「ガンジーの会」代表:末延芳晴
第205回「9の日・9条・ハンスト・イン」への参加の呼びかけ(2)
(承前)

さてそれでは、「出来ることなら平和主義で行きたいけれども、イザというときには戦争に頼るしかない」と考えている人々に、「国際紛争を戦争で解決できる時代は終わった」というメッセージを受け容れさせるためにはどうすればいいのでしょうか? 難しい問題ですが、今、私の頭の中には、二つ答えがあります。

一つは、戦争をするか、しないかの決断を迫られた時に、一国の指導者は、ロシアのプーチン大統領がそうであったように、大統領の一存で戦争の道を選ぶことを避け、戦争をした場合に自国が失うかもしれないものと、戦争をしない場合に失うかもしれないものの大きさを冷静に比較した結果を国民の前に示したうえで、どちらが現実的選択であるかを、国民投票で国民に選ばせる。

もう一つは、世界的な歴史学者や軍事評論家、ジャーナリストなどの知的専門家を、日本国内に招聘し、「戦争と平和検証委員会」といった名称の国際組織を結成し、20世紀と21世紀において起こった世界的な戦争において、戦争という手段を取ったことによって、交戦国双方が「失ったもの」と「得たもの」の大きさを比較・検証し、その結果を世界に向けて公にすることで、いかに戦争という手段を取ることが、その国だけにとどまらず、世界に対して大きな損害をもたらすかを客観的に示すべく、岸田総理大臣を筆頭に、自民党は言うに及ばす、立憲民主党や維新の会、共産党などの野党も含めて、超党派で総力を挙げて取り組む。

以上、二点を踏まえたうえで、ロシアや中国、北朝鮮からの軍事的脅威に対抗するために、日本の防衛予算を大幅に引き上げるために必要な予算は、一般国民に対する増税で賄うという、岸田首相と自民党の身勝手なもくろみに断固反対の意思を表明するとともに、ウクライナ戦争の一日も早い終結を祈って、私たちは、来る2月9日正午より、205回目の24時間「ハンスト・イン」に入る所存です。

  ■ 第205回「9の日・9条・ハンスト・イン」実施要項■

1.日時:2023年2月9日(木)正午から、24時間ハンスト。
     *水と白湯は可。

2.参加方法:参加希望者は、下記の本会ホームページの「参加申込」のサイトに、2月9日正午までに、名前(ハンドルネームも可)、年代、都道府県名、簡単なコメントなどを書き込んで下さい。
    
3.参加表明:このハンスト・インの運動は、インターネットで意志表明をすることによって、他の参加者や全国で志を同じくする人々と励まし合い、九条を護る運動の輪を広げていくことが目的です。従ってなるべく事前に参加表明を書き込んで下さると、参加する方々が連帯感をもってスタートできて嬉しく思います。

4.終了報告:24時間のハンストが終了しましたら、終了報告を書きこんで下さい。これを怠るとあなたが自衛隊の海外派兵や9条の改悪・廃棄に反対してハンストを行なったことが誰にも伝わりません。あなた自身の意志を明確に表明し、あなたが終了報告を書き込んで初めて、ハンストという行為が政治的抗議行動になることをお忘れなく。

5.実施方法:初めて参加される方は、ハンスト上の注意や方法などホームペ─ジの「実施要項」を必ずお読みの上、ご参加下さい。また、24時間のハンストができるかどうか自信がなくても心配はいりません。まずはじめてみましょう。出来る人が、出来るところまでやる。それであなたの意志は十分に参加する人たちに伝わります。

6.その他 :パソコンを使えない方の分は、まとめ役の方が、一括して参加者名をご報告下さいますようお願いします。

◎参加に当たって、分からないことなどありましたら下記「ガンジーの会」のホーム・ページの「実施要項」のサイトをご参照ください。

2023年2月6日
「ガンジーの会」代表:末延芳晴
「ガンジーの会」代表:末延芳晴
第204回「9の日・9条・ハンストイン」実施のお知らせ(1)
日本と世界の未来のために九条を護りその基本精神を
世界に向けて実現していくべきだと考えるすべてのみなさまへ

新年、明けましておめでとうございますと言いたいところですが、昨年2022年1月24日から、ロシア軍のウクライナ領土侵攻とともに始まったウクライナ戦争は、一向に終結の兆しが見えず、また3年前の2019年末から始まり世界を恐怖の海に巻き込んだコロナ感染禍も、昨日(1月4日)だけの国内感染者実数は245,997名で、その内死者は3,655人と、こちらの方も終息の目途はまったく立ちそうになく、2023年は、二重の暗雲に閉じ込められたままでのスタートとなってしまいました。

実は不思議なことに、私自身も、昨年の正月は病と共に始まり、大晦日も病と共に暮れる一年となってしまいました。昨年この時期、皆さまへの新年のご挨拶のなかで詳しく記したように、お節料理の残り物と頂いたウナギの押しずしをタラフク食べたところ、食べ合わせが悪かったせいか、夜寝ている間に胃腸の具合がおかしくなり、朝起きた所、下痢気味で、吐き気がするので、体温を計ったところ、39度近くあり、立っていてもめまいがして倒れそうになる。そこですぐにワイフの運転で近くの総合病院に入院し、精密検査を受けたところ、急性の胆嚢炎と糖尿病を併発しており、直ちに入院の必要ありとのこと。

医師の指示に従って、抗生薬とインシュリンを点滴で投与、糖尿病は直ぐに収まったものの、胆嚢炎の方は結局10日くらい入院して点滴をうけたことで、ようやく炎症症状が消えたため、一度退院して家庭で療養に務め、体調が復調するのを待って、3月の末に再入院し、約2センチ大の胆石を胆嚢ごとに切除。手術そのものは3時間程度でさほど手間はかからなかったのですが、身体にメスを入れて、内臓の一部を切り取ったことで、体力の消耗は著しく、結局、体力が元通りに回復するには半年以上もかかってしまい、夏が過ぎ、秋が来て、10月の末頃、ようやく元の調子に戻ってきた感じがして、ヤレヤレと一息入れ、来年春に刊行予定の単行本の仕事に本腰を入れて取り掛かろうとしたところ、今度は12月のクリスマス休暇の前に、再び体調を崩し、微熱が続き、咳が出て、喉が痛むので、もしかしたらと市販のオミクロン株の抗原検査キットを購入し、自分で鼻孔から検液を採取し、受け皿に入れてテストして見たところ、「陽性」反応が出てしまいました。

急遽、かかりつけの医師の診断を仰ぎ、その指示に従って、市販の口服薬を10種類位購入し、朝、昼、晩と三食ごとに服用する傍ら、自室のベッドで只ひたすら横になって、時間をやり過ごすこと、一週間余り、正月の三が日が明ける頃から、ようやく咳が抜け、体温も平熱に戻り、喉と鼻孔の痛みも消え、平常に戻ることが出来た次第で、一月九日の今年最初の「ハンスト・イン」にも無事に参加出来そうです。

さて、今年最初の「9の日・9条・ハンスト・イン」が近づいて参りました。204回目の当る今回の「ハンスト・イン」は、1月9日(火)正午からスタートします。

前回の203回目の「9の日・9条・ハンスト・イン」の実施に当たって、私たちは、ウクライナ戦争を一日でも早く終結させるために、日本政府は、今から117年まえ、時のアメリカ合衆国大統領のルーズベルトに呼び掛けて、アメリカ北東部の港町ポーツマスで、日露講和交渉会議を開くように要請。ルーズベルトは日本の意向を受けて、日ロ両国の全権大使がポーツマスに集結し、講和亜交渉を行うようにロシア側を説得、その結果、日露講和会議が実現し、戦争が終結した事実に鑑み、アメリカのバイデン大統領に呼び掛け、ポーツマスで、ロシア・ウクライナ講和会議の開催を呼びかけるべきであると提案しました。

こうした提案に対して、現実の世界では、ウクライナとロシアの兵士たちが、連日烈しい戦闘を繰返し、少なからぬ両軍の兵士が命を奪われ、傷を負い、民間人も巻き添えを食って犠牲となり、家や建物を破壊され……と国土が壊滅的に破壊されていく現実をまえにして、何をのん気なことを言っているのだと、思われた方も少なくないと思います。しかし、現実的な手段を弄して、戦闘行為を止めさせ、事態の打開を図る術(すべ)を持たない私たち日本人にとって出来ることは何なのかのか? そう考えて来て思い当ることは、かって100年以上も昔、圧倒的に優越するロシア軍に果敢に戦いを挑み、日本海海戦でバルチック艦隊を撃破し、旅順港攻防戦でロシア軍を撃破した日本が、そうであったように、アメリカのバイデン大統領に働きかけ、ロシアとウクライナ両国間の講和会議を呼びかけることくらいしか思いつかないというのが現状であることも確かなことです。

しかし、現実的には、岸田首相がそうした意味で奇想天外な外交交渉の場に乗り出す意志はほとんど持ち合わせておらず、現実的にやろうとしていることは、国会において衆参両院で自民+公明の連立与党が、3分の2以上の議席を確保していることで、岸田内閣に対する世論の支持は危険水域に迫っているにもかかわらず、当分の間選挙がない今なら、岸田政権は、何をやっても揺るぎないことをいいことにして、国会での審議もおろそかにしたまま、ロシアや中国、北朝鮮の軍事的侵攻の危機増大を理由に、このチャンスを活かして日本の国防力予算を大幅に増強し、あわよくば日本をアメリカやロシア、中国に次ぐ、世界第4位の軍事強大国に祭り上げようとしているのです。

しかし、こうしたロシアや中国、北朝鮮の軍事的圧力の増大を理由に、日本の軍事予算を大幅に増強させようという岸田首相や自民党内の防衛庁筋やタカ派系の国会議員の論理が、いかに現実を見ることなく、ある意味では、テレビ等のマスメディアと結託して作り上げられた人為的、かつ作為的な危機幻想意識に基づく恐怖心によるものであるかは、ウクライナ戦争の現実を見れば明らかなことです。

(続く)
「ガンジーの会」代表:末延芳晴
第204回「9の日・9条・ハンストイン」実施のお知らせ(2)
(承前)

さて、今年最初の「9の日・9条・ハンスト・イン」が近づいて参りました。204回目の当る今回の「ハンスト・イン」は、1月9日(火)正午からスタートします。

前回の203回目の「9の日・9条・ハンスト・イン」の実施に当たって、私たちは、ウクライナ戦争を一日でも早く終結させるために、日本政府は、今から117年まえ、時のアメリカ合衆国大統領のルーズベルトに呼び掛けて、アメリカ北東部の港町ポーツマスで、日露講和交渉会議を開くように要請。ルーズベルトは日本の意向を受けて、日ロ両国の全権大使がポーツマスに集結し、講和亜交渉を行うようにロシア側を説得、その結果、日露講和会議が実現し、戦争が終結した事実に鑑み、アメリカのバイデン大統領に呼び掛け、ポーツマスで、ロシア・ウクライナ講和会議の開催を呼びかけるべきであると提案しました。

こうした提案に対して、現実の世界では、ウクライナとロシアの兵士たちが、連日烈しい戦闘を繰返し、少なからぬ両軍の兵士が命を奪われ、傷を負い、民間人も巻き添えを食って犠牲となり、家や建物を破壊され……と国土が壊滅的に破壊されていく現実をまえにして、何をのん気なことを言っているのだと、思われた方も少なくないと思います。しかし、現実的な手段を弄して、戦闘行為を止めさせ、事態の打開を図る術(すべ)を持たない私たち日本人にとって出来ることは何なのかのか? そう考えて来て思い当ることは、かって100年以上も昔、圧倒的に優越するロシア軍に果敢に戦いを挑み、日本海海戦でバルチック艦隊を撃破し、旅順港攻防戦でロシア軍を撃破した日本が、そうであったように、アメリカのバイデン大統領に働きかけ、ロシアとウクライナ両国間の講和会議を呼びかけることくらいしか思いつかないというのが現状であることも確かなことです。

しかし、現実的には、岸田首相がそうした意味で奇想天外な外交交渉の場に乗り出す意志はほとんど持ち合わせておらず、現実的にやろうとしていることは、国会において衆参両院で自民+公明の連立与党が、3分の2以上の議席を確保していることで、岸田内閣に対する世論の支持は危険水域に迫っているにもかかわらず、当分の間選挙がない今なら、岸田政権は、何をやっても揺るぎないことをいいことにして、国会での審議もおろそかにしたまま、ロシアや中国、北朝鮮の軍事的侵攻の危機増大を理由に、このチャンスを活かして日本の国防力予算を大幅に増強し、あわよくば日本をアメリカやロシア、中国に次ぐ、世界第4位の軍事強大国に祭り上げようとしているのです。

しかし、こうしたロシアや中国、北朝鮮の軍事的圧力の増大を理由に、日本の軍事予算を大幅に増強させようという岸田首相や自民党内の防衛庁筋やタカ派系の国会議員の論理が、いかに現実を見ることなく、ある意味では、テレビ等のマスメディアと結託して作り上げられた人為的、かつ作為的な危機幻想意識に基づく恐怖心によるものであるかは、ウクライナ戦争の現実を見れば明らかなことです。

さてそれでは、ロシアや中国、北朝鮮の軍事的脅威の増大を理由に、日本の防衛力の増大を図らなければならないという理屈が、なぜ理不尽であるのか、その理由を以下に記しておきたく思います。

(続く)
「ガンジーの会」
第204回「9の日・9条・ハンストイン」実施のお知らせ(2)
(承前)

ロシアや中国、北朝鮮の軍事的脅威がどれほど増大化されようと、それが日本に対する軍事的侵攻の脅威に即つながらないと、私たちが考える理由は、今回のウクライナ戦争において、ロシアがどれほどウクライナに対して圧倒的に優越する軍事力を誇示しようとしても、現実的戦闘行為においては、ロシア軍はウクライナ軍に勝てないという事実が証明していると言っていい。つまり、今回のウクライナ戦争は、ロシアがどれほど圧倒する軍事力を誇示しようと、ロシア軍はウクライナ軍には勝てないことを、21世紀の歴史に対して、そして世界に対しても証明してしまったということなのです。

そう考えてくると、ロシアのプーチン大統領は、一年前に世界中の大多数の国々の反対を押し切って、ロシア軍をウクライナ領土に向けて、強引に侵攻させたことを、間違いなく悔いているはずなのです。ですから、今重要なことは、たとえばアメリカのバイデン大統領が一方的にプーチン大統領の「非」を攻め立てるのではなく、「アメリカも、20世紀の戦争において多くの間違いを犯した。特にベトナム戦争以降の東アジアや中近東諸国との対外戦争で、共産主義の浸透阻止を理由に、強引に武力に頼り、共産主義を撲滅させるべく、間違った戦争を強引に仕掛け、アメリカ兵士だけでなく現地軍の多大な兵士や住民の命を奪い、国土を破戒する過ちを犯してしまった。

然し今は、その過ちを認め、反省し、二度と20世紀に犯した過ちを犯さないように自制する「知恵」を、歴史から学んでいる。どの人間もどの民族や国家、そして国家のリーダーも間違いは侵す。しかし、間違いを間違いのまま放置し、無駄に兵士や現地住民が殺され、苦しめられる二重の間違いは、国家の指導者として絶対に犯してはならない。どうかそのことをよくよく考慮され、ウクライナとの間で、戦争行為を終結させ、平和的共存の在り方に向けて、虚心に話し合うべく、和平交渉の席に着くことを考えて欲しい。もし、貴大統領が、失敗は失敗として認め、ウクライナとの話し合いの場に応じる用意があると、世界に発信すれば、世界は、貴大統領の勇気と英断を称えることでしょう。

そして、アメリカ合衆国は、日露戦争の際に、アメリカ国内の港町ポーツマスを、日露講和会議の「場」として提供し、成功を収めた事実に則り、ポーツマスを再び和敬交渉の場に提供することにやぶさかでないことを、国際社会に対して宣言するものであります。

今回のウクライナ戦争が、唯一つ、人類の歴史に対して成し遂げたと言ってもいい、意味のあることは、ロシア軍がどれほど軍事的に優越的であろうと、大地の繋がった隣国との戦争にすら、勝つことが出来ないことを証明してしまった……ということなのです。

ましてや、モンゴルや満州、朝鮮半島、そして日本海を隔てた地理的環境条件を見れば明らかなとおり、地続きのウクライナにおいてすら苦戦を強いられているロシア、そしてウクライナ戦争におけるロシア軍の苦戦ぶりを見て、国境を越えて隣国に武力侵攻することが、いかに大きな代償を支払わなければならないかを、観察・分析しているはずの中国が、朝鮮半島や日本海、南シナ海を隔てた日本や台湾を武力侵攻するとすれば、それが、どれだけ多大の犠牲を支払わなければならないかを冷静に分析しているはずに違いないということなのです。

ウクライナ戦争が、人間の歴史に遺した最大の教訓があるとすれば、これ以上、いくら戦争を続けても、どちらかがどちらかに勝つということはあり得ない。それでも戦争状態を続ければ、ロシア軍もウクライナ軍も戦争犠牲者を出し続けて行くだけだということ。そうであればこそ、ロシアやウクライナも、アメリカも、中国も、イギリスもフランスも、そして日本もまた、これから先予想される永遠の「犠牲者の葬列を一日でも早く断ち切るために、今やロシアのような大国をもってしても、ウクライナのような地続きの小さな国を攻め滅ぼすことはできない・・・…という、歴史的教訓をしっかりと見据えて、これ以上犠牲者を出さない方向で戦争を、出来る限り早期に終わらせる方途を見つけ出す必要がある……私たちは、そう確信するものであります。

それは、ロシアとウクライナだけでなく、アメリカや中国、日本、イギリス、フランス・・・・・・そう、21世紀を生きる世界の全ての人間と、その人間によって構成される集団的共同体(=国家)のリーダーたちが、共同して負うべき責務でもあるのです。

一人でも多く、私たちと「願い」を同じくする方々の参加をお待ちしております。

2023年1月6日
「ガンジーの会」代表:末延芳晴
「ガンジーの会」代表:末延芳晴
第204回「9の日・9条・ハンスト・イン」実施のお知らせ
日本と世界の未来のために九条を護りその基本精神を
世界に向けて実現していくべきだと考えるすべてのみなさまへ

新年、明けましておめでとうございますと言いたいところですが、昨年2022年1月24日から、ロシア軍のウクライナ領土侵攻とともに始まったウクライナ戦争は、一向に終結の兆しが見えず、また3年前2019年末から始まり世界を恐怖の海に巻き込んだコロナ感染禍も、昨日(1月4日)だけの国内感染者実数は245,997名で、その内死者は3,655人と、こちらの方も終息の目途はまったく立ちそうになく、2023年は、二重の暗雲に閉じ込められたままでのスタートとなってしまいました。

実は不思議なことに、私自身も、昨年の正月は病と共に始まり、大晦日は病と共に暮れる一年となってしまいました。昨年この時期、皆さまへの新年のご挨拶のなかで詳しく記したように、お節料理の残り物と頂いたウナギの押しずしをタラフク食べたところ、食べ合わせが悪かったせいか、夜寝ている間に胃腸の具合がおかしくなり、朝起きた所、便秘気味で、吐き気がするので、体温を計ったところ、39度近くあり、立っていてもめまいがして倒れそうになる。そこですぐにワイフの運転で近くの総合病院に入院し、精密検査を受けたところ、急性の胆嚢炎と糖尿病を併発しており、直ちに入院の必要ありとのこと。

医師の指示に従って、抗生薬とインシュリンを点滴で投与、糖尿病は直ぐに収まったものの、胆嚢炎の方は結局10日くらい入院して点滴をうけたことで、ようやく炎症症状が消えたため、一度退院して家庭で療養に務め、体調が復調するのを待って、3月の末に再入院し、約2センチ大の胆石を胆嚢ごとに切除。手術そのものは3時間程度でさほど手間はかからなかったのですが、身体にメスを入れて、内臓の一部を切り取ったことで、体力の消耗は著しく、結局、体力が元通りに回復するには半年以上もかかってしまい、夏が過ぎ、秋が来て、10月の末頃、ようやく元の調子に戻ってきた感じがして、ヤレヤレと一息入れ、来年春に刊行予定の単行本の仕事に本腰を入れて取り掛かろうとしたところ、今度は12月のクリスマス休暇の前に、再び体調を崩し、微熱が続き、咳が出て、喉が痛むので、もしかしたらと市販のオミクロン株の抗原検査キットを購入し、自分で鼻孔から検液を採取し、受け皿に入れてテストして見たところ、「陽性」反応が出てしまいました。

急遽、かかりつけの医師の診断を仰ぎ、その指示に従って、市販の口服薬を10種類位購入し、朝、昼、晩と三食ごとに服用する傍ら、自室のベッドで只ひたすら横になって、時間をやり過ごすこと、一週間余り、正月の三が日が明ける頃から、ようやく咳が抜け、体温も平熱に戻り、喉と鼻孔の痛みも消え、平常に戻ることが出来た次第で、一月九日の今年最初の「ハンスト・イン」にも参加出来そうです。

さて、今年最初の「9の日・9条・ハンスト・イン」が近づいて参りました。204回目の当る今回の「ハンスト・イン」は、一月九日正午からスタートします。

前回の203回目の「9の日・9条・ハンスト・イン」の実施に当たって、私たちは、ウクライナ戦争を一日でも早く終結させるために、日本政府は、今から117年まえ、時のアメリカ合衆国大統領のルーズベルトに呼び掛けて、アメリカ北東部の港町ポーツマスで、日露講和交渉会議を開くように要請。ルーズベルトは日本の意向を受けて、日ロ両国の全権大使がポーツマスに集結し、講和亜交渉を行うようにロシア側を説得、その結果、日露講和会議が実現し、戦争が終結した事実に鑑み、アメリカのバイデン大統領に呼び掛け、ポーツマスで、ロシア・ウクライナ講和会議の開催を呼びかけるべきであると提案しました。

こうした提案に対して、現実の世界では、ウクライナとロシアの兵士たちが、連日烈しい戦闘を繰返し、少なからぬ両軍の兵士が命を奪われ、傷を負い、民間人も巻き添えを食って犠牲となり、家や建物を破壊され……と国土が壊滅的に破壊されていく現実をまえにして、何をのん気なことを言っているのだと、思われた方も少なくないと思います。しかし、現実的な手段を弄して、戦闘行為を止めさせ、事態の打開を図る術(すべ)を持たない私たち日本人にとって出来ることは何なのかのか? そう考えて来て思い当ることは、かって100年以上も昔、圧倒的に優越するロシア軍に果敢に戦いを挑み、日本海海戦でバルチック艦隊を撃破し、旅順港攻防戦でロシア軍を撃破した日本が、そうであったように、アメリカのバイデン大統領に働きかけ、ロシアとウクライナ両国間の講和会議を呼びかけることくらいしか思いつかないというのが現状であることも確かなことです。

しかし、現実的には、岸田首相がそうした意味で奇想天外な外交交渉の場に乗り出す意志はほとんど持ち合わせておらず、現実的にやろうとしていることは、国会において衆参両院で自民+公明の連立与党が、3分の2以上の議席を確保していることで、岸田内閣に対する世論の支持は危険水域に迫っているにもかかわらず、当分の間選挙がない今なら、岸田政権は、何をやっても揺るぎないことをいいことにして、国会での審議もおろそかにしたまま、ロシアや中国、北朝鮮の軍事的侵攻の危機増大を理由に、このチャンスを活かして日本の国防力予算を大幅に増強し、あわよくば日本をアメリカやロシア、中国に次ぐ、世界第4位の軍事強大国に祭り上げようとしているのです。

しかし、こうしたロシアや中国、北朝鮮の軍事的圧力の増大を理由に、日本の軍事予算を大幅に増強させようという岸田首相や自民党内の防衛庁筋やタカ派系の国会議員の論理が、いかに現実を見ることなく、ある意味では、テレビ等のマスメディアと協力して作り上げられた人為的、かつ作為的な危機幻想に基づく恐怖心によるものであるかは、ウクライナ戦争の現実を見れば明らかなことです。

(2)に続く
「ガンジーの会」代表:末延芳晴
第204回「9の日・9条・ハンスト・イン」実施のお知らせ(承前)
(承前)
さてそれでは、ロシアや中国、北朝鮮の軍事的脅威の増大を理由に、日本の防衛力の増大を図らなければならないという理屈が、なぜ理不尽であるのか、その理由を以下に記しておきたく思います。

ロシアや中国、北朝鮮の軍事的脅威がどれほど増大化されようと、それが日本に対する軍事的侵攻の脅威に即つながらないと、私たちが考える理由は、今回のウクライナ戦争において、ロシアがどれほどウクライナに対して圧倒的に優越する軍事力を誇示しよとしても、現実的戦闘行為においては、ロシア軍はウクライナ軍に勝てないという事実が証明していると言っていい。つまり、今回のウクライナ戦争は、ロシアがどれほど圧倒する軍事力を誇示しようと、ロシア軍はウクライナ軍には勝てないことを、21世紀の歴史に対して、そして世界に対しても証明してしまったということなのです。

そう考えてくると、ロシアのプーチン大統領は、一年前に世界中の大多数の国々の反対を押し切って、ロシア軍をウクライナ領土に向けて、強引に侵攻させたことを悔いているはずなのです。ですから、今重要なことは、たとえばアメリカのバイデン大統領が一方的にプーチン大統領の「非」を攻めたるのではなく、「アメリカも、20世紀の戦争において多くの間違いを犯した。特にベトナム戦争以降の東アジアや中近東諸国との対外戦争で、共産主義の浸透排除を理由に、強引に武力に頼り、共産主義を撲滅させるべく、間違った戦争を強行し、アメリカ兵士だけでなく現地軍の多大な兵士や住民の命を奪い、国土を破壊する過ちを犯してしまった過去の誤りを率直に認め、謝罪する勇気を理性を世界に向けて発信する。

つまり、アメリカは、今は過去の過ちを認め、反省し、二度と20世紀に犯した過ちを犯さないように自制する「知恵」を、歴史から学んでいる。どの人間もどの民族や国家、そして国家―のリーダーも間違いは犯す。しかし、間違いを間違いのまま放置し、無駄に兵士や現地住民が殺され、苦しめられる二重の間違いは、国家の指導者として絶対に犯してはならない。貴重大統領におかれては、どうかそのことをよくよく考慮され、ウクライナとの間で、戦争行為を終結させ、平和的共存の在り方に向けて、虚心に話し合うべく、和平交渉の席に着くことを考えて欲しい。もし、貴大統領が、失敗は失敗として認め、ウクライナとの話し合いの場に応じる用意があると、世界に向けて発信すれば、世界は、貴大統領の勇気と英断を称えることにやぶさかでないでしょう。
 
私たちは、バイデン大統領が(場合によっては岸田首相と並ぶ形でもいい)、以上のような文言で、プーチン大統領に、和平交渉の席に就くことを求め、交渉の場として、かって日本とロシアの間で、「講和条約」を成立させ「場」として、歴史に残るポーツマスを提供する用意があることを、ロシアやウクライナ、そして世界に向けて発信してくることを強く期待するものであります。

最後にもう一つ、今回のウクライナ戦争が、唯一つ、人類の歴史に対して成し遂げたと言ってもいい、意味のあることは、ロシア軍がどれほど軍事的に優越的であろうと、大地の繋がった隣国との戦争にすら、勝つことが出来ないことを証明してしまった……ということなのです。

ましてや、モンゴルや満州、朝鮮半島、そして日本海を隔てた地理的環境条件を見れば明らかなとおり、地続きのウクライナにおいてすら苦戦を強いられているロシア、そしてウクライナ戦争におけるロシア軍の苦戦ぶりを見て、国境を越えて隣国に武力侵攻することが、いかに大きな代償を支払わなければならないかを、観察・分析しているはずの中国が、朝鮮半島や日本海、南シナ海を隔てた日本や台湾を武力侵攻するとすれば、それが、どれだけ多大の犠牲を支払わなければならないかを冷静に分析しているはずに違いないということなのです。

ウクライナ戦争が、人間の歴史に遺した最大の教訓があるとすれば、これ以上、いくら戦争を続けても、どちらかがどちらかに勝つということはあり得ない。それでも戦争状態を続ければ、ロシア軍もウクライナ軍も戦争犠牲者を出し続けて行くだけだということ。

そうであればこそ、アメリカも、中国も、イギリスもフランスも、そして日本もまた、これから先予想される永遠の「犠牲者の葬列を一日でも早く断ち切るために、今やロシアのような大国をもってしても、ウクライナのような地続きの小さな国を攻め滅ぼすことはできない・・・…という、歴史的教訓をしっかりと見据えて、これ以上犠牲者を出さない方向で戦争を、出来る限り早期に終わらせる方途を見つけ出す必要があることは言うまでもありません。

それは、ロシアとウクライナだけでなく、アメリカや中国、日本、イギリス、フランス・・・・・・そう、21世紀を生きる世界の全ての人間と、その人間によって構成される集団的共同体(=国家)のリーダーたちが、共同して負うべき責務でもあるのです。

一人でも多く、私たちと「願い」を同じくする方々の参加をお待ちしております。
「ガンジーの会」代表:末延芳晴
第204回「9の日・9条・ハンスト・イン」実施のお知らせ(1)
(承前)

ロシアや中国、北朝鮮の軍事的脅威がどれほど増大化されようと、それが日本に対する軍事的侵攻の脅威に即つながらないと、私たちが考える理由は、今回のウクライナ戦争において、ロシアがどれほどウクライナに対して圧倒的に優越する軍事力を誇示しよとしても、現実的戦闘行為においては、ロシア軍はウクライナ軍に勝てないという事実が証明していると言っていい。つまり、今回のウクライナ戦争は、ロシアがどれほど圧倒する軍事力を誇示しようと、ロシア軍はウクライナ軍には勝てないことを、21世紀の歴史に対して、そして世界に対しても証明してしまったということなのです。

そう考えてくると、ロシアのプーチン大統領は、一年前に世界中の大多数の国々の反対を押し切って、ロシア軍をウクライナ領土に向けて、強引に侵攻させたことを悔いているはずなのです。ですから、今重要なことは、たとえばアメリカのバイデン大統領が一方的にプーチン大統領の「非」を攻めたるのではなく、「アメリカも、20世紀の戦争において多くの間違いを犯した。特にベトナム戦争以降の東アジアや中近東諸国との対外戦争で、共産主義の浸透排除を理由に、強引に武力に頼り、共産主義を撲滅させるべく、間違った戦争を強行し、アメリカ兵士だけでなく現地軍の多大な兵士や住民の命を奪い、国土を破壊する過ちを犯してしまった過去の誤りを率直に認め、謝罪する勇気を理性を世界に向けて発信する。

つまり、アメリカは、今は過去の過ちを認め、反省し、二度と20世紀に犯した過ちを犯さないように自制する「知恵」を、歴史から学んでいる。どの人間もどの民族や国家、そして国家―のリーダーも間違いは犯す。しかし、間違いを間違いのまま放置し、無駄に兵士や現地住民が殺され、苦しめられる二重の間違いは、国家の指導者として絶対に犯してはならない。貴重大統領におかれては、どうかそのことをよくよく考慮され、ウクライナとの間で、戦争行為を終結させ、平和的共存の在り方に向けて、虚心に話し合うべく、和平交渉の席に着くことを考えて欲しい。もし、貴大統領が、失敗は失敗として認め、ウクライナとの話し合いの場に応じる用意があると、世界に向けて発信すれば、世界は、貴大統領の勇気と英断を称えることにやぶさかでないでしょう。
 
私たちは、バイデン大統領が(場合によっては岸田首相と並ぶ形でもいい)、以上のような文言で、プーチン大統領に、和平交渉の席に就くことを求め、交渉の場として、かって日本とロシアの間で、「講和条約」を成立させ「場」として、歴史に残るポーツマスを提供する用意があることを、ロシアやウクライナ、そして世界に向けて発信してくることを強く期待するものであります。

最後にもう一つ、今回のウクライナ戦争が、唯一つ、人類の歴史に対して成し遂げたと言ってもいい、意味のあることは、ロシア軍がどれほど軍事的に優越的であろうと、大地の繋がった隣国との戦争にすら、勝つことが出来ないことを証明してしまった……ということなのです。

ましてや、モンゴルや満州、朝鮮半島、そして日本海を隔てた地理的環境条件を見れば明らかなとおり、地続きのウクライナにおいてすら苦戦を強いられているロシア、そしてウクライナ戦争におけるロシア軍の苦戦ぶりを見て、国境を越えて隣国に武力侵攻することが、いかに大きな代償を支払わなければならないかを、観察・分析しているはずの中国が、朝鮮半島や日本海、南シナ海を隔てた日本や台湾を武力侵攻するとすれば、それが、どれだけ多大の犠牲を支払わなければならないかを冷静に分析しているはずに違いないということなのです。

ウクライナ戦争が、人間の歴史に遺した最大の教訓があるとすれば、これ以上、いくら戦争を続けても、どちらかがどちらかに勝つということはあり得ない。それでも戦争状態を続ければ、ロシア軍もウクライナ軍も戦争犠牲者を出し続けて行くだけだということ。

そうであればこそ、アメリカも、中国も、イギリスもフランスも、そして日本もまた、これから先予想される永遠の「犠牲者の葬列を一日でも早く断ち切るために、今やロシアのような大国をもってしても、ウクライナのような地続きの小さな国を攻め滅ぼすことはできない・・・…という、歴史的教訓をしっかりと見据えて、これ以上犠牲者を出さない方向で戦争を、出来る限り早期に終わらせる方途を見つけ出す必要があることは言うまでもありません。

それは、ロシアとウクライナだけでなく、アメリカや中国、日本、イギリス、フランス・・・・・・そう、21世紀を生きる世界の全ての人間と、その人間によって構成される集団的共同体(=国家)のリーダーたちが、共同して負うべき責務でもあるのです。

一人でも多く、私たちと「願い」を同じくする方々の参加をお待ちしております。
MASAKO TAKATA
12月の「9の日ハンスト」終了しました。
 12月の「9の日ハンスト」終了しました。私達の街では、「原発事故を忘れない」と毎月、11日行動をしているのですが…今月は、10日に、緊急行動をしました。「敵基地攻撃能力(12/16、閣議決定?)を持つ」と言う岸田政権に抗議するためです。午前11時から、1時間ほど、駅頭で配りましたが…私からの受け取りはいつもどおり、わるかったのです。ほかの人で、「少し受け取り、よかった。」と言う人もいましたが。何か、寒々とした、年の瀬ですが…私達のグループは、みな結構、高齢者で、そのことが、これからの、課題になりそうです。 「継続は力」を信じて、来年もよろしく!
「ガンジーの会」代表:末延芳晴
第203回「9の日・9条・ハンスト・イン」実施のお知らせ(1)
日本と世界の未来のために九条を護りその基本精神を
世界に向けて実現していくべきだと考えるすべてのみなさまへ

今年もあと残す所、一か月足らずとなり、何かと心慌ただしい師走を迎えておりますが、皆さまお変わりなくお過ごしのことと思います。

毎月恒例の「9の日・9条・ハンスト・イン」が近づいて参りました。203回目に当る今月の「ハンスト・イン」は、12月9日正午からスタートします。振るって皆様のご参加をお待ち致しております。

さて、今年最後の「ハンスト・イン」に参加するに当たって、私たちは、岸田首相とその内閣、及び自民+公明の連立与党や立憲民主党を中核とする維新の会と共産党などの野党連合、さらに一般国民や報道メディアに対して、戦後77年間の長きにわたって、憲法第9条に象徴される平和主義に基づく民主主義国家として生まれ変わり、世界史に類を見ない急速な経済発展と社会的安定を成し遂げて来た日本が、今まさに成し遂げなければならない最大、かつ喫緊の課題、あるいは責務として、以下の五つの項目の実現・達成に向けて、誠実に努力・履行することを求めて、203回目の「ハンスト・イン」に参加する所存です。

1.一向に出口が見えてこないウクライナ戦争を一日でも早く終結させるために、ロシアとウクライナによる講和交渉会議を一日でも早く実現させなければならないことを、岸田内閣と自民+公明党の連立与党、さらには立憲民主党を中核とする野党連合と良心的報道メディア、そしてウクライナ戦争の帰結は、日本の安全保障と密接にかかわりがあると考える、全ての日本国民の総力を挙げて、世界に訴えていく。

ここで、ウクライナ戦争は日本の安全保障問題に直接的には関りがなくても、戦争の実態を微に入り細に入り連日報道し、解説者やコメンテーターとして防衛省関係や大学の研究室、民間企業の調査室などの防衛・安全保障問題専門家が、ロシア軍のウクライナ侵攻を具体的例として挙げて、中国や北朝鮮の軍事的脅威の増大を理由に、日本の軍事力を増強させる必要があると、事あるごとに煽り立てることで、国民意識が防衛予算の増大や憲法第九条の廃棄やむなしという方向に大きく変化してきているという意味において、ウクライナ戦争は日本の安全保障問題と直接かかわりがあることになるわけです。

(続く)
「ガンジーの会」代表:末延芳晴
第203回「9の日・9条・ハンスト・イン」実施のお知らせ(2)
(承前)

2.さてそれでは、ロシアとウクライナ間の戦争終結に向けた講和交渉会談を実現させるために、日本は何をしなければならないのでしょうか。私たちは、かなり突飛で、夢のような話と思われるかもしれあせんが、そのための具体的方策として、岸田首相が、「ウクライナ―ロシア戦争講和交渉会議実現を求めて」という名分を掲げて訪米し、バイデン大統領と直接話し合いを行い、今から120年近い昔、日露戦争を終結させるに当たって、アメリカのルーズベルト大統領が率先してロシアと日本の説得に当り、アメリカ北東部のポーツマスで日露講和交渉会議が開かれ、日ロ双方の特命全権大使が直に話し合った結果、戦争が終結したという歴史的事実に鑑み、ポーツマスでロシアとウクライナ間の講和交渉会議を開くべく積極的に動くべきであることをバイデン大統領に説き、同大統領自らがロシアのプーチン大統領とウクライナのゼレンスキー 大統領に、ポーツマスで開かれる講和交渉会議に参加するように直談判で要請するというものです。つまり、今はウクライナ側について武器を始め様々な援助物資をウクライナに提供しているアメリカが、プーチン大統領の顔を立てる形でロシアと縁の深いポーツマスで講和会議を開いたらどうかと説得する。

一方、ウクライナのゼレンスキー大統領に対しては、バイデン大統領が、「アメリカとしてはこれまで出来る限りの武器や物資を提供してきたが、そろそろ限界に来ている。これ以上援助が続けられないことが分かっている以上、この辺でロシアとの話し合いに応じ、内容によっては和平交渉の結果を受け入れてもいいのではないか」と言いさとして、ポーツマスで開かれる予定の講和会議の場に引き出そうとすれば、ゼレンスキーも乗ってくる可能性があるのではないでしょうか。

ところで、今、日本が音頭を取ってアメリカに働きかけることがなぜ有効かと言えば、上述のように、今から117年前の1905年5月、東郷大将率いる日本海軍の連合艦隊が、ロシアのバルチック艦隊を撃破したことと乃木将軍率いる第三軍が旅順攻防戦に勝利し、戦局が大きく日本に有利に傾いたチャンスを生かし、早期に停戦交渉に持ち込み、講和交渉会議を開いて、日本にとって有利な形で決着を付けたい旨、日本がアンリカのルーズベルト大統領に伝え、同大統領が日本側の意向を受けて、ロシア側に打診した結果、アメリカ北東部のポーツマスで、講和交渉会議が開かれ、戦争が終結したという歴史的事実があるからです。つまり、バイデン大統領がプーチン大統領との会談で、「日露戦争の際のポーツマス講和交渉会議の例に倣い、アメリカのポーツマスでウクライナ側と和平交渉の話し合いをしたらどうか」と誘いかけたら、プーチン大統領が乗ってくる可能性はないとは言えないのではないか。

さらにまた、バイデン大統領の斡旋で、もし講和交渉が実現し、成功裡に終われば、それは、次の大統領選挙に出馬を予定している同大統領の株が大いに上がり、大統領選に勝利する可能性が高まる。さらに加えて同大統領の名は、21世紀の世界史に大きく残ることになります。そうした意味でも、バイデン大統領がこの話に乗ってくる可能性は、かなり高いのではないかと思われます。

ウクライナ戦争の戦況が膠着状態に陥っていると思われる現下の状況において、アメリカの大統領の意向で、ロシアとウクライナの講和会議が、日本の総理大臣の発案とアメリカのバイデン大統領の斡旋で、ポーツマスで行われるかも知れないという話が。情報として世界に発信されるだけでも、現状打開に向けて大きな意味を持つと言っていいのではないでしょうか。

ただしかし、私たちの提案を、岸田首相が受け入れ、「よし、俺がやってみよう!」という気になるかどうかが問題ですが、今、二進も三進も行かなくなっている岸田首相が、そういう気になることはまず考えられません。それではどうすればいいのか。考えられる一つの手は、私たち「ガンジーの会」の名でもいいし、別の市民団体、あるいは有志の個人で構いませんが。上述したような内容で、ポーツマスでロシアとウクライナによる講和会議開催に向けて立ち上がることを求める書信をバイデン大統領宛に送り、同時にニューヨーク・タイムズ紙の読者投稿欄にも投書するという方法です。

(続く)