視できません。

4. 以上、権力の横暴を監視し阻止するために存在するはずの、立法府と司法府さらに報道機関の萎縮と忖度が、日本の政治をここまで腐敗させ、堕落させ、それが原因で、戦後日本人が培ってきた立憲主義と平和主義は根底から突き崩されかねないところにまで腐敗してしまったわけですが、こうした事態を招き寄せた、もう一つの、そして最大の原因/要因として看過できないのは、第二次安倍政権が成立して以降、衆参両院における度重なる国政選挙において、国民が常に自民党に三分の二以上の議席を与え、半ば無条件で信任してしまったこと。そしてその結果、安倍首相と自民党が思い通りに国政を牛耳ることが、十年以上もの長きに渡って続くことを許してしまったわけです。

(続く)